メモから記録用紙への転記が不要!記録業務が劇的に変わった

株式会社こもれび

関塚拓也さん(理学療法士)

課題
  • 記録業務を紙で記入していたため時間がかかっていた
  • パソコン、スマホ操作が苦手な職員もいるためデジタル化が難しかった
  • 人員不足のため実施記録業務などに時間を取られていた
結果
  • 記録業務が30分削減、業務効率化と新規加算の算定ができた
  • 音声入力機能により、タブレット操作が苦手な職員でも扱えた
  • 職員が休んでも記録時間にとらわれずに現場対応できるようになった
  • 社名・事業所名:株式会社こもれび ひだまりの丘
  • 所在地:群馬県高崎市
  • 定員数:25名
  • 専門職:理学療法士、看護師在籍

群馬県高崎市にある「ひだまりの丘」は、定員数25名、1日型の通所介護事業所です。併設しているサービス付き高齢者住宅、「ひだまりの家剣崎」の利用者様が毎日のように通所しており、一人ひとりに寄り添ったサービスを提供しています。季節のレクリエーションや手作り昼食などのイベントも活発で、笑顔あふれる温かい時間を大切にされています。

同事業所では、現場のICT化を進め、より利用者様に還元できる事業所を目指したいという想いから、2023年7月からRehab Cloud デイリーを導入いただきました。見守り時間の確保や機能訓練に注力し、利用者様ができるだけ長く元気で過ごしてもらえるような運営体制を整えたいとシステム導入を検討していたようです。

今回は、理学療法士で機能訓練指導員の関塚拓也さんに、タブレットで実施記録を作成できるデイリーの導入のきっかけやその後の変化について詳しく伺いました。

実施記録は同じ情報を何度も手書き、非効率さに課題

以前から実施記録の非効率さに課題を感じていました。当事業所は、併設のサービス付き高齢者住宅(以下、サ高住)の利用者様がほぼ毎日通所されていますが、全員分の実施記録を手書きしていたのです。記入項目を細かく挙げると、利用時間、バイタル、SpO2のほか、排泄管理や食事量、服薬状況。さらに、運動面では機能訓練やレクリエーションの実施など、記入項目がたくさんあり、少人数のスタッフ運営ではなかなかに大変な状況でした。

また、記録業務が非効率な原因には、スタッフの個別メモを介護記録用紙へ転記していたことが挙げられます。ファイルのなかから利用者様の記録用紙を探して転記するので、介護記録業務だけでも40〜50分程度と、とても時間がかかっていました。さらに、医師が往診時にバイタル確認するための看護記録も別途、作成しており、同じ情報を何度も手書きする手間も悩みどころでした。トータルの記録業務は1時間半にもおよび、どうにか時間短縮できないかと検討していたのです。

現場のICT化と機能訓練の充実を目指してデイリーを導入

デイリー導入のきっかけは、社長が現場の非効率さを懸念し、法人全体のICT化を進める目的で決定しました。デイリーは、実施記録の一括管理ができる上、操作がとても簡単です。タブレットをレンタルでき、ランニングコストがよいことも大きな決め手でした。

また、もっと機能訓練を充実させ、事業所の特色として発展させたいという強い想いにも合致しました。デイリーと一緒に、個別機能訓練に関連するアセスメントシートや計画書を取り扱えるリハプランを併用することで、科学的データに基づいた機能訓練と記録業務の効率化に期待したのです。

一画面で記録が完結、30分程度の時間削減が実現

デイリー導入によって、メモと記録用紙の二重記載が削減でき、介護記録の時間は大幅に短縮しました。以前は40〜50分ほどかかっていましたが、30分ほど短縮し、今ではたったの15分で完了します。サービス案内時に説明があったとおりの期待値で、その効果にとても喜んでいます。

デイリーは利用者を一覧表示してくれるため、介護記録を一画面で操作できます。手書きの書類管理では、毎回個人の記録用紙を探すわずらわしさがありましたが、その手間が減り、記録時間を楽にしてくれました。さらに、レクリエーションの実施や入浴の記録もまとめて入力できるので、一瞬で終わります。

以前は、すき間時間に慌ただしく記録していましたが、デイリーならタイムリーに入力できますし、入力漏れをチェックする必要なく、時間にゆとりが生まれましたね。利用者様がゆっくり過ごされている隣で、会話しながらデイリーでバイタルや特記事項を入力することも可能で、利用者様に寄り添える時間が増えつつあることが嬉しいです。

