デイサービスの送迎業務マニュアルの作り方|緊急対応・事故報告書まで解説

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更新日:2024/08/22

デイサービスやデイケアなどの通所介護施設では運営上毎日送迎業務があり、マニュアルを作成できないかお考えの方はいませんか?福祉車両の操作はマニュアル化してみんなが共有すべきです。確認すべき項目を明記した上で、運行管理表などで点検していくと良いです。落ち着いて運転運行ができるよう業務の方法や事故対応、急変や不在の対応なども重要です。介護施設の送迎でご利用者の安全確保、急変、交通事故対応などを職員に伝えるポイントを紹介します。

この記事の目次

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デイサービスの送迎マニュアルを作成するために

デイサービスの送迎マニュアルを作成するために

デイサービスでは送迎業務は欠かせない業務です。デイサービスで送迎を行わないご利用者に対しては「送迎減算」という減算の対象になります。通所介護施設では毎日送迎業務があり、計画された時間の中で落ち着いて運転運行ができるよう業務の方法や事故対応などについてマニュアル作成が重要です。

運営指導項目にも送迎は含まれているためマニュアル作成は重要

運営指導ではサービス提供の記録(第19条)で送迎が適切に行われているかが確認されます。送迎は利用者の安全と快適な移動を確保するための大切なサービスです。マニュアルがあれば、スタッフ全員が同じ手順で送迎を行うことができ、トラブルが起きた場合も適切に対応できます。そのため送迎マニュアルの作成は非常に重要であるといえるでしょう。

参考:確認項目及び確認文書

以下などの記事も併せて参考にしてください。
▶︎通所介護の送迎減算について 送迎の考え方や単位数
▶︎デイサービスにおける送迎の注意点についてご紹介!違反や事故に注意しよう!

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送迎業務マニュアル作成の手引き

送迎業務はご利用者ごとに個別に対応方法を計画して共有しなければならない部分もありますが、そのほかの多くの送迎に関わる業務はマニュアル的にして従業者に共有した方が働きやすく、事故などの備えることができます。

特に、送迎業務では、介護リーダーや管理者がいない状態で職員が個々に対応する場面が中心で、指示監督が届きません。どのように対応するかを決めていないと、職員の裁量で信じられないことが起きたりします。もちろん送迎業務マニュアルを作成しても事故や想定外の事案は生じますが、そのような時の対応もあらかじめ決めておくことが大切です。この記事では、各施設で送迎業務マニュアルを作成するとき、送迎業務マニュアルを見直す時に手引きとなるように確認して起きたい、送迎車両の操作、送迎車両の点検・管理、交通事故対応の項目を紹介します

送迎業務のために福祉車両の操作方法・安全管理マニュアル

送迎業務のために福祉車両の操作方法・安全管理マニュアル

車椅子対応の車両などでは、パワーリフトや車椅子のロック、車椅子用シートベルトなど、特殊な操作が必要になります。車椅子乗車可能な福祉車両を使用していても、シートベルトやロックなどを正しく使用していなければ安全な輸送はできません

福祉車両とご利用者の乗降介助の双方の業務の安全

介護施設の送迎で使われる福祉車両のリフトや乗降用ステップなどは簡単に操作できるような仕様になってはいますが、初めて車椅子の方やステップが難しい方などをお乗せするときにはご利用者のことばかりに注意がいき、車両の安全確認などがおろそかになる可能性があります。福祉車両の正しい操作がわからず毎回心配な気持ちで業務をしていて、さらにご利用者の乗降介助などの心配や焦りも加わるとミスや誤った対応が起きやすくなります。車両の安全な操作、安全なシートベルト着用、乗降介助など、できるだけ安心して安全な対応ができるようにマニュアル化しましょう。

福祉車両の操作マニュアルを作成運用しよう

介護施設ではドライバーから新人ドライバーへ伝言ゲームのように送迎車両やリフトの操作方法が伝えられていくことが多いですが、伝言のみでは業務や操作を共有する限界があります。また、新人職員からしたら「聞いてない」「教わっていない」ということが出てきて不満になります。介護や乗降介助の個別の業務や注意点については、マニュアルとして固定的に定めるというよりは通所介護計画などで情報共有していくべきことですが、例外的なことは後からでも、送迎車両の機能や特徴を確認し、正しい操作方法や固定方法などからマニュアル化をすることをお勧めします。送迎車両の操作などは数枚でさらっと内容をまとめたり、リフトの写真に注釈でメモを入れたりするだけでも最初は良いと思います。明文化し、見える化することが大切です。

