ADLとIADLの違いとは |介護における定義・項目・アセスメント・評価の違い
現場ノウハウ
2024/11/06
現場ノウハウ
レクリエーション
更新日:2024/10/17
少人数でのレクリエーションには、個別対応が可能でコミュニケーションの質が高まるといったメリットがあります。本記事では、少人数で行えるレクリエーション10選を紹介し、利用者や施設職員の視点からその特徴や効果を解説します。少人数で行うレクリエーションを検討している方におすすめの記事です。
この記事の目次
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少人数のレクリエーションは、利用者一人ひとりのニーズに合わせた支援がしやすく、質の高いコミュニケーションが取れます。また、個別対応しやすい点も大きな特徴です。。
たとえば、レクリエーション参加者の身体機能や認知機能に差がある場合であっても少人数であれば状況に応じた調整がしやすく、利用者が自分のペースで参加できる環境が作りやすいでしょう。
【利用者のメリット】
大人数だと緊張や不安を感じやすい方も、少人数ならば比較的リラックスして活動に取り組むことができるでしょう。また、スタッフとの距離が近く、質問や相談がしやすい環境です。
【施設職員のメリット】
デイサービス等の施設職員にとっては、コミュニケーションを密に行い、利用者一人ひとりの状態をより細かく観察することができるので、適切な支援を提供できるでしょう。
【レクリエーションが有効なシチュエーション】
少人数レクリエーションは、認知症のある方や、他の利用者と密に交流する活動を求める方々にとって有効な活動です。また、集団活動に抵抗がある利用者や、特別なケアやコミュニケーションが必要な方にも少人数のレクリエーションが適しています。
少人数でのレクリエーションは、高齢者にとってさまざまな面で重要な役割を果たします。特に以下の点が重要な項目として挙げられるでしょう。
【利用者の心理的安定の促進】
少人数での活動は、利用者一人ひとりが安心して参加しやすい環境を作りやすいです。大人数では緊張やプレッシャーを感じやすい方でも、少人数であればリラックスしやすく、落ち着いて活動に取り組むことができます。このような環境は、参加者が自分を表現する機会を増やし、自己肯定感を高める効果も期待できるでしょう。
【個別対応による活動の質の向上】
少人数でのレクリエーションでは、介護職員が利用者一人ひとりの状態やニーズに合わせたサポートが行いやすくなります。たとえば、認知機能の低下がみられる利用者の場合でも、少人数であればその状況に応じて調整がしやすくなるでしょう。細かな対応のできる環境があることによって、利用者は無理なく自分のペースで活動に参加でき、ニーズに応じたケアが受けられます。サービスの質を高めやすく、利用者の満足度も高まるでしょう。
【信頼関係の構築】
少人数のレクリエーションでは、参加者同士やスタッフとのコミュニケーションが密になりやすく、信頼関係の構築が促進されます。特にデイサービスなどの場では、利用者同士が互いに理解し合い、支え合う関係が生まれることで、社会的なつながりを感じやすくなります。また、スタッフとの信頼関係も深まりやすく、不安や疑問を気軽に相談できる環境が整いやすくなるでしょう。
【認知機能や身体機能の維持・向上】
少人数での活動は、利用者一人ひとりのペースに合わせた指導やサポートがしやすいため、認知機能や身体機能の維持・向上に寄与できる面があります。たとえば、簡単なパズルゲームと軽い運動を組み合わせたレクリエーションなどを取り入れることで、楽しみながら身体を動かすことができるでしょう。大人数では活動が難しい方であっても、少人数で手厚いサポートがある中で適切に活動ができれば、結果として日常生活の質を向上させる効果が期待されます。
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ここでは、デイサービスで簡単に行える少人数向けのレクリエーションを10種類ご紹介します。
①参加者は机や椅子を囲んで座り、進行役から手話の基本的な動きを教わります。
②手話を学んだ後、参加者は歌いながら、教わった手話を練習します。
③手話の動きが難しい場合は、参加者が無理なく行える簡単な動作にアレンジします。全員が楽しめるように、介助役と動作を調整します。
④歌と手話を組み合わせた練習を繰り返し、リズムに合わせて楽しく進めていきます。
手話を取り入れることで、自然と手の機能を鍛えることができます。また、歌いながら手を動かすことで二重課題運動となり、認知機能の維持・向上も期待できるでしょう。このレクリエーションは、アレンジしながら全員が楽しく参加できるように、無理のない範囲で進めることが大切です。
①参加者は、事前に用意した写真の中から好きなものを選びます。
②選んだ写真をカレンダー用紙に貼り付けます。この際、のりやはさみを使って写真をきれいに配置します。各月にふさわしい写真を貼り付けると良いでしょう。
③写真を貼り付けながら、参加者同士やスタッフと写真についての思い出話を楽しみます。
④完成したフォトカレンダーは、自宅に持ち帰り、飾りましょう。
フォトカレンダー作りは、思い出を振り返りながら楽しく手作りできるクラフトレクリエーションです。作成過程での交流が、参加者同士やスタッフとのコミュニケーションを深め、より質の高いケアの提供のきっかけとなるでしょう。
①進行役が参加者にお題を出します。たとえば「果物の名前」や「動物の名前」など、特定のテーマに関連する言葉を選びます。
②参加者は順番に、お題に関連する言葉を1つずつ挙げていきます。
