客観的評価で利用者・家族に取り組み成果を伝えられる!
株式会社Gen.
柴田剛宏さん(代表、理学療法士)
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- 体力測定の測定者によって結果にばらつきがあった
- 自宅で取り組める機能訓練メニューの提案が難しかった
- ご家族に具体的な取り組み内容を伝えにくかった
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- 客観的評価のため、自信を持って測定できる
- 個々に合わせた自主トレメニューをすぐに提供できる
- ご家族に動画で実際の取り組みの様子を伝えられる
- 社名・事業所名:株式会社Gen. リハビリテーションルームGen.
- 所在地:東京都世田谷区東玉川
- 定員数:16名
- 専門職:理学療法士、柔道整復師、看護師
東京都世田谷区にある「リハビリテーションルームGen.(げんてん)」は、定員16名のデイサービスです。利用者は要支援・要介護1、2が7〜8割で、様々な状態の方にサービスを提供させて頂いているのが特徴です。専門職も多数在籍しており、看護師、理学療法士、柔道整復師といったさまざまな職員が日々の機能訓練やケアを提供しています。
同事業所は「だれもが元気になれる空間をデザインする会社」を理念としており、利用者やスタッフが元気になれるような空間づくりを心がけています。2022年8月に開業した新しい事業所ですが、現在では空きがないほど人気のデイサービスです。
AI動作分析ソフト「Rehab Cloud モーションAI」は2023年10月に導入していただきました。今回は、導入に至った詳しい経緯と、その後の変化を代表の柴田剛宏さんにお伺いしましたのでご紹介します。
体力測定の数値にばらつき、信憑性、妥当性に疑問
リハビリテーションルームGen.では、3ヵ月に1回体力測定を行っています。しかし、同じ利用者様でも測定する職員によって体力測定の数値にばらつきがあり、結果の信憑性や妥当性に疑問がありました。
というのも、声のかけ方を統一できず、職員ごとに方法にわずかな違いがでていたのです。例えば、片脚立ちでは「股関節を開く角度」や「足を床から上げる高さ」など、声かけのニュアンスによって差がでていました。当然ですが、職員によって技量や経験は異なります。そのため、どのように声のかけ方を統一するかには悩んでいました。
そのような課題を解決するために導入したのが、Rehab CloudのモーションAIです。
誰もが等しく測定可能なモーションAIを導入
当事業所は、利用者様ごとに個々に合った機能訓練に取り組んでいただいています。体力測定以外の評価もしており、身体の機能が改善している部分はお伝えしていました。ただ、体力測定に関しては、握力や立ち上がり回数など、形式的に数値を伝えるだけになっていたのです。
その点、モーションAIは「股関節がグラグラしています」「体幹がぶれています」など、わかりやすい言葉でフィードバックをくれます。AIによる客観的な評価には興味を惹かれました。
これなら、誰もが等しくバランス機能を評価できて、利用者様に取り組みの成果(アウトカム)を伝えやすいと思いました。
60種類以上のトレーニングメニューをだしてくれるのもうれしいポイントです。利用者様のなかには「自主トレをしたい」といわれる方もいます。そういった方に、すぐにイラスト付きの運動マニュアルを印刷して、渡せるのもよい点ですね。
導入は、Rehab Cloudのホームページを見たのがきっかけでした。歩行の様子をAIで評価する他のサービスも検討しましたが、事業所のスペースがそれほど広くないことから断念しました。というのも、歩行した様子を撮影するためにはある程度スペースが必要だったのです。
モーションAIは片脚立ちでバランス機能を評価できるため、スペースが必要ありません。こちらも導入を後押しする大きなポイントだったと感じています。
※取材時点では片脚のみですが、現在は立ち座り評価もあります。トレーニングメニューは120種類以上に増えています。
自信を持って取り組み成果を利用者に共有できる
モーションAIの導入により、体力測定の信憑性、妥当性への疑問は改善されました。今後はさらにAIの機能が向上して評価のレベルが上がることを期待しています。
モーションAIの魅力は取り組み成果が伝えやすいことです。体力測定の結果が、誰でもわかるように顔文字で表示されます。フィードバックの言葉もわかりやすく書かれているため、職員としてもご家族や本人へ説明しやすいと感じています。担当者会議でも活用していますが、ご家族も理解しやすくなっているようです。
