ADLとIADLの違いとは |介護における定義・項目・アセスメント・評価の違い
現場ノウハウ
2024/11/06
現場ノウハウ
お役立ち情報
更新日:2024/06/25
介護現場では多くの職種があり、それぞれの業務範囲で仕事をしています。最近は多職種でコミュニケーションをとりながら、もれなくご高齢者をサポートする「チームアプローチ」という概念が浸透してきました。介護施設におけるチームアプローチを定着させるために、重要な考え方やチームアプローチの効果・実践例などをまとめてご紹介します。
この記事の目次
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介護におけるチームアプローチとは、介護に関係する多職種が協力しながら、利用者に適切なケアを提供することです。
利用者の自立を促し、安全に日常生活を送れるようにすることがチームアプローチのおもな目的です。
そのためには、各職種が個別に行動するのではなく、それぞれの専門性を活かした役割分担によって効率的にアプローチすることが求められます。
多職種が連携することで、より多角的に利用者にアプローチできるようになり、多くの問題点の解決につながります。
このように、介護におけるチームアプローチがいかに重要な取り組みであるかがわかるでしょう。
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介護におけるチームアプローチの目標は、利用者の自立支援です。
利用者が希望した生活を送れるようにするには、身体状況や生活環境のなかで浮上してくる問題点や課題点を解決する必要があります。
利用者・家族を総合的にとらえつつ、適切なサービスを提供するためには、多職種が連携してそれぞれの専門性を活かすことが必要不可欠です。
各専門性に特化した職種と協力することで、利用者にとって効果的なサービスを提供できるのです。
チームアプローチとは、利用者に対しての目標を達成するために、多職種で協力しながら支援することです。
一方で、多職種連携とは、その具体的な方法を指す言葉です。
実際の現場ではどちらも同じ意味で使用されていることも多いため、それぞれを厳密に使い分ける必要はありません。
また、介護においては介護士やケアマネジャー、生活相談員などの介護職員同士の連携をチームアプローチと呼ぶこともあります。
そのため、「特定の職種がいないとチームアプローチとして成立しない」というわけではありません。
多職種連携について詳しく知りたい方は以下の記事からチェックできますので、ぜひご一読ください。
チームアプローチを定着させることで、介護の質の向上につながります。職種ごとの役割分担が明確となっていれば、それぞれの専門性を活かしたケアに集中できます。
そして業務における抜け漏れも少なくなるので、利用者や家族への信頼性を高めることにつながるでしょう。
また、介護の質向上だけでなく職員の働きやすい環境を作ることも可能です。
チームアプローチによってお互いの職種への理解を深め、コミュニケーションを円滑にすることで、ストレスなく働けるようになります。
ここではチームアプローチの実践例についてご紹介します。
脳卒中を発症したAさんは後遺症によって言葉が喋れず、病気によって怒りっぽい状態でした。食事の際に、好みではないからと拒否することも多く、次第に食事量が減っていきました。
食事が少なくなることを看護師に相談し、どのような対策をすべきかを検討。
飲み込みのリハビリ中にデザートを用いることでカロリー摂取を促し、昼食の際は好みの食べ物を家族に持ち込んでもらいました。
その結果、少しずつ食事量が増えて低栄養のリスクを防止できました。
普段から車イスで生活しているBさんは、身体機能が低下しているため、トイレや移乗などの介助に時間がかかっていました。
介護士がリハビリ職に介助が大変であることを伝えて、どうすれば楽になれるかを検討。
アームレストの跳ね上げが可能な車イスに変更することで本人も介助者も楽に行えると判断し、ケアマネジャーに相談しました。
跳ね上げ可能な車イスに変更した結果、介助量が軽減し、Bさんも「こちらのほうが楽になった」と満足していました。
脳卒中を発症したCさんは身体に麻痺はないものの、認知機能の低下が疑われていたため、車イス生活をしていました。
しかし、施設での生活では一人で歩くこともあり、介護士や看護師は転倒しないか心配していました。
リハビリ職に相談し、Cさんの細かい身体機能を評価。
認知機能の低下はあるものの、生活に大きな支障が出るほどの問題はないと判断し、移動を車イスから歩行に変更しました。
歩行に変更した後も、とくに転倒することなく過ごされていました。
ここでは、チームアプローチをスムーズに行うためのコツについて解説します。
それぞれの職種がどのような役割を持つのかを確認しておきましょう。
介護士やケアマネジャー、リハビリ職など、それぞれの職種に明確な役割がありつつも、重なり合う部分もあります。
そのため、お互いの仕事範囲をよく確認して理解することで連携を取りやすくなるでしょう。自身はもちろん、関わりの強い職種の仕事範囲がわかれば、コミュニケーションもとりやすくなります。
職種の役割を確認するだけでなく、それぞれの専門性を理解することも重要です。どのような専門性があるのかを把握しておけば、多職種連携がスムーズになるでしょう。
「この業務はケアマネジャーにお願いする」「この業務は自分でできる」など、業務範囲が明確となり、仕事の抜け漏れが少なくなります。
スムーズな情報共有を心がけましょう。チームアプローチにおいて、情報共有は必要不可欠な要素です。
利用者の情報共有が疎かになると多職種連携がうまくいかず、適切なケアを提供できなくなります。ケアの質を高めるためにも、利用者に変化があった場合はなるべく早めに情報伝達することが大切です。
介護におけるチームアプローチは業務を効率化し、利用者に質の高いケアを提供するためには欠かせないものです。
チームアプローチに関わる職種に決まりはなく、介護現場ではおもに介護士やケアマネジャー、リハビリ職などが関わっています。
チームアプローチをスムーズに行うためには、各職種の専門性や役割、業務範囲を理解することが大切です。
またケアの質を高めるには、スムーズな情報共有が求められます。今回の記事を参考にして、効果的なチームアプローチを進めていきましょう。
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