サービス利用票(別表)とは?サービス提供票との違い・記入例や見方を解説

コラム

介護スタッフの基礎知識

更新日:2023/09/12

サービス利用票は、ケアマネジャーがケアプランを作成する際、1ヵ月の計画を記入するものです。この記事では、サービス利用票の書き方やサービス提供票との違い、ケアマネから受け取る書類の種類と扱い方などについて解説していきます。  

サービス利用票の意義と役割

サービス利用票とは、利用者の介護サービスの利用内容や時間を記入する様式です。ケアマネジャーが介護サービスを利用する方に対して、作成・交付します。

サービスの提供によって得られた介護報酬を受け取る際、国民健康保険団体連合会と利用者から請求する必要があります。

デイサービスを含む居宅介護支援では、利用者への請求はありません。しかし、その利用者が利用しているサービス内容や介護報酬の負担額などの給付管理は行います。

介護サービスの内容とそれを利用した分の金額を利用者に伝えるために、サービス利用票とその別表が必要となるのです。

サービス利用票とは

サービス利用票では、月々の介護サービスの計画と実績を記入して管理します。

介護サービスを利用する際にケアマネジャーはサービス利用票を2部作成し、1部は利用者に、もう1部は控えとして保管します。

ケアマネジャーが作成するケアプランのうち、「第6表」がサービス利用票です。ケアプランの全体の内容としては、以下の表の通りです。

第1表ケアプラン(1)
第2表ケアプラン(2)
第3表週間サービス計画表
第4表サービス担当者会議の要点
第5表居宅介護支援経過
第6表サービス利用票(兼居宅サービス計画)
第7表サービス利用票別表

参考:居宅サービス計画書標準様式及び記載要領(2023年8月28日確認)

サービス利用票の記載例と見方

厚生労働省から提示しているサービス利用票は以下をクリックすると、エクセル版をダウンロードしていただけます。

▶︎厚生労働省|サービス利用票

ここではサービス利用票の各項目の記載例と見方について解説します。

保険者番号

利用者の保険者番号を記載します。

保険者名

利用者本人の保険者名を記載します。

居宅介護支援事業者事業所名担当者名

利用している居宅介護支援事業所と、担当ケアマネジャーの名前を記載します。

作成年月日

サービス利用票を作成し、利用者の同意を得た日を記載します。サービス使用表は介護サービスを開始する前に作成する必要があります。

利用者確認

利用者の了承のもと、印鑑やサインをもらいます。サービス利用票は2部作成し、1部は利用者、もう1部は保管します。

電子データでやり取りをする場合は、利用者確認の欄は使用する必要はありません。

被保険者番号

利用者の被保険者番号を記載します。

被保険者氏名・フリガナ

利用者の氏名とフリガナを記載します。

保険者確認印

居宅介護支援事業所に依頼をせず、利用者がケアプランを作成した場合、その受付をした市町村が確認印を押印する欄です。

居宅介護支援事業所に依頼して作成した場合は、押印する必要はありません。

届出年月日

こちらも居宅介護支援事業所に依頼をせずに利用者がケアプランを作成した場合に、市町村へ届出をした年月日を記載します。

居宅介護支援事業所に依頼をして作成した場合は押印する必要はありません。

生年月日

利用者の生年月日を記載します。

性別

利用者の性別を記載します。

要介護状態区分

利用者の要介護状態区分を記載します。

変更後要介護状態区分・変更日

利用者の要介護区分が変更された場合、新しく設定された区分と変更日を記載します。

区分支給限度基準額

利用者の介護度の区分に応じた区分支給限度基準記載額を記入します。提供するサービスの単位数の合計が、この区分支給限度基準額を超えていないように注意しましょう。

介護(支援)度に応じた区分支給限度基準額は、以下の表の通りです。

介護(支援)度単位数
要支援15,032単位
要支援210,531単位
要介護116,765単位
要介護219,705単位
要介護327,048単位
要介護430,938単位
要介護536,217単位

限度額適用期間

利用者の被保険者証にある限度額の適用期間を記載します。

前月までの短期入所利用日数

ケアプランの対象月までの短期入所サービスの利用日数を記載します。要介護(支援)の新規認定申請中の場合は「0」と記載します。

提供時間帯

サービスの提供開始から終了するまでの時間帯を記載します。福祉用具貸与や短期入所サービスの場合は記載する必要はありません。

サービス内容

適用するサービスコードに対応したサービスの種類と、該当する加算等を記載します。

サービス事業者事業所名

サービス提供をする事業所の名前を記載します。

月間サービス計画及び実績の記録

その月の利用予定と、実際にサービスを提供したときの実績を記載します。実績はサービス利用票の作成段階では記載する必要はありません。

参考:居宅サービス計画書標準様式及び記載要領(2023年8月28日確認)

