デイサービスの避難訓練マニュアル|介護施設の訓練手順・マニュアル作成

運営ノウハウ

リスクマネジメント

更新日:2024/06/26

デイサービスでは1年に2回、必ず避難訓練を実施する必要があります。実施方法はそれぞれの施設にまかせており、決まった流れやレジュメはありません。そのため「避難訓練はどうやって実施するの?」と迷っている方も多いでしょう。ここでは、そんな方のために避難訓練のマニュアルの作り方や当日の流れ、必要なものなどを詳しく解説しています。  

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デイサービスの避難訓練は「年2回」が義務

デイサービスをはじめとした介護施設には、消防法によって年2回の避難訓練が義務付けられています。

消防法施行規則(昭和三十六年自治省令第六号)には以下のように記載されています。

10 令別表第一(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項、(九)項イ、(十六)項イ又は(十六の二)項に掲げる防火対象物の防火管理者は、令第三条の二第二項の消火訓練及び避難訓練を年二回以上実施しなければならない。

引用:消防法施行規則(昭和三十六年自治省令第六号)(2023年11月20日確認)

各事業所で日程を決め、避難訓練を実施する義務があるということになります。

また、避難訓練は以下の3つに分けられています。

  • 消火訓練
  • 避難訓練
  • 通報訓練

デイサービスでは消火訓練と避難訓練を年2回、通報訓練を年1回行う必要があると定められているのです。

デイサービスでは身体の不自由な利用者も多く利用されているため、災害時に効率的に避難をするためのシミュレーションを徹底しておくことが大切です。

参考:消防法(2023年11月20日確認)

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デイサービスの「避難訓練マニュアル」作成の必要性

災害時や緊急時など、いざというときに的確に行動するためには、避難訓練マニュアルを作成することが重要です。

デイサービスを利用する方は日によって異なるので、マニュアルを作成していないとその場で対応する必要があり、余計に混乱してしまうでしょう。

マニュアルを用意しておけば、そのような問題が解消され、効率的かつ迅速に利用者と職員の安全を確保できます。

また、マニュアルを作成したうえで避難訓練を実施すれば、より実践的なものとなります。実際の災害時だけでなく、避難訓練の質を高めるためにも、マニュアルの作成を進めていきましょう。

マニュアル作成の内容とポイント

災害発生時の職員の意識を高めて、施設として統一した行動基準を設けるためには、マニュアル作成は必要不可欠です。

マニュアルを作成するときに記載すべき内容は、おもに以下の項目があげられます。

  • 災害時の職員の役割分担(指示係、避難誘導係など)
  • 避難経路図
  • 災害発生時の対応方法(避難誘導の流れ、消化器の使用方法など)
  • 緊急連絡先(消防・警察・家族など)
  • 連絡内容(何をどのように伝えるのか)
  • 利用者の一覧表

マニュアルを作成する際は、誰でもわかりやすいように記載することが大切です。文章だけではわかりにくい場合は、箇条書きやイラストなどをうまく活用しましょう。

マニュアル作成前の準備と確認事項

マニュアルに載せるべき内容は前述したとおりですが、その内容を細かく分けると以下のような内容になります。

緊急時の対応を先に決めておかないと訓練もできませんので、細かい部分まで詳細に話し合い、まとめておきましょう。

  • 非常時の避難先

 事業所の最寄りの広域避難場所(公園・学校等)

  • 施設内の避難時の出入り口の確認
  • 避難先までのルートと行き方

 災害によっては送迎車を使用できないことを想定
 徒歩でいくとしたらどのようなルートで行くのか

  • 車いす移動が必要な方、ADLが低い方、徒歩が難しい方をどのようにスタッフが役割分担して移動補助につくのか
  • 避難する前の点呼/避難後の点呼の仕方

 (避難前後でご利用者数・スタッフ数は合致するか)
 当日の出席者がすぐにわかるような台帳管理

  • 出入り口付近の整備

 車いすが通る時に邪魔になるものを排除

  • 出入り口に利用者が集中しないようにするための役割分担と誘導方法

 スタッフ別の誘導時の役割分担を決める

  • (入口で靴を脱ぐ形なら)避難時に靴は取り出しやすいか
  • 地震発生時等に利用者やスタッフの頭を守る防災頭巾、もしくはそれに相当するものがあるか
  • 施設内でお昼寝等をしている時間に災害が発生した時の安全確保

  入浴時、食事の時などもすべて想定

  • 避難場所ではなく施設内待機が妥当という判断になった時に、利用者の寝起きする際の毛布等、また、1~2日の水や食料等の確保はどうするか
  • ラジオ/懐中電灯の準備

 情報収集は電池式のラジオが最適
 暗がりになる場合もあるので懐中電灯も複数個必要

  • ケアマネや各利用者の緊急連絡先一覧

 場合によっては持ち出しできるよう紙ベースでプリントアウトしておく
 (但し個人情報リストなので管理は徹底)

