ADLとIADLの違いとは |介護における定義・項目・アセスメント・評価の違い
現場ノウハウ
2024/11/06
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介助
更新日:2024/04/15
ご高齢者が食事をする場合に気をつけておかなければならないことを知っていますか?ご高齢者は、加齢により食事量が少なくなり、低栄養を起こしたり、誤嚥性肺炎を引き起こしてしまうリスクも高くなります。今回は、そんなご高齢者の食事で気をつけておきたいポイントについてまとめてご紹介します。ご高齢者のからだの特徴と食事への影響を理解して介護のスペシャリストを目指して行きましょう。
ご高齢者は、歳をとるにつれて心身の機能低下・能力低下により食事量が少なくなったり、食事が上手に食べれなくなくなるなど、食生活に影響を及ぼすことも多くなります。
そこで、まずご高齢者の食事で気をつけるポイントをご紹介する前に、ご高齢者のからだの特徴と食事への影響についてご紹介します。
▼ご高齢者の唾液の分泌を促す方法に唾液腺マッサージがあります。唾液腺マッサージの方法についてはこちらの記事をご覧ください。
ご高齢者は、「口が渇く」「噛む力・飲み込む力が弱くなる」「頻尿になる」「便秘になる」「食欲が低下する」などのカラダの変化により、食事の摂取量が低下したり、誤嚥性肺炎を引き起こしたりと悪影響を及ぼします。そのようなご高齢者に食事を提供する場合はどのようなことに注意すれば良いのでしょうか?
高齢者の食事で気をつけておきたいポイントに「低栄養」があります。
筋量は、40歳前後から徐々に減少していきますが、ご高齢者においては年間に「5%以上」も減少するとも言われています。実は日本の75歳以上のご高齢者の「約22%」は、低栄養(サルコペニア)状態です。低栄養とは、食欲の低下や食事が食べにくくなどという理由から徐々に食事量が減り、身体を動かすために必要なエネルギーや筋肉や皮膚、内臓などをつくるたんぱく質が不足した状態のことをいいます。
低栄養になるとからだに以下のような悪影響を及ぼします。
ご高齢者の低栄養を防ぐためのポイントを4つご紹介します。
※必要摂取量の数値は「日本人の食事摂取基準2015年版」より
▼低栄養(サルコペニア)の評価方法と栄養について以下の記事で詳しく解説しています。興味がある方はこちらをご覧ください。
【関連記事】 サルコペニアの評価と栄養の基礎知識|ご高齢者の運動指導者へ 高齢者の運動を指導する上で大切な「サルコペニアと栄養」の評価方法など基本的な知識をご紹介します。 |
高齢者の食事で気をつけておきたいポイントの2つ目に「誤嚥性肺炎」があります。
厚生労働省によると、80歳以上のご高齢者の死亡原因の第3位は肺炎、その中でも最も多いのが誤嚥性肺炎とされています。ご高齢者は年を重ねるにつれて、歯が欠損したり、舌や喉の筋力が衰えてしまいます。そのため、食事を「噛む力」が弱くなったり、「だ液の分泌量が低下」したり、「飲み込みが難しくなる」ことで誤嚥性肺炎を引き起こす可能性が高くなります。
ご高齢者の食事での誤嚥性肺炎を防ぐための方法に「口腔体操」があります。
口腔体操は、舌や口周りの筋肉を動かす運動を長期的に取り組むことで、食べ物を咀嚼(そしゃく)して飲み込むまでの一連の働きがスムーズになる効果が期待できます。また、「食事前」の体操として取り組むことで食事を食べ始める際にもスムーズに飲み込めるようになります。また、食べ物や飲み物が誤って気管へと入り込んでしまった場合でも、日頃から咳き込む力を鍛えておけば誤嚥を予防する効果も期待できます。
▼口腔体操のやり方については以下の記事で詳しく解説しています。興味がある方はこちらをご覧ください。
高齢者の食事で気をつけておきたいポイントの3つ目に「食事の姿勢」があります。
ご高齢者が安心・安全に食事するためには誤嚥に注意する必要がありますが、噛む力や飲み込む力が低下しているご高齢者の誤嚥に注意するためには正しい姿勢を保つことが重要です。
ご高齢者の食事での誤嚥を防ぐための正しい姿勢についてご紹介します。
▼ご高齢者の食事介助の方法についてはこちらの記事がオススメです
【関連記事】 食事介助の基本的な姿勢・注意点・症例別の介助ポイント【基礎知識】 食事介助の基本である姿勢から注意点、症例別の介助ポイントをまとめてご紹介します。食事介助の基礎知識として食事前・食事中の姿勢も理解しておきましょう。 |
