口腔機能向上加算とは|(Ⅰ)(Ⅱ)の違い・算定要件・計画書について
介護保険法
2024/10/09
介護保険法
介護サービスの種類
更新日:2024/08/02
デイサービスの利用方法やサービス内容がわかりにくいという方は少なからずいるのではないでしょうか。自宅から通って介護支援を受けられるデイサービスは、利用者や家族の自宅での生活を支える重要な役割を持ちます。デイサービスを利用するまでには、要介護認定の申請やケアマネジャーとの契約などの段階が必要です。本記事ではデイサービスの利用までの流れやサービス内容、料金などについて詳しく紹介しますので、ぜひご覧ください。
この記事の目次
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デイサービスは「通所介護事業所」とも表現される、自宅から通って介護サービスを受けられる施設です。
利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、自宅にこもりきりの利用者の孤立感の解消や心身機能の維持、家族の介護の負担軽減などを目的としてサービスが提供されます。
デイサービスをご利用いただくには、介護保険における要介護認定を受給しなければなりません。要介護認定を受けると、介護保険被保険者証(保険証)が市区町村から交付され、デイサービスの利用時の自己負担額が1〜3割になります。
デイサービスを利用するには、加齢や疾病により心身機能や生活能力に何らかの問題のある要介護認定者が、介護保険サービスを受ける明確な目的を持っていることが前提となります。
参考:どんなサービスがあるの?通所介護(デイサービス) 厚生労働省
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介護保険法では、デイサービスの目的を以下のように示しています。
通所介護の事業は、要介護状態となった場合においても、その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう生活機能の維持又は向上を目指し、必要な日常生活上の世話及び機能訓練を行うことにより、利用者の社会的孤立感の解消及び心身の機能の維持並びに利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減を図るものでなければならない。
通所介護の事業は、要介護状態となった場合においても、その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう生活機能の維持又は向上を目指し、必要な日常生活上の世話及び機能訓練を行うことにより、利用者の社会的孤立感の解消及び心身の機能の維持並びに利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減を図るものでなければならない。
デイサービスは介護施設で支援を受けながら自宅での生活も継続できることから、多くの人が利用する介護保険サービスになります。
デイサービスへ通う目的は利用者によって異なりますが、多くの方が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることを目的として、デイサービスの利用を選択していることでしょう。
デイサービスでは、主に食事や入浴などの日常生活上の支援や生活機能向上のための機能訓練、レクリエーションを中心に受けられます。
以下でデイサービスで提供される5つの主なサービスについて解説しますのでご参考ください。
デイサービスでは、一般的に食事の提供が行われます。
サービスを提供している時間によって異なりますが、ほとんどは昼食とおやつが提供され、中には夕食をとってから帰宅できる施設もあります。
嚥下機能が低下している方でも安全に食べれるように「きざみ食」や「ミキサー食」など、利用者に合った食形態に対応できる施設も少なくありません。特に高齢者においては、さまざまな要因から食事内容や栄養状態に偏りが生じやすくなりますので注意が必要な部分です。
デイサービスでは、基本的にバランスの取れた食事ができるため、食事もメリットの1つになります。ただし、食事内容や対応は同一ではありません。それぞれの施設によって可能な対応は異なります。
利用者の食べる能力や持病などにより、特別な配慮が必要な場合は、事前に確認する必要があります。
デイサービスでは、介護職員による入浴介助が受けられます。
自宅で入浴が難しい場合や介助する家族の負担が大きい場合は、デイサービスで定期的に入浴することで、利用者と家族の負担軽減にもつながります。定期的な入浴は身体を清潔に保つことに加え、精神面でも良い影響を与えることでしょう。
また、介護職員は利用者が自力でできることは自身で取り組んでもらいながら、その方に合った方法で入浴のサポートを行います。施設によって設備は異なりますが、専用のストレッチャーを使用したり、横になった状態で入浴ができたりする特殊浴での対応も可能です。
