介護ソフトの勘定科目は?クラウド型とパッケージ型の仕訳例も解説

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更新日:2025/09/30

「介護ソフトの購入費や利用料は、どの勘定科目で処理すれば良いの?」 このような経理上の疑問を持つ方のために、この記事を作成しました。 介護ソフトの勘定科目の基本から、具体的な仕訳例まで分かりやすく解説します。 正しい会計処理は、税務対策や補助金申請の際にも役立つはずです。

介護ソフトの勘定科目の基礎知識について

まず、介護ソフトの会計処理における基本的な考え方を整理しましょう。

介護ソフトの勘定科目は社内ルールで決められる

介護ソフトの勘定科目には、実は法的に明確な決まりがありません。 そのため、各企業が会計ルールを設けて、運用することが可能です。

勘定科目とは、お金の出入りを分かりやすく分類するための見出しを指します。 一度決めたルールは継続して使う必要があるため、一貫性を持たせましょう。

主に「消耗品費」か「通信費」を使う

介護ソフトの勘定科目は「消耗品費」か「通信費」が一般的です。 ソフトの提供形態や費用によって使い分ける必要があります。

どちらを使うべきか、社内で検討してルールを定めると良いでしょう。 クラウド型とパッケージ型の違いは、後ほど詳しく解説します。

10万円以上のパッケージ型は減価償却が必要

購入価格が10万円を超えるパッケージ型ソフトは、資産として計上します。 これは「無形固定資産(物理的な形のない資産)」に分類されるためです。

資産は、耐用年数(法で定められた使用可能な期間)に応じて分割して費用化します。 この会計処理を減価償却と呼びます。

参考:No.5461 ソフトウエアの取得価額と耐用年数|国税庁

サポート費用は「諸会費」か「支払手数料」

ソフト利用に伴うサポート費用は、別の勘定科目で処理します。 一般的には「諸会費」や「支払手数料」を用いることが多いです。 ただし、サポート内容が機能追加などにあたる場合は、無形固定資産として計上するケースもあります。

クラウド型(ASP型)介護ソフトの勘定科目と仕訳例

インターネット経由で利用する、クラウド型ソフトの会計処理を見ていきましょう。

勘定科目は「通信費」が一般的

クラウド型ソフトの利用料は「通信費」として計上する場合が多く見られます。 ソフトの所有権は提供会社側にあり、自社の資産にはならないためです。 インターネット回線を利用するサービスの対価、と考えると分かりやすいでしょう。 減価償却が不要で、会計処理が比較的シンプルな点も特徴です。

クラウド型ソフトの仕訳例

クラウド型ソフトは、商品の購入ではないのでサービスの利用として「通信費」として処理します。月額や年額など、支払いのタイミングで仕訳が必要です。

クラウド型ソフトの仕訳例は、以下のとおりです。

日付 借方科目 金額 貸方科目 金額 摘要
2025年3月31日 通信費 5,000円 普通預金 5,000円 クラウド型介護ソフトの支払い

クラウド型ソフトのサポート料の仕訳例は、以下のとおりです。

日付 借方科目 金額 貸方科目 金額 摘要
2025年3月31日 諸会費 5,000円 普通預金 5,000円 介護ソフトのサポート費用

パッケージ型(インストール型)介護ソフトの勘定科目と仕訳例

次に、事業所内のPCにインストールして使うパッケージ型の会計処理です。

勘定科目は「消耗品費」か「ソフトウェア」

パッケージ型は購入して所有する資産のため、クラウド型と処理が異なります。 10万円未満の場合は「消耗品費」として一括で経費計上します。 10万円以上の場合は「ソフトウェア」として資産計上が必要です。

パッケージ型介護ソフトの仕訳例

仕訳例について、それぞれ紹介しますので参考にしてください。まず、10万円以上のパッケージ型ソフトの仕訳例です。購入費用が300,000円で、耐用年数5年と想定した場合には、減価償却費を60,000円として計上します。

日付 借方科目 金額 貸方科目 金額 摘要
2025年3月31日 ソフトウェア 300,000円 普通預金 300,000円 パッケージ型介護ソフトの導入
2025年12月31日 減価償却費 60,000円 減価償却累計額 60,000円 パッケージ型介護ソフトの減価償却費

次に10万円以下のパッケージ型ソフトの仕訳例です。

日付 借方科目 金額 貸方科目 金額 摘要
2025年3月31日 消耗品費 90,000円 普通預金 90,000円 パッケージ型介護ソフトの購入

介護ソフトの勘定科目を理解して適切に会計処理を行おう

介護ソフトの勘定科目には法的なルールがないため、社内でのルール作りが重要です。 提供形態によって、用いる勘定科目が異なる点を理解しましょう。

  • クラウド型:通信費
  • パッケージ型:10万円未満は消耗品費、10万円以上は資産

本記事を参考に勘定科目を正しく分類し、適切な会計処理を行いましょう。

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この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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