介護システムとは?介護業務を支援するITソリューションの仕組みと活用方法
運営ノウハウ
2025/04/25
運営ノウハウ
ICT活用
更新日:2025/04/25
本記事では、介護業務を効率化するシステムについて解説。介護記録・請求・シフト管理などのIT化、システムの選び方、導入効果などを詳しくご紹介します。
この記事の目次
※2025年4月時点情報
介護施設向けのシステムの基礎知識について解説します。
介護システムとは、介護事業所や介護サービス施設の様々な業務を幅広くサポートするシステムやソフトウェアのことです。
以前は、国保連への介護報酬請求のためのシステムが多く見られました。しかし、最近では介護報酬請求の業務に限らず、介護現場の業務における多様な課題を解決するシステムが提供されています。
介護現場のシステム化による業務の効率化は、国も注目しており厚生労働省がICT化を推進しています。「介護テクノロジー導入支援事業」における補助やICT化のための情報提供などを積極的に行っています。介護業務のシステム化を検討している場合には、厚生労働省や各自治体の最新の情報を調べ、利用できる補助金・助成金について確認するとよいでしょう。
介護事業におけるDXは、システム化だけでなく様々な種類があります。具体的な例は、以下のとおりです。
その中で、最も導入が行いやすく、大きな効果が見込めるのが介護ソフトの導入です。なぜなら、パソコンやタブレットといった日常的に利用する機器があれば使用でき、対応する業務が幅広いからです。
厚生労働省が公開している「ICT導入支援の状況」における「補助したICT機器等」の項目を参照すると、67.5%が介護ソフトと回答しています。
参考:ICT導入支援事業 令和3年度 導入効果報告取りまとめ(P.4)
介護業界において、システム化が求められている理由について解説します。
介護業界でシステム化が必要とされる理由として、職員の不足を感じる事業所の課題の解消が挙げられます。少子高齢化によって介護を必要とする高齢者は増加傾向ですが、介護職員数は横ばいの状態です。このような状況における職員の不足を補うため、業務のシステム化による効率化が求められています。
参考:介護職員数の推移
職員の業務負担の軽減も、介護業界においてシステムが求められる理由として挙げられます。介護業務のシステム化により業務効率化が実現できれば、間接業務の負担が軽減できます。働きやすい環境が整うと精神的な負担も減るため、離職の防止や円滑な採用にもつながるでしょう。
限られた財源の中で、業務効率を上げて、利用者によりよいケアを受けられる介護サービスを提供するため、介護業界のシステム化が求められています。
高齢者の増加に伴って介護サービスの利用が増えれば、社会保障費は増大します。一方で、労働の中核を担う生産年齢人口は減少傾向。社会保障費の財源確保は難しくなっていくことが予想されるため、限られた状況で効率のよい運営を行うことが必要とされています。
参考:人口減少と少子高齢化
介護業務のシステム化により、どのような効果が得られるか以下で解説します。
介護システムを導入することで、介護記録や介護実績の重複した入力や転記が削減できるので、間接業務が効率化できます。
紙で情報を管理していると、作成や転記に多くの時間がかかります。介護システムを導入すると、パソコン・タブレット・スマホから入力が行えます。利用者情報や介護実績が連携されると、さらに作業時間を短縮できます。
介護システムの導入により、ペーパーレス化が実現できます。紙の書類は作成に時間が掛かるだけでなく、用紙代・印刷代・保管のコストなどがかかります。システム上でデータとして扱えば、そのようなコストが不要になるだけでなく、情報共有もスムーズです。
介護システムを導入すると、法改定への対応もスピーディーに行えます。法改定があった場合には、書類の作成や申請方法の変更に対応する必要があり、事業所の担当者に大きな負担がかかります。
介護システムの場合には、基本的に提供会社が法改定に対応したアップデートを行います。そのため、事業所内で大きな変更を行うことなく、法改定に対応可能です。
介護システムの導入によって間接業務の時間が削減できれば、現場での直接業務に時間が充てられます。それにより、利用者と接する時間を増やしたり、よりよい事業所運営について考えたりといった時間が確保できます。介護システムの導入は、結果的に事業所のサービス品質向上につながるのです。
一部の機能に特化したものや一気通貫のものなど、介護システムの主な種類について解説します。
介護報酬請求や介護記録の作成など、一部の機能に特化したシステム。既存のシステムとの連携を考えている場合や、解決したい課題に合っていてコストを抑えたい場合に、導入によって高い効果が得られるでしょう。
介護計画書作成・介護記録・介護報酬請求まで一気通貫でサポートするシステム。データが集約されるので一元管理ができることが特徴です。また、他の業務とのデータが連携がスムーズに行えるので、大幅な業務効率化が期待できます。
