介護ソフトの選び方ガイド!目的別・施設別と失敗しないポイントも解説

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更新日:2025/04/25

本記事では、初めて導入する方向けに介護ソフトの選び方についてわかりやすく解説。機能や費用、クラウド型とオンプレミス型の違い、注意点など、施設に最適なソフトを選ぶポイントをお伝えします。

※2025年4月時点情報

【目的別】介護ソフトの選び方

開業や乗り換えといった目的に合わせた介護ソフトの選び方について解説します。

介護施設を開業する

新しく介護施設を開業する場合には、導入費用が抑えられるクラウド型の介護ソフトがおすすめです。

開業後に介護報酬の支払いが受け取れるのは、2ヵ月後になります。サービス提供の翌月に請求を行い、翌々月に支払いというスケジュールです。また、返戻や過誤などの請求に関するミスがあれば、さらに支払いが遅くなる可能性も考えられます。

そのため、導入費用が高い介護ソフトを選ぶと、開業資金や2ヵ月間の運営資金を圧迫する可能性があります。開業時は、運営資金に影響を与えづらい出費が抑えられるクラウド型の介護ソフトを選ぶとよいでしょう。

介護ソフトを乗り換えたい

乗り換える場合には、データ移行がスムーズに行えて、解決したい課題にあった機能がある介護ソフトを選びましょう。

例えば、機能が多いけれど操作が難しく、使いこなせないという課題があるなら操作がしやすいかどうかがソフトを乗り換え時のポイントになります。複数のソフトの利用により、業務効率が低下しているのであれば、一本化できる豊富な機能を持った介護ソフトを選ぶ必要があります。

また、データ移行がスムーズに行えることも大切です。利用者情報のCSVでの取り込みに対応、データ移行のサポートがあるといった介護ソフトを選ぶとよいでしょう。

法改定へ対応したい

介護報酬改定は、社会や環境の変化を踏まえて介護報酬を適正化するために原則3年ごとに行われます。そのような改定に対応したい場合は、変更に対応しており無料でアップデートが行える介護ソフトを選びましょう。

法改定へ対応した介護ソフトを選ぶ際は、LIFE(科学的介護情報システム)に対応していることも確認しましょう。LIFEは申請が複雑で時間がかかるため、法改定があった場合にすぐに対応できると、正確な情報の提出が安心して行えます。

【施設別】介護ソフトの選び方

介護施設の種類別に最適な介護ソフトの選び方について解説します。

デイサービス(通所介護)の介護ソフトの選び方

デイサービスの施設で利用する介護ソフトを選ぶ際は、事業所の規模・機能・料金のバランスを考えることが大切です。地域密着型の小さい規模の事業所で料金の高い介護ソフトを選ぶと、経営に対する負担が大きくなることが考えられます。日々の業務に必要な機能が揃った価格とのバランスがよい介護ソフトを選ぶとよいでしょう。

中・大規模のデイサービスの施設では、送迎管理・利用者予定の管理・シフト管理といった事業所の運営をサポートする機能もついている介護ソフトを選ぶとより効果的に扱えます。

訪問介護向けの介護ソフトの選び方

訪問介護の施設で利用する介護ソフトを選ぶ際は、外出先でも使えることがポイントです。

訪問介護は職員がサービス提供のために、利用者の家を訪問します。そのため、外出先でも利用者情報や訪問のスケジュールが確認できると便利です。また、サービス提供の記録の入力、他の職員とのリアルタイムでの情報共有などが行えると効率的に業務が行えます。

サービス付き高齢者住宅向けの介護ソフトの選び方

サービス付き高齢者向け住宅の施設向けに開発された介護ソフトを選ぶことがポイントです。まず、サービス付き高齢者住宅では介護保険請求がないので、他の施設とは必要な機能が異なります。また、敷金・礼金・一時金の処理や軽減税率の適用など、サービス付き高齢者住宅の施設の性質に合わせた機能が必要です。

特別養護老人ホーム向けの介護ソフトの選び方

特別養護老人ホームの施設向けの介護ソフトを選ぶ際は、事故報告書の共有や予定管理が行えることがポイントです。介護ソフトを利用して事故報告書を速やかに作成して共有できると、対処法の周知や再発防止につながります。

そして、特別養護老人ホームでは、回診・利用者の通院・施設のイベントなどの様々な予定を管理する必要があります。そのような予定を簡単にチェックできる機能があれば、ミスのない効率的な運用が行えるでしょう。

複数の介護施設を管理したい場合の介護ソフトの選び方

複数の介護施設を管理したい場合には、それぞれの施設の業務に対応した機能を持った介護ソフトを選ぶ必要があります。提供しているサービスによって必要な機能は異なりますので、それぞれの施設に合った介護ソフトを選ぶという方法もあります。

一方で、1つの介護ソフトに1本化すると、全ての業務の一元管理が可能になります。一元管理すると、それぞれの施設の経営状況を管理者が把握しやすいです。また、施設間で介護ソフトのノウハウを共有できるというメリットもあります。