福祉車両操作マニュアルに載せたい項目

  • 車椅子のブレーキや移動介助方法
  • 昇降リフトやスロープの操作(事故防止のポイント、動かないときの確認事項)
  • 車椅子等の固定装置の操作
  • 前席・後部座席などいろいろな座席でのシートベルトの着用方法
  • 乗車用のステップの操作(手動の場合)

デイサービスの送迎業務マニュアル 車両運行管理表(運行日報)の記入方法

デイサービスの送迎業務マニュアル 車両運行管理表(運行日報)の記入方法

デイサービスの送迎では、予定された時間に沿って車両の運転を行い、運行管理表や運行日報などで記録に残し管理することが多いです。デイサービスの場合には、送迎表でご利用者の送迎ルートや到着時刻などを別途管理していることが多いですが、車両の管理や運転者ごとの管理も行なって置くことをお勧めします。
 

車両運行管理表の目的

車両運行管理表で管理する目的は、車両の異常や不正な使用に気づくための安全管理と、運行時間や距離についての確認です。デイサービスでは送迎表でご利用者の自宅への到着時刻や乗降介助時に確認することなどを管理していることが多いですが、車両そのものを管理する必要もあります。
 

運行管理表で管理すると良い項目

車両管理表では、車両の異常や不正使用の対策、安全管理のために、以下のような項目を記録することが多いです。

  • 車両を運転する日付・曜日
  • 車両の運転を開始する時刻、場所
  • 車両の運転を終了する時刻、場所

デイサービスなどでは、施設での滞在時間が基本報酬を決める根拠になります。原則通所介護計画書で定めた時間に合わせて算定となりますが、特別な理由なく常に滞在時間が不足している場合には返戻等の対象になります。

  • 車両の安全点検(車両の外部、内部の異常がないか)

車両を運転していると気づかぬうちにこすってしまっていたり、車内の異常があったりします。例えば外部に傷があったとしたら、どこかで物損事故を起こしている可能性が高いです。その場での事故対応が最重要ですが、本当に気づかなかった場合には早期に気づき、相手方の調査や車両の修理などの対応を行うときに重要です。

  • 走行距離メーター・給油
  • 特記

走行中に何か変わったことがあったら記録する欄を用意しておくと良いです。

  • 運転担当者・添乗者

送迎の運行管理を行う管理表には、運転者の記入は必須です。運転中の出来事について何かあった時にはその人に確認せざる得ないためです。また、添乗者も記入しておいた方が後から振り返る時便利です。
 

日常点検(運転前点検)の手順と項目

以前の法律では、1日1回車両の運転前点検が義務となっていましたが、車両の性能向上や使用形態の多様化に対応し緩和され、日常点検として適切な時に運転者に点検するということで義務付けられています。運転前点検は義務ではなくなりましたが、業務上共用で車両を使う場合には運転前点検を行うことをお勧めします。

国土交通省が勧める車両の日常点検項目

国土交通省では、日常点検で15項目について点検することを勧めています。点検方法などについて詳しくは「安全な自動車に乗ろう!自動車総合安全情報」のページで紹介されています。

  • ブレーキペダル
  • 駐車ブレーキ
  • エンジンのかかり
  • エンジンの低速・加速の状態
  • ウィンド・ウォッシャの噴射状態
  • ワイパーの拭き取りの状態
  • ブレーキ液の量
  • 冷却水の量
  • エンジン・オイルの量(汚れ)
  • バッテリ液の量
  • ウィンド・ウォッシャ液の量
  • ランプ類の点灯
  • タイヤの空気圧
  • タイヤの亀裂・損傷
  • タイヤの溝の深さ

送迎業務中のマニュアル

送迎業務は、利用者様の日常生活の一部として、安全で快適な移動を提供するだけでなく、利用者様やそのご家族との信頼関係を構築する重要な役割を担っています。利用者様が安心してサービスを利用できるよう、細部にわたる配慮と適切な対応を心がけてください。

送迎時に到着(お迎えと帰り)した際の対応と項目

  • 利用者様やご家族への挨拶

到着時には、まず明るく爽やかな態度で挨拶を行いましょう。「おはようございます」や「こんにちは」といった基本的な挨拶を忘れず、笑顔で対応します。

その後、利用者様の体調や様子に変化がないかを確認します。特に、高齢者や体調管理が必要な利用者様に対しては、体調不良や異常がないか尋ね、必要に応じて報告や対応を行います。