特殊浴対応があれば、寝たきりの利用者でも安心して利用できます。
機能訓練は、日常生活動作を改善したり、身体機能を維持したりすることを目的に行われます。
デイサービスで行われる機能訓練は、以下のような特徴があります。
機能訓練の特色は施設によって異なりますが、通常のデイサービスでの機能訓練は看護職員や介護職員が行っているケースは少なくありません。
デイサービスによっては個別機能訓練という加算を算定しており、利用者に応じて目標を設定し、個別にカスタマイズされた機能訓練プログラムを提供している施設もあります。
リハビリ特化型デイサービスには、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などのリハビリ専門職員が在籍し、手厚い機能訓練の提供を行っている場合もあります。
デイサービスでは、余暇を楽しむことや身体を動かすことを目的としたレクリエーション活動が用意されています。
レクリエーションの内容には、以下のようなものが挙げられます。
デイサービスでのレクリエーションは、高齢者や身体に障害のある方でも安全に参加しやすいよう工夫して行われます。
利用者の中には、集団でのレクリエーションに参加するのが難しい方も少なくありません。そういった場合でも安心して過ごせるように、介護職員がサポートしながら個別で対応することもあります。
デイサービスは、利用者の自宅までの送迎もサービス内容に含まれます。
施設が定めた送迎範囲内であれば、送り迎えの対応が可能です。一般的に送迎が可能な範囲は、車で片道30〜40分以内とされている場合が多いです。
他の利用者が近隣にいる場合や利用予定日の送迎ルートによっては、エリア外でも対応可能な場合があるため、事前に確認してみましょう。
また、デイサービスの利用者の中には、車椅子を利用される方も多く存在します。
どんな状態の方でも安全にデイサービスへ通えるように、ほとんどの施設が車椅子のまま乗降可能なリフト付の福祉車両を所有しています。そのため、車椅子を利用している方や寝たきりの方であっても送迎を受けることが可能です。
ただし、送迎の可否については各々の事業所によって異なるため、確認したほうが良いでしょう。
デイサービスには一般的なデイサービスのほか、次のような特色のあるデイサービスもあります。
以下にそれぞれのデイサービスの特徴とメリット、デメリットについてまとめましたのでご参考ください。
特化型デイサービス | 認知症対応型デイサービス | お泊まりデイサービス | |
---|---|---|---|
特徴 | ・リハビリ特化型や趣味特化型がある ・入浴や食事の支援がない場合もある ・機能訓練を重視したサービス内容 ・個人の趣味に合わせた活動 ・外出の機会も提供される場合がある |
・認知症の方の受け入れを専門としている ・利用者の住民票所在地にある事業所のみ利用可能 ・医師により認知症の診断をされている方のみ利用可能 |
・通所介護ができる施設で日中のサービスを受けたあとそのまま宿泊することができる ・介護保険の適応外のサービスとなる |
メリット | ・特色に秀でた専門スタッフが在籍している ・短時間に集中して特化サービスを受けられるため時間や費用を抑えられる可能性がある |
・認知症に対して専門的な知識や技術を持つスタッフが在籍している ・認知症に対する専門的なケアを受けられる ・住み慣れた場所で支援を受けれる ・認知症についての悩みについて相談できる |
・慣れ親しんだ施設・スタッフにより安心して宿泊できる ・介護者や家族の負担を軽減できる |
デメリット | ・短時間サービスの場合は入浴や食事の支援が受けられない ・基本的に医師は在籍していないため、医師のサポートがない ・機能訓練や趣味活動を行うことに重点をおいているため、ゆっくりと過ごしたい人には向かない |
・原則として利用者の住民票所在地にある事業所しか利用できない ・事業所の数が少なく、希望する事業所の空きがない場合も多い ・一般のデイサービスよりも費用が高い |
・宿泊は介護保険の適用外のため全額自己負担 ・個室がない施設もあるため施設によってはプライバシーの確保が難しい |
デイサービスの一日の過ごし方の例を以下に示します。
時間 | サービス内容 |
---|---|
8:00 | 自宅までお迎え |
9:00 | 来所:体温等の健康状態チェック |
10:00 | 入浴・個人でのレクリエーション活動・機能訓練 |
11:30 | 嚥下体操 |
12:00 | 昼食 |
13:30 | 集団でのレクリエーション |
15:00 | おやつ |
15:30 | 帰りの会 |
16:00 | 帰宅:自宅までお送り |
上記の表はあくまで一例であり、実際の流れやサービスの内容は施設により異なります。
多くの施設では、デイサービスへ来所してすぐに看護職員による健康状態のチェックが行われます。健康状態のチェックで問題がなければ、午前中に入浴を行うこともあるでしょう。
