デイサービス(通所介護)管理者の仕事内容と資格要件・兼務内容とは?
介護保険法
2025/01/08
介護保険法
介護サービスの種類
更新日:2025/01/09
地域密着型通所介護は、市区町村が管轄する小規模デイサービスのことです。通常のデイサービスとは管轄や対象者に違いがあります。この記事では、地域密着型通所介護が参入した理由や目的などを詳しく解説しています。
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この記事の目次
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地域密着型通所介護とは、利用定員が18人以下の小規模のデイサービスのことです。
平均利用人数が300人を超える通常規模以上のデイサービスは都道府県が、地域密着型通所介護は市町村が管轄しています。
地域密着型通所介護には、以下のような特徴があります。
このように、通常規模以上のデイサービスにはない、小規模だからこそのメリットがあるのです。
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地域密着型通所介護の管轄が市町村へ移行した理由として、「地域包括ケアシステム」の推進があげられます。
地域包括ケアシステムとは、要介護状態となっても地域で自分らしい暮らしを続けられるように、医療や介護、住まいなどの支援を包括的に行う体制のことです。
このシステムの推進によって、地域密着型通所介護は2016年4月から管轄を都道府県から市町村に移行しました。
地域密着型通所介護に期待されている役割としては、以下の通りです。
参考:地域密着型サービスの概要
地域密着型通所介護を利用できる対象者は、以下の条件に当てはまっている必要があります。
要支援1〜2の方は利用できない点に注意しましょう。
例外として、デイサービスが
①地域密着型通所介護(対象者は要介護者)
②総合事業の通所型サービス(対象者は要支援・事業対象者)
この両方の認可を受けている場合のみ、要支援でも利用することができます。
地域密着型通所介護のサービス内容は、通常規模のデイサービスとほとんど違いはありません。
しかし、地域密着型通所介護のほうが小規模である分、利用者のニーズに対応しやすかったり、地域に応じた特色があったりする側面があります。
ここでは、具体的なサービス内容についてご紹介します。
施設内で利用者の要望や身体状況にあわせて、介護を受けながら入浴ができます。高齢者の場合、自宅の入浴には転倒をはじめとした危険がともなうケースが多いといえます。
介助が必要な場合、家族への負担もかかってしまうでしょう。デイサービスを利用することで、介護を受けながら安全に入浴できるだけでなく、家族への負担軽減にもつながります。
入浴介助の目的や基本的な手順などについて知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
▶︎入浴介助の目的・洗い方の手順 8つの注意点
デイサービスでは、利用者のことを考えた栄養バランスの良い食事をとれます。
地域密着型通所介護では利用定員が少ない分、以下のような利用者に配慮した食事を提供してくれることもあるでしょう。
このように、利用者や家族の要望に応えやすい環境が整っているので、食事の満足度も高まりやすいといえます。
筋トレや歩く練習などを行い、日常生活に必要な動作の獲得・改善を目指すことを機能訓練といいます。機能訓練にはさまざまな種類があり、利用者の身体状況やニーズにあった内容を実施します。
なかには利用者同士で楽しく行える機能訓練もあるでしょう。必要な機能訓練を実施することで身体機能の改善につながり、より良い生活を送れるメリットがあります。
機能訓練について詳細に知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
▶︎機能訓練とは?デイサービスで行われる機能訓練のメニュー例
デイサービスでは血圧や体温などのバイタルチェックを行い、健康状態の確認をしてくれます。その他にも、生活上の健康に関するアドバイスや相談を受けることも可能です。
医療に関するアドバイスを受けることで、利用者は日常生活を安全に過ごせるようになるでしょう。何かわからないことがあれば、気軽に職員に相談してみてください。
地域密着型通所介護では、施設の特色にあわせたレクリエーションを楽しめます。
レクは機能訓練と同様に「身体機能の改善」も目的としていますが、利用者が楽しんで行えるような内容に特化している傾向にあります。
体操や脳トレなど、レクの種類も施設によってさまざまです。レクの実施は活動量を増やすだけでなく、ストレスの発散や利用者同士の交流の促進などのメリットが期待できます。
レクリエーションが持つ意義や効果、さらに人気のあるレクリエーションなどについて知りたい方は、以下の記事をチエックしてみてください。
▶︎高齢者レクリエーションの効果と意義・作成する際のポイント
地域密着型通所介護でも、行き帰りどちらも車で送迎してくれます。家族が送り迎えする必要がないので、介護にかかる負担を軽減できるメリットがあります。
また、利用者にとっても安全にデイサービスと自宅を行き来できるのはうれしい点といえるでしょう。
地域密着型通所介護は通常のデイサービスと同様に介護保険適用です。通常のデイサービスと比べると、地域密着型通所介護は料金がやや高い傾向にあります。
サービス提供時間や要介護度に応じた1回当たりの料金の目安は、以下の表の通りです。
【3時間以上4時間未満】
要介護度 | 単位数 | 1割の料金 | 2割の料金 | 3割の料金 |
---|---|---|---|---|
要介護1 | 416 | 416円 | 832円 | 1,248円 |