避難訓練の具体的な手順と流れ

避難訓練当日は火事や地震、水難などのいずれか1つの事例を決めて、利用者と一緒に施設を出るところまでの訓練を行います。

施設から指定された避難場所まで行くのは厳しいので、実際の非常時の対応については口頭で説明しておきましょう。

火災の避難訓練を想定した場合、以下のような手順で進めていきます。

  1. 火災発生を検知
  2. 現場確認と非常ベル作動
  3. 消火(消化器使用)
  4. 利用者の避難誘導
  5. 利用者の点呼

ここではそれぞれの流れについて解説します。

1.火災発生を検知

火災検知では、おもに以下の2パターンに分かれます。

  1. 火災報知器によって検知される
  2. 人の発見によって火災が確認される

いずれかの状況によって最初の流れが若干変化します。そのため、避難訓練では交互のパターンを行い、どちらにも対応できるようにしておきましょう。

2.現場確認と非常ベル作動

火災があることを確認したら、火災報知器や非常ベルを作動させます。火災報知器によって検知した場合は、その後に現場確認をします。

その後、実際の火災の場合は速やかに119番通報してください。避難訓練の開始の合図とともに、職員ごとの役割に合わせて避難行動をしましょう。

3.消火(消化器使用)

近くの消化器を使用して消火活動を行います。消火活動が遅れないように、どこに消火器があるのかを事前に確認しておきましょう。

4.利用者の避難誘導

利用者の避難誘導では、焦らず分かりやすい内容で指示をします。自力で避難ができない利用者がいる場合は、職員が背負ったり、車イスや担架を活用したりしてください。

認知症や難聴の利用者がいる場合は、避難経路から戻っていないか注意しておきましょう。避難誘導の際は利用者が混乱して転倒などの二次災害が起こらないように、声掛けを続けることが大切です。

5.利用者の点呼

避難が完了したら点呼をとり、利用者の人数と安否確認をしましょう。ケガをしている方がいる場合は速やかに応急手当てを行います。

その後、避難訓練にかかった時間や手順などの振り返りを行います。

訓練時に準備しておくもの

避難訓練時に準備しておきたいものは、以下の通りです。

  • 当日の流れが記載されたレジュメ(スタッフ全員に配布)
  • 防災頭巾、ヘルメット
  • 消化器や火災報知器などの場所が明記された避難経路の拡大図
  • ストップウォッチ
  • 点呼表

避難用の物品をすぐに取り出せるように、まとめて保管しておくと良いでしょう。

避難訓練で気を付けたい注意点

避難訓練で気をつけておきたい点としては、以下の通りです。

  • 利用者のADLに応じた避難誘導の重要性

避難誘導の際は、利用者のADLの度合いによって方法が異なります。たとえば、通常の避難経路で階段を使用する場合、車イスの利用者はそのルートを通ることができません。

そのため、別のルートを検討する必要があります。利用者のADLによってどの避難経路が望ましいのかを検討しておくことが重要です。

  • 利用者に不安を与えない避難訓練の進行

避難訓練の際は、利用者に不安を与えないように注意しましょう。とくに認知症の方や難聴の方は、避難訓練であることを十分に理解できない可能性があります。

普段とは異なる状況で職員が慌てているのを見ると、余計に不安が強くなるでしょう。利用者の不安感を軽減させるためには、積極的な声掛けをする、常に近くにいるなどの配慮を心がけてください。

  • 屋外誘導時の寒暖差への対応

避難訓練で利用者を屋外に誘導した際は、寒暖差に注意しましょう。とくに夏や冬の季節は屋内と屋外の気温差が激しいので、血圧の変動で体調が悪くなる恐れがあります。

屋外に誘導する際は転倒だけでなく、外の気温にあわせた服装を用意する、水分を十分に接収しておくなどの対策をとりましょう。

  • 実際に火を使用するなら消防署に日時の連絡

避難訓練をする場合は、消防署へ連絡し、届出を提出しなければいけません。火を利用する場合は、そのことも消防署へ連絡してください。

これは訓練でも実際に火を使うとなると、万が一の事態を想定する必要があるからです。訓練で思わぬ事故に発展しないように、消防署に連絡して火を使用する際の注意点を聞いておくのも良いでしょう。

避難訓練マニュアルの作成で災害に備えよう

デイサービスでは年2回の避難訓練が義務付けられており、利用者をどのように避難誘導するべきかのかをよく考えておく必要があります。

これは運営指導(実地指導)でも触れられる部分なので、避難訓練のマニュアル作成は重要です。非常災害時対応マニュアル(対応計画)・運営規程・避難・救出等訓練の記録・通報、連絡体制・消防署への届出などの書類が必要になります。

スムーズに避難誘導するためにも、事前の決めごとや課題を抽出しつつ、図表を活用した分かりやすいマニュアルの作成が求められます。

また、避難訓練を実施する際は利用者の状況をしっかりと把握し、職員全員が役割にあわせてスムーズに動けるようにしておきましょう。

今回の記事を参考にして、避難訓練のマニュアル作りに役立ててみてください。

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この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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