入浴の前後の時間では、それぞれの席でレクリエーションに取り組んだり、職員とともに機能訓練を行ったりします。利用者の入浴が終わった後には、集団で行えるレクリエーションなどが行われることもあります。
施設によっての一日の流れや特色は異なりますので、デイサービス事業所を選ぶ際には本人が心地よく過ごせるサービスが提供されているかどうかを確認してみましょう。
デイサービスの利用までには、さまざまな手続きが必要となります。
おおまかな流れは以下の通りです。
項目ごとに解説していきますのでご参考ください。
住民登録のある市町村窓口で要介護認定の申請(新規申請・更新申請)を行います。
後日、市区町村の担当者より「訪問による聞き取り調査」と「主治医意見書」をもとに一次判定が行われます。
その結果をもとに二次判定として「介護認定審査会」で審査を行い要介護度を判定され、基本的には申請より30日以内に要介護認定が通知されます。
利用できる介護サービスの限度は、要介護度によって異なるので注意しましょう。
要介護認定に関わる認定調査や審査について詳しくは「介護保険の要介護認定とは|認定調査から判定の方法、認定区分・有効期間の基準」の記事をご確認ください。
要介護認定が下りた場合は、要支援1・2、要介護1〜5の7段階のうちいずれかの区分に分類されます。
認定された区分によって利用できる介護保険サービスの内容や費用面も異なるのでご注意ください。
65歳以上の方は介護保険被保険者証が自動で送付されますが、40歳〜65歳未満の場合は特定疾病が原因で要介護認定を受けたときに交付されます。
要介護認定が決定したら居宅介護支援事業所に所属するケアマネジャーと契約を結びます。ケアマネジャーは、担当する利用者を専属でサポートします。
ケアマネジャーは、利用者と家族の状況を把握したうえで、相談をしながらケアプラン(居宅サービス計画)を作成します。
ケアプランの内容は、ケアマネジャーが独断で決める訳ではありません。どの介護サービスをどれくらい利用するのかなど、利用者や家族の状況や意向を判断しつつケアプランが作られます。
ケアマネジャーはケアマネジメントという手法を使って、利用者の解決すべき課題を絞り、数ある解決方法の中からその人にあったサービスの検討を行います。
デイサービスの種類や特徴について知りたいときは、まず担当のケアマネジャーへ相談しましょう。
担当ケアマネジャーの提案を受けながら、実際に利用するサービスを決めていきます。
介護保険で利用できる施設はさまざまあり、利用者や家族だけでどこを利用すべきかを決定することは、容易ではありません。
ケアマネジャーは地域の施設がそれぞれどのような特徴があるのかを把握しており、デイサービスを含め、いくつかの選択肢をあげてサービスの選考をサポートしてくれます。
気になっているデイサービスなどがあるときには、その旨を伝えることで見学や体験などの提案をケアマネジャーから受けることができます。
最終的に利用を決定するのはあくまでも利用者や家族です。
ケアマネジャーの提案を受けながら、入浴や機能訓練に力を入れているのか、長時間の滞在が可能かなどそれぞれの要望を満たせるかを考えながらサービスを選ぶのがベストと言えます。
利用するデイサービスを選考してケアプランが作成された後は、利用者・家族・ケアマネジャー・デイサービスのスタッフなどが集まりサービス担当者会議が開催されます。
デイサービスのスタッフからサービス内容や送迎、持ち物などの説明を受け、利用同意書にサインをして契約を結びます。
上記の参加者以外にも福祉用具事業所や訪問介護、訪問看護などの利用がある場合には、その他複数のスタッフが参加することも少なくありません。
サービス担当者会議は利用者や家族を中心に、関係する事業所のスタッフが情報共有を行えるため、重要な機会となるでしょう。
デイサービスとの契約が済んだ後、実際にデイサービスの利用が開始されます。
デイサービスでは利用者が安心して通うことができるように、事前にスタッフ間で情報共有を行い迎え入れる準備をしています。
デイサービスの利用日やサービス内容などはケアプランに沿って実施されるため、変更を希望する場合は早めにケアマネジャーへ相談しましょう。
デイサービスを1割負担で利用した場合の利用料の目安は以下の通りです。
本来、利用料金は「円」ではなく「単位」で計算されます。
自治体により差がありますが、下記の表は1単位あたり10円換算で表記しています。
要介護区分 | 3時間以上4時間未満 | 4時間以上5時間未満 | 5時間以上6時間未満 | 6時間以上7時間未満 | 7時間以上8時間未満 | 8時間以上9時間未満 |
---|---|---|---|---|---|---|
要介護1 | 368円 | 386円 | 567円 | 581円 | 655円 | 666円 |
要介護2 | 421円 | 442円 | 670円 | 686円 | 773円 | 787円 |
