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介護保険法
2024/11/06
介護保険法
処遇改善加算
更新日:2024/06/27
【令和6年報酬改定対応】介護職員等処遇改善加算には、キャリアパス要件・月額賃金改善要件・職場環境等要件という3つの要件があり、算定のために満たしておく必要があります。ここでは、最新の介護報酬改定に合わせたキャリアパス要件・職場環境等要件をご紹介しましょう。
この記事の目次
介護職員等処遇改善加算とは、介護職員が安定して業務を行うために賃金や環境の改善を図ることを目的としたものです。
処遇改善加算を算定するには、加算に応じた賃金改善の実施とともに「キャリアパス要件」「月額賃金改善要件」「職場環境等要件」を満たす必要があります。
処遇改善加算の算定要件や単位数については以下の記事からチェックできますので、ぜひご一読ください。
▶︎介護職員等処遇改善加算とは?算定要件や単位数などを解説
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キャリアパス要件とは、介護職員がキャリアアップできるような賃金体系や環境を整えるための要件です。
キャリアパス要件には「Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ」の5種類があり、それぞれ指定された条件を満たす必要があります。
ここでは各キャリアパス要件について解説します。
キャリアパス要件Ⅰでは、以下の要件をすべて満たす必要があります。
「1.」では、介護職員をキャリアにあわせて段階分けして、その職位に適した責任範囲と職務内容について明確にしておく必要があります。
また、段階ごとの要件も具体的に設けましょう。
「2.」では、職位ごとの給与表を作成したり、手当を付与したりなど、賃金体系をはっきりとさせておきます。
「3.」では賃金体系だけでなく、職位や職責、職務についての内容も含まれています。
キャリアパス要件Ⅱに必要な項目は以下の通りです。
「1.」の資質向上の例としては、以下があげられます。
キャリアパス要件Ⅲでは、以下の項目を満たす必要があります。
「1.」の昇給に該当するものとしては、以下があげられます。
また、昇給に関しては基準や条件を明確に定めたうえで、実技や人事評価などをもとに判断します。
経験・技能のある介護職員のうち1人以上は、賃金改善後の賃金の見込額(新加算等を算定し実施される賃金改善の見込額を含む。)が年額440万円以上であること。
サービス類型ごとに一定以上の介護福祉士等を配置していること。具体的には、新加算等を算定する事業所においてサービス提供体制強化加算ⅠまたはⅡを算定していること。
参考:介護職員の処遇改善
月額賃金改善要件とは、介護職員等処遇改善加算として算定した金額のうち従業員の賃金改善に充てなければならない金額・割合についての要件が定められています。
参考:介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について
職場環境等要件とは、職場環境の改善をはじめとした取り組みを実施するために必要な要件です。
介護職員への賃金以外にも、「研修の実施によるキャリアアップ」や「ICT(通信技術)の活用による生産性の向上」の取り組みが求められています。
介護職員等処遇改善加算を算定するには、以下の表の各項目に対して区分を1つ以上取り組む必要があります。(※特定処遇改善加算の場合は、区分ごとに1つ以上の取り組みが必要)
令和6年度中
区分 | 内容 |
---|---|
入職促進に向けた取組 | ●法人や事業所の経営理念やケア方針・人材育成方針、その実現のための施策・仕組みなどの明確化 ●事業者の共同による採用・人事ローテーション・研修のための制度構築 ●他産業からの転職者、主婦層、中高年齢者等、経験者・有資格者等にこだわらない幅広い採用の仕組みの構築 ●職業体験の受入れや地域行事への参加や主催等による職業魅力度向上の取組の実施 |
資質の向上やキャリアアップに向けた支援 | ●働きながら介護福祉士取得を目指す者に対する実務者研修受講支援や、より専門性の高い介護技術を取得しようとする者に対する喀痰吸引、認知症ケア、サービス提供責任者研修、中堅職員に対するマネジメント研修の受講支援等 ●研修の受講やキャリア段位制度と人事考課との連動 ●エルダー・メンター(仕事やメンタル面のサポート等をする担当者)制度等導入 ●上位者・担当者等によるキャリア面談など、キャリアアップ等に関する定期的な相談の機会の確保 |
両立支援・多様な働き方の推進 | 等の充実、事業所内託児施設の整備 ●職員の事情等の状況に応じた勤務シフトや短時間正規職員制度の導入、職員の希望に即した非正規職員から正規職員への転換の制度等の整備 ●有給休暇が取得しやすい環境の整備 ●業務や福利厚生制度、メンタルヘルス等の職員相談窓口の設置等相談体制の充実 |
腰痛を含む心身の健康管理 | ●介護職員の身体の負担軽減のための介護技術の修得支援、介護ロボットやリフト等の介護機器等導入及び研修等による腰痛対策の実施 ●短時間勤務労働者等も受診可能な健康診断・ストレスチェックや、従業員のための休憩室の設置等健康管理対策の実施 ●雇用管理改善のための管理者に対する研修等の実施 ●事故・トラブルへの対応マニュアル等の作成等の体制の整備 |
生産性向上のための業務改善の取組 | ●タブレット端末やインカム等のICT活用や見守り機器等の介護ロボットやセンサー等の導入による業務量の縮減 ●高齢者の活躍(居室やフロア等の掃除、食事の配膳・下膳などのほか、経理や労務、広報なども含めた介護業務以外の業務の提供)等による役割分担の明確化 ●5S活動(業務管理の手法の1つ。整理・整頓・清掃・清潔・躾の頭文字をとったもの)等の実践による職場環境の整備 ●業務手順書の作成や、記録・報告様式の工夫等による情報共有や作業負担の軽減 |
やりがい・働きがいの醸成 | ●ミーティング等による職場内コミュニケーションの円滑化による個々の介護職員の気づきを踏まえた勤務環境やケア内容の改善 ●地域包括ケアの一員としてのモチベーション向上に資する、地域の児童・生徒や住民との交流の実施 ●利用者本位のケア方針など介護保険や法人の理念等を定期的に学ぶ機会の提供 ●ケアの好事例や、利用者やその家族からの謝意等の情報を共有する機会の提供 |
参考:処遇改善に関する加算の職場環境等要件 (2023年5月19日確認)
令和6年度中と、令和7年度以降の要件に違いがあるので注意が必要です。
令和7年度以降
出典:介護職員の処遇改善
介護職員等処遇改善加算を算定するには、キャリアパス要件と月額賃金改善要件、職場環境等要件について取り組む必要があります。
いずれの要件も細かく指定されていますが、具体的な内容は指示されているので、行動を起こしやすいといえるでしょう。
処遇改善加算は事業所や介護スタッフだけでなく、安定した介護サービスを受けられる利用者にとってもメリットです。
職員が働きやすい環境を整え、質の高いサービスを提供できる体制を作るためにも、処遇改善加算の算定に取り組んでいきましょう。
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