介護ソフトを比較するポイント

介護ソフトを比較する際のポイントについて解説します。

クラウド型かパッケージ型か

介護ソフトには、主にクラウド型とパッケージ型の2つの運用方法があります。

クラウド型は、インターネットを通して介護ソフトを利用します。インターネット環境があればどこでも使えることが特徴です。管理や保守はソフトの提供会社が行うため、事業所内の担当者の負担を少なく抑えられます。

パッケージ型は、パソコンやサーバに介護ソフトをインストールして利用します。インターネットのトラブルの影響を受けづらく、利用できる環境が限定されるのでセキュリティ性が高いことが特徴です。一方で、事業所内で機器の管理・バックアップ・アップデートなどの対応を行う必要があります。

対象とする業務範囲

介護ソフトには、特定の施設や機能に特化したものもあります。そのため、介護ソフトを選ぶ時は対象としている業務範囲を確認する必要があります。

例えば、デイサービスに訪問介護施設向けの介護ソフトを導入を行うと、機能の過不足が発生することが考えられます。

また、特定の機能に特化した介護ソフトを選ぶと、業務ごとに複数のソフトの使用が必要になることも考えられます。

導入コストと運用コスト

導入と運用にかかる費用は、介護ソフトによってそれぞれ異なります。できるだけコストは抑えたいと考え、低価格という理由だけで介護ソフトを選ぶと失敗する可能性が高くなります。なぜなら、低価格な介護ソフトは利用できる機能が限定されたり、サポートがあまり受けられなかったりといったことがあるからです。

かかるコストを比較する時は、使える機能とのバランスを合わせて考えることが大切です。

スマホやタブレットへの対応

パソコンだけでなく、スマホやタブレットといった他の端末にも対応していると便利です。持ち運びができるスマホやタブレットに対応していると、外出先やすきま時間に操作できます。

例えば、介護記録をすぐに入力できると、紙でメモを取ったり、事業所に戻って作業をしたりといった手間が減らせます。パソコンが苦手な職員でも、使い慣れたスマホやタブレットであればスムーズに利用してもらえるでしょう。

使いやすさとサポート体制

使いやすさとサポート体制の充実は、介護ソフトを比較するうえで大切なポイントです。介護ソフトは導入するだけでなく、使いこなすことで業務効率化が実現できます。そのためには、日々の業務にしっかりと定着させる必要があります。

画面が見やすくて操作がわかりやすければ、介護ソフトの使い方を短い時間で覚えられるでしょう。そして、気軽に相談できるサポート体制があれば、困ったときにすぐに解決できます。

介護ソフト選びの注意点・失敗しないポイント

介護ソフトを選ぶ際の注意点と、失敗しないためのポイントについて解説します。

介護ソフトの導入の目的を明確にする

まず初めに介護ソフトを導入する目的を明確にしましょう。事業所としての課題や職員の困りごとを把握。そして、それを解決するための機能について検討します。機能だけでなく、費用とのバランスが取れているか考えることも必要です。

低価格や機能が豊富といった特徴だけで選ばず、機能と費用が事業所に合った介護ソフトを選ぶことが大切です。

中長期的な視点で介護ソフトの導入効果を予測する

導入時だけでなく、中長期的な視点で介護ソフトの導入による効果を考えましょう。現状の課題を解決することは、もちろん重要です。しかし、将来的に起こりそうな問題や課題に対応できるかという観点も忘れてはならないです。

例えば、現状はLIFEの導入が行えていなくても、業務が整理できたら取り組みたいという場合もあるでしょう。その際に、使っている介護ソフトが対応していれば、円滑にLIFEへの提出に対応できます。

また、コンスタントにアップデートしていることも選ぶポイントです。そのような介護ソフトは法改定や新たな制度の導入にも、スピーディーに対応する可能性が高いです。

口コミやランキングを参考にする

口コミやランキングサイトを確認し、介護ソフトに関する幅広い意見を得ることも大切です。実際に使用している方の意見は、介護ソフトの資料やサイトからは得られない情報です。

介護ソフトの導入に関して相談する際に、担当者は利便性や特徴について伝えてくれます。そのうえで、口コミのような異なる切り口の情報があれば、導入した際のイメージがより具体的になります。

主な介護ソフト12選

これから導入を前向きに検討した方向けに、主な介護ソフト12選をご紹介します。ぜひ、介護ソフトを選ぶ際の参考にしてください。

Rehab Cloud(リハブクラウド)

Rehab Cloud(リハブクラウド)は、介護計画書の作成・LIFE提出・介護記録・介護保険請求まで一元管理できるクラウド型の介護ソフトです。Rehab Cloudは、間接業務の負担を減らし、現場で利用者と向き合える時間を増やすことを目指して開発されました。

パソコンが苦手な方も使いこなせるよう、わかりやすさを追求したデザインが特徴。データとAIを駆使した科学的なリハビリ支援が実現できます。

対象施設:デイサービス(通所介護)

参考:介護ソフト・介護システムならRehab Cloud(リハブクラウド)