  • 乗車時の介助

利用者様が乗車する際、安全を確保するために必要な介助を行います。特に、片麻痺の利用者様であれば、健側(動きやすい側)から乗車するように指導し、患側(不自由な側)が引っかからないように注意します。車両のドア開閉時には、利用者様が安全に乗り込めるようにドアをしっかり支え、転倒や衝突を防ぎます。

  • 降車時の介助

降車時も同様に、利用者様の安全を最優先に考えます。降車後、利用者様がバランスを取り戻し、安全に歩行できるまで見守ります。転倒防止のため、必要に応じて1対1の介助を行います。

乗車中に気をつけるべき項目

  • スムーズな運転操作

安全運転は最優先事項です。急ブレーキや急発進、急ハンドルなどの急な操作は利用者様に不安を与えるだけでなく、身体に負担をかける可能性があります。特に、高齢者や身体に障害を持つ方の場合、急な動きは転倒やケガのリスクを高めるため、スムーズで穏やかな運転を心がけましょう。

  • 運転中の外部環境への注意

道路状況や天候の変化にも注意が必要です。雨天や雪道など、天候が悪化した場合には、速度を控えめにし、車間距離を十分に取るなど、状況に応じた運転を行うことが重要です。

  • 全員とのコミュニケーション

乗車中は、一人の利用者様に偏ることなく、全ての利用者様に平等にコミュニケーションを取るよう心がけてください。これにより、全ての利用者様が安心感を持ち、リラックスして過ごせるようになります。特に、話しやすい方やよく話しかけてくれる方にばかり対応せず、静かな方や初対面の方にも適切に配慮しましょう。

  • シートベルトの確認

乗車後、利用者様全員が正しくシートベルトを着用しているかを確認してください。特に、身体に障害を持つ方や、高齢者の場合は、シートベルトが適切に装着されているか確認することが重要です。

  • 緊急時の準備

乗車中に万が一の緊急事態が発生した場合に備え、常に応急処置セットや緊急連絡先を用意しておきます。運転中に利用者様の体調が急変した場合には、すぐに安全な場所に車を停車し、適切な対応を行う準備をしておくことが大切です。

交通事故対応マニュアルを運営に活かす

交通事故対応マニュアル

送迎業務を行うときにもっとも懸念されることは交通事故です。車両を運行する上で交通事故の対応方法を明確にすることは最重要です。

交通事故には大きな事故から小さな事故までありますが、初期対応が重要です。もし事故を起こしてしまった場合には、怪我をする場合もありますし、本人は混乱してしまったり、乗車しているご利用者がパニックを起こしてしまうことなども間がられます。

送迎業務中の交通事故の初動(初期対応)

送迎業務中に交通事故が起きた場合、初期対応が重要なので明記しましょう。

事故が起きてしまったらすぐにすべきこと

  • 乗車中の方、お相手の状況把握
  • 乗車中の方、お相手の安全確保
  • 救急車、警察連絡→事業所へ連絡

事故が起きてしまったら、状況を把握して、二次災害を防ぐために安全を確保した上で、迅速に救急・警察へ連絡します。これらがスムーズに行えるように、フローチャートなどを車内の見えるところにおいておくと良いです。
 

警察や救急への連絡の時は、場所を伝えるための目印

交通事故が起きた場所に目印がなかったとき、どのように救急に電話で場所を伝えたらよいかわからないことがあります。そのような時には、このようなもので伝えるとスムーズに位置を伝えられます。

  • 自動販売機の住所表示ステッカー
  • 信号機の地名表示
  • 信号機の制御機の管理番号
  • 電柱の街区表示板
  • 電柱番号(NTT電柱番号、電力会社電柱管理番号)

事故の現場の写真・損害を受けたものの写真を撮影

焦ってしまうと忘れがちになりますが、事故がどんなものだったかを振り返るためにも、スマホや携帯でもいいので事故の現場、事故での物損や車両の損壊の写真を撮影することを忘れないでください

事故の写真は、事故報告書を書くときの資料として、また保険会社への提出、事故についての裁判や示談などのときの資料など、様々な用途で役立ちます。

ドライブレコーダーをつけている場合には、事故の瞬間からその後まで記録し、保管して起きます。

事故の状況を管理者・施設待機スタッフへ連絡

交通事故にも、自損事故、対人事故、対物事故がありますが、いずれの場合も原則警察への連絡が必要です。状況を把握して、初期対応を行なった上で管理者や施設で待機しているスタッフに状況を説明し、乗車中の方の送迎のサポートなどに入ってもらうことや、タクシーで施設への送迎などの依頼をします。

