デイサービスの送迎ルールと注意点|免許や資格・違反や事故について

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更新日:2024/10/17

介護施設の送迎車が関係している交通事故がなかなか絶えません。もし他人事のように聞こえるのであれば注意が必要です。通所介護(デイサービス)や通所リハビリなどは、ご利用者様の送迎は必須であり、交通事故以外にも多くの注意点があります。そこで今回は、介護現場の送迎の注意点について詳しくご紹介します。

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デイサービスの送迎をされる方へ

2015年の半年間の調査によると、介護施設の送迎車が関係している交通事故は「122件」であったと報告されています。デイサービス(通所介護)や通所リハビリなどの通所介護系サービスでは、ご利用者様の送迎のほどんどを職員で行っています。

皆様の介護事業所の送迎は大丈夫でしょうか?

送迎前のチェックポイント」「夕方の送迎の注意点」「夕方の送迎の注意点」をご紹介します。

デイサービスの「送迎前」のチェックポイント!

ではまず、デイサービス(通所介護)の送迎前のチェックポイントをご紹介します。

  1. 昨晩、0時以降にお酒を飲んだ
  2. 睡眠時間が6時間未満だ
  3. 朝、喫煙をした
  4. 服装を鏡で確認していない
  5. 髪型を鏡で確認していない

※1つでも当てはまる方は要注意です!送迎のどのようなところに気をつけるべきなのか、以下の注意点を読んでください。

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デイサービスの「朝の送迎」の注意点!

それでは、デイサービス(介護現場)の送迎の中でも「朝の送迎」の注意点についてご紹介します。

お酒の残りに注意する

お酒の分解は体重約60kgの成人男性の場合で、1合(約20g)あたり約3~4時間、2合で6~7時間、3合で9~10時間、4合で12~13時間ほどかかるとされています。
8時30前後に送迎がある場合は、「合計2合」程度のお酒を「夜0時」には止めることになります。ビクッとしたあなたは要注意です。

朝の混雑に注意して時間のゆとりを確保

朝は通勤ラッシュもあり、車が混雑しています。送迎の時間に間に合わず焦ってしまうことも多いので余裕をみて早めの出発を心がけましょう。

免許書を忘れないように注意する

仕事着に着替えると忘れてしまいがちなものに免許書があります。免許書を持参せずに運動することは絶対にあってはなりません。

携帯電話を忘れないように注意する

さらに忘れることが多いのは、携帯電話です。送迎はスタッフが1人のことも多いのでご利用者様の急変時など携帯電話は必需品です。

車内の掃除はされているか確認する

見過ごしがちなのは、送迎車の後部座席です。ご利用者様が直接座り目のつく後部座席は念入りに掃除しておきましょう。

髪型、服装に注意する

送迎はご利用者様だけでなく、ご家族や外部との関わりがあります。公用車は会社の看板を背負って走っているので、いつどこで誰がみているかわかりませんよ。

デイサービスの夕方行う「帰りの送迎」の注意点!

次に、デイサービス(介護現場)の送迎でも帰りに送り届ける「夕方の送迎」の注意点についてご紹介します。

自己管理して眠気に注意

昨晩の睡眠不足、日中の仕事の疲れが溜まった夕方の送迎では停車中に眠気も強くなりますので要注意です。

夕日の眩しさに注意する

夕方の送迎では、夕日が眩しく運転しづらくなります。特に冬場は夕暮れが送迎時間に重なることも多いのでサングラスなどを持参するようにしましょう。

夕暮れの視界の悪さに注意する

秋から冬にかけて夕暮れ時がはやく辺りが暗くなると視覚の認識が落ちます。

交通事故に注意する

交通事故綜合分析センターによると、16〜20時の死亡事故が増加していると報告されています。スピードを落として安全運転を心がけて下さい。

ご利用者様にも注意を払い、車や歩行者にも注意を払う送迎スタッフは危険が隣り合わせです。日頃から忙しい介護スタッフですので帰りの送迎で気を抜かないように注意してくださいね。

参照:交通事故綜合分析センター 平成26年「交通統計」

朝夕の送迎時に共通する注意点

デイサービスの送迎は、利用者の安全と快適さを確保することが非常に重要です。朝夕の送迎時には、いくつかの注意点があります。以下に、その注意点を述べます。

送迎ルートを明確化しておく

送迎ルートを事前に明確化しておくことは、効率的な運行と安全確保のために不可欠です。各利用者の自宅の位置や交通状況を考慮し、最適なルートを設定します。これにより、遅延を防ぎ、利用者が予定通りに到着できるようにします。

