ADLとIADLの違いとは |介護における定義・項目・アセスメント・評価の違い
現場ノウハウ
2024/11/06
現場ノウハウ
お役立ち情報
更新日:2024/08/01
介護現場において、接遇は非常に重要な要素です。接遇を身につけたスタッフの関わりによって、利用者が心地よく過ごせるだけでなく、施設のイメージ向上にもつながることでしょう。接遇の重要さや身につけるためのポイントをまとめたので、ぜひ研修、勉強会資料としてお役立てください。
この記事の目次
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接遇という言葉には「相手を理解して適切に迎える対応」という意味があります。相手を「もてなす」「思いやる気持ちを持って対応する」という意味合いが強い言葉です。
「接遇」の意味から導き出すと、接遇マナーにおいて重要なのはお互いが心地よく過ごすための「想いやりの気持ち」を持つことと、具体的な「行動」でそれを示すこと、と言えそうです。自分がどのように行動すれば相手が心地よく感じられるのか、意識することが大切です。
介護施設における接遇が適切に行われれば、利用者やその家族、スタッフ同士との良好な関係を築くことができ、心地よい環境を提供することにつながります。
接遇の向上には、従業員の教育と意識の醸成が欠かせません。良好な接遇は利用者の満足度を高め、施設の評判や信頼性を向上させるでしょう。
接遇において最も大切なことは、相手を尊重する心構えです。尊重するためには相手に関心を持つことが重要になるでしょう。相手の話に耳を傾け、共感や理解を示すことで、相手を大切に思っていることを伝えられます。
また、利用者を思いやる気持ちがないと、自分の主張や施設のルールだけを押しつけてしまうことがあります。
特に慢性的に人員不足で忙しい介護の現場では、利用者を自分に合わせようとしてしまうことがあります。自分本位な関わりでは、相手は不快に感じ、心地よく過ごすのは難しいでしょう。
介護がほかのサービス業と大きく違う点は、介護の現場が利用者様の日常生活ということです。その人らしく、快適に生活できるように支援することが介護の役割でもあります。
仮に接遇を学んでいなくても、相手を思いやる気持ちがあれば、自然と利用者様との接し方は変わるはずです。
真摯に相手を大切にする思いを持つことで、より良い関係性と満足度の高いケアを提供することができます。
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接遇マナーには、一般的に5つの原則があるとされています。以下に詳しく解説するのでご参考ください。
身だしなみは第一印象に大きく影響します。介護現場の接遇マナーにおいても、清潔感のある身だしなみは重要です。
身だしなみは以下のようなポイントを抑えることによって向上するでしょう。
介護職は、高い専門性と信頼性が求められる職業です。上記のポイントを抑えて身だしなみを整えることで、清潔感や真剣さを表現することができるでしょう。
意識して整えられた身だしなみは、相手に安心感を与えます。
実際、「医師の身だしなみに関する研究:患者視点と医学生視点の比較・検討」という研究では、身だしなみは信頼感に関連する重要な要素とされています。
専門性と信頼感を求められる介護職において、身だしなみは接遇マナーの重要な要素になるでしょう。
表情は、気持ちよくサービスを提供するために必要な要素です。接遇マナーにおいても穏やかな表情で相手に接することが大切になるでしょう。
以下に接遇マナーで抑えるべき表情のポイントを解説します。
表情に意識を向けることで、相手とのコミュニケーションを円滑にし、感情や意図を適切に伝えることができるでしょう。
表情による情動の表出は、普遍性が高いとされています。つまり、どんな方であっても笑顔は認識されやすく、笑顔から想像される情動は相手に伝わりやすいとされているのです。
表情を適切に扱うことで、相手とより良い関係を築くことができるでしょう。
態度も表情と同じように、気持ちよくサービスを提供するために必要な要素です。適切な態度を保つことが接遇マナーにおいて大切になります。
以下に接遇マナーで抑えるべき態度のポイントを解説します。
表情と同様に、態度は非言語のコミュニケーション要素です。Mehrabianによると、言語以外のメッセージ性は、言葉よりも強い印象を与えるとされています。
相手と言葉を用いたコミュニケーションを図る前に、表情や態度といった非言語コミュニケーションを意識することの重要性は高いと言えるでしょう。
お互いがわかりあうためのコミュニケーションの中心となるのは言語コミュニケーションです。
言葉遣いは、以下の4点を意識すると良いとされています。
介護の現場では、多種多様な価値観を持つ方々を適切にコミュニケーションを取らなければなりません。コミュニケーションが円滑に進まないと、トラブルが生じる場合もあるでしょう。
介護の現場では、世代のギャップや生活歴の違いを乗り越えて、歩み寄ることが求められます。
