転倒予防のさらなる見える化で利用者のやる気が向上

株式会社智光

宮永佳季さん(柔道整復師)、塩山理恵さん(柔道整復師)

課題
  • 転倒予防の評価に時間がかかった
  • 利用者の運動意欲をより高めたかった
  • ​私たちの取り組みを、より多くの人たちに知ってもらいたい
結果
  • よりタイムリーに転倒予防の必要性を伝えられるようになった
  • わかりやすいフィードバックで運動意欲が向上した
  • 質向上でケアマネから多くの利用者を紹介してもらえるように
  • 社名・事業所名:株式会社智光 デイサービスみち鉢塚/デイサービスみち上野
  • 所在地:大阪府池田市/豊中市
  • 定員数:10名
  • 専門職:柔道整復師在籍

大阪府にある株式会社智光「デイサービスみち」は、機能訓練を主体とした半日型のデイサービス(地域密着型通所介護、介護予防型通所サービス)です。定員数は午前・午後で各10名、要支援者も多くご利用されています。

機能訓練は、柔道整復師の免許を持った専門のスタッフが担当しており、個々に合わせたオーダーメイドのプログラムを提供しているのが特徴です。また、認知症予防対策として最先端の認知機能トレーニングツールを導入し、「脳」と「筋肉」の連携で「生活力のアップ」をコンセプトに、日々の機能訓練を行っています。

AI動作分析ソフト「Rehab Cloud モーションAI」は、転倒予防のより一層の見える化と、よりわかりやすく機能訓練の評価をしたいという想いから、2022年10月に導入いただきました。導入に至った詳しい経緯と、その後の変化を池田市にある「デイサービスみち鉢塚」の宮永さん、豊中市にある「デイサービスみち上野」の塩山さんに詳しく伺いしましたのでご紹介します。

転倒予防の評価に時間がかかった

デイサービスみちの機能訓練は、本人のバランス機能、筋力測定、独自の画像分析等を行っていました。しかし、転倒予防に対する機能訓練の評価、分析には多くの時間を要していたのです。利用者様に対しては、機能訓練の効果を、なかなかタイムリーに説明できませんでした。

利用者様からは転倒しないためにもっとできることはないかという相談を日頃から受けていたため、転倒予防には力を入れたいと思っていました。

機能訓練の評価を短時間で適切に行い、利用者様に身体の変化をわかりやすく伝えるということはこれらの課題を解決するためには必要なことだったのです。

客観的に評価するモーションAIにワクワク感と期待

モーションAIは、利用者様の身体の状態を可視化する事ができ、転倒リスクやトレーニングの成果、必要性が短時間で伝わりやすくなるツールだと思い導入を決めました。

他社サービスとも比較しましたが、すでにRehab Cloudの他のサービスを利用していることもあったため、自然と利用することが決まりました。

導入前は、これまでAIを活用した機能訓練の経験がなかったため、「身体機能をどのように評価するのか楽しみ」という気持ちが強かったです。また「自分では気がつかない視点での評価をしてくれるのではないか」というワクワク感と期待感もありました。

実際に利用すると、自分のアセスメントとモーションAIの評価がマッチしている部分もあり自分自身のモチベーションアップにつながっています。また、モーションAI独自の評価もあり、「こういう考え方があるのか」と勉強にもなっています。

転倒予防のより一層の「見える化」で取り組みが伝わるように

デイサービスみち鉢塚(宮永さん)では、モーションAIにより転倒予防の取り組みをさらに「見える化」することができるようになり、利用者様に効果を実感してもらいやすくなったと感じています。機能訓練に対しても今までより一層積極的に取り組んで頂けるようになりました。

利用者様は、日頃の機能訓練を通して「自分がどれくらい鍛えられているか」を実感しづらいものです。当事業所では、3ヵ月に1度体力測定により、握力測定、歩行、バランス能力などを評価しており、数値化・コメントを記載して渡していました。

ただ、3ヵ月毎の評価だと、利用者様が機能訓練の効果を理解しづらい部分もあります。また評価や説明に時間がかかり、これが大きな課題でした。

モーションAIを導入してからは、1ヵ月に1回、身体機能を評価するようになり、より細かく身体機能の変化を評価しやすくなりました。

また、以前から利用者様は身体機能の評価が記載されたフィードバックシートを持ち帰られており、ご家族にも効果等説明をしていましたが、さらに効果を実感しやすくなったと感じています。実際、ご自宅でも片脚立ちの練習に励まれたり、どうすれば上手くできるかを意識されたりする方もいるほどです。

デイサービスみち上野(塩山さん)でも、モーションAIにより機能訓練の効果が利用者様に伝わりやすくなりました。

結果が印刷され、身体機能の状態が短時間で「見える化」するため、状態の変化を忘れないうちに「このトレーニングは、こういう結果が出るからがんばろう」と、職員が具体的な根拠を早めに説明しやすくなったんです。根拠のある説明が短時間で多くできるようになるため、利用者様の納得感もより一層よくなりました。こうした最新のAIによる取り組みが新たに事業所の強みになっていく予感はあります。

