介護の内部研修テーマ|ケアスキルを向上させる面白い勉強会ネタ一覧

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更新日:2024/08/02

介護の現場では、さまざまなテーマで研修や勉強会が開かれています。この記事では、研修のバリエーションを増やしたい事業者の方にぴったりな、おすすめの研修テーマを集めました。スタッフが積極的な姿勢で取り組める研修にするために、ぜひ参考にしてください。  

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介護研修の目的と重要性

介護現場では、さまざまな内容の研修が行われています。研修を実施するおもな目的は、「介護職員のスキル向上」と「知識のアップグレード」です。

介護施設の高齢者の心身状態や、介護業界の最新のケア技術などは常に変化します。そのような変化に対応するためには、研修を実施して常に最新の知識や技術を身につけることが大切です。

知識や技術の向上は提供するサービスの質を高めるだけでなく、職場環境の改善にも好影響を与えます。また、現場に適したテーマの研修をすれば、職員のモチベーションやチームワークの向上にもつながります。

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介護の研修テーマの選び方

介護の研修テーマの選び方には、さまざまなコツがあります。まずは参加者のスキルレベルやニーズにあった内容を選択することが大切です。

たとえば、参加対象者が経験年数1〜3年の新人・若手介護士であれば、基礎的な介護技術やコミュニケーション能力の向上を目指したテーマが適切といえます。

職場内で介護事故の発生率が多いのであれば、事故発生予防をテーマとした研修を実施するのもおすすめです。

その他のポイントとしては、常に介護士のスキルや高齢者の生活の質(QOL)を高められるようなテーマを選択することです。

研修を受けて完結するのではなく、そのまま現場で活かせるような内容にすると、職員の成長につながります。

押さえておきたい『基本的な5つの研修テーマ』

介護研修にはさまざまなテーマがありますが、とくに重要なのは以下の5つです。

  1. 認知症への理解
  2. ケアプランの理解
  3. リスク管理・感染症対策
  4. 接遇・コンプライアンス・クレーム事例と対処法
  5. 虐待防止・身体拘束

この基本的な5つのテーマを掘り下げることで、より高いケアスキルの獲得が可能となります。

ここではそれぞれの研修テーマについて解説します。

1.認知症への理解

1つ目は、認知症への理解についてのテーマです。認知症は高齢者に多くみられるものであり、介護職員にとっても関わる機会が多いのではないでしょうか。

認知症の特徴や症状を理解し、その方がどのような考え方・感情を抱くのかをおさえておくことで、ケアスキルの向上につながります。

認知症が原因の介護事故も起きやすいので、どのような行動をとりやすいのかを学ぶことは、利用者の安全を確保するためには欠かせない要素です。

また、認知病の進行具合で行動や感情にどのような変化があるのかを知り、状況にあわせた対応ができるようなスキルの習得も重要です。

2.ケアプランの理解

2つ目は、ケアプランに関するテーマです。ケアプランとは、利用者ごとの課題やニーズにあわせた介護サービスを提供するために必要な計画書のことです。

利用者にあわせたケアプランを作成・運用できるかによって、提供する介護サービスの質が大きく左右されるといえます。

ケアプランに関する研修では、以下のような点を学ぶことが重要です。

  • ケアプランの基本的な作り方
  • 運用するときのポイント
  • 関係者とのコミュニケーションの仕方

ケアプランを理解することで他職種との連携も取りやすくなるので、より質の高い介護サービスの提供が可能となるでしょう。

3.リスク管理・感染症対策

3つ目は、リスク管理や感染症対策に関するテーマです。高齢者に安全なサービスを提供するためには、体調変化や急な事態に応じたリスク管理が重要です。

症状や生活シーンに応じてどのようなリスクがあるのかを学ぶことで、介護事故の発生率減少につながります。

また、新型コロナウイルスによる影響があったことから、感染症への対策も学習しておく必要があります。

手洗いやマスクの着用、清掃方法などの基本的な知識から、新型コロナウイルスをはじめとした感染症の具体的な対応について理解しておきましょう。

4.接遇・コンプライアンス・クレーム事例と対処法

4つ目は、接遇やコンプライアンス、クレームの際の対処法についてのテーマです。接遇には、「おもてなしの心を持った対応」という意味が含まれています。

つまり、利用者に対して淡々と接するような「接客」ではなく、心のこもった対応を心がけることが大切です。

コンプライアンスとは、「決められた法律や条例を遵守すること」を指す言葉です。

コンプライアンスの遵守は利用者や家族、介護職員の安全を守るためには欠かせないものであり、介護業界全体の信頼にも大きく関わります。

コンプライアンス違反しないためにも、どのような法律や事例があるのかを学習しましょう。

また、利用者や家族からのクレームが発生したときの対処や予防策についてもおさえておきましょう。

それぞれにあわせた具体的な研修内容としては、以下の通りです。

  • 役割にあわせた接遇研修
  • 法令やガイドラインにもとづいたケーススタディ
  • コンプライアンス違反やクレームの事例の共有
  • クレーム時の対応研修