適切な言葉遣いを説明する場合、「敬語を正しく使えるか」が話題になりがちですが、問題は正確な敬語を使うかどうかではありません。敬語の正確性(尊敬語や謙譲語)よりも丁寧語でしっかりとコミュニケーションを取っていくことが重要です。
敬語を使った言葉は長くなりやすく、わかりやすさの欠如が生まれやすいためコミュニケーションが円滑に進まない恐れが生じます。
本章で紹介した4つの要素をうまく活用しながら、分かり合うための言語コミュニケーションを実現できるようにしましょう。
聞く姿勢は「傾聴」とも表現されます。傾聴は心理的援助論の中核をなすものとされており、接遇マナーにおいても重要でありながら、介護支援においても大切な役割を果たします。
聴く姿勢において重要なポイントは以下の3つです。
聞く姿勢を意識することで、相手を尊重する態度を示すことができます。
一方、専門職として評価する立場を意識してしまうと、客観的に相手を捉えようとしてしまい、聞く姿勢が損なわれてしまいかねません。
相手に積極的に関わろうという姿勢が、接遇としての適切さを表現します。紹介したポイントを抑えながら関われると良いでしょう。
接遇マナーを身につけるためには、教育や研修が役立つでしょう。現場で実践的に身につけることも可能ですが、介護現場では個別性の高いアプローチが求められるため、全容を把握することは容易ではありません。
そのため、現場での実践と座学を中心にした学習方式を組み合わせながら行うと効果的です。
以下にそれぞれの教育・研修のポイントを解説しますのでご参考ください。
接遇マナーを座学で教育・研修を行うためには資料を用意する必要があります。また、幅広い範囲の内容をまとめなければなりません。
以下に接遇マナーの教育・研修の内容の一例を挙げますのでご参考ください。
上記の4つは一例です。接遇マナーは5原則の内容を深く追求するのみであっても非常に幅広く、多くの情報を必要とします。それぞれの現場に合った内容を共有すると良いでしょう。
研修内容を検討する際は、以下の3つを抑えると内容を練りやすくなります。
研修で共有する内容は、それぞれの現場に相応しい内容を選ぶ必要があります。教科書やガイドラインなどを活用し、正しい情報を共有するようにしましょう。
また、研修のスタイルも内容に合ったものを選択する必要があります。接遇マナーの研修においては、それぞれが役割を演じるロールプレイが適している場合もあるでしょう。
研修のスタイルによって、資料作成の方法は全く変わります。それぞれの現場に合わせた勉強会資料と講習の形式を定めた上で作成に臨むと良いでしょう。
介護現場での接遇マナーは、個別性が高くなりやすく、知識を持った上で実践に臨む必要があります。接遇マナーを実践的なスキルを現場で教えるためには、知識を持った先輩や上司の存在が重要です。
適切にOJTを行うために、看護師のプリセプター制度を参考にすると良いでしょう。
看護師には、新人看護師や実習生を指導する際に「経験豊富な看護師(プリセプター)」が付くという制度があります。
プリセプターは、以下のような方法で新人看護師を教育します。
また、教育・指導と同時に精神面のフォローもプリセプターの重要な役割です。
介護職の接遇マナーの実践においては、観察した一時だけでは見えてこないさまざまな背景が存在しており、経験豊富な介護職の知見が指導において大切になるでしょう。
ただし、OJTには指導者や上司によってスキルや指導方法の差異が生じやすいため注意する必要があります。
Off-JTと組み合わせつつ、プリセプターを頻回に変更することのないように対応すると良いでしょう。
以下に接遇マナーの勉強会に役立つ資料を紹介しますのでご参考ください。
介護職員の接遇をチェックする簡易なチェックリストをご紹介します。
チェックがついていない項目に関しては、介護職における接遇マナーの5原則を守れていない可能性があります。日頃の姿勢を振り返ってチェックしてみましょう。
⬜︎相手に目線を合わせ、伝わりやすい声の大きさやトーンで挨拶していますか?
⬜︎不快感を与えず、安全性のある身だしなみができていますか?
⬜︎利用者の気持ちに寄り添う表情を心がけていますか?
⬜︎姿勢や物の扱いなどを意識できていますか?
⬜︎分かりやすく、相手を敬う言葉遣いができていますか?
以上のチェックリストに加えて「リハプラン」の活用もご検討ください。サービス品質の向上を図り、事業所の満足度を高めていきましょう。
ここまで、接遇マナーについて網羅的に解説してきました。
接遇マナーは、気持ちよくサービスを提供したり、コミュニケーションを円滑にしたりするために必要なものです。サービス提供やコミュニケーション円滑化のために重要な要素であり、相手を尊重しながら適切に接することが求められます。
介護現場で接遇マナーを守りながら利用者に接するのは、新人職員にとって容易なことではありません。また、人員不足の影響から接遇マナーに関する教育が行き届かない場合もあるでしょう。しかし、利用者への真摯な対応を忘れず、接遇マナーを習得する努力が必要です。
信頼できる介護事業所を築くためにも接遇マナーは不可欠です。職員の働きや地域の安心な環境を作り出せるでしょう。
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