介護現場のDX化は実際どう?デイサービス管理者の実体験
運営ノウハウ
2024/11/06
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更新日:2024/10/17
介護における新人教育は、具体的な介護技術から接遇マナー、利用者とのコミュニケーションなど幅広く行う必要があります。しかし、その内容の多さとスタッフの業務過多などが重なり、「何をどうやって教えればいいの?」という方も少なくない様子です。この記事では、そういった新人教育に役立つチェックシートや入れるとよい内容などを解説しています。
この記事の目次
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介護現場での新人教育を効果的・効率的に進めるためには、チェックシートの活用がおすすめです。
チェックシートの活用がおすすめの理由は、以下の通りです。
このように、通常では見えにくい部分が明確となりやすいのがチェックシートのメリットです。新人に教えるべき内容をチェックシートにまとめておくことで、計画的に教育を進められます。
チェックシートを活用した新人教育を今後も進めていく場合は、教育マニュアルにも付け加えておく必要があります。
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新人教育チェックシートに取り入れるべき重要項目として、介護技術や接遇マナーは欠かせません。ここではそれぞれの項目でチェックしておきたい内容について解説します。
介護技術は、利用者に適切かつ快適なサービスを提供するための重要な要素です。
どの施設でも重要となる内容は、以下の5つです。
食事介助では、利用者がむせることなく安全に食事ができるようにサポートする技術です。加齢や病気などによって1人では食事ができない利用者にとって、食事介助は重要なサポートといえるでしょう。
利用者の嚥下(えんげ)能力を把握したうえで、適切な食形態か、無理のないペースで食事介助をしているかなどをチェックします。
排泄介助では、利用者が安全にトイレするためのサポートをします。排泄介助では、トイレするための介助だけでなく、利用者のプライバシーにも注意する必要があります。
排泄介助を受けるのが恥ずかしいと感じる利用者もいるので、ズボンの着脱時に声をかける、トイレのドアを閉めておくなどの配慮も必要です。
また、トイレが間に合わず失禁している場合もあるので、そのような対応も含めて共有しておくことが大切です。
入浴介助では、浴室という普段とは異なる環境で、利用者の安全に配慮する必要があります。
浴室は滑りやすい環境なので、声掛けはもちろん、介助も利用者の視界外から行って驚かせないように注意しましょう。
また、季節によっては浴室の寒暖差が激しくなるので、体調に関しても十分に注意する必要があります。洗髪や洗身も、どの程度まで介助が必要なのかをチェックすることも大切です。
移動介助では、利用者が移動時に転倒しないようなサポートを心がけましょう。
利用者の身体状況を把握したうえで、転倒リスクは何なのか、転倒するとしたらどの方向なのかを予測することが重要です。
たとえば、右片麻痺の利用者の移動介助をする場合、右方向の転倒リスクが考えられるため、右側から支えるのが基本です。
杖やシルバーカーなどを利用している場合は、その用具のメリット・デメリットを把握しておくと、適切な介助や声かけができるようになるでしょう、
更衣介助も利用者にとって重要なサポートです。
病気やケガによってはいつも通りの着替えができない利用者もいるので、状態にあわせて行いやすい方法を提案する必要があります。
利用者ができる部分は声をかけて適切な行為の仕方を誘導しつつ、難しい場合は適宜介助していきましょう。また、更衣の際はカーテンやドアを閉めて、プライバシーにも配慮することを忘れないように注意してください。
介護では技術だけでなく接遇マナーも同じように重要な要素です。そのなかでもまずは、「言葉遣い・身だしなみ・あいさつ」から教えていくのが良いでしょう。
利用者は人生の先輩であることを忘れずに、敬意を持った言葉遣いを心がけましょう。親しみを持って話すことも大切ですが、フランクになりすぎないように注意する必要があります。
また、利用者に伝わらないような現代言葉は控えるようにしましょう。
利用者からの印象を良くするためには、身だしなみを整えることも重要です。清潔感がない、制服がだらしないなどの印象を持たれると、信頼関係をうまく構築できない恐れがあります。
介助で利用者と接触する機会も多いので、爪や髪の毛など、触れやすい部分にも気を遣うようにしましょう。
利用者と円滑にコミュニケーションを取るためには、あいさつをしっかりすることが大切です。利用者と目をあわせて、笑顔であいさつできれば、お互いの関係性も良好となるでしょう。
また、あいさつをするときに後ろから声をかけない、車イスの利用者の場合はしゃがんで目の高さをあわせるなどの工夫も重要なポイントです。
これから重要視されると考えられる以下の新人教育の内容も、積極的に取り入れておきましょう。