定期的に車両点検を行う

送迎時に車両トラブルが発生しないように、定期的な車両点検を行う必要があります。エンジンオイルやブレーキ、タイヤの状態など、基本的なメンテナンスを怠らないようにします。点検を徹底して安全な送迎が行えるようにしましょう。

利用者やご家族との丁寧なコミュニケーションを行う

送迎時には、利用者のご家族と接する機会もあるため、相手が気持ち良く感じられるようなコミュニケーションを心掛けることが必要です。挨拶や利用者の施設での状況を伝えるなど話す内容を決めておくことも良いでしょう。

送迎時にトラブルが起きた際の対処方法

送迎時にトラブルが発生した場合の対処方法について具体的に書いてください。

送迎時にトラブルが発生した場合には、冷静かつ迅速に対応することが求められます。以下に、具体的な対処方法を示します。

緊急時の連絡体制を整える:送迎中に事故や健康トラブルが発生した場合、すぐに上司や関係部署に連絡します。必要に応じて、救急車や警察に連絡し、適切な措置を取ります。

利用者の安全を最優先に考える:トラブル発生時には、利用者の安全を最優先に考え、安全な場所に避難させるなどの対応を行います。落ち着いて状況を把握し、適切な指示を行います。

利用者やご家族への迅速な連絡:トラブル発生時には、利用者やご家族に迅速に状況を連絡し、対応策を共有します。情報を正確に伝えることで、利用者やご家族の不安を軽減します。

デイサービスの送迎の豆知識|送迎中に切符は切られるのか?

ここで介護の送迎についての豆知識をご紹介します。

「デイサービスの送迎中(ご利用者様を自宅までの介助中)に切符を切られるのか」についてです。

送迎での切符を切られない方法の1つに「駐車許可申請書」の申請があります。

介護事業所で「駐車許可申請書」の申請が提出されているか確認しておくことも安心して送迎できるポイントの1つです。

※但し、通常の交通ルールの「交差点や横断歩道の5m手前の駐車は切符を切られますのでご注意下さい。

駐車許可書の申請(第45条第1項)とは

【内容】

駐車禁止場所のうち、署長が指定した日時、場所(無余地となる場合は除く)に駐車が可能になります。

【申請先】

駐車禁止場所を管轄する警察署の交通課交通総務係 に申請します。

【該当例】

冠婚葬祭や引越し、訪問看護、訪問介護等に使用中の車両が該当します。※公共交通機関の利用では申請は困難です。周辺に駐車場がない等やむを得ない理由により駐車しなければならない場合に限ります。

その他に、「駐車禁止除外(道路交通法第4条第2項)」などもありますが、こちらは救急車両や身体障害等で歩行が困難な方が申請する内容となっています。

参照:神奈川県警察「駐車禁止除外・駐車許可申請手続きについて」

デイサービスの送迎はどこまでできる

デイサービスの送迎は、利用者の自宅から施設までの移動を基本としています。必要に応じて、自宅内のベッドまでの介助も行いますが、基本的に自宅以外の場所への送迎は行いません。詳しいルールや範囲については以下の記事をご覧ください。

▶︎デイサービスの送迎はどこまで?|送迎範囲や必要な免許・ルールについて

抑えてこう!送迎時のアルコールチェックの義務化

送迎車5台以上または定員11人以上の車両1台以上保有している事業所に対し、令和4年4月1日よりアルコールチェック(確認と記録)が義務化されています。把握をされているかとは思いますが、こちらも念の為抑えておきましょう。

まとめ|介護現場では送迎もサービスの1つ

ここまで通所介護の送迎でのチェックポイントや注意点についてご紹介しました。

ここで改めて皆様に理解しておいていただきたいのは「通所介護の送迎もサービスの一貫」ということです!

そのためには、送迎中にご利用者様に楽しんで頂けるよう「音楽」や「会話のテーマ」を事前に検討しておくのも良いでしょう。

例えばこのような方法もありますので、参考にしてみてください。

(例)音楽をかける
ラジオの音楽番組のように、ご利用者様に事前に聞きたい曲を聞いて「ペンネーム◯◯様からいただきました。本日の曲は◯◯です」などとラジオをイメージして盛り上げる
(例)会話のテーマを決める
「今日の笑顔ポイント」など振り返りテーマを設けることで1日の振り返りの話をしてみてはいかがでしょうか。

通所介護の送迎中は、施設内よりも「家族」や「外部」との関わりが多くあります。

送迎中に家族に合った際は、一言でよいのでご利用者様の今日の出来事を添えてお伝えするとデイサービスでの様子がわかり非常に喜ばれ、安心されます。

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この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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