介護システムとは?介護業務を支援するITソリューションの仕組みと活用方法

運営ノウハウ

ICT活用

更新日:2025/04/25

本記事では、介護システムとは何かを解説。介護記録・請求・シフト管理などの業務を支援するシステムの特徴やメリット、導入時のポイントについて詳しくご紹介します。

※2025年4月時点

介護システム(介護ソフト)とは?

これから介護システムの導入を考えている方向けに、概要や基礎知識について解説します。

介護現場の業務がデジタル化できるシステム

介護システムとは、介護現場における様々な業務がデジタル化できるシステムやソフトウェアを指します。多くの場面で、介護ソフトも同じ意味で使われることが多いです。介護システムの導入には、パソコン・タブレット・スマホ・インターネット環境などを整える必要があります。

厚生労働省の資料では、介護ソフトは以下のように定義されています。

「介護ソフト」とは、請求業務等、介護サービス施設・事業所での業務を支援するソフトウェアのことを指します。

引用:介護ソフトを選定・導入する際のポイント集

また、事務作業に留まらず、AIの活用による最新技術や、収集したデータを分析して改善につなげる、さらなるICT化を推進する介護システムも登場。2021年から始まった科学的介護情報システム(LIFE)により、データを介護業務に活用する流れは本格化していくことが予想されます。

「介護現場におけるICT化の推進」の対象

介護業務のシステム化は、厚生労働省の政策である「介護テクノロジーの利用促進」の中の、介護テクノロジー導入支援事業の対象です。要件を満たすことで、介護システムに対する補助が受けられます。この事から、国として介護現場のICT化による業務負担の軽減や介護サービスの質の向上は重要視していることがわかります。

参考:介護テクノロジーの利用促進|厚生労働省

介護業務をシステム化するなら事務作業が効果的

介護業務のシステム化は、事務作業を対象とすると効果的です。介護計画書の作成・介護記録・介護報酬請求といった日々行う業務が効率化できれば、生まれた時間を現場業務に充てることができます。それにより、介護現場のケアの質向上が期待できるでしょう。

介護事業所のシステム化が難しい理由

介護事業所のシステム化を難しくする主な2つの理由について解説します。

ITやシステム化に抵抗感がある

IT化に抵抗感がある職員が多いと、介護業務のシステム化は難しくなります。介護ソフトは、パソコン・タブレット・スマホなどの機器を利用することが前提です。そのため、紙の業務に慣れた職員は、機器の扱いを覚えるよりも今までのやり方が効率的と考える場合があります。そのような状態で介護ソフトを導入しても、意図した運用や定着は難しくなるでしょう。

使い方がわかりやすく、定着までサポートしてくれる介護ソフトを選ぶと、IT化に抵抗がある方もスムーズに対応できる可能性が高まります。

システム化の予算確保ができない

導入費用やランニングコストの予算確保ができず、介護業務のシステム化に踏み出せないという場合もあります。介護ソフトの導入時には、パソコンやタブレットの機器代、利用するソフトの初期費用などがかかります。介護ソフトによって異なりますが、月額料金が発生するものが多いです。

システム化によるメリットは理解していても予算がネックになる場合は、補助金や助成金を活用しましょう。要件を満たすことで、資金の援助や給付が受けられます。各自治体の補助金・助成金を確認し、システム開発会社に利用できるか相談すると確実です。

介護事業所にシステムを導入するメリット

介護業務のシステム化が、事業所の状況として難しい場合もあるでしょう。しかし、介護ソフトが定着して活用できれば、大きなメリットがあることも事実です。以下で、介護事業所の業務をシステム化するメリットについて解説します。

間接業務の負担軽減

介護業務のシステム化により、介護記録や介護報酬請求といった間接業務の負担を軽減できます。

例えば、サービス提供の実績入力と介護報酬請求のデータが連動していれば、入力の手間が大幅に削減できます。そして、二重入力が不要になると、入力ミスによる返戻や過誤のリスクも軽減可能です。

また、介護計画書の作成から介護報酬請求の業務まで一元管理できると、データの整理や活用が行いやすく、書類作成や管理といった事務作業もスムーズに行えます。

スムーズな情報共有

介護業務をシステム化できると、職員だけでなく利用者とも円滑に情報共有が行えます。情報がリアルタイムで反映される介護ソフトを利用すると、最新の情報を職員間で共有できます。連絡事項がある場合に、手書きのメモを残す必要がなくなります。

また、利用者やご家族に状況をお伝えする際も、データを元にわかりやすく正確に説明できます。テキストだけでなく客観的なデータが提示できると、施設の利用に対する安心感や信頼感も向上するでしょう。

