機能訓練計画書を5人で分担できた!作業から仕事に変わった

さくらヘルスケア仙台株式会社

福岡直樹さん(代表)

課題
  • 個別機能訓練計画書を作成担当者が一人のみ
  • 目的を持った計画書作成ができていなかった
  • 機能訓練指導員の能力アップが難しかった
結果
  • 計画書作成を5人で役割分担できる様になった
  • 利用者一人ひとりに寄り添った計画書作成ができる様になった
  • 運動マニュアルでレパートリーが増え、利用者のやる気アップ
  • 社名・事業所名:さくらヘルスケア仙台株式会社 リハくる泉中央
  • 所在地:宮城県仙台市
  • 定員数:15名
  • 専門職:理学療法士、柔道整復師、看護師在籍

宮城県仙台市にあるさくらヘルスケア仙台株式会社が運営する「リハくる泉中央」は、定員数15名、半日型2回転のリハビリ特化型の通所介護事業所です。代表を務める福岡直樹さんは、父親が脳梗塞を発症し、退院後にリハビリを続ける場所がなく、職場復帰するまでに大変な時間がかかったそうです。

そのため、同事業所では病気による突然の能力低下から、いかに社会復帰につなげるかを重要視しており、「いつまでも自分の足で」「普通に生活できる喜びを届けたい」をモットーに、楽しみながら運動を継続できるサービスを大切にされています。介護保険を初めて利用される方への敷居を下げるために、カフェのような空間を作り、約2時間の運動プログラムも仲間とともに笑いながら取り組めるよう、工夫しています。

同事業所では、2019年3月にRehab Cloud リハプランを導入していただき、現在は個別機能訓練加算(Ⅰ)イ、個別機能訓練加算(Ⅱ)、口腔機能向上加算(Ⅱ)、運動器機能向上加算に取り組まれています。

以前は実地指導改め運営指導で書類の不備を指摘されていましたが、今では自信を持って個別機能訓練計画書やモニタリング報告書の作成ができ、新規加算も積極的に取得できているようです。また、システム導入により、組織体制の改善にも取り組め、リハビリの質を追求できるようになったと嬉しい報告をいただきました。

今回は、福岡さんにサービスを導入していただいたきっかけやその後の効果について、詳しくお話を伺いました。

計画書作成の担当者は1名のみ、抜け漏れなどに課題

以前は、計画書の作成を前任の管理者が1名で対応しており、膨大な時間がかかっていました。当時は、目標設定シートやモニタリング報告書についても紙で名簿を作り、約70名分の書類を管理していたので、当然抜け漏れも多かったです。職員全員が書類を把握できていないことも課題でした。2018年に行われた運営指導でも、書類の不備を指摘され、個別機能訓練の加算分の返金を求められることもありました。

2019年に私が管理者を引き継いだ当初、毎日1時間以上は書類作成にあたる必要があり、フロアに出て利用者様との時間を確保する余裕はなかったです。また、フロアの業務を優先するには残業するしかなく、「何をやっているんだろう」と、釈然としない状況が続いていました。

十分に現場に向き合えない状況を改善するために、「早急に業務調整する必要がある」と感じ、リハプランの導入を決意しました。

文言が自動提案され個別性の高い計画書に、進行管理の可視化も魅力

導入の決め手は、CareTEX東京にてデモを体験し、私が求めていたものにピッタリだったからです。

当時、書類作成はエクセルを使用しており、70名分を紙ベースで書類管理していたので、手に負えなくなっていました。利用者様ごとの個別性がなく、同じ文言が並び、1年を通して内容があまり変化していないこともあり、運営指導で指摘されていたのです。

しかし、リハプランでは文言を自動提案してくれますし、選べる言葉も豊富でした。個々にあった書類が作成できますし、運動の成果をグラフにし、見える化できる点も気に入りました。「ケアマネへの報告もしやすくなりそう」と、他社のシステムとは比較することもなく、すぐに導入を決めました。

リマインド機能により、次にやるべき項目を「ビックリマーク」で教えてくれ、管理が簡単なところも大きな魅力です。当初は料金が高いと思っていましたが、使用してみてその価値に納得しました。1名分の計画書を作る労力と、残業代を含む人件費を考えると、リハプランを導入したほうが絶対に良いと思います。LIFE関連加算にも対応しやすいシステムなので、導入しない理由がありませんでした。

計画書作成を役割分担できるようになった

リハプランで次に何をいつやればよいかわかるようになったおかげで、業務の役割分担が可能になりました。属人化していた仕事をシステムで一括管理できるので、業務調整に着手できたのです。そもそもパソコン操作や管理業務は人によって得手不得手があるので、得意な人に任せたほうが楽しんで仕事してもらえると考えていました。苦手な業務を続けていると離職にもつながりかねませんからね。

何を誰に任せればよいか不透明な状況でしたが、仕組み化やチーム体制を整えられたのは、リハプランがあったからこそです。現在は、LIFE関連加算や書類チェックの専従職員も配置し、効率よく不備のない書類作成ができています。

また、こうしたリハプラン中心の組織体制は現場業務にも良い影響をもたらしてくれました。以前、社員4名のみで運営した頃は、余裕がなく、リハビリ内容やサービス全体の質が低かったと思います。しかし、今はパートやアルバイトの職員もしっかり状況を把握できる環境になったので、職員数も多いですし、手厚いサービスを提供することが可能となりました。

