機能訓練指導員の人員配置と時間|デイサービスの個別機能訓練加算の算定要件

介護保険法

個別機能訓練加算

更新日:2024/10/02

【令和6年介護報酬改定対応】機能訓練指導員になれる職種は、理学療法士や作業療法士、看護師などの8つの国家資格のいずれかの資格を所有している必要があり、機能訓練指導員はそれらの職種を総称した名称です。今回は、機能訓練指導員を配置し、機能訓練をすることで取得できる加算について各介護サービスごとにまとめてご紹介します。

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機能訓練指導員に関する加算の種類

介護サービスのうち通所介護(デイサービス)、特別養護老人ホーム(特養)、短期入所生活介護(ショートステイ)では、厚生労働大臣が定める所定の基準要件を満たし、機能訓練指導員が入居者の身体状況に応じた機能訓練を行った場合に、通所介護では個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・ロ、それに(Ⅰ)に加えてLIFEへの情報提出を行うことで個別機能訓練加算(Ⅱ)などを算定することができます。

また、短期入所生活介護(ショートステイ)では個別機能訓練加算に加え、専従の機能訓練指導員を配置していることで機能訓練体制加算を算定することも可能です。

デイサービスの場合は、個別機能訓練加算(Ⅰ)イで56単位/月、個別機能訓練加算(Ⅰ)ロで76単位/月、個別機能訓練加算(Ⅱ)20単位/月を加算することができるので介護事業所の収益にも大きく影響しています。

そのため、最近では「リハビリ特化型デイサービス」や「機能訓練特化型デイサービス」として運営している事業所も多く、それにともない機能訓練指導員の求人も多くなっているようです。

参照:厚生労働省ホームページ,平成30年度介護報酬改定における 各サービス毎の改定事項について

通所介護(デイサービス)

  • 個別機能訓練加算(Ⅰ)イ:56単位/日
  • 個別機能訓練加算(Ⅰ)ロ:76単位/日
  • 個別機能訓練加算(Ⅱ):20単位/月

特別養護老人ホーム(特養)

  • 個別機能訓練加算(Ⅰ):12単位/日
  • 個別機能訓練加算(Ⅱ):20単位/月

短期入所生活介護(ショートステイ)

  • 個別機能訓練加算(Ⅰ):56単位/日

▶︎機能訓練指導員とは?必要な資格や仕事内容・加算による配置基準を紹介

通所介護の機能訓練指導員に関する加算の算定要件について

通所介護の機能訓練指導員に関する加算の算定要件についてご紹介します。

通所介護では、機能訓練指導員の配置や個別機能訓練計画書の作成、目的に応じた機能訓練の実施をしている事業所に対して「個別機能訓練加算(Ⅰ)イ」「個別機能訓練加算(Ⅰ)ロ」のいずれかと「個別機能訓練加算(Ⅱ)」を算定することができます。

個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・ロと個別機能訓練加算(Ⅱ)の算定要件は以下の通りです。

個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・ロ

  個別機能訓練加算(Ⅰ)イ 個別機能訓練加算(Ⅰ)ロ
単位数 56単位/月 76単位/月
対象者 類似の目標を持ち、同様の訓練項目を選択した5人程度以下の小集団(個別対応含む)
算定要件 居宅訪問で把握したニーズと居宅での生活状況を参考に、多職種共同でアセスメントを行い、個別機能訓練計画を作成。利用者の心身の状況に応じて、身体機能及び生活機能の向上を目的とする機能訓練項目を柔軟に設定。必要に応じて事業所内外の設備等を用いた実践的かつ反復的な訓練とすること。
訓練の実施者

機能訓練指導員が直接実施
以下の資格を有した「機能訓練指導員」が実施する

  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 言語聴覚士
  • 看護師及び准看護師
  • 柔道整復師
  • あん摩マッサージ指圧師
  • はり師・きゅう師(令和3年度改定により追加)
機能訓練指導員の配置

専従1名以上(配置時間の定めなし)

