【例文あり】事故報告書の書き方・使える例文集|介護事故の適切な対応とは

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更新日:2024/06/25

介護現場において事故が発生した際には、適切な報告書の作成が求められます。事故報告書は、介護現場においても重要な文書であり、適切な作成が求められるものです。事故報告書には事故の内容や状況を正確に記入し、関係者への連絡や対応策の検討に活用されます。この記事では、介護現場で必要な事故報告書の作成方法とその詳細について解説します。  

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介護現場における事故報告書の重要性・目的

介護現場での事故が発生した場合は、事故報告書の記入が求められます。

事故報告書を記入する目的として、以下があげられます。

  • 事故の原因を分析して再発を防ぐため
  • 全スタッフに事故の内容を共有して対応できるようにするため
  • 適切な報告を行う義務があるため

このように、事故報告書には事故の再発防止だけでなく、スタッフのトラブルを予防するための重要な目的があるのです。

事故報告書を作成しないと、繰り返し同じ事故が起きたり、利用者や家族からの信頼が損なわれたりする恐れがありますので、必ず作成しましょう。

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事故報告書の基本的な作成方法

事故報告書を作成する際は、厚生労働省が定めている様式があるので、それを利用すると良いでしょう。また、基本的に介護事故の報告は、事業所から市区町村へ行います。

ここでは事故報告書の標準的な様式の項目や、報告義務のある事故の内容について解説します。

厚生労働省が定める事故報告書の標準様式

厚生労働省が定める事故報告書の項目についてみていきましょう。

【1.事故状況】

事故状況の程度や、事故によって死亡した場合の年月日などを記入します。

【2.事業所の概要】

介護事故に関わった事業所の情報について記入します。

【3.対象者】

介護事故にあった対象者の基本情報について記入します。

【4.事故の概要】

介護事故が起きた発生日時や場所、種別など、詳しい事故の情報を記入します。

【5.事故発生時の対応】

介護事故が発生したときの対応内容と、受診先、診断内容などの情報を記入します。

【6.事故発生後の状況】

介護事故に対応した後の利用者の状況、家族や関係機関の報告状況などについて記入します。

【7.事故の原因分析】

今回発生した介護事故の原因について、「利用者本人」「スタッフ」「環境」などの要因がどのように関わっているのかを分析しつつ、具体的に記入します。

【8.再発防止策】

今回発生した介護事故の再発を防止するためには、どのような対策が必要なのかを具体的に記入します。また、新たに作った再発防止策を実施し、その内容についての評価結果等も記入します。

【9.その他、特記すべき事項】

その他に情報を共有しておきたい内容がある場合は、この項目に記入します。

この様式をテンプレートとして利用でき、自身の施設にあわせて内容を改変することも可能です。

参考:厚生労働省|事故報告書(2023年9月11日確認)

報告義務がある事故とは

介護事故のなかでも、以下の内容の場合は報告義務があります。

  • 死亡に至った事故
  • 医師(施設の勤務医、配置医を含む)の診断を受けて、投薬や処置などの治療が必要となった事故

これらの介護事故が起きた場合、遅くとも発生後5日以内に市区町村への第1報が必要です。

第1報では事故報告書の項目はすべて埋める必要はなく、1から6の項目までで良いのでその範囲内で可能な限り記入します。

その後、以下に応じて事故報告書の内容を追加し、再度報告します。

  • 状況の変化がみられる場合
  • 事故の原因分析や再発防止策などの作成が完了した場合

参考:厚生労働省|介護保険最新情報 Vol.943 令和3年3月19日(2023年9月11日確認)

事故報告書の報告対象となるサービス

事故報告書の報告対象となるサービスは、介護保険施設全般です。

具体的には、以下の施設があげられます。

  • 通所介護
  • 認知症対応型共同生活介護事業者(介護予防を含む)
  • 特定施設入居者生活介護事業者(地域密着型、介護予防を含む)
  • 有料老人ホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅
  • 養護老人ホーム
  • 軽費老人ホーム

その他の介護サービスも対象であり、事故報告書を作成する際は厚生労働省の様式を用いることがおすすめされています。

ただ、各市区町村にも事故報告書が用意されている場合がありますので、報告する前に確認してみましょう。

参考:厚生労働省|介護保険最新情報 Vol.943 令和3年3月19日(2023年9月11日確認)