5.虐待防止・身体拘束

5つ目は、虐待防止と身体拘束についてのテーマです。

介護職員として利用者の安全と尊厳を守り、適切な介護方法を知るためには、これらのセンシティブなテーマも学ぶ必要があります。

虐待は本来あってはならないものですが、実際に事件が起こることがあるのも事実です。

虐待防止のためには、自身のストレス管理や、利用者と適切なコミュニケーションをとるスキルを磨くことが重要です。

身体拘束に関して、状況に応じてやむを得ず必要となる場面はありますが、それは最終手段といえます。研修を通して、身体拘束以外の選択肢を広げられるような対策を考えることが大切です。

積極的に取り組める『面白い研修テーマ』

研修には基本的な介護技術の理解・習得の他にも、スタッフのコミュニケーション、セルフマネジメントなどのさまざまなテーマがあります。

とくにコミュニケーションやストレスに関して課題を持つ方は少なくないので、それらを中心とした研修テーマは取り組みやすいといえるでしょう。

ここでは、介護職員が積極的に取り組めるような研修テーマについて解説します。

コミュニケーション研修

介護職はチームワークが求められる職種なので、コミュニケーションに関する研修は重要です。一人ひとりが持っている知識・経験を共有し、質の高いケアを提供するには、職員同士の連携が欠かせません。

また、職員同士の信頼関係を築くためには、チームビルディングをすることも重要な要素です。

具体的な研修内容としては、以下の通りです。

  • コミュニケーションスキルの向上のためのロールプレイング
  • 情報共有を円滑にするためのミーティングの進め方
  • 情報を的確に伝えるための申し送りの方法

このような研修を行い、チームワークを固めていきましょう。

ストレスケア・メンタルヘルス研修

ストレスやメンタルヘルスに関する研修も重要です。介護職に限らず、メンタルヘルスは仕事のパフォーマンスを大きく左右する要素です。

ストレスを適切に管理しないと、介護サービスやケアの質に影響が出てしまうだけでなく、心身の健康に害をきたす恐れもあるでしょう。

そのような事態にならないためにも、ストレスやメンタルヘルスを管理できる方法を身につけておく必要があります。

具体的な研修内容としては、以下の通りです。

  • ストレスの原因の認識方法
  • ストレス軽減のためのリラクゼーションケア
  • ストレスを感じたときの対処法
  • 自身の感情を把握するための方法
  • ストレスを抱えた職員に対するサポート方法

また、利用者のメンタルヘルスについて理解を深めることも大切です。相手の気持ちを汲み取ることで、より適切なケアを提供できるようになるでしょう。

アンガーマネジメント研修

アンガーマネジメントとは、怒りの感情を適切にコントロールして、スムーズな問題解決を図るためのスキルです。

介護の現場は常に人と接する仕事なので、対人ストレスが溜まることがよくあります。

このときに怒りをコントロールし、感情を爆発させないための方法を学ぶことで、職員や利用者とのトラブルの回避が期待できるでしょう。

アンガーマネジメントの研修では、「怒り」とはどのような感情なのか、怒りの感情が表れたときにどのような対応をすれば良いのかなどについて学びます。

怒りの感情をポジティブなエネルギーに変換し、より良いケアに昇華できるようにしていきましょう。

階層別研修

階層別に応じた研修をすることも大切です。

新人や中堅、ベテラン、リーダーに応じた課題はそれぞれ異なるので、一律の研修だけでは対応できない場面があります。

そのためには、職位や経験年数に応じた介護職員を対象とした研修をしましょう。

階層別の研修内容の例は、以下の通りです。

  • 新人:基礎的な介護技術や知識、ビジネスマナーについて
  • 中堅:専門的なスキルについて、チームマネジメントの方法について
  • ベテラン・リーダー:組織運営や人材育成、職場環境の調整などについて

