介護の申し送りとは?メモやノート活用のコツを紹介

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更新日:2024/10/21

介護の現場において、申し送りと情報共有は非常に重要な役割を果たしています。申し送りとは、日々のケアや患者の状態に関する情報をスタッフ間で伝えることです。情報を共有することで、各スタッフが患者の状態やニーズを把握し、適切なケアを提供することができます。ここでは、介護における申し送りについて詳しく解説しています。  

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介護における申し送りとは

介護における申し送りとは、業務を次の担当者にスムーズに引き継ぐために、必要な情報を共有することです。

介護現場で申し送りを行う目的としては、介護施設として一貫性のあるサービスを提供するためです。

スタッフによってサービスの内容が異なるとトラブルが発生したり、利用者・家族への信頼性が低下したりする恐れがあります。

そのようなリスクを避けるためには、スタッフ同士の申し送りは欠かせません。

申し送りを行う場面や手段、内容としては以下の通りです。

【申し送りをする場面】

  • シフトの入れ替わりのタイミング
  • 朝礼中
  • 夕礼中

【申し送りをする手段】

  • 口頭
  • ノートやシートの利用
  • デジタルツールの利用

【申し送りをする内容】

  • 利用者についての内容
  • 家族についての内容
  • 業務中の事故やトラブルの内容
  • 業務での連絡事項

申し送りと引き継ぎの違い

申し送りに似た言葉に「引き継ぎ」があります。申し送りは先ほど説明したように、業務に必要な情報を共有することで、その日にあった内容がメインです。

一方で、引き継ぎは前任者の代わりに業務を行うために、必要な情報を共有することです。その日にあった内容だけでなく、長期的な視点を持った情報も伝える必要があります。

つまり、申し送りは後任者に業務の情報を共有することがメインですが、引き継ぎは前任者が後任者に仕事の内容、知識、ノウハウなどの情報を伝えることです。

引き継ぎをする場面は、前任者が退職や長期休暇などをするタイミングがあげられます。

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介護の申し送りで伝えるべき内容

介護の申し送りで伝えるべき内容は、おもに以下の5つです。

  1. 利用者の状態の変化について
  2. 利用者からの要望について
  3. 家族からの要望や連絡事項について
  4. 施設で発生した事故やトラブルについて
  5. 事務連絡について

これらは、介護形態にかかわらず情報共有をすべき内容です。申し送りをする際に意識したいポイントは、伝える目的を明確にしておくことです。

その申し送りが注意喚起なのか、相談内容なのか、周知しておきたい情報なのかをはっきりしたうえで伝えましょう。

申し送りで使用する用語

ここでは、介護施設での申し送りで使用する可能性のある用語についてご紹介します。

  • ヒヤリ・ハット

重大な事故につながる可能性があった出来事に遭遇したときに使用される用語

  • 上肢

腕や手のことを指す用語。腕全体を指すときに「右・左上肢」などと使用する

  • 下肢

足全体のことを指す用語。「右・左下肢」などと使用する

  • 誤嚥

むせ込みのことを指す用語。利用者が食事中にむせ込んだときに使用する

  • 熱発

熱が出たこと。利用者が熱を出た際に使用する

  • 嘔気(おうき)

吐き気のこと。利用者が不快感を訴えたときに使用する

  • 褥瘡(じょくそう)

床ずれのこと。利用者が床ずれを起こした際に使用する

  • KT(Korpertemperatur)

体温のこと。体温計を測定したときに「KT:〜℃」と記載することがある

  • HR(Heart Rate)

心拍数のこと。心拍数を測定したときに「HR:〜回/分」と記載することがある

  • n.p.(no problem)

「異常なし」を表す用語。体調や痛みがない場合に「n.p.」と記載することがある

  • THA(Total Hip Arthroplasty)

「人工股関節置換術」のこと。利用者が過去に股関節を骨折しており、人工股関節置換術を行っていた場合、「既往歴:THA」と記載することがある

  • TKA(Total Knee Arthroplasty)