介護だけでなく、福祉や医療などを幅広くカバーするシステム。複数の施設を管理している規模の大きい会社に合ったシステムと言えるでしょう。同一のシステムを利用することで、データのフォーマットの統一やシステムの活用方法の共有も行えます。
パッケージ型・サーバ設置型・クラウド型といった介護システムの主な3つの利用形態について解説します。
パッケージ型は、介護システムをパソコンにインストールして使用。そのため、インストール型と呼ばれる場合もあります。データはパソコンに保存されるため、担当者によるバックアップやソフトウェアのアップデートが必要です。
サーバ設置型は、施設にサーバを設置し、システムやデータを保存して利用。オンプレミス型とも呼ばれます。外部からアクセスできる設定を行えば、複数の施設での共有も可能です。サーバ設置型は、機器の購入や維持に多くの費用がかかります。
クラウド型は、インターネットを使って提供会社のサーバにアクセスしてソフトを利用します。そのため、システムやサーバの管理は提供会社が担います。クラウド型には、インストール不要でシステムを利用でき、初期費用が低く抑えられるといったメリットがあります。
職員のITスキルの不足や資金不足といった、介護システムの導入でよくある問題と対処法について解説します。
職員のITの知識やスキルの不足により、介護業務のシステム化が難しい場合があります。使いこなすことができなければ、介護システムを導入しても業務効率化が実現できる可能性は低いでしょう。職員がシステム化に対して苦手意識を持ってしまうと、従来のやり方で業務を続ける可能性があります。そうなれば、システムが定着せず、想定した効果が得られなくなります。
介護業務のシステム化を行う際は、使いやすさに配慮することが大切です。そのうえで、職員に導入の目的を伝えて理解してもらい、事前に研修を行うとよいでしょう。提供会社から導入から定着までサポートが受けられると、さらに安心です。
導入と運用のための資金不足により、介護システムが導入できない場合もあります。介護業務のシステム化には多くの資金がかかります。現状の経営で手一杯で予算が確保できない場合には、介護システムの導入に踏み切ることは難しいでしょう。
対処法としては、自治体の補助金や助成金の利用が効果的です。要件を満たせば援助が受けられますので、資金不足が課題の場合には自治体に相談するとよいでしょう。
これから介護システムの導入を考えている方向けに、失敗しないためのポイントについて以下で解説します。
まず、施設で抱える課題や解決したい優先順位を決めて、介護システムを導入する目的を明確にしましょう。介護システムの導入により、すべての課題が解決できるわけではありません。また、それを実現しようとすると、費用が増大することも考えられます。
限られた予算の中で最大限の成果を得るには、目的に合った機能を持つシステムを選ぶことが大切です。
介護システムを導入する際は、成果について中長期的な視点を持つことが重要です。
例えば、初期費用やランニングコストが低く抑えられたとしても、機能が限られている場合には他のシステムへの乗り換えが必要となる場合があります。
段階的なシステムの活用を想定すると、定着後にさらなる効率化が可能なシステムを選ぶという選択肢も考えられます。介護システムの導入は、多くのコストと時間がかかるものです。導入段階から、中長期的な視点で見合った成果を得ることを考える必要があります。
サポート体制が充実した介護システムを選ぶと、導入・定着・活用まで滞りなく行える可能性が高まります。ITが得意な人材が少ないことが、介護事業所のシステム化のハードルとなる場合は多く見られます。そのため、使いやすさだけでなく、困ったときに問題解決がスムーズに行えるサポート体制があればさらに安心です。
介護システムは、介護計画書作成・介護記録・介護報酬請求業務といった幅広い業務に対応したシステムです。導入には、間接業務の効率化・ペーパーレス化・法改定への対応・ケアサービスの向上といったメリットがあります。
また、需要に対して職員の増加が伸び悩む介護業界において、職員の負担を軽減できることもポイントです。働きやすい環境の整備は、離職の防止や採用が行いやすくなるといった効果も期待できます。
業務の効率化と安定した運営を求める場合には、事業所のシステム化を検討することをおすすめします。
日々の加算算定業務や記録業務などで苦労されている人も多いのではないでしょうか?科学的介護ソフト「Rehab Cloud」であれば、現場で抱えがちなお悩みを解決に導くことができます。
例えば、加算算定業務であれば、計画書作成や評価のタイミングなど、算定要件に沿ってご案内。初めての加算算定でも安心して取り組めます。さらに、個別性の高い計画書は最短3分で作成できます。
記録した内容は各種帳票へ自動で連携するため、何度も同じ内容を転記することがなくなります。また、文章作成が苦手な方でも、定型文から文章を作成できるので、簡単に連絡帳が作成できるなど、日々の記録や書類業務を楽にする機能が備わっています。
運営ノウハウ
2025/04/25
運営ノウハウ
2025/04/25
運営ノウハウ
2025/04/25
運営ノウハウ
2025/04/15
運営ノウハウ
2025/04/15
運営ノウハウ
2025/04/15