リハビリ成果を視覚化!利用者のモチベが劇的に向上し身体機能も改善

合同会社 はなまる

山本さん(理学療法士)

課題
  • リハビリがマンネリ化していた
  • 機能訓練の適切な評価の仕方がわからなかった
  • 機能訓練の成果が見えず、利用者のやる気が出なかった
結果
  • 機能訓練で、指導員がより具体的に評価・褒められるようになった
  • 機能訓練によって、身体機能を向上させた利用者が続出している
  • 利用者が良い評価を得るために、機能訓練を喜んでやるようになった
  • 社名・事業所名:合同会社 はなまる はなまるデイサービス
  • 所在地:山口県大島郡周防大島町
  • 定員数:18名
  • 専門職:理学療法士、看護師在籍

山口県周防大島町にある「はなまるデイサービス」は、定員18名の地域密着型の通所介護事業所です。理学療法士の山本さんが「地元に貢献したい」という思いで2010年に開業されました。「転倒防止」に重点を置いた自立支援に特徴がある施設です。職員7名と、機能訓練指導員である看護職員1名を含めた看護師2名が在籍されています。

人口1.3万人、高齢化率54%を超える周防大島では、島に住む多くの方々がみかん農業に取り組まれています。みかんを育てるために畑に足を運ぶ方が多く、高齢化率が高くはありますが、高齢であっても元気な方も多いそうです。

一方、「はなまるデイサービス」では、リハビリの評価が具体的でないことなどから、そんなに頑張らなくてもいいという方もいらっしゃいました。そこで「リハビリの評価方法とマンネリ化を改善したい」と思った山本さんは、Rehab Cloud リハプランの導入を決意しました。導入すると、評価が数字で目に見えることから、利用者全体のやる気がアップ。多くの利用者が身体機能を改善させたとのことです。今回は、導入までの経緯や、導入後の変化などについて山本さんに伺いました。

転倒防止を重視したリハビリが特徴もマンネリ化に課題

転倒すると認知症や寝たきりになってしまうため、転倒防止対策が自立支援においても重要です。そのため、リハビリのメニューは転倒しないようにすることに重きを置いて作ったものになっています。具体的には、ハムストリングスのストレッチや自転車、ハードル、大腿の内転筋を鍛えるリハビリなどがメニューに盛り込まれています。

評価が曖昧なため利用者様は自分がどのくらいのレベルになっているかわからないために、リハビリのやる気が出ず、マンネリ化してしまっていました。施設としても、当時を振り返るとリハビリにおいて、そこまで評価が大事だとは思っていなかったです。

マンネリ化を改善するためにリハプランを導入

ある日、たまたまインターネットでリハプランのホームページと出会い、簡単に個別機能訓練の計画書が作れる点に魅力を感じました。そこで施設内におけるリハビリのマンネリ化を改善するためにリハプランを導入することを決意し、個別機能訓練加算の算定を復活させることにしました。

リハプラン導入後の現在は、個別機能訓練加算(Ⅰ)(Ⅱ)、運動器機能向上加算、科学的介護推進体制加算、ADL維持等加算を算定しています。

評価をすることが自立支援につながる

リハプランで身体機能を評価するようになると、改善しようと思って利用者様も頑張り、評価が徐々に良くなっていったのです。その結果として、安定した歩行を獲得する事ができました。立ち座りや片足立ちなど、それぞれの機能訓練の評価を良くしていくことを考えていれば、それが自立支援につながることを実感しました。

機能訓練の結果が悪かった場合にはそれがなぜできなかったのか、どうしたらできるようになるのかを、スタッフ間で話し合い、再度リハビリプログラムを変更しています。そうしたこともあり、これまで以上にスタッフと利用者様とのコミュニケーションも活発になっていきました。

業務負荷を増やさず個別機能訓練に取り組む

機能訓練は、1グループ15分、訓練する部屋を2つ用意して、その部屋で代わるがわるやることにしています。

リハプランを導入してから、午前の時間は、今まで通りのプログラムをこなしそれまでレクをする時間だった午後の予定の一部を、個別機能訓練を行う時間に充てました。そうすることで、普段レクをしていた時間・業務を個別機能訓練に充てることができたため、仕事量が増えた感じもなかったです。