ほのぼのNEXT

ほのぼのNEXTは、充実した機能、操作性の高さ、万全のサポート体制が評価されているパッケージ型とクラウド型が選べる介護ソフトです。介護報酬改定への対応も追加料金が発生しません。タブレットによる介護記録の入力にも対応しています。

対象施設:訪問介護・通所介護・高齢者住宅など

参考:ケア記録から介護請求まで連動 介護ICTソフト「ほのぼのNEXT」 | NDソフトウェア

ナーシングネットプラスワン

ナーシングネットプラスワンは、使いやすさを追求したクラウド型の介護ソフトです。スマホやタブレットにも対応していて、直感的な操作が行えます。法改定にも対応したアップデートが自動で行われます。

対象施設:訪問介護・通所介護・サービス付き高齢者向け住宅など

参考:介護ソフト・介護システムならナーシングネットプラスワン|クラウド型で安心管理

トリケアトプス

トリケアトプスは、現場の声から生まれたクラウド型の介護ソフトです。コンスタントにアップデートが行われ、法改定にも無償で対応。従量課金制を採用しているため、利用者の人数や利用するサービスによって価格が異なります。

対象施設:通所介護・訪問介護など

参考:介護ソフト・介護システムの導入ならトリケアトプス|業界最安値

ケア樹

ケア樹は、介護計画書の作成・介護記録・介護報酬請求・分析業務などの業務をワンストップで対応するクラウド型の介護ソフトです。使いやすい操作性の高さと充実したサポート体制が特徴。iPadアプリ「どこでも簡単入力」も提供しています。

対象施設:要問合せ

参考:介護ソフトが月額システム利用料0円で利用できる【ケア樹】

まもる君クラウド

まもる君クラウドは、介護報酬請求・介護記録・介護計画書作成・LIFE連携といった業務に1つで対応するクラウド型の介護ソフトです。初期費用・保守費用・バージョンアップ費用は0円。満足度の高いカスタマーサポートを提供しています。

対象施設:通所介護・訪問介護など

参考:介護ソフト・介護システム「まもる君クラウド」のご紹介

楽々ケアクラウド

楽々ケアクラウドは、現場の意見を取り入れた見やすさと使いやすさが特徴のクラウド型の介護ソフトです。事務作業の軽減に重点を置いており、国保連請求データを直接送信できる機能を搭載しています。

対象施設:要問合せ

参考:楽々ケアクラウドについて | 楽々シリーズ 介護保険業務支援システム

介舟ファミリー

介舟ファミリーは、介護計画書作成・介護記録・介護報酬請求・スタッフや利用者の管理などを1つで行える豊富な機能が利用できるクラウド型の介護ソフトです。スマホやタブレットにも対応。LIFE連携や給与計算も可能です。

対象施設:訪問介護・通所介護など

参考:介護ソフトなら「介舟ファミリー」 – 介舟ファミリー

ワイズマンシステムSP

ワイズマンシステムSPは、幅広いサービスに対応したラインナップで介護現場を総合的にサポートするパッケージ型の介護ソフトです。61,200以上の事業所が導入しており、業界トップクラスの実績を誇ります。

対象施設:訪問介護・通所介護・サービス付き高齢者住宅など

参考:介護・福祉向け製品|製品一覧|医療と介護・福祉のワイズマン

カイポケ

カイポケは、コストパフォーマンスの高さと使いやすさで施設の経営をサポートするクラウド型の介護ソフトです。パソコンだけでなく、スマホやタブレットにも対応。50,000以上の事業所への導入実績を誇ります。

対象施設:通所介護・訪問介護・サービス付き高齢者住宅など

参考:介護・看護・障害ソフトやシステムならカイポケ|新規導入数No.1

カナミック クラウドサービス

カナミック クラウドサービスは、毎日の介護記録の入力から経営管理までサポートするクラウド型の介護ソフトです。スマホやタブレットにも対応。そして、経営者目線の機能が充実していることが特徴です。複数の拠点を本部から一元管理できます。

対象施設:訪問介護・通所介護・サービス付き高齢者住宅・特別養護老人ホームなど

参考:介護ソフト・介護システム大手|東証プライム上場企業のカナミック

CAREKARTE(ケアカルテ)

CAREKARTE(ケアカルテ)は、介護現場を知るシステム会社のノウハウを活かした施設の運営を全面的にサポートするクラウド型の介護ソフトです。法改定への対応やバージョンアップによる追加の費用は発生しません。

対象施設:訪問介護・通所介護・サービス付き高齢者住宅など

参考:CAREKARTE(ケアカルテ)とは – 株式会社ケアコネクトジャパン

選び方を理解して最適な介護ソフトを導入しよう

介護ソフトを選ぶ際は、導入する目的や運営する施設に合ったものを選ぶことが大切です。まず、現状の課題や困りごとをまとめて必要な機能を洗い出します。そして、機能・運用方法・対応サービス・サポート体制を比較し、費用とのバランスを考えて介護ソフトを選ぶと失敗しづらくなるでしょう。事業所にあった最適な介護ソフトを導入して、幅広い業務の効率化を実現しましょう。

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この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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