サービス利用票別表とは

サービス利用票別表とは、介護サービスの利用時の介護給付費(介護報酬)が記載されている様式です。

サービス利用票を作成する際は、このサービス利用票別表も作成する必要があります。

サービス利用票別表は、利用者に介護サービスの予定と介護給付費を共有し、利用者負担の請求に関するトラブルを予防する役割があります。

サービス利用票別表の記載例と見方

ここではサービス利用票別表の各項目の記載例と見方について解説します。

被保険者番号・利用者

利用者の被保険者番号と名前を記載します。

事業所名・事業所番号

サービスを提供する事業所名と事業所番号を記載します。

事業所番号は、厚生労働省「介護サービス情報公表システム」を参照すれば、都道府県の運営している事業所番号を見つけられます。

サービス内容/種類

利用者に提供するサービス内容とその種類を記載します。

サービスコード

利用者に提供するサービスの種類にあわせたサービスコードを記載します。サービスコードの探し方としては、「介護給付費 単位数・サービスコード表」を参照してください。

単位数

提供するサービスの種類に対応した単位数を記載します。単位数については「介護給付費 単位数・サービスコード表」を参照してください。

割引適用後の率(%)、単位数

提供するサービスの料金割引をしている事業所の場合、割引率と割引後の単位数を記載します。割引率は介護事業所によって異なる点に注意しましょう。

回数

サービスを提供する月の利用回数を記載します。

サービス単位数/金額

「単位数×その月に利用する回数」で出た結果を記載します。料金割引がある場合は、割引後の単位数を適用します。

給付管理単位数

給付管理単位数とは、利用者の支給限度額から引かれる単位数のことです。同一建物減算や送迎減算などを適用する場合に記載します。

種類支給限度基準を超える単位数・種類支給限度基準内単位数

市町村がサービスの種類ごとに基準額を定めている場合、種類支給限度基準を超える単位数には「合計単位数」と「種類支給限度基準額」を差し引いた単位数を記載します。

種類支給限度基準内単位数には、「サービス単位/金額」から「種類支給限度基準を超える単位数」を差し引いた単位数を記載します。

区分支給限度基準を超える単位数・区分支給限度基準内単位数

区分支給限度基準とは、要介護度によって設けられている区分ごとの月の上限額です。その区分支給限度基準を超える単位数の場合、その分の単位数を記載します。

区分支給限度基準内単位数では、その区分支給限度基準内の単位数を記載します。

単位数単価

事業所の地域に適応する単位数の単価を記載します。地域区分は1級地から7級地とその他の8種類に分類されています。

費用総額(保険/事業対象分)

利用する介護サービスの合計金額を記載します。

給付率(%)

利用者の介護保険の給付率を記載します。

保険/事業費請求額

利用者の介護保険の対象となる費用のうち、保険給付の対象となっている金額を記載します。

定額利用者負担単価金額

介護保険が対象の費用のうち、定額の利用者負担がある場合に、その金額を記載します。

利用者負担(保険/事業対象分)

利用者が負担する介護保険が対象の費用を記載します。

利用者負担(全額負担分)

利用者の区分限度基準額を超えた費用や、介護保険が対象外のサービスの負担額を記載します。

種類支給限度管理

サービスの種類支給限度基準が設定されている場合、その内容を記載します。

要介護認定期間中の短期入所利用日数

要介護認定期間中に利用者が短期入所サービスを利用している場合、「前月までの利用日数」「当月の計画利用日数」「累計利用日数」を記載します。

請求額の計算

利用者の「保険請求分」「公費請求額」「社会福祉法人等による利用者負担の減免」「利用者請求額」をそれぞれ計算し、その合計を記載します。

参考:居宅サービス計画書標準様式及び記載要領(2023年8月28日確認)
参考:厚生労働省|地域区分について(2023年8月28日確認)

サービス利用票とサービス提供票の違い

サービス提供票とは利用者に提供するサービスの内容とその事業者の情報が記載されている書類のことです。

これはサービス利用票に記載された情報を転記したもので、事業者はこの内容をもとに介護サービスを提供します。

また、サービス提供票の他に、「サービス提供票別表」もあります。サービス提供票別表はサービス提供票に記載されている実績を数値化したもので、支給限度額を管理するための書類です。

サービス利用票(別表)をもとにケアマネジャーが作成したサービス提供票とサービス提供票別表は、サービス事業者に交付します。

事業者は月の終わりに実績を追記し、再びそれぞれの書類をケアマネジャーに戻します。このとき、提供するサービスの予定と実績が間違っていないか確認することが必要です。

このように、サービス利用票は利用者に、サービス提供票は事業者に交付する、という大きな違いがある点をおさえておきましょう。

ちなみに、サービス提供票はサービス利用票とは異なり、ケアプランの書類には含まれていません。

サービス利用票(別表)の扱い方や記載方法をおさえておこう

サービス利用票は、利用者の状況やサービスの提供状況を記録するための重要な書類です。サービス利用票は介護報酬や給付管理などに関わってくる書類のため、記入には正確性が求められます。

また別表やサービス提供票などの類似した書類もあるので、それぞれの違いについても十分に理解しておくことが大切です。

今回の記事を参考にして、サービス利用票(別表)の扱い方や記載方法についておさえておきましょう。

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この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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