ADLとIADLの違いとは |介護における定義・項目・アセスメント・評価の違い
現場ノウハウ
2024/11/06
現場ノウハウ
介助
更新日:2024/06/25
足浴(そくよく)の正しい手順・やり方を知っていますか?全身浴やシャワー浴が難しい方のケアの1つに足浴があります。足浴とは、足先だけを洗う入浴方法で、足先のきれいに保つだけでなく、血行循環の改善やリラックス効果が得られるケアです。そこで今回は、足浴の基礎知識としてケアの手順や注意点についてまとめてご紹介します。
この記事の目次
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足浴(そくよく)とは、部分浴の一つで、全身浴やシャワー浴などの入浴をすることが難しい方を対象に足先からふくらはぎを温めたり、足先を洗う入浴法です。
そんな足浴は、どのような方を対象にケアをするのが良いのでしょうか?
足浴を効果的に行うための基礎知識として、まず足浴の対象者についてご紹介します。
参照:笠原 佑夏 文京学院大学人間学部研究 Vol.10 No.1 2008「足浴のリラクセーション効果に関する検討」 (平成29年10月30日アクセス)
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足を温めたり、足先を洗う「足浴の効果」は、足を綺麗にするだけではありません。足浴の効果をまとめてご紹介します。
このような足浴の効果から医療や介護の現場では、「看護計画」や「通所介護計画」の中でも、ケアの項目として足浴が記載されることが多くあります。
▼足浴の効果と最適な温度・時間についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
【関連記事】 足浴の効果と最適な温度とは?介護初心者のための【豆知識】 清潔を保持や血行の循環を向上させる効果が期待できる足浴の最適なお湯の温度はどれくらいか知っていますか?こちらでは、足浴の効果と最適な温度についてご紹介します。 |
足浴の手順をご紹介する前に、実際に足浴を行う際に一番重要となるお湯の温度と足浴時間についてご紹介しておきます。
吉永・吉本ら(2005)
最適な温度は39~42℃、足浴時間は7~30分
金子ら(2009)
お湯の温度は40°C、足浴時間は15分
足浴のお湯の温度には好き好きがありますが、心臓に大きな負担をかけることなく、足先の循環を促進させたり、リラックス効果が得るためには、上記の温度と時間がポイントとなります。
足浴を行う際にはこれらのポイントを必ず抑えておくようにしましょう!
参照:金子 健太郎 日本看護技術学会誌 Vol.8 , No.3「足浴が生体に及ぼす生理学的効果 ―循環動態・自律神経活動による評価―」(平成29年10月31日アクセス)
では、ここからは実際に足浴を行う場合の手順についてご紹介します。
足浴は、基本的に以下の5つの手順に沿ってケアを行います。
次章より、この手順に沿っての介助方法について詳しく解説していきます。
▼「全身浴」や「シャワー浴」などの入浴の介助方法については、こちらの記事でご紹介しています。詳しくはこちらをご覧ください。
【関連記事】 入浴介助の注意点とポイント|入浴用の福祉用具もご紹介【基礎知識】 素早くスムーズに入浴介助を行うための基本的な手順と注意点・介助のポイントについてまとめてご紹介します。 |
足浴の手順として、まずは「足浴の準備」を行います。意外にも多いのが準備するものです。お湯が冷めないように足浴を行うためには、基本的な準備を整えておくことが大切になります。
『備えあれば憂いなし』
まずは、足浴の基本的な準備品についてご紹介します。
足浴で準備するもの
足浴の準備のポイント
足浴の手順として、次に「洗浄」を行います。
まず準備したバケツ(お湯)に足を3〜5分ほどつけておき、その間にスタッフはビニールエプロンと手袋を着用します。準備したせっけんをガーゼに付け、軽く泡立ててから足先から足首までを洗います。その際に、足に傷口には気をつけて洗いましょう。また、足の間は不衛生となりやすいため念入りに洗うようにしましょう。
足浴で足の洗浄が終わったら、次に「かけ湯」を行います。
足浴のかけ湯には、せっけんを流す目的と足首・ふくらはぎを温める目的があります。事前に準備しておいたピッチャー(39度~42度)のお湯でせっけんを流し、そのあとは足の甲、くるぶし、ふくらはぎなどにかけ湯を行います。足の保温効果を高めるために膝下の露出部分をバスタオルで保温しておくと、なお良いでしょう。
足浴で足のかけ湯が終わったら、足についたお湯の「拭き取り」を行います。
お湯の拭き取りは、足専用のやわらかいタオルを準備しておくと良いでしょう。また、感染症予防のために本人専用のタオルを事前に準備していただくように依頼しておくことも忘れないようにしましょう。
▼身体を拭くケアのことを清拭(せいしき)と呼びます。清拭の手順や注意点についても合わせて学んでみませんか?詳しくはこちらをご覧ください。
【関連記事】 清拭(せいしき)はどうすればいいの?清拭の手順と注意点の基礎知識 清拭の目的や各部位ごとの清拭の手順・注意点についてまとめてご紹介します。 |
足浴で足についたお湯を拭き取ったら、最後に「薬を塗る」ケアを行います。
足浴後に足先に塗る保湿剤または医師から処方されている塗り薬がある場合は、適切な部位に最適な量を塗っていきます。ただし、傷口がある場合など看護師による特別なケアが必要になる場合がありますので事前に確認しておくようにしましょう。
ここまで足浴の基本的な5つの手順についてご紹介しました。
ここでは、足浴を行う場合の注意点について詳しくご紹介します。
ここまで、足浴の手順や注意点についてご紹介してきましたが、足浴を避けた方が良いと判断される場合についても合わせてご紹介しておきます。足浴のケアを考えている方の中でも以下のような方がいれば、中止するようにしましょう。
足浴は、入浴が難しい方であっても足先の清潔保持や血液循環を促す効果が期待できるケアです。さらに、信頼できる看護師や介護士さんに足をマッサージしてもらったり、綺麗にしてもらうことで心理的にリラックスことができたり、1対1で何気ない会話をすることができるコミュニケーションを図る機会にもなります。
患者様・ご利用者様が気持ちよく足浴を楽しんでもらえるように、私たちスタッフが正しい足浴の手順と最適な温度、注意点について理解し、明日からの現場に生かしていただければ幸いです。
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