「人工膝関節置換術」のこと。利用者が過去に人工膝関節置換術を行ったときに「既往歴:TKA」と記載することがある

  • edema

「浮腫」のこと。利用者に浮腫が生じている際に使用する

  • Fx

「骨折」のこと。利用者が既往に骨折した経験がある、もしくは事故によって骨折した場合に使用する

今回紹介したもの以外にもさまざまな種類がありますが、施設でよく使用されている用語は優先して覚えておきましょう。

申し送りをスムーズに行うには

申し送りは紙面での記録だけでなく、時間がない場合は口頭で行う場合もあります。

そのような忙しい状況で適切に申し送りをするには、必要な情報のみを選択し、わかりやすい順序で伝えることがポイントです。

そして、内容の詳細を求められてもすぐに伝えられるようにしておくことが、うまく申し送りをするコツです。

ここでは、申し送りをスムーズに行うためのコツについてさらに詳しく解説します。

正確・簡潔に伝える

必要な情報を正確かつ簡潔に伝えられれば、申し送りをスムーズに行えます。そのためには、必要な情報はすぐにメモをするクセをつけておくことが大切です。

業務中にメモを残しておけば、重要な情報を忘れることなく伝えられるでしょう。

メモをする際は、「5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)」を意識しておくと情報を整理できます。

このように、うまくメモを活用して正確・簡潔に申し送りができるようにしておきましょう。

事実・意見・推測を分ける

申し送りの際は「事実・意見・推測」を分けるようにしましょう。

どの情報が事実で、どの情報が意見なのかを分けずに説明すると、誤った解釈をしてしまい、今後のトラブルに発展する恐れがあります。

意見や推測を伝える際は、客観的事実を伝えた後に「個人的な意見ですが」「ここからは推測ですが」などの前置きがあるとわかりやすくなります。

メモをとる際も、事実と意見、推測を分けるようにしておくとスムーズに情報を伝えられます。

便利なテンプレートの活用

テンプレートを活用するのも、申し送りをスムーズに行えるポイントの1つです。申し送りした内容をシチュエーション別にまとめてテンプレート化し、ノートやシートに書き留めておきます。

そうすれば、今後同じようなシチュエーションの内容を伝えるときの効率が高まり、情報の精度も上がります。テンプレートを作成する際は食事や入浴、レクリエーションなどの場面別にまとめておくと良いでしょう。

テンプレートを作成するのに時間がかかるときは、先輩の申し送り内容を参考にするのもおすすめです。

介護記録で正確な情報を伝える

口頭で申し送りを行う場合、伝え漏れや言い間違いによって解釈の誤りが生じる恐れがあります。そのようなトラブルを防ぐためにも、「介護記録」は必須です。

介護記録とは、スタッフの業務や利用者の情報、サービスの提供内容などを記入したものです。介護記録によって文字で記録しておくことで、情報の正確性が高まり、後から見返すことも可能です。

介護記録のとり方は事業所によってさまざまですが、パソコンやタブレットなどを活用したITツールの利用も増えています。

申し送りのためのツールやITシステムの活用方法

申し送りを正確かつ効率的に行うために、ITツールを導入している施設が増えています。申し送りをデジタル化することで、どこからでもアクセスができ、効率よく情報の共有が可能です。

その他にも、手書きによる読みにくさの解消、ペーパーレス化による資源の削減にもつながるでしょう。

タブレット記録アプリ「Rehab Cloud デイリー」では、記録業務がスムーズとなり、情報共有のさらなる効率化が期待できます。

最低限の工程で記録ができるように開発されているので、ITツールが苦手な方でも直感的に操作できます。

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申し送りの重要性を理解して正確な情報共有を

介護における申し送りは、必要な情報を共有し、サービスの質を維持するための重要な要素です。

申し送りで伝えるべき内容は利用者の情報や事務連絡など、施設によってさまざまなものがあげられます。

申し送りをスムーズに行うには、情報を正確かつ簡潔に伝え、その内容が事実や意見なのかを明確にすることが大切です。

また、内容にあわせたテンプレートを活用したり、ITツールを導入したりするのもおすすめです。

申し送りの重要性を理解しつつ、適切に情報を伝えられる工夫を取り入れてみましょう。

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この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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