要介護3 | 477円 | 500円 | 773円 | 792円 | 896円 | 911円 |
要介護4 | 530円 | 557円 | 876円 | 897円 | 1,018円 | 1,036円 |
要介護5 | 585円 | 614円 | 979円 | 1,003円 | 1,142円 | 1,162円 |
デイサービスの利用料金は介護度と利用時間によって定められています。
介護度と利用時間による違いはありますが、自己負担1割で利用した場合の1日あたりの利用金額を例とした場合、食費を加えておおよそ1,000〜2,000円程度となるとイメージしておくと良いでしょう。
滞在時間やサービス加算の有無、地域ごとの単価や食費など、施設によって設定金額が異なるため、利用の前に料金の詳細を知りたい場合は事前にご確認ください。
デイサービスの利用料金の中には、介護保険の対象にならないサービスもあります。
介護保険対象外にあたる代表的なものは、提供される食事やおやつなどの「食費」と日用品の備品代を含む「その他実費」です。
食費は利用料金に含まれていないため全額自己負担となり、施設によって多少異なりますが、おおよそ500〜1,000円程度に設定されているでしょう。
日用品の備品代についても施設ごとに異なりますが、基本的に施設が用意している備品を使用した場合は、その分の料金を支払う必要があります。
たとえば、オムツやリハビリパンツなども施設のものを使用した場合、使用した分の料金がかかります。
日用品に関しては持ち込み可能なケースもあるため、費用を抑えたい方は事業所に確認したうえで私物を持参するとよいでしょう。
デイサービスとデイケアは、目的や提供されるサービス内容などが明確に異なります。
利用目的の主な違いは、図の通りです。
デイサービス(通所介護) | デイケア(通所リハビリテーション) | |
---|---|---|
対象者 | 要介護の認定を受けている方 | 要支援か要介護の認定を受けている方 |
目的 | 他者との交流心身機能の維持家族の身体的・精神的負担の軽減 | 心身機能の維持・回復日常生活の自立支援健康管理他者との交流家族の身体的・精神的負担の軽減 |
デイケアは医師が必要と認めた場合に施設へ通い、日帰りでリハビリを行うサービスです。
主な目的となるのがリハビリであるため、心身機能の維持・回復や日常生活の自立支援、健康管理などに重点の置かれた支援を受けられます。
デイサービスとデイケアの大きな違いは、デイケアには「医師」と「リハビリ専門職」が在籍していることでしょう。
デイケアでは医師の指示や管理のもとで、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などのリハビリ専門職による専門性のあるリハビリが提供されます。
利用料金の面では、専門的な医療的サービスを含むデイケアのほうがデイサービスよりも高い費用設定となっています。
利用者や家族の状況や希望、利用目的によってデイサービスとデイケアのどちらを利用したらいいのかは変わってきますので、その際はケアマネジャーへ相談するのが適切です。
介護認定が要支援1・2の方も総合事業の通所サービスとしてデイサービスを利用することは可能です。要支援の方がデイサービスを利用した場合、基本的なサービス内容は要介護の方と大きく変わりません。
デイサービス利用までの流れについても、要介護の方と同様です。
ただし、要支援の場合は地域包括支援センターのスタッフが対応するケースがあったり、支給限度額の兼ね合いで利用できる日数が少なかったりする場合があります。
また、健康な方がレクリエーションだけの利用やリフレッシュ目的でデイサービスを利用することは基本的にはできません。
要支援の方と同様に、認定を受けていない高齢者の方がデイサービスなどで介護予防サービスを利用するためには、市区町村の相談窓口や地域包括支援センターへの申請が必要です。
日常生活関連動作、栄養状態、口腔機能、認知症、うつ傾向など、利用者の心身の状況を調べる「基本チェックリスト」(下記図参照)の診断を受け、生活機能の低下が見られたり介護状態になる恐れがあると判断されたりした方は、介護予防・日常生活支援総合事業の「事業対象者」となりデイサービスを利用できます。
今回はデイサービスのサービス内容や種類、利用料金などについて解説しました。
デイサービスは利用者が自宅で自立した日常生活を送れることを目的に、入浴や食事、機能訓練などの介護サービスを提供します。
要介護認定を受けている方であれば、1〜3割の自己負担でサービスを利用できます。適切にデイサービスを利用することで、利用者と家族の負担が軽減し、自宅での生活を安心して続けることができます。
利用したいデイサービスがある場合は、まずは要介護認定の申請を行い、担当となるケアマネジャーへ相談するのが最適です。
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