※取材時点では片脚のみですが、現在は立ち座り評価もあります。トレーニングメニューは120種類以上に増えています。

身体の状況が可視化、利用者のリハビリ意欲が向上

「身体機能の変化」については、デイサービスみち鉢塚(宮永さん)の場合、モーションAIを導入してから1ヵ月ごとに結果がよくなっている利用者様もいます。

大きく変化した利用者様では、姿勢バランスの改善により、片脚立ちの時間が5秒から20秒になった方がいるほどです。期間的には5ヵ月ほどでしょうか。その方は「身体が楽になった」「生活しやすくなった」と言われており、職員からみても表情が明るくなったと感じています。

あとは、片脚重心に対する「抵抗感」が減ってきた印象もあります。というのも、バランス機能向上により、「手すり」「杖」などに頼らず支えなしで歩こうとする方が増えているんです。

モーションAI導入当初は「私にはできない」といわれる方もおり、少しづつ取り組めるよう、身体の使い方のアドバイスや、サポートを行なっていました。

最初は難しい方も、わずかに片脚立ちができれば「意外とできるね」と、小さな成功体験につながります。まずは、できるよろこびを感じてもらい意欲が高まることを意識しています。

利用者同士のコミュニケーションが相乗効果に

転倒予防の取り組みを短時間で「見える化」することは、利用者様同士のコミュニケーションの活性化にもつながっています。「何秒立てた?」「5秒も?しっかり立てたね」と、利用者様同士で声のかけあいが生まれているんです。スピーディーな対応は事業所の雰囲気作りや、利用者様同士の関係作りにもつながっているのではないでしょうか。

また、モーションAIの撮影中は、ほかの利用者様に見られている場面もあります。見られていることで「がんばろう!」と相乗効果が生まれている様子もあり、良い傾向だと感じていますね。

実際、モーションAIを導入してから、利用者様から「来週はモーションAIの日ね」「約束してたから、がんばる気持ちができたよ」と、声をかけてくださることがあります。小さなことですが、利用者様の楽しみにつながっていると感じています。

今までより短時間にグラフで変化を共有することで「今月は調子がいいので、これを維持できるようにがんばりましょう」「パフォーマンスが落ちているので改善のために機能訓練に取り組みましょう」などと、多くの説明を要せず、現状を評価しやすいです。そして、職員側も目標を具体化して声かけしやすくなりました。

また、「フィードバックシート」にコメント、アドバイス、チェックポイントが記載されているのもありがたいですね。利用者様の負担にならないよう、メンタルや身体の調子に配慮しつつ、こうしたデータを参考に声かけしています。

動画の解析が早く、評価結果をすぐに共有できる

動画の解析が早く、すぐに評価できるのもありがたいですね。早ければその場で利用者様へ結果を共有できます。ご本人は、先ほど撮影した動画の結果がすぐに確認できるので「もう見られるの?」「すごいね」と驚かれることが多いです。

評価に関しては、短時間での「見える化」が、本当に大きなメリットだと感じています。グラフにより長期的に評価しやすいですし、状態変化に対するアセスメントにつながり、機能訓練に説得力が生まれるんです。

また、身体機能の評価を情報共有しやすくなったためご家族も「最先端のAIはすごいね」とよろこばれています。

自宅での練習用にプログラムを提案できるのも嬉しいポイント

バランス機能の評価をもとにおすすめの運動が提示されるのも、モーションAIの嬉しいポイントです。

利用者様は健康意識が高い方も多く、なかには「自宅でどうやって運動すればいいか」と聞かれる方もいます。私たちもしっかり対応していますが、それに加えて提案された機能訓練プログラムをお渡ししており、みなさまによろこばれています。

また、職員同士の情報共有については、口頭で伝えるより短時間でレポートで確認できるため、状況をすり合わせしやすくなりました。より転倒予防にフォーカスしやすくなったと感じています。

以前に増してケアマネから興味を持ってもらえる機会が増えた

モーションAIを導入してから、ケアマネ向けのパンフレットにも記載しており興味を持ってもらう機会が増えました。近隣にほかに導入している事業所もありません。

事業所全体の取り組みもありますが、新しい特徴を打ち出すことでケアマネも紹介しやすくなっているのだと思います。「私たちが取り組んでいる転倒予防による身体の変化を、短時間でデータで伝えられる」という点を魅力に感じてもらえているのかもしれません。

AIを活用してより良いリハビリを!利用者にさらに信頼してもらえる事業所作りのために

モーションAIの魅力はやはり転倒予防の取り組みの「見える化」です。身体機能の変化を可視化することで多職種にも情報共有しやすくなりますし、スピーディーな仕事につながります。利用者様の反応、ケアマネの反応を見ても「見える化」は重要なポイントだと感じますね。

個人的(宮永さん)に、今後は機能訓練とAI・ICT機器を掛け合わせて、利用者様の生活の質向上を目指していけたらと思います。指導員としては、利用者様にさらに信頼してもらい、気軽に頼ってもらえるような存在でありたいですね。

私(塩山さん)も、機能訓練指導員として、ご利用者様に今以上に信頼してもらえるようエビデンスにもとづき日々のサービスを提供していきたいと思います。

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