介護報酬ファクタリング|メリットや選び方・資金繰り改善のポイント

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更新日:2024/04/16

介護報酬の請求から報酬の受け取りのタイムラグを埋めるために「ファクタリング」を利用する事業所も多いのではないでしょうか。介護報酬ファクタリングは、事業所の経営を助けてくれる便利な仕組みです。ここでは、介護報酬ファクタリングの基本的な構造や利用する際の注意点、選ぶときのポイントなどを解説しています。

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介護報酬ファクタリングとは

介護報酬ファクタリングとは、介護事業者が国保連に請求した給付費をファクタリング会社が前払いするサービスのことです。

ファクタリングサービスが運用されている背景として、介護報酬の申請から入金までのタイムラグが発生していることがあげられます。

通常、介護事業所が介護サービスを提供した分の介護報酬を受け取るには、国保連への請求が必要です。そして、実際に介護報酬が入金されるまでには約2ヵ月かかります。

資金や支出などの問題で急いで介護報酬を受け取りたいときに、この介護報酬ファクタリングが活用されるということです。

ここでは、介護報酬ファクタリングの仕組みや導入後のスケジュールについてみていきましょう。

介護報酬の請求ルールは以下の記事で紹介していますので、こちらもぜひご一読ください。
介護報酬の請求方法とは?仕組みや流れをわかりやすく解説

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介護報酬ファクタリングの基本的な仕組み

介護報酬を受け取る際は、国保連へ請求した後、約2ヵ月後に入金されるのが通常です。

しかし、介護報酬ファクタリングを導入した場合、請求してから通常よりも早く介護報酬の約8〜9割が入金されます。

これは国保連が請求する介護報酬(債権)をファクタリング会社に譲渡しているため、早期から資金化ができるのです。

請求後にどのタイミングで何割入金されるかは、ファクタリング会社によって異なります。

ファクタリングサービス導入後の資金化スケジュール

介護報酬ファクタリング導入後の資金化スケジュールの目安は、以下のとおりです。

  1. 介護報酬ファクタリングを導入する
  2. 導入した翌月の10日に国保連へ介護報酬を請求する
  3. 請求した5営業日後に、前月の給付費の前金が入金される
  4. 介護報酬ファクタリングを導入した2ヵ月後の月末に残りの介護報酬が入金される

たとえば、1月に介護報酬ファクタリングを導入し、2月に請求をした場合、2月15日には1月分の介護報酬の受け取りが可能です。

具体的なスケジュールは会社によって異なるので、あくまでも目安として参考にしてください。

介護報酬ファクタリングを選ぶメリット

介護報酬ファクタリングを導入するメリットは、以下のとおりです。

  • 資金調達のスピードが早い
  • 負債を増やさずに資金繰りを改善できる
  • 新規開業でも利用できる可能性がある
  • 資金の使い道に制限がない

ここでは、それぞれのメリットについて詳しく解説します。

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資金調達のスピードが早い

資金調達が早くできる点が、介護報酬ファクタリングの一番のメリットです。国保連へ介護報酬を請求すると、入金には約2ヵ月かかります。

それまでの期間は一切お金が入ってこないので、人件費や固定費などの支払いに困る事業所もあるでしょう。

しかし、介護報酬ファクタリングの活用で入金のスピードが早くなれば、資金繰りに悩むことが少なくなります。

負債を増やさずに資金繰りを改善

介護報酬ファクタリングは借り入れではないため、負債扱いではありません。介護報酬をファクタリング会社に譲渡して、それを前倒しで事業所に入金する仕組みです。

銀行や消費者金融のような、信用確認のための厳しい審査がないのも特徴です。

このように、介護報酬ファクタリングは借り入れではなく、負債なしで資金繰りを改善できるメリットがあります。

新規開業でも利用できる可能性がある

介護報酬ファクタリングは、新規開業した事業所でも利用できる可能性があります。新規開業時は費用がかさみやすく、入金も時間がかかるので、資金繰りに悩む事業所も多いでしょう。

そのような事業所は介護報酬ファクタリングを利用することで、資金面の負担の軽減が期待できます。介護報酬でのファクタリングサービスは、審査が通りやすい傾向にあります。

その理由として、国保連が倒産する可能性が低く、介護報酬の債権は承認されやすいからです。介護報酬ファクタリングをすぐに実行できるのも強みなので、新規開業の事業所も利用を検討してみましょう。

デイサービスの開業手順については以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご一読ください。
介護事業で起業する手順|稼働率の高い施設運営のための起業・運営ノウハウ【必要資金・ムダのない事前準備】

資金の使い道に制限がない

入金された資金の使い道に制限がないのもメリットです。銀行融資や補助金などは資金の目的が決められているため、自由に利用できるわけではありません。

しかし、介護報酬ファクタリングでの資金は自由に利用できるので、経営状況にあわせた使い道が可能です。出費が必要になったタイミングで、現金化された資金を活用しましょう。