計画書の作成が作業から目的を持った仕事に変化

計画書の更新にかかる時間は20分から3分程度に大幅に削減されましたが、誰もが目的を持って意味のある計画書を作成できるようになりました。ただ「作業」として淡々とこなす位置付けではなく、利用者様に対するサービスの一つとして記す必要のあるものだと意識が変化したのです。

内容としても運営指導で指摘されることはないと思いますし、以前抱えていた課題は乗り越えたと堂々と言えます。

個別にあった運動プログラムの提供実現で利用者のモチベ向上

当事業所はリハビリ特化型で、3時間15分のご利用時間のうち、機能訓練が2時間近くを占めています。利用者様は毎回忙しく頑張ってくれていますよ。当然体力が付きますし、「いつまでも自分の足で」という目的を持ってご利用いただいています。

しかし、以前はこれができませんでした。当時は理学療法士が1名で運動メニューを考えてくれていましたが、連携体制にも限界があり、介護度の高い利用者様が比較的多く、機能維持が目的のプログラム内容でした。そんな中で、個別の目的に合った運動内容を考えるのは難しかったと思いますし、10種類程度しかメニューが組めず、利用者様も「これをやっていてもよくなるのかな」と、モチベーションが下がっていたでしょうね。

リハプランを導入してからは経営体制も変わり、理学療法士が監修した運動をレパートリー豊富に提案してくれるので、パート勤務の看護師3名も機能訓練指導員として配置できるようになりました。15名の利用人数に対し、常駐スタッフは5名と、かなり手厚く、みっちり運動できる環境に変わりました。

運動マニュアルを参考に、なぜこの運動をやるのかしっかり説明しているので、利用者様も理解した上で訓練に取り組め、結果は明らかに差が出ています。個別に合った運動を入念に取り組んでいただける環境が整えられたことで、他事業所との差別化もできていますし、「なぜ、リハプランを使わないのかな?」と疑問に思うほどです。

職員全体の能力の底上げに運動マニュアルを活用

さらに、リハプランは機能訓練指導員の能力の底上げにも活躍してくれています。以前は、研修や勉強会を理学療法士の職員が1名で頑張ってくれていましたが、リハビリ専門家が考案した運動マニュアルを活用することで、基盤固めが容易になりました。看護師が機能訓練指導員としても働いてくれていますが、マニュアルがあるので、安心して取り組んでくれています。口腔機能訓練にも役立っていますよ。

また、他の病院から移ってきた理学療法士はそれぞれにやり方や考え方に偏りがありましたが、運動マニュアルによって、運動のレパートリーが増やせたと言ってくれています。

いつでも同レベルの機能訓練の提供が可能

何より、職員の能力が均一化されたことで、質の高いサービスを提供できていると自信を持って言えます。曜日によって機能訓練指導員が異なっても、全員が同じレベルの運動内容をお伝えできる体制を作れたことが大きな変化です。

リハプランの運動マニュアルによって内容が充実したことで、利用者様から「来るのが楽しい」、「休むのが惜しい」と言っていただけるようになりました。「1週間休むと身体の状況が違うから、継続して通う」と、運動の効果を実感してくれているようです。マンネリ化もなく、効果は絶大。以前は「リハビリ特化型」だと、堂々と言えなかったのですが、今は最大の「売り」ポイントです!

稼働率は96%、収益も月売上150%アップ

リハプランを使用し、アウトカムレポートを作成すると、一目でわかりやすい資料が出来上がります。ケアマネへの提示はもちろん、利用者様やご家族にもサービス利用内容や成果をお伝えしやすくなりました。

握力や5m歩行時間などの結果がグラフや数値で表されたり、良い結果が出ているとニコちゃんマークで伝えてくれたりと、モチベーションにつながっているようです。利用者様自ら数値を気にしてくれるようにもなり、結果が悪くなっていたとしても目的意識を明確に持って運動に取り組めるのは大きなメリットですよね。また、ご家族様からもサービス内容を納得していただいており、「歩く姿勢が良くなった」と喜んでくださっています。

リハプラン導入後から本格的に始めたアンケート調査では、利用満足度100%の比率が着々と増えています。運動に対する前向きな要望も答えてくれるようになり、機能訓練の需要の高さを実感するのと同時に、私たちに対して期待してくれているのが嬉しいですね。

仙台市内のFC店や個人営業しているデイサービスが閉鎖していくなか、当事業所はリハビリ特化の運営に力を注げるようになったおかげで、利用者数は満員。稼働率は96%を確保できており、コロナ前から比較して売上は月150%アップしています。

新規加算の取得ができるようになった影響も大きいと思います。以前は新規加算に対して、要件が難しく、ためらいがありましたが、リハプランはそのハードルを下げてくれました。LIFE関連加算もスムーズに提出できますし、次回の運営指導も怖くありません。

リハビリの質をさらに上げていきたい

介護報酬の改訂などICT導入が急務となる中、時流を踏まえて職員のスキルアップに取り組んでいきたいと思います。職員全員が介護保険の動向に関心を持ち、科学的介護やインセンティブ制度に対しても理解を深めてもらいたいと考えています。そのために、社内のみならずさまざまなセミナーなどに参加してもらい、学びの機会を増やしていきたいです。

また、リハビリの質をさらに向上させるために機能訓練マニュアルの活用にとどまらず、自立支援に向けた取り組みを新たに始める予定です。仙台市と計画している買い物リハビリをはじめ、在宅介護など、私たちのサービスの多様化を一層進めてまいります。

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介護現場の付加価値を向上し、
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