③時間内に最も多くの言葉を集めた方が勝ちとなります。人数によっては、チーム戦で行うことで交流を深めることもできます。
簡単なお題から始め、徐々に難易度を上げることで、集中力を持続させながらゲームを進行しましょう。
①あれば小さめの卓球台を用意し、参加者同士で卓球のラリーを楽しみます。卓球台がない場合は、テーブルなどを代用しても構いません。
②ルールはシンプルに設定し、初心者でも気軽に参加できるようにします。たとえば、ポイント制を省略したり、バウンド数を無視してラリーを続けること自体を目的にするなど、柔軟に対応します。
③ラケットが扱いにくい場合は、ラケットの代わりに手でボールを返すなど、参加者の状況に合わせてルールや用具をアレンジします。
④ポイント制にする場合は、多数のポイントを取った方が勝者となります。
ミニ卓球は、体を動かしながら楽しむことができるレクリエーションで、身体機能の維持にも役立ちます。また、参加者同士で勝敗を競うことで、ゲームの楽しさが増すでしょう。参加者の体力や技術に応じて介助役を付けるなどしてルールを柔軟に設定し、誰でも楽しく参加できるように工夫することが大切です。
①参加者同士でお手玉を投げ合い、キャッチし合います。お手玉は柔らかく、扱いやすいものを使用しましょう。
②お手玉を投げる距離を調整して、継続できる範囲に設定します。
③お手玉を連続して投げ合い、キャッチする動作を繰り返します。
④お手玉のキャッチ回数の目標を立てるなどしてゴールを設定するのも良いでしょう。
参加者同士の距離は、近くから始め、徐々に遠くに調整することで適切な距離を計りやすいです。遠くなるほど難易度が高くなるため、参加者の状態に応じて設定しましょう。また、円を描くように参加者を配置し、何周できるか目標を立てて楽しむのも良いでしょう。
①進行役が部屋の中に小物をいくつか隠します。隠す場所は、見つけやすい場所から難しい場所まで、工夫して設定します。
②参加者は部屋の中を歩き回り、小物を探します。進行役は、必要に応じてヒントを出し、参加者が物を見つけやすくします。状況により、参加者に介助役をつけて支援しましょう。
③見つけた物の数を競い合います。最も多くの物を見つけた参加者が勝者となります。
物探しゲームは、楽しみながら全身的な運動を行えるゲームです。簡単なルールで楽しめるため、対象者を問わずに楽しめる活動です。ただし、移動を伴うゲームのため、転倒や転落に注意しましょう。
①参加者に紙を配り、まずは紙飛行機を作ってもらいます。進行役は、紙飛行機の折り方を説明し、必要に応じてサポートします。
②全員が紙飛行機を作り終えたら、飛距離を競うためのスペースを確保します。
③順番に紙飛行機を飛ばし、誰が一番遠くまで飛ばせるかを競います。
④飛ばす際には、紙の折り方や飛ばし方を工夫するように促します。
⑤全員が飛ばし終わったら、飛距離が最も長かった参加者を発表し、拍手を送りましょう。
紙飛行機飛ばしは、手先の運動のみでなく、全身を動かすことができます。シンプルな遊びでありながら、達成感や楽しさを共有できる活動です。ただし、紙飛行機を飛ばす際には転倒に気をつける必要があるでしょう。
①参加者に紙皿を配り、マーカーやシールを使って自由にデコレーションします。
②デコレーションが終わったら、紙皿をフリスビーとして使い、誰が一番遠くまで飛ばせるかを競います。
フリスビーを飛ばすだけでなく、参加者同士でフリスビーを投げ合ってキャッチするゲームを追加しても良いでしょう。このようなアレンジにより、ゲームのバリエーションを増やすことができます。
①輪投げセットを準備し、参加者に輪を渡します。的との距離は、参加者が無理なく投げられるように調整します。
②参加者は順番に輪を投げ、的に多く輪を入れることを目指します。複数人参加者がいる場合、1人ずつ順番に輪投げを行い、競い合う形で進めます。
③複数人参加者がいる場合、輪投げをもっとも多く的に入れた方が勝者となります。
投げる距離や角度を変えることで、ゲームの難易度を調整すると良いでしょう。初心者には近い距離から、経験者には遠い距離から挑戦させるなど、工夫します。
①参加者に色とりどりのカードやパズルピースを配り、指定された色や形に合わせて組み合わせるようにルールを説明します。たとえば、同じ色を集める、または特定の形を完成させるなどのルールを設定します。
②参加者はピースをできるだけ早く、正確に組み合わせていきます。最も早くパズルの正しい組み合わせを完成させた人が勝ちです。
③難易度を上げるために、色の組み合わせを複雑にしたり、ピースの形状を工夫したりします。また、全員で協力して一つのパズルを完成させる協力プレイにすることで、チームワークを楽しむこともできます。
色合わせパズルは、集中力を必要とするのみでなく、手先の細かい動きを必要とするゲームです。パズルピースの準備に時間がかかる点には注意する必要があるでしょう。
参考:二重課題トレーニングによる長期介入が健常高齢者の運動および認知機能に与える影響
少人数レクリエーションは、利用者一人ひとりに寄り添った柔軟な対応がしやすく、質の高いコミュニケーションを促進します。
個別対応がしやすい環境では、利用者の安心感が高まり、活動の効果をより大きくできるケースがあるでしょう。
また、少人数の活動では利用者同士やスタッフとの信頼関係が深まりやすく、心身の健康維持や認知機能の維持・向上にもつながりやすくなります。
介護施設でこのようなアクティビティを取り入れることは、利用者の生活の質を全般的に向上させるための有効な方法の1つです。
利用者の特性に合わせながら、最適なレクリエーションを選択しましょう。
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