管理者は事故の状況を把握して、適切に指示が出せるように備えて置く必要があります。保険会社への連絡が第一と考えている方もいますが、これらの初期対応を行なって落ち着いてからにしましょう。

交通事故対応は、何よりも人命が第一で、二次災害を防ぐことが優先です。相手方が悪い事故でも、お相手には誠意を持って対応した上で、事実を警察に伝えましょう。
 

車両事故報告と関係者への情報共有

送迎中の交通事故の場合には、最低でも乗車していたご利用者の家族、ケアマネージャーには状況を把握した上でご連絡を入れます。交通事故ということを伝えるのは躊躇したい気持ちになるかもしれませんが、ご利用者の状態や経過、初期対応・現状わかっている事実を伝えましょう。

ケースによっては、当事者からの詳細な事故報告書の提出を受けてから関係者に連絡を入れる場合もありますが、事故については第一報は早い方が良いケースが多いかと思います。

事故報告書の書き方マニュアル

交通事故対応マニュアル 事故報告書画像

介護施設では業務に関わる事故については、事故の記録を残すことが義務となっています。送迎中の業務についても、事故でどんなことがあったのかや、初期対応、経過などについて事故報告書を作り、情報を共有します。

車両事故報告書で必要な情報と雛形

介護事故報告とは別に、車両事故報告書のフォーマットを作っている事業者も多くあります。車両事故の場合には、乗車中のご利用者の情報や、相手方の情報、事故車両の状況など、状況や経過を記録すべきことが多いからです。

医療機関受診などのレベルの事故は区市町村への報告義務があるため、各自治体で事項報告書の様式を用意しています。通常事故ではそれらの項目をベースにした事故報告書を使い、交通事故の場合には相手方の情報や、相手・同乗者への対応、車両の状態や修理見積もりなども含めて記載するような雛形が良いと思います。

自動車保険の会社が、保険手続きや業務中の事故も想定した事故報告書の雛形を用意しているケースもあります。

事故報告書の記入をすることにも業務マニュアルに明記

事項報告書は、事故を起こした職員記入することが基本になりますが、事故を起こしてショックを受けている職員にさらに負担を与えるものではあります。

事故報告は業務の一部として認識してもらうこともマニュアルの意義です。

詳細に記入してもらうことに越したことはないですが、事故報告の記入に慣れていない職員は言語化することが難しいことがあります。マニュアルや指導がない状態で運転業務に従事していた場合、自分の責任という気持ちよりも、「何も教わっていないし、事故報告を確認て聞いてもいない!」という怒りが職員さんに湧くこともあります。そのためにも、事故が起きた時には責任を取らせるという身ではなく、事案と対応を記録しておき情報共有する必要があることを送迎業務マニュアルでも伝えて起きましょう。事故報告書がどこにあり、どのように保管されているか、書き方の例についてもマニュアルに明記しておきましょう。

事故や急変が起きてしまったスタッフを責める訳ではないということをよく伝えた上で、管理者として必要な情報を集めるために話を聞きながら一緒に事項報告を作るなどの配慮も必要かもしれません。

送迎中の緊急対応マニュアル

送迎中の急変対応マニュアル

施設内であれば利用者の急変時などの緊急時の判断は一人でなく看護職員や管理者に委ねることもできますが、送迎中の急変については送迎を担当したスタッフが判断をしなければなりません。そのため、救急車を呼ぶ条件や、異変が起きたときの対応方法についても確認しておきましょう。

送迎運行中の緊急時に備えて

高齢者や要介護者を送迎している中で、運行中に急に体調が悪くなったり、意識不明になったり、痙攣が起きたり、嘔吐をしてしまったりという緊急事態に遭遇することがあります。

意識不明や呼吸停止などでは安全な場所に車を停車して救急車を呼ぶなどの対応になりますが、例えば嘔吐などでは感染予防などの観点も含めた対応が必要になります。嘔吐した時の感染対応グッズを車に載せておき、その手順をマニュアル化しておくことも必要です。

送迎先のご自宅で倒れていた場合・出てこなかった場合に備えて

デイサービスのご利用者には独居の方もいて、送迎先で倒れている場合や、チャイムを押しても出てこない場合もあります。ケースバイケースで何かあったらご家族連絡の場合や、近所の親戚に声をかけるなどのケースもあります。