介護報酬ファクタリングの選び方のポイント

介護報酬ファクタリングの選び方のポイントは、以下のとおりです。

  1. 手数料のチェック
  2. 資金化の速さと柔軟性
  3. 介護ソフトとの連携性の有無
  4. サポート体制と顧客の声

ここではそれぞれのポイントについて詳しく解説します。

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ポイント1:手数料のチェック

ポイントの1つ目は、手数料がどのくらいかをチェックすることです。介護報酬ファクタリングを利用する際の手数料は会社によって異なります。

大まかな相場としては、「0.25〜1%」を目安にしておくと良いでしょう。会社によっては手数料の他に追加料金がかかる場合もあるので、費用についてよくチェックしておくことが大切です。

このように、手数料や追加料金などに注意しながらファクタリング会社を選びましょう。

ポイント2:資金化の速さと柔軟性

どのくらいの速さで資金化できるのか、という点も介護報酬ファクタリングを決めるポイントです。国保連へ請求してからどのくらいで入金されるのかは、会社によって異なります。

なるべく早めの入金を希望したい事業所は、資金化が早い会社を選択しましょう。できる限り多くの資金が欲しい場合は、入金額の割合が大きい会社がおすすめです。

資金化の速さと入金額について柔軟性が高い会社であれば、介護報酬ファクタリングの利用によってさまざまな状況に対応できるでしょう。

ポイント3:介護ソフトとの連携性の有無

ポイントの3つ目は、導入している介護ソフトとの連携の有無です。介護ソフトを販売している会社には、介護報酬ファクタリングを提供している場合もあります。

現在利用している介護ソフトと連携できるのであれば、介護報酬ファクタリングも使いやすくなるでしょう。

介護ソフトと連携できるファクタリング会社は介護事業に対して実績や信頼性が高い傾向にあるため、安心して利用できるメリットもあります。

今の介護ソフトの会社が介護報酬ファクタリングを提供しているか、あらためて確認してみましょう。

ポイント4:サポート体制と顧客の声

サポート体制が充実しているか、利用している顧客の評判が良いかをチェックしておくのもポイントです。とくに介護報酬ファクタリングの利用経験がない事業所は、手厚いサポートの有無は重要といえます。

また、介護報酬ファクタリングを利用している顧客の評判も参考になります。気になるサービスがある場合は、ネットで口コミを検索してみましょう。

悪質なサービスをしているファクタリング会社もゼロではないので、これらのポイントをおさえておくことが大切です。

介護報酬ファクタリングのデメリットと注意点

介護報酬ファクタリングの利用はメリットだけではありません。ここでは、デメリットや注意点などについて詳しく解説します。

受け取れる金額と手数料のバランス

介護報酬ファクタリングには手数料がかかるため、本来受け取れる報酬額が少なくなります。手数料の相場は「0.25〜1%」とされていますが、利用する会社によってはそれ以上になるケースもあるでしょう。

どんなに手数料が安くても、繰り返しサービスを利用すれば大きな額になります。介護報酬ファクタリングを継続するのはなるべく控え、必要になったときだけ利用するのをおすすめします。

介護報酬債権額が上限

介護報酬ファクタリングで受け取れる金額には、上限がある点に注意しましょう。本来の介護報酬債権額が上限なので、それ以上の入金はできません。

介護報酬額よりも高い金額がすぐに必要な場合は、融資をはじめとした別の方法を利用するのがおすすめです。

現状どのくらいの資金を用意したいのかを見直して、介護報酬ファクタリングを利用するかどうかを検討しましょう。

利用しすぎ・資金繰りに注意

介護報酬ファクタリングの利用しすぎにも注意しましょう。先ほど説明したように、利用すればするほど手数料で引かれる総額が大きくなります。

さらに、ファクタリングサービスを利用すると次の介護報酬までの期間が空く点もおさえておく必要があります。よく考えずに利用すると、かえって資金繰りが難しくなるでしょう。

介護報酬ファクタリングの利用しすぎの原因として、そもそも経営の仕方や資金の使い方にムダが生じている可能性も考えられます。

事業所の状況をよく見直し、資金繰りに注意した運営を心がけましょう。

開業の際に使える助成金について、以下の記事で詳しく解説しています。こちらもぜひご一読ください。
デイサービス立ち上げの助成金|雇用・設備投資に使える助成金・地方自治体が提供する補助金について

Rehab Cloud ファクタリング|三菱HCキャピタルとRehab for JAPANの共同事業

Rehab for JAPANが提供している「Rehab Cloudファクタリング」は、三菱HCキャピタルとの共同事業です。

Rehab Cloudファクタリングの手数料は、業界最低水準の「月0.2%〜」です。さらに利用者には優遇条件もご用意しています。

新規事業所でも申し込みができるので、開業直後の資金繰りに悩んでいる方でも安心して利用可能です。国保連への請求から最短5営業日に入金されるため、急いで資金を用意したい事業所にもおすすめです。

介護報酬ファクタリングを検討している事業所は、ぜひRehab Cloudファクタリングを利用してみましょう。
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介護報酬ファクタリングの利用で資金繰りの改善を

介護報酬ファクタリングは介護報酬を前倒しで受け取れるサービスで、すぐに資金調達できる点や、負債がかからない点などのメリットがあります。

一方で手数料がかかる、受け取れる金額に上限があるなどのデメリットもあるので、その点も把握しておく必要があります。

介護報酬ファクタリングで失敗しないためには、手数料や入金日などをよくチェックし、必要な期間を決めて利用することが大切です。

介護報酬ファクタリングを利用して、新規開業や事業拡大などをうまく進めていきましょう。

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この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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