継続的な測定で利用者のやる気アップ、改善報告も続々
利用者様からご好評をいただいているのが、前回の数値との比較がすぐに見られる点です。
当事業所は、利用者様により2〜3ヵ月に一度体力測定をしています。継続的に測定をしているため、前回の数値と比較してがんばろうとされる方が多いのです。実際、片脚立ちの数値が伸びている方もいます。
自主トレーニングメニューの提案ができる点も喜ばれています。事業所が休みのタイミングでメニューをお渡ししたときには、「自宅で自主トレーニングしたよ」と、利用者様から報告を受けることもありました。
また、バランス機能の可視化により、客観的に機能訓練の成果を感じられるようになったのも大きなポイントですね。モーションAIのフィードバックシートを見て、片脚立ちのバランスが向上したことがわかった、ある利用者様はかなり喜ばれていました。
その方のADLは徐々に向上しており、これまで休憩なしでは行けなかった買い物も、休まずに行けるようになっています。ご本人からは「昨日は途中で休むことなく買い物に行ってきたよ」と嬉しいお声をいただき、スタッフとしても自立支援のやりがいを感じています。
以前に増して職員が納得感を持って自立支援に取り組めている
モーションAIを導入して、職員も自立支援のやりがいを以前に増して感じやすくなりました。片脚立位や、立ち上がり回数など、成果が可視化されることで「利用者様の身体機能のこの部分がよくなっているのか」と職員も納得感を持てるようになり、それはモチベーションアップにも寄与しています。
「機能訓練メニューがすぐにだせる」「バランス機能テスト後にすぐにフィードバックできる」といった点も職員から好評ですね。
メニューの自動提案が、業務負担軽減に繋がっている
機能訓練メニューの自動提案は、業務負担軽減の面から見てもうれしい機能です。
というのも、利用者数の多い事業所では、機能訓練メニューを考えるのはかなり労力が必要なんです。実際、私がほかのデイサービスで働いたときは、計画書、機能訓練メニュー作成のためによく残業していました。余裕がないなかでメニューを考えるのは、サービスの質低下に繋がる懸念もあります。
利用者様は、全員が同じメニューを行うわけではありません。注意点、方法などは利用者ごとに異なります。特に当事業所にはスペースの関係から大きなマシンもありません。限られた環境で、機能訓練メニューを考えるのはスタッフの負担になっておりました。
そういったなかで訓練メニューの提案機能は重宝しています。実際、モーションAIをはじめ、Rehab Cloudのサービスを導入してからかなり業務改善がすすみました。当事業所の定時は17時30分なのですが、今では全スタッフの残業時間が大きく減少しております。
家族・ケアマネから喜ばれる機会が増えた
もともと担当者会議では、デイサービス利用時の利用者様ご本人の様子だけを報告していました。体力測定を行っても、担当者会議では詳細な数値までお伝えしていなかったのです。
モーションAIを導入してからは、フィードバックシートをお渡しして、バランス機能の状況に加えて、以前から取り組んできた測定項目の改善具合も具体的にお伝えするようになりました。成果を具体的に伝えられるようになったことにより、ご家族からもご好評いただいています。
二次元バーコードで評価や動画を共有できるのもいいですね。実際、ご家族が事業所まで機能訓練の様子を見にくることはほとんどありません。そのため、取り組みの様子を見せるととても喜んでいただけます。
ご家族からは「以前よりもしっかり歩けるようになった」と、お声をいただくことがあるのですが、それに対して「しっかりとはなんなのか?」をバランス機能の数値と関連づけて説明できるようになりました。
やはり、具体的な指標を用いて説明できるのでご家族の納得感も違います。以前に比べて「このような取り組みをしている」と自信をもっていえるようになったのは大きなメリットですね。
ケアマネからは「すごいですね」と率直な感想をいただいています。周辺の事業所で導入しているところは少ないので差別化できているのではないでしょうか。
利用者も職員も元気になれる施設作りを目指す
福祉・介護は人材不足が問題視されている業界です。今後は、業務負担を軽減するため業務の効率化、仕組みづくりに取り組んでいきたいと思います。そして、より現場や利用者様と向き合う時間を作り、質の高いサービスを提供していきたいですね。
当事業所の理念は「だれもが元気になれる空間をデザインする会社」です。利用者様はもちろん、職員も元気になれる空間をデザインしていきたいと思います。