このようにして、業務負荷を増やさずに、機能訓練の時間を増やすことができました。

コピー機能や文書の提案機能で計画書作成もスムーズ

リハプランにはコピー機能があるので、何回も同じことを入力しなくても文書が作れるようになっています。自動で文書を作成する機能があるので、「ポンっ」と押すだけで、いちいち考えないで書類を作れるので、部分修正だけで済み、便利です。もともと、計画書作成が難しい点が個別機能訓練加算を算定するネックでしたが、リハプランを使えば問題ありません。

2022年11月に導入したばかりなのでまだすべてのスタッフが使いこなせるわけではありませんが、マニュアルやサポートなどがあるので、無理なく文書作成できます。

利用者もやる気に。全体的な介助量も減っている

身体機能の改善具合がグラフでわかるアウトカムレポートを利用者様に渡すと、モチベーションが上がり、私たちが思ったより張り切って評価や機能訓練に取り組んで頂いているので、指導員である看護師も嬉しいようです。以前はやる気がなかった利用者様も、積極的になってきています。

その結果として、利用者様への介助量が全体的に減ってきています。利用者様の気持ちの部分でも、自信が持てるようになり、「自分でやろう」となってきたからかもしれません。「この前できたから、今度もやろう」と思ってくれるようになってきました。

「頑張った賞」と体力測定で利用者を後押し

2023年1月から1ヵ月に1回ごとに、身体機能が改善した利用者様を「頑張った賞」で表彰するイベントを新しく作りました。表彰されると、利用者様は喜ばれ、次へのモチベーションにもつながっています。

利用者様の些細な変化に気づけるように、体力測定は毎月するようにしました。普段はちょこちょこ歩く人でも、体力測定の時は大股ですごく早く歩いています。張り切ってやる人が多いです。

「要介護4」車椅子の利用者が立てるように。身体機能改善続々と

要介護4の車椅子の利用者様は、機能訓練を始めて、立ち上がりがスムーズになり、立っていられる時間が伸び、立ち姿勢が安定し、平行棒を持ちながら歩けるようにもなりました。平行棒で歩けるようになるだけでも、介助がすごく楽になります。

以前は全部介助されていた要介護2で右片麻痺の利用者様も「自分でやるから手を出すな」「自分が立ち上がるから」といってご自身で動くことに積極的になってきました。最近ではデイサービスの送迎で車から降りるときにも、立ち上がる際に「触らなくて良い」と言ってくれます。
これまでは、歩くときに「パタパタ」と音がしていましたが、最近は体重の掛け方が上手になって、音もしなくなりました。慢性の患者さんの場合、そこまでの変化はみられないことがほとんどですが、機能訓練を始めてたった2〜3ヵ月でここまでの変化があったことには、本当に驚いています。

要介護1の利用者様は、今までは車から降りて玄関にたどり着くまでにすごく時間がかかっていたのですが、この女性も、機能訓練を始めてからすごく足の運びが良くなりました。立ち上がりが自分でできるようになったことがよほど嬉しかったのか、機能訓練を頑張り始めた結果だと思います。
リハプランが自動提案した運動プログラムに基づいて機能訓練を始めてから、自分にまだ握力が残っていることを知って、本当に嬉しそうにしていました。握力がゼロだと思っていたため、少しでもあると知ったのが、よほど嬉しかったようです。

死ぬ間際まで転倒せず歩いて生きられるように

今後も、個別機能訓練加算とLIFE関連加算のフィードバックを活かして、介護の質を向上させていきたいです。

施設で介助していたある男性には「自宅で今の暮らしを続けたい」という願いがありました。自宅でも、自力でトイレに行ける生活を続けたい、という意味です。その男性のように、最後まで転倒せず自分の人生を全うしたい、元気で長生きしたいという利用者様を、今後も全力で手助けしていきます。利用者様が現状できていることが、できなくならないようにするのが、私たちの役目です。

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