このように、それぞれの課題に当てはまりやすいテーマを中心に研修プログラムを組むことで、効率の良い学習が可能です。

研修テーマが決まったら研修計画を策定する

研修テーマが決まったら、具体的な内容を設定し、スケジューリングや講師の手配、必要な教材の準備などを進めましょう。

研修後は、参加者の理解度を確認するためのテストやフィードバックの時間を設けるのもおすすめです。

また、介護現場は日々変化するため、新しい知識・スキルが都度求められることもあります。そのため、研修内容は固定せずに、必要に応じて内容を柔軟に調整することも重要です。

ここでは、研修の効果を最大化するための、計画の策定や成果の確認方法などについて解説します。

研修計画の策定方法

研修計画の策定では、まずはテーマにあわせた具体的なゴールを設定しましょう。ゴールを設定したら、それを達成するために必要なステップを考え、それぞれに期限を設けます。

さらに、研修を受けた職員の理解度を確認するための評価方法を決めましょう。その手段として代表的なものとして、研修後のテストやアンケートなどがあげられます。

これらは職員が自分の理解や成長を実感できるだけでなく、講師が研修内容を見直す際の参考にもなるでしょう。

最後に、研修の頻度や日程などの全体のスケジュールを作成します。

開催の頻度が多すぎたり、日程のタイミングが悪かったりすると、職員のモチベーションや参加者のばらつきに影響が出ることもある点に注意しましょう。

研修計画の評価と改善

研修を実施した後に評価して、改善に努めます。研修による効果を最大化するためにも、参加者の反応や理解度などを定期的にチェックしておきましょう。

フィードバックで得られた結果を評価し、どのような改善点があるのかを見つけます。このときに、評価しておきたい項目をある程度絞っておくと、改善点が見つけやすくなります。

たとえば、研修テーマに沿った内容なのか、必要なスキルが習得できているかなど、具体的な視点を持っておくと良いでしょう。

このようなPDCAサイクルを繰り返し回すことで、研修の質が高まり、ケアスキルの向上につながります。

研修や勉強会をうまく進めるコツ

研修や勉強会は、ただ開催するだけでは意味がありません。

そこから介護の質やスキルの向上、ストレス管理の定着など、学習したことを実際に活用できるようにしなければいけません。

そのためには、職員全員が「自分事」であると意識しながら研修に取り組んでもらう必要があります。

ここでは、職員が積極的な姿勢で取り組めるように、研修や勉強会をうまく進めるコツについて解説します。

参加者の視点での研修計画の立案

研修テーマを立案する際は、参加者の視点を常に意識することが重要です。

たとえば、実際の現場で直面する課題や、新しく学ぶべきスキルなどは、職員にとって重要度の高い研修テーマといえます。

反対に、職員のニーズとはかけ離れた研修テーマが続くと、参加モチベーションの低下につながります。

このように、参加者のニーズに応えられるようなテーマを選ぶことで、職員の関心を引き、積極的な参加を促せます。

参加者の反応とフィードバックの活用

研修内容をブラッシュアップするには、参加者の反応やフィードバックの活用が大切です。そのためには、研修中に意見交換の時間を設ける、アンケートを活用するなどの工夫をすると良いでしょう。

職員が抱えている課題や疑問点を把握できれば、より具体的かつ実践で取り入れられるような研修を作成できます。

また、介護現場での体験や感想をアウトプットする場を設けることで、研修作成者だけでなく、周囲の職員も新しい知見を得られるきっかけとなるでしょう。

他にもある研修テーマの具体例:実技研修・理論研修

研修テーマは、その職場の特徴にあわせた内容を選択することが大切です。

介護施設ごとの実技研修・理論研修には、以下のような種類があげられます。

  • オムツ交換、陰部洗浄の実技研修
  • ボディメカニクスを利用した移乗介助の実技研修
  • 訪問介護の範囲についての研修
  • 高次脳機能障害についての研修
  • 糖尿病についての研修
  • 福祉用具の使用方法についての研修

このように、施設の提供サービスや利用者の傾向にあわせた研修を行いましょう。

施設の特徴や職員のニーズに沿った研修テーマの選択を

介護研修の実施は、介護職員のスキルや知識を養い、質の高いサービスを提供するための重要な取り組みです。

研修の効果を高めてケアスキルを向上させるには、テーマ選びが大切です。

研修テーマを選ぶ際は、職員のスキルやニーズを汲み取り、すぐに現場に反映できるような内容にするのがポイントとしてあげられます。

そして、研修後は職員の反応やフィードバックを評価したうえで、課題点を抽出し、内容の改善を進めていきましょう。

職場の提供サービスによっても行うべき研修内容は変化するので、施設の特徴も考慮しつつ、効果的なテーマを検討してみてください。

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この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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