高齢者の食事で気をつけておきたいポイントの4つ目に「食事制限」があります。
ご高齢者においては、糖尿病や高血圧などからだの内部の病気を抱えていることが多くあります。食事制限は、体の状態に合わせて食事内容に制限を加えることで病状の悪化を防いだり、間接的に病状を改善する効果が期待できます。
ご高齢者の中で食事制限が必要な方には、以下のような場合があります。
など
【糖尿病の食事制限について】
糖尿病とは、インシュリンの働きが弱まることにより、血糖値が高くなる病気です。この血糖値を安定させるためには、「食事の量」と「時間」を一定に保つことです。そのため、1日3食を規則正しい時間に食べ、医師から指示された1日あたりの摂取カロリーや糖質量を守りバランス良い食事をします。糖尿病の食事制限の場合は、過食や偏食に注意したり、おやつにおいても糖質の多いものは控えるようにしましょう。配色サービスを利用すると糖尿病食など偏食を避け食事もありますのでチェックしてみてください。
【腎臓病の食事制限について】
腎臓病では、腎臓への負担をできるだけ軽減することが重要です。そのため、食事では腎臓の負担が大きくなる「タンパク質」と「塩分」の摂取を控えます。減塩食や腎臓食などと医師からの指示がないか確認しておくようにしましょう。ただし、タンパク質は、からだの必須となる栄養素なので良質なタンパク質を取るようにしましょう。
【高血圧や心臓病の食事制限について】
ご高齢者の2/3人が高血圧と診断されている病気です。高血圧は、脳梗塞や心臓病を引き起こすリスクを増加させてしまいます。この高血圧の予防には「減塩」や「運動」などが有効とされています。高血圧のガイドラインでは、塩分は1日6g未満を推奨されています。そのため、ハムや漬物などの塩分の多いものは避け、食事を薄味にしたり、減塩しょうゆ、減塩ソースなどを使用して調理するもの良いでしょう。
高齢者の食事で気をつけておきたいポイントの5つ目に「食事の食べやすさ」があります。
ご高齢者の多くが歯が欠損しているために入れ歯になったり、舌や喉の筋力が衰えてしまっています。そのため、食事を噛む力や飲み込む力が弱くなります。そこで重要なのが「食事の食べやすさ」です。
ご高齢者には、食べやすい食事と食べにくい食事があることを理解しておきましょう。
食べやすい食事 | ・ミンチ状: 軟らかいミートボールなど ・まとまり状:バナナ、ヨーグルトなど ・トロミ状:おかゆ、コーンスープなど ・プリン状:プリン、ムース、卵豆腐、茶碗蒸しなど ・ゼリー状:水ようかん、煮こごりなど |
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食べにくい食事 | ・弾力が強いもの:パン、うどん、こんにゃくなど ・噛みにくいもの:厚みのある肉、揚げ物の衣、パンなど ・繊維が多いもの:ごぼう、たけのこなど ・喉に詰まりやすいもの:もち、わかめ、きなこ、こんにゃく ・むせやすいもの:酸味の強いレモン、グレープフルーツなど |
また、食事自体を食べやすく・飲み込みやすくする工夫も合わせてご紹介します。
食べやすくする工夫 | ・柔なくなるまで火を通す ・茹でてから炒める ・隠し包丁を入れから焼く ・刻みや一口大になるように切る ・柔らかくなるまで叩く ・粘り気が出るまですり身する ・皮を剥く |
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飲み込みやすくする工夫 | ・すりおろす ・裏ごしする ・ミキサーにかける ・片栗粉やゼラチンでとろみをつける |
今回は、ご高齢者に介助(ケア)を行うスタッフに向けて、食事で気をつけておきたい5つのポイントをまとめてご紹介しました。
ご高齢者は年を重ねるにつれてからだの変化が起きてきます。そのため、私たちスタッフが「身体の変化」と「食事への影響」を理解しておくことがもっとも重要となります。さらに、今回は、これらを予防する方法もご紹介しているのでぜひご高齢者のみなさんと取り組んでみてください。
介護のスペシャリストを目指して行きましょう。
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