事故報告書の具体的な記入例

ここでは事故報告書の具体的な記入について、いくつかのパターンに分けてご紹介します。事故報告書を記入する際に、ぜひ参考にしてみてください。

施設での転倒事故の報告例

ここでは施設で転倒事故が発生したときの報告例をご紹介します。

日時 令和○年○月○日 午後0時45分
場所 食堂
対象者 利用者Aさん
事故の内容 食堂から大きな声が聞こえて振り返ると、床にあお向けになっているAさんを発見する。何があったのか聞いてみると、「食事が終わって部屋に戻ろうと移動したときに、テーブルに身体が当たってふらついて転んでしまった」とのこと。介助にて立ち上がったが、特に痛みの訴えはなし。
事故に対する対応 看護師と医師に報告。近くのイスに座ってもらい、バイタルチェックを実施するが、とくに異常なし。外傷もなかったため、経過観察とする。翌日10時にご家族に電話で連絡した後、施設内で事故後カンファレンスを実施。再発予防策について話し合い、その内容を管理者とご家族に報告する。

デイサービスでの誤嚥事故の報告例

ここではデイサービスで誤嚥事故が発生したときの報告例をご紹介します。

日時 令和○年○月○日 午後0時20分
場所 食堂
対象者 介護職員B
事故の内容 昼食時に利用者Cさんに食事介助をしていたところ、誤嚥をして激しくむせ込んでしまった。
事故に対する対応 事故が起こった直後に看護師に報告しつつ、背中をタッピングしてゆっくり呼吸をするように促す。その後、医師の診察を受けて体調について確認するが、異常は見当たらないため経過観察とする。13時40分にご家族に連絡し、現状異常は見当たらず、様子をみていることを伝える。同日の夕方にスタッフ間でミーティングを行い、飲み込みを確認しながら1口ずつ食事介助を行うように共有する。

FAXのあて先を間違えた事例

ここではFAXのあて先を間違えた際の報告例についてご紹介します。

日時 令和○年○月○日 午前10時
場所 ○○事業所内 1階事務所
対象者 事務員D
事故の内容 F事業所に対して利用者Gさんのサービス提供実績をFAXした。その後、F事業所から電話が来て、Gさんはこちらの担当ではないことを伝えられ、あて先を間違えてFAXを送ったことに気づいた。
事故に対する対応 10時10分に管理者に報告し、誤送信したF事業所のFAXを回収しに行く。10時15分に管理者がGさんとそのご家族に電話をかけ、サービス提供実績を他の事業所に誤送信してしまったことを謝罪し、これからFAX用紙を回収しに行くこと、今後の予防策を伝える。FAX用紙を回収した後、11時にGさんの担当ケアマネジャーに電話をかけ、事故の内容とGさんととそのご家族に謝罪したこと、今後の予防先について報告する。

このように、事故報告書を記入する際は客観的に、かつ時系列を意識しましょう。時間や対応などの内容を具体的に記入しておくと、どのような状況だったのかが明確となります。

事故報告書を活用したケアの質向上のための戦略

事故報告書を上手に活用することで、介護サービスのケアの質向上につなげられます。

そのためには、以下のような活用をすることが重要です。

  • 再発防止策を学ぶ
  • スタッフの教育につなげる

ここではそれぞれの戦略について具体的に解説します。

事故報告書から学ぶ再発防止策

まずは、事故報告書に記入した情報を分析し、再発防止策を見つけていきましょう。

たとえば、転倒事故が頻発している場合、その場所が滑りやすかったり、歩行を助ける支えがなかったり、なんらかの「事故が起こりやすい状態」になっていることが考えられます。

再発を防ぐためには、床の滑り止めマットの設置、手すりの追加などの対策が考えられるでしょう。介護事故が多いときは、その傾向を分析しつつ、ひとつひとつ丁寧に再発防止策を考えていくのが大切です。

事故報告書を活用したスタッフの教育方法

事故報告書は再発防止策の導入のヒントになるだけでなく、スタッフの教育にも活用できます。有効な教育方法として考えられるのは、事故報告書を利用して事故事例を共有することです。

事故事例を事前に知っておくことで、具体的なシチュエーションをイメージでき、精度の高い注意喚起ができるのが事前共有の大きなメリットと言えます。

また、起こりやすい介護事故の事例をあらかじめ共有しておけば、その現場に遭遇したときに対処しやすくなります。

職種ごとに起こりやすい介護事故は異なるので、それぞれの仕事にあわせた事例を共有しましょう。さまざまなシチュエーションの事例を把握しておくことで、介護事故の予防につなげられます。

事故報告書を適切に記入して再発の予防を

介護事故が起きた際に作成する事故報告書には、事故原因を分析しつつ、スタッフ間で共有して予防策を立てる、という重要な役割があります。

そして事故の再発を防ぎ、利用者とその家族の信頼関係を損ねないようにすることも目的の1つです。事故報告書を作成する際は、厚生労働省が定める様式を参考にしてみましょう。

記入の際は客観的な内容を心がけ、時系列順に出来事を書くと、状況がわかりやすくなります。今回紹介した事例なども参考にしつつ、事故報告書を適切に記入していきましょう。

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この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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