これらの要素は介護保険制度の改定でも度々注目されており、今後のスタンダードとなる考え方のため、教育マニュアルがあれば追加しておくことをおすすめします。
自立支援・重度化防止とは、利用者が自立して生活を送れるように、また介護の重度化を防ぐ支援を推進するための制度です。
令和3年度の介護報酬改定にて、自立支援・重度化防止の推進に向けた取り組みによって加算や制度内容の見直しもされています。
自立支援・重度化防止の推進では、おもに以下の3つの取り組みがなされています。
これらの取り組みを達成するには、より多職種との連携が求められ、利用者に対するサービスの質向上につなげる必要があるでしょう。
そのため、利用者にあわせたケアの提供だけでなく、多職種とのチームワークの重要性についてもよく学習しておくことが大切です。
参考:自立支援・重度化防止の推進(2023年10月16日確認)
先ほど説明した自立支援・重度化防止の取り組みの1つに「科学的介護の推進」があげられます。科学的介護とは、科学的根拠にもとづいた介護のことで、サービスの質を高めるためには欠かせない要素です。
この科学的介護を推進するためには、以下の取り組みが必要です。
これらの取り組みを循環させることで、より高品質の介護サービスを継続的に提供可能となるのです。
参考:自立支援・重度化防止の推進(2023年10月16日確認)
先ほど紹介したもの以外にも、新人教育に取り入れておきたい項目は複数あります。
とくに以下の内容は、教育用のマニュアルに取り入れておくと良いでしょう。
その職場で働く以上、その施設・事業所の経営理念や方針を把握しておくことは大切です。
その職場がどのような介護を目指しているのかを把握することで、仕事するうえで心がけておくべき要素がわかります。
介護の仕事をするうえでの心構えを理解することで、利用者に対して思いやりを持ち、丁寧な対応ができるようになります。
また、介護の仕事で無理をしないように、定期的に相談や休養を提案してメンタルをサポートすることも大切です。
具体的な1日のスケジュールがわかれば、どのように行動すべきかが明確となります。新人が実際に業務に取り組む段階になったら、必ず1日のスケジュールと時間にあわせた動き方を共有しましょう。
介護サービスを提供する以上、利用者・入居者との関わり方に注意しなければいけません。
うまくコミュニケーションを取り、信頼関係を築けるようにするためにも、丁寧に接することを学ぶ必要があります。
また、万が一相手を怒らせてしまった場合に、どのような対応をすべきかを共有することもポイントです。
職場のどこに物品があるのかを把握しておきましょう。
新人の頃は、どこに何があるのかいまいちわからず、仕事が遅くなることもありますので、リストを作成して共有してください。
物品の場所を記載したリストがある場合は、そちらも共有しておきましょう。
チェックシート以外に取り入れるべきアクションは、基本的に「ほめて伸ばす」を念頭に置くことです。教育のためにほめていると感じさせないよう、自然な形で言葉をかけることが重要です。
ここでは、ほめて伸ばすうえで意識しておきたいポイントについて解説します。
新人の表面的な部分だけでなく、その人が持っている長所を見つけましょう。
新人の強みを伸ばせるような仕事を任せることで、自信につなげられるだけでなく、効率的にスキルアップが可能です。
新人は最初の頃はミスや失敗が目立つかもしれませんが、そのなかでも良い部分を発見できるように意識してみてください。
新人との関係性を損なわせないためにも、感情的に怒らないように注意しましょう。その場の感情で怒ることは、新人に限らず、誰にとっても不満を募らせる原因にもなります。
感情に任せて怒るのではなく、新人の行動はどのような影響があるのか、どのようなやり方ですべきなのかを冷静に伝えることが大切です。
新人も指摘された理由が明確になれば、納得感も得られ、今後の反省として前向きに改善に努められるようになるでしょう。
新人の良い点を見つけたら、それを伝えてほめましょう。たとえば、利用者への対応が丁寧だとしたら、どこが良かったのかを具体的にほめます。
新人に対して細かくほめることで、先輩がしっかり見てくれていると感じるので、お互いの関係性が良好となります。
また、ほめることで自信がつくようになり、仕事へのやりがいも生まれやすくなるでしょう。
介護現場で新人に教えるべき項目は複数あり、とくに介護技術や接遇マナーは重要なポイントです。そのような複数の項目を効率的に教えるためには、チェックシートの導入がおすすめです。
チェックシートを取り入れることで、新人教育の進捗状況や新人の理解度などが可視化されるようになり、計画的に教えられるようになります。
また、チェックシートだけでなく、新人教育にどのような内容を取り入れるべきか、どのような教育方法にするかを考えることも大切です。
ぜひ今回の記事を参考にして、新人教育を行う際のポイントをおさえておきましょう。
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