データで改善結果を示せる!ケアマネから利用者紹介が増えた
株式会社ふくふく
荒巻明美さん(代表)
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- 個別機能訓練加算の計画書・モニタリング報告書に抜け漏れがあった
- 書類作成のための残業時間が恒常的に発生していた
- 多忙なケアマネへの利用者状況の適切な報告が悩みだった
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- 進行状況が一目瞭然なので抜け漏れがなくなった
- 残業時間ゼロ、現場と向き合える時間が増えた
- アウトカムレポートによって安心して利用者情報を共有可能
- 社名・事業所名:株式会社ふくふく デイサービスちゃお
- 所在地:千葉県千葉市
- 定員数:10名
- 専門職:あんまマッサージ指圧師、看護師在籍
千葉県千葉市にある「デイサービスちゃお」は、定員数10名、半日型の2回転で運営している通所介護事業所です。代表を務める荒巻明美さんは、過去にご両親を介護した経験から「誰もがいつかは介護をしたり、されたりする日がくる」と思い至り、介護職として従事したいと考えるようになったそうです。その後はヘルパー2級を取得して、さまざまな介護施設で修行をしたのち、2008年に介護事業所を開設されました。
同事業所では、2019年6月にRehab Cloud リハプランを導入していただきました。個別機能訓練計画書やモニタリング報告書の作成にかかる時間を削減して、現在では経営者として施設全体のことを考えたり、現場のスタッフや利用者に向き合ったりする時間を確保できているそうです。
今回は、荒巻さんにサービスを導入していただいたきっかけやその後の効果について、お話を伺いました。
機能訓練計画書の作成が困難、モニタリング報告書に抜け漏れ
リハプランを導入する以前は別の介護ソフトを利用していました。しかし、個別機能訓練計画書(以下「計画書」)を作成するのが大変で、事務作業が遅れがちになるという状態が続いていました。また、モニタリング報告書(以下「報告書」)は外注先に作成を依頼していましたが、エクセルでは体裁が崩れてしまい、結局はこちらで修正をしなければいけなかったです。
このような書類作成に費やす時間はあまりにも多く、週末にまとめて作業をするという状況でした。利用者様が増えるにつれて作成に抜け漏れも発生したことから「このままでは良くない」と感じたため、いくつかサービスを比較検討したうえでリハプランを導入することに決めました。
書類作成のための残業が減り、質の高い計画書作成が実現
リハプランを導入してからは、計画書の作成時間を6分の1に、報告書の作成時間を3分の1にまで短縮することができました。
また、リハプランでは利用者様の状況に合わせた計画書を作成することができています。一般的に長期短期の目標設定は、リハビリ専門のスタッフがいる場合でもなかなか難しいものです。実際に、私たちも利用者様の状況に合わせた個別最適な目標設定ができていないことに頭を悩ませていた時期がありました。他の事業所や行政に相談をしたこともありますが、なかなか腑に落ちる回答をいただくことはできませんでした。しかしリハプランでは、利用者様ごとの状況に合わせた計画書を自動で提案していただけるため、質の高い計画書を素早く作成することができています。
以前までは計画書や報告書の入力・印刷のために遅くまで仕事をしていましたが、今では書類業務のために残業をすることはなくなりました。空いた時間をスタッフとの会議時間にあてたり、経営者としての勉強時間に費やしたりなど、事業所の未来を考えるための時間づくりができるようになったと感じています。
現場の要望を理解した機能アップデートが迅速
リハプランには、私たち現場の要望を素早く理解して、機能として迅速に反映していただいています。とくに報告書のアップデートは素晴らしいものでした。
たとえばグラフの印字が変更されたことでシンプルで見やすいものになったり、維持・改善項目を表すニコちゃんマークが追加されたことで状況を一目で確認しやすくなったりなど。スタッフやケアマネジャーが確認しやすくなったのはもちろんですが、それ以上に利用者様やご家族でも確認がしやすい視覚的なレポートに改善されています。
リハプランのおかげでコロナ禍で特例加算が取れた
また、コロナ渦のときには利用者様が自宅でもできるようなイラスト付きの運動マニュアルをリハプランから印刷して届けていました。それが後々、国の特例で加算取得ができるようになり、私たち事業所としては非常に助かった記憶があります。
一時期は運営が厳しいときもありましたが、今では稼働率が2割程も上がりました。コロナ渦では利用者2名に対してスタッフ4名を配置するという状況が続いていましたが、その当時に比べたら利用者数は倍以上にまで増えています。
リハビリ特化型でなくともデータが出せる強みができる
アウトカム評価をグラフで可視化できるようになったことで、利用者様の課題を特定しやすくなりました。特定した課題をもとにPDCAサイクルを回すことで、科学的介護の推進にもつなげられています。
また、結果が「年齢と比べて同程度」「大幅に良好です」というポジティブなものであれば、利用者様のモチベーションをさらに向上させることができます。一方で、仮にマイナスな結果が出た場合でも、実際のデータをもとに「ここを頑張れば改善できそうですね」と伝えれば、ポジティブに捉えていただけるのでまったく問題はありません。
私たちはとくにリハビリに特化した施設ではありません。しかし、何でも相談ができるアットホームな施設である一方で、しっかりとデータに基づいた提案ができるというのは施設として大きな強みであると考えています。
アウトカムレポートが91歳の利用者の生きがいに
なかにはアウトカムレポートを確認することに楽しみを感じられている方もいます。
たとえば私たちの施設では、ご家族の方が不在で1人暮らしをしていらっしゃる要介護1の91歳の利用者様がいます。筋肉量が低下して歩行に影響が出始めそうだったため「もう少しタンパク質のあるものを摂取しましょう」と具合的に伝えたところ、そこでやる気が出るんですよ。
体重は年々落ちてはいるのですが、現在に至るまでずっと歩行状況を維持することができています。
この方のように、アウトカムレポートのデータを確認することに生きがいを感じていらっしゃる方もいるため、私たちとしては介護予防の理想的な在り方を実現できていると感じています。
多忙なケアマネへの報告も改善。紹介される利用者が増加
アウトカムレポートの結果はケアマネジャーからも好評です。最近では新規でご紹介いただく方も増えており、実際にデータを見せて報告をすると喜ばれることもありますね。ケアマネジャーとしてもデータをもとに判断ができるため、安心して紹介できるのだと思います。
今までは多忙なケアマネジャーとのコミュニケーションや、適切に報告できているかどうかが常に悩みの種でしたが、このようにデータとして改善結果を報告できるというのは、報告する側としても非常に励みになっています。
現場の時間が増え、スタッフの動き方も変化
書類業務から開放された結果、現場の業務に使える時間を増やすことができました。今まで言葉ではなかなか伝えられなかった利用者様との接し方についても、実際にスタッフとコミュニケーションを取りながら教えることで、サービスの質を高めることができました。
マニュアルを作成するのでも良いのですが、介護現場はマニュアル通りでは対処できないことも多々あります。利用者様への対応方法は十人十色です。それぞれに適した対応をすることで、利用者様からの満足度を高めることができています。
最後まで在宅で暮らせる生活を後押し
私たちの役割はあくまで利用者様の自立支援です。最後まで在宅で暮らしていただくことを最大の目標にしているため、良い意味で“サポートをしすぎない”ことを心がけています。
また、今年の秋までには満床の利用状況を目指していきたいです。以前までは事務作業に追われて目標設定をすることさえできていませんでしたが、今では目標に向けた具体的な取り組みに力を入れることができます。データに基づいた科学的介護も積極的に取り入れつつ、これまで以上に利用者様を満足させられるようなサービスづくりに取り組んでいきたいと考えています。