看護記録は紙記録のままなので、まだまだアナログな部分は残っていますが、デイリー導入から約3ヵ月の短期間でも、ICT化による成果が目に見えてわかり、よい方向に変わってきていますね。

新規の加算を算定しても業務負担が増えなかった

リハプランも活用し、新規に個別機能訓練加算の取得にチャレンジしているので、記録業務量は増えているのですが、デイリーで日々の実施記録を作成しているおかげで、業務負担の増加は感じていません。むしろ、時間短縮しているので驚いています。

当事業所では、看護師や介護スタッフが実施している運動プログラムが4種類あるのですが、デイリーにプログラム内容を登録していれば、前回分コピー機能を反映するだけで機能訓練記録が可能です。また、体調や介護度に合わせて、プログラムの実施有無を項目ごとに選択できるので、臨機応変な対応にも役立っています。

現在、リハビリ専門職は理学療法士の私だけなので、個別機能訓練があるなか、25名分の機能訓練記録を全て担当することはできなかったと思います。しかし、デイリーなら迷わず記録ができるので、ベースのプログラムを実施した際は、看護師に機能訓練記録を任せられます。特記事項に追記する場合はありますが、記録業務を分担できたことで、新規加算取得に難なくチャレンジできました。

音声入力によって紙世代の人でもデジタル化できる

デイリーはタップ操作が簡単なことに加え、音声入力できる点も気に入っています。

50代以上のスタッフのなかには、パソコンやスマホ操作に不慣れで、タイピングはおろかタップ操作も「無理、できない」と難色を示す人が全体の2割程度います。若いスタッフはICT化に柔軟な一方で、ベテランになるほど紙記録に慣れているので、なかなか受け入れ難く感じてしまうのです。また、タップ操作を覚えられたとしても、特記事項の文章のタイピングがおぼつかず、タブレット記録が進まないという課題がありました。

しかし、音声入力の活用によって、その課題は改善しつつあります。デイリーの音声感知は精度が高く、雑音が少なければ話したとおりに入力してくれます。介護の専門用語にもしっかり対応してくれるので、紙世代の50代のスタッフは「デイリーの音声入力なら使いやすく、時短になる」と、タブレット記録への抵抗感が減ってきました。年代や向き不向きによって、操作を使い分けられるデイリーを導入したことで、現場にICT機器浸透の兆しが伺え、よい傾向だなと感じています。

当事業所は、パートのスタッフも多いので、週1〜2回の勤務の人だと、操作を忘れてしまうケースもありますが、その都度、私や操作を習得したスタッフがサポートし、少しずつ慣れてもらっています。完全にタブレットへ移行するにはまだ時間がかかると思いますが、操作が易しいデイリーならさらなる効率化を目指せるだろうと期待が高まりますね。

職員が休んでも利用者のケアに時間があてられる

繰り返しますが、記録業務の効率化により、利用者様の見守り時間を増やせたことがとても嬉しい成果です。周囲へよく目が届き、スタッフがすぐに動ける体制に変わったことで、転倒予防にもつながっています。

また、子育て中のパートスタッフが多いため、どうしても急きょの休みが発生してしまうのですが、少人数でも対応できる基盤ができました。記録時間にとらわれなくなったことで、スタッフ同士でカバーし、臨機応変に現場を運営できるようになってきたのです。利用者様はもちろん、スタッフにとっても過ごしやすい環境に変化していることがありがたいですね。

介護現場と向き合うためにさらなるICT化を進めたい

ひだまりの丘をはじめ、当法人はまだICT化の推進を始めたばかりです。とはいえ、デイリーのおかげで、人員不足のなか、記録業務を改善できたのはとても大きな変化です。今後は、この成功事例をもとに、併設しているサ高住との申し送りノートや連絡帳など、まだICT化が浸透できていない部分に着手していきたいと考えています。

法人全体を見ると、まだデジタルツールを使いこなせる自信がないと反対している職員も多く、道半ばですが、私たちの仕事は「介護」であって、記録業務ではありません。機能訓練の充実のほか、新たなサービスを開拓し、利用者様に還元できる時間を増やすことを大切にしたいのです。そのために、現場が効率的に稼働できるよう、長期的な目線でICT化を粘り強く進めていきます。

また、デイリーとリハプランを併用し、2024年度の介護保険制度の改定に向けて、アウトカムに基づいた介護サービスを推進し、利用者様やご家族、地域の関係者の方々に信頼していただける事業所運営に力を注いでいきたいです。

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