介護職員処遇改善加算のキャリアパス要件・職場環境等要件

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算定するために必要なこと

介護職員処遇改善加算とは、介護職員が安定して業務を行うために賃金や環境の改善を図ることを目的としたものです。

処遇改善加算を算定するには、加算に応じた賃金改善の実施とともに「キャリアパス要件」「職場環境等要件」を満たす必要があります。

処遇改善加算の算定要件や計算方法については以下の記事からチェックできますので、ぜひご一読ください。

▶︎通所介護の介護職員処遇改善加算の算定要件・計算方法

キャリアパス要件の内容と具体例

キャリアパス要件とは、介護職員がキャリアアップできるような賃金体系や環境を整えるための要件です。

キャリアパス要件には「Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」の3種類があり、それぞれ指定された条件を満たす必要があります。

ここでは各キャリアパス要件について解説します。

キャリアパス要件Ⅰとは

キャリアパス要件Ⅰでは、以下の要件をすべて満たす必要があります。

1. 職位や職責、職務内容にあわせた任用要件を定めている
2. 「1.」の要件に適した賃金体系となっている
3. 上記の要件が就業規則をはじめとした書面で示されており、すべての介護職員に周知している

「1.」では、介護職員をキャリアにあわせて段階分けして、その職位に適した責任範囲と職務内容について明確にしておく必要があります。

また、段階ごとの要件も具体的に設けましょう。

「2.」では、職位ごとの給与表を作成したり、手当を付与したりなど、賃金体系をはっきりとさせておきます。
「3.」では賃金体系だけでなく、職位や職責、職務についての内容も含まれています。

キャリアパス要件Ⅱとは

キャリアパス要件Ⅱに必要な項目は以下の通りです。

1. 介護職員と意見交換をしつつ、資質向上のための目標と具体的な計画を決めたうえで取り組みを実施する
2. 「1.」について、すべての介護職員に周知している

「1.」の資質向上の例としては、以下があげられます。

• コミュニケーション能力
• マネジメント能力
• 資格の取得

キャリアパス要件Ⅲとは

キャリアパス要件Ⅲでは、以下の項目を満たす必要があります。

1. 経験や資格にあわせて昇給する制度のほか、定期的に昇給を判定するための基準を設ける
2. 「1.」について就業規則等に記載したうえで、すべての介護職員に周知している

「1.」の昇給に該当するものとしては、以下があげられます。

• 勤続年数
• 経験年数
• 研修の修了者

また、昇給に関しては基準や条件を明確に定めたうえで、実技や人事評価などをもとに判断します。

• 参考：「介護職員処遇改善加算」のご案内 （2023年5月19日確認）
  参考：介護職員処遇改善加算、（令和5年3月1日老発0301第2号） （2023年5月19日確認）

職場環境等要件とは

職場環境等要件とは、職場環境の改善をはじめとした取り組みを実施するために必要な要件です。

介護職員への賃金以外にも、「研修の実施によるキャリアアップ」や「ICT（通信技術）の活用による生産性の向上」の取り組みが求められています。

介護職員処遇改善加算を算定するには、以下の表の区分を1つ以上取り組んでいる必要があります。（※特定処遇改善加算の場合は、区分ごとに1つ以上の取り組みが必要）

参考：処遇改善に関する加算の職場環境等要件 （2023年5月19日確認）

具体的な実行が求められるキャリアパス・職場環境等要件

介護職員処遇改善加算を算定するには、キャリアパス要件と職場環境等要件について取り組む必要があります。
どちらの要件も細かく指定されていますが、具体的な内容は指示されているので、行動を起こしやすいといえるでしょう。

処遇改善加算は事業所や介護スタッフだけでなく、安定した介護サービスを受けられる利用者にとってもメリットです。

職員が働きやすい環境を整え、質の高いサービスを提供できる体制を作るためにも、処遇改善加算の算定に取り組んでいきましょう。