配置時間の定めのない機能訓練指導員2名
以上

  • イとロは併算定不可 
  • は機能訓練指導員が2名以上配置されている時間のみ算定可能
  • 人員欠如減算・定員超過減算を算定している場合は、個別機能訓練加算を算定しない
  • イは、運営基準上配置を求めている機能訓練指導員により満たすこととして差し支えない
機能訓練項目
  • 利用者の心身の状況に応じて、身体機能及び生活機能の向上を目的とする機能訓練項目を柔軟に設定
  • 複数種類の訓練項目を準備して、利用者が選べることにより生活意欲を増進されるように援助する
進歩状況の評価
  • 3ヶ月に1回実施して、利用者の居宅を訪問した上で、居宅での生活状況を確認する
  • 当該利用者又はその家族に対し個別機能訓練計画に関する状況を説明して、必要に応じて見直しを行う

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個別機能訓練加算(Ⅱ)

単位数 20単位/月 (Ⅰ)算定に加えて算定する
対象者 要介護、個別機能訓練加算(Ⅰ)を算定している者
算定要件
  • 個別機能訓練加算(Ⅰ)イまたは個別機能訓練加算(Ⅰ)ロを算定していること
  • (Ⅰ)の取り組みに加えて、厚生労働省に個別機能訓練計画の情報を提出・フィードバックを受けること(LIFEの活用)
  • 利用者の状態に応じて個別機能訓練計画の作成、計画に基づいた訓練の実施、評価、評価結果を踏まえた計画の見直しや改善の一連のサイクルによりサービスの質の管理を行う

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特養の機能訓練指導員に関する加算の算定要件について

続いて、特別養護老人ホーム(特養)の機能訓練指導員に関する加算の算定要件についてご紹介します。

特養においても機能訓練指導員の配置など以下の所定要件を満たし、入居者の身体状況に応じた機能訓練を行った場合に個別機能訓練加算が算定することができます。通所介護の個別機能訓練加算は2種類あったのに対して、特養の個別機能訓練加算は1種類のみとなっています。

【特養の個別機能訓練加算の単位】
個別機能訓練加算(Ⅰ):12単位/日
個別機能訓練加算(Ⅱ):20単位/月

【特養の個別機能訓練加算(Ⅰ)の算定要件】
次の基準にすべてに適合することが条件です。

・専ら機能訓練指導員の職務に従事する「常勤」の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師(以下、機能訓練指導員)を1名以上配置していること。

・機能訓練指導員、看護職員、介護職員、 生活相談員その他の職種の者が共同して、入所者ごとに個別機能訓練計画を作成すること。
※ただし、「施設サービス計画」に個別の機能訓練計画が記載されていれば別に計画書を作成する必要はありません。

・当該計画に基づき、計画的に機能訓練を行っていること。

【特養の個別機能訓練加算(Ⅱ)の算定要件】

・個別機能訓練加算(Ⅰ)を算定している入所者について、個別機能訓練計画の内容等の情報を厚生労働省に提出し、機能訓練の実施に当たって当該情報その他機能訓練の適切かつ有効な実施のために必要な情報を活用する こと。


通所介護(デイサービス)に比べ、特養では比較的介護度の高い方(要介護3〜5)の機能訓練が中心となります。そのため、筋力トレーニングや歩行などの運動をするというよりも着替えやトイレなどの個々の生活に沿った訓練(生活リハビリ)を提供しているのが特徴です。

ショートステイの機能訓練指導員に関する加算の算定要件について

ショートステイでは、「機能訓練指導員の配置加算」と「個別機能訓練加算」が機能訓練指導員の加算としてそれぞれ算定することができます。

【ショートステイ(短期入所生活介護)の場合】
個別機能訓練加算(Ⅰ):56単位/日
機能訓練体制加算:12単位/日

「個別機能訓練加算」は、利用者の生活機能の維持・向上を目的として、専従の機能訓練指導員が利用者に対して直接訓練を行った場合に算定することができます。
つまり、ショートステイにおける個別機能訓練加算は、通所介護(デイサービス)の個別機能訓練加算(Ⅱ)の内容と同等と考えて問題ないでしょう。

また、ショートステイのみ、機能訓練指導員を配置することで「機能訓練体制加算」を算定できます。

まとめ

今回は介護サービスごとに機能訓練指導員にて算定できる加算についてまとめてご紹介しました。
機能訓練指導員が取得できる加算は、単位数は各事業種別で異なりますが、主に「個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・ロ」「個別機能訓練加算(Ⅱ)」「機能訓練体制加算」の3つです。

これから機能訓練指導員を目指す方、機能訓練指導員の採用検討中の方に、参考になれば幸いです。

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この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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