また、もともと居宅内での介護を計画しているケースなどもあるためその場合には状況を装置して事前に対応を決めて置く必要があります。

マニュアル化するかはそれぞれですが、玄関先で出てこなかったとき、そのまま帰ってきてしまうという形にはならないようなことを共有することは大切です。送迎で迎えに行って出てこなかった場合には、施設に連絡を入れるなどをあらかじめ決めて置くことは大切です。初めて送迎業務を行なった職員の場合には、このようなときにどうするかも決めておくことが大切です。

送迎ルートの作成方法に関するマニュアル

送迎ルート作成方法に関するマニュアルについても用意しておいたほうが良いでしょう。

遠い利用者から順にお迎えを行う

送迎ルートの基本として、事業所から遠い利用者から順にお迎えに行くようにします。これにより、効率的にルートを設定でき、無駄な移動を減らすことができます。

お迎え時間に余裕を持たせる

送迎ルートを作成する際には、交通状況や利用者の準備時間などを考慮し、スケジュールに余裕を持たせます。これにより、遅延が発生しても、計画に大きな影響を与えずに対応できます。

利用者の体調や個別ニーズを考慮したルートを設定する

送迎ルートを作成する際には、利用者の体調や特別なニーズを考慮します。例えば、車酔いしやすい方や、移動に時間がかかる方には、最も快適で負担の少ないルートや順番を設定することが大切です。

送迎スタッフと連絡を密に取る体制を整える

送迎中にトラブルが発生した場合でも、迅速に対応できるように、スタッフ間で相互に連絡が取りやすい仕組みを作っておきます。例えば、送迎表を作成して全スタッフに共有し、連絡体制を明確にしておくことが重要です。

送迎計画実施後のルートを見直す

送迎ルートを実際に運行した後、そのルートに問題点がないかを確認し、必要に応じて改善します。定期的な見直しを行うことで、送迎の効率をさらに向上させることができます。

感染管理に関するマニュアル

昨今は感染症に対してもシビアになっています。感染管理に関するマニュアルについても作成しておくと安心でしょう。

手指衛生を徹底する

送迎時には、利用者に触れる前と後、車内の物品に触れる前と後に手指消毒を行うことが重要です。特に、送迎車に乗る前には手洗いを徹底し、車内感染のリスクを低減します。

防護具を準備する

車内に処置用手袋、マスク、ガウン、ゴーグルなどの個人防護具を常備し、ノロウイルスなどの感染症に対応できるように準備しておきます。これにより、感染リスクを最小限に抑えることができます。

咳エチケットを推奨する

車内には咳エチケットのポスターを掲示し、利用者にも協力を求めます。咳やくしゃみをする際にはティッシュペーパーやマスクを使用し、その後は速やかにティッシュをビニール袋に入れて処分します。これにより、飛沫感染のリスクを低減します。

送迎車内を消毒する

送迎後には、手すり、ドアノブ、シートベルト、シートなど、利用者が触れる箇所を徹底的に消毒します。特に、インフルエンザや新型コロナウイルスにはアルコール消毒液を使用し、ノロウイルスには希釈した次亜塩素酸ナトリウムを使用します。

乗車人数を調整する

パンデミックや感染リスクが高まる時期には、車内の密着を避けるために乗車人数を調整します。利用者同士の距離を保ち、感染リスクを減少させることが重要です。

送迎業務マニュアルを考えるときのまとめ

送迎業務マニュアルを考えるときのまとめ

いかがでしたか?

介護施設の送迎業務は通所施設では基本的に提供するものとなっていますが、実際の業務は想定外のことが色々と起きます。しかし、基本の業務や車両の安全な取り扱いについてはマニュアル化が可能な部分です。特にシートベルトや福祉車両のリフト操作などは使い方を間違っていたら過失に問われるような事案です。送迎業務に関わる職員には、車の運転だけが送迎業務ではないということを伝えた上で、安心して業務に当たれるように業務や手順を明確にしましょう。介護業界には業務のマニュアル化に否定的な意見がある一方で、責務として知っておくべきことはみんなが共通でわかるようにしておくことは必要です。送迎業務は職員に負担がかかりやすい仕事です。安全で働きやすい職場を整えるために、業務の手順や確認事項は共有する仕組みを整えていきましょう。

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この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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