ケアサービスの質の向上

介護業務のシステム化は、事業所のケアサービスの質向上にもつながります。間接業務にかかる時間を減らせれば、その時間を直接業務に充てることが可能です。介護現場で利用者と接する時間を増やせれば、コミュニケーションを取ったり、細やかに状況を把握したりできるので、より一人ひとりに寄り添ったケアが行えます。

介護システムの具体的な活用方法

介護システムが具体的にどのように活用できるのか、例をご紹介します。システムによってできることは異なりますので、導入の際は必ず機能をご確認ください。

ケアプランの自動作成

過去のデータや利用者情報から、AIによってケアプランが自動作成される機能です。新たに作成する場合も、最低限の情報の入力や項目を選択するだけで短時間でケアプランが作成できます。

利用者一人ひとりに合った目標や運動プログラムが自動提案される介護ソフトもあります。

介護報酬の効率的な請求処理

利用パターンと日々の記録をもとに、サービス提供票を自動で作成できる介護ソフトを利用すると、介護報酬の請求業務が正確かつ効率的に行えます。同じ情報を何度も入力する手間がなくなり、月末にまとめて実績作成をするといった状況にも陥りづらくなります。

また、間違いがあると画面にエラーが表示される機能があれば、請求の提出前に修正が可能なのでさらなる効率化が可能です。

介護施設の利用者情報の管理

介護ソフトでは、利用者の氏名・年齢・要介護度・認定有効期間などの登録と管理が行えます。タブレットやスマホを利用して、職員がいつでもどこでもそのデータを確認することも可能です。一元管理していれば、情報に変更が合った場合にも他の業務のデータにスムーズに反映できます。

法改定へのスピーディーな対応

原則3年に1度行われる法改定にも、スピーディーに対応できます。介護事業所の担当者が法改定に対応する場合には大きな負担となり、対応が遅れることも考えられるでしょう。介護ソフトの法改定への対応は、システム提供会社が基本的に実施します。そのため、アップデートを行えば、法改定に対応した介護ソフトが利用できます。

科学的介護情報システム(LIFE)の連携

介護ソフトを利用して、LIFEへ連携させるデータの作成や提出がスムーズに行えます。加算算定にも関わるため、LIFEへの対応はこれからの介護事業所にとって欠かせません。しかし、LIFEのデータ算出は複雑なため、事業所の担当者にとって大きな負担となります。それにより登録を先延ばしにしている介護事業所もあるでしょう。

介護ソフトを利用すれば、介護実績を元に自動で申請様式にあったデータの作成が可能です。CSVで提出が行えればLIFEへの直接入力が不要になるので、効率的かつ正確に提出が完了します。

介護現場でのAIの活用

介護現場においても、AIの活用は進んでいます。介護現場におけるAI活用の例として、以下が挙げられます。

  • AIによる動作分析で、動画を撮るだけで客観的な身体機能評価を実施
  • 介護見守りロボットが転倒や起き上がりなどの動作をAIによって検出し、重大な事故を防止
  • 車両台数・時間・同乗者の相性といった情報を入力し、AIによって送迎計画を自動作成

よりよいケアを提供し、人手不足や業務負担を軽減するために、このような新たな技術の活用は進んでいくことが予想されます。

介護業務のシステム化で効率化とよりよいケアを実現

介護業務のシステム化には、間接業務の負担軽減、円滑な情報共有の実現、ケアの質向上など多くのメリットがあります。

一方で、ITに苦手意識を持つ職員への配慮や導入資金といったことがハードルになり、介護業務のシステム化に踏み出せない場合もあるでしょう。そのような場合には、各自治体の補助金・助成金といった制度をまず確認してください。

そのうえで、使いやすい介護ソフトの提供会社を探して、まずは相談をすることをおすすめします。親身なサポートが受けられる介護ソフトを選べば、不安を解消しながら着実に導入を進められるでしょう。

加算算定、書類業務でお困りならRehab Cloudがおすすめ

日々の加算算定業務や記録業務などで苦労されている人も多いのではないでしょうか?科学的介護ソフト「Rehab Cloud」であれば、現場で抱えがちなお悩みを解決に導くことができます。

例えば、加算算定業務であれば、計画書作成や評価のタイミングなど、算定要件に沿ってご案内。初めての加算算定でも安心して取り組めます。さらに、個別性の高い計画書は最短3分で作成できます。

記録した内容は各種帳票へ自動で連携するため、何度も同じ内容を転記することがなくなります。また、文章作成が苦手な方でも、定型文から文章を作成できるので、簡単に連絡帳が作成できるなど、日々の記録や書類業務を楽にする機能が備わっています。

⇒資料のダウンロードはこちらから

この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

関連記事