要介護2 | 478 | 478円 | 956円 | 1,434円 |
要介護3 | 540 | 540円 | 1,080円 | 1,620円 |
要介護4 | 600 | 600円 | 1,200円 | 1,800円 |
要介護5 | 663 | 663円 | 1,326円 | 1,989円 |
【4時間以上5時間未満】
要介護度 | 単位数 | 1割の料金 | 2割の料金 | 3割の料金 |
---|---|---|---|---|
要介護1 | 436 | 436円 | 872円 | 1,308円 |
要介護2 | 501 | 501円 | 1,002円 | 1,503円 |
要介護3 | 566 | 566円 | 1,132円 | 1,698円 |
要介護4 | 629 | 629円 | 1,258円 | 1,887円 |
要介護5 | 695 | 695円 | 1,390円 | 2,085円 |
【5時間以上6時間未満】
要介護度 | 単位数 | 1割の料金 | 2割の料金 | 3割の料金 |
---|---|---|---|---|
要介護1 | 657 | 657円 | 1,314円 | 1,971円 |
要介護2 | 776 | 776円 | 1,552円 | 2,328円 |
要介護3 | 896 | 896円 | 1,792円 | 2,688円 |
要介護4 | 1,013 | 1,013円 | 2,026円 | 3,039円 |
要介護5 | 1,134 | 1,134円 | 2,268円 | 3,402円 |
【6時間以上7時間未満】
要介護度 | 単位数 | 1割の料金 | 2割の料金 | 3割の料金 |
---|---|---|---|---|
要介護1 | 678 | 678円 | 1,356円 | 2,034円 |
要介護2 | 801 | 801円 | 1,602円 | 2,403円 |
要介護3 | 925 | 925円 | 1,850円 | 2,775円 |
要介護4 | 1,049 | 1,049円 | 2,098円 | 3,147円 |
要介護5 | 1,172 | 1,172円 | 2,344円 | 3,516円 |
【7時間以上8時間未満】
要介護度 | 単位数 | 1割の料金 | 2割の料金 | 3割の料金 |
---|---|---|---|---|
要介護1 | 753 | 753円 | 1,506円 | 2,259円 |
要介護2 | 890 | 890円 | 1,780円 | 2,670円 |
要介護3 | 1,032 | 1,032円 | 2,064円 | 3,096円 |
要介護4 | 1,172 | 1,172円 | 2,344円 | 3,516円 |
要介護5 | 1,312 | 1,312円 | 2,624円 | 3,936円 |
【8時間以上9時間未満】
要介護度 | 単位数 | 1割の料金 | 2割の料金 | 3割の料金 |
---|---|---|---|---|
要介護1 | 783 | 783円 | 1,566円 | 2,349円 |
要介護2 | 925 | 925円 | 1,850円 | 2,775円 |
要介護3 | 1,072 | 1,072円 | 2,144円 | 3,216円 |
要介護4 | 1,220 | 1,220円 | 2,440円 | 3,660円 |
要介護5 | 1,365 | 1,365円 | 2,730円 | 4,095円 |
地域密着型通所介護のサービスを提供するには、法律で定められた人員配置基準を満たす必要があります。以下では、各職種ごとの基準を解説します。
【配置基準】
基本的に常勤1人
※以下の要件を満たすと他の職務と兼務することが可能です
【資格要件】
特になし
他の職務との兼務について
【配置基準】
提供日ごとの勤務延時間数をサービス提供時間数で割った数が1人以上であること。
【資格要件】
※自治体によって要件が異なる場合があるため確認することをお勧めします
生活相談員の勤務延時間数には、利用者の地域生活を支える取り組みに必要な以下のような活動時間も含めることができます。
【配置基準】
各単位ごとに専従で1人以上
【資格要件】
【定員10名以下の場合】
地域密着型通所介護の場合、看護職員または介護職員のいずれか1名を配置することで人員基準を満たすとされています。この場合、看護職員を配置しないことも認められます。
【配置基準】
サービス提供時間に応じて専従で以下の数以上を配置します。
【資格要件】
特になし
【計算方法】
利用者数が16名以上の事業所の場合 「単位ごとに確保すべき勤務延時間数=((利用者数-15)÷5+1)×平均提供時間数」 という計算式で算出できます。
利用者が20名の場合「(20名-15名)÷5+1」となりますので、必要な介護職員は2名以上です。
【配置基準】
1人以上(常勤・非常勤問いません)
【資格要件】
※ はり師およびきゅう師については、以下の条件を満たす必要があります:
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師またはあん摩マッサージ指圧師の資格を有する機能訓練指導員が配置された事業所で6カ月以上機能訓練指導に従事した経験を有すること。
地域密着型通所介護の設備基準の概要は以下の通りです。
1.設備及び備品の設置義務
指定地域密着型通所介護事業所は、以下の設備を備える必要があります。
基本的な施設:食堂、機能訓練室、静養室、相談室、事務室
災害対応設備:消火など災害時に非常に必要な設備
その他の設備及び備品: 指定地域密着型通介護所の提供に必要なもの
2. 設備基準の詳細
食堂及び機能訓練室
食事の提供に限りのない広さを確保すること。
機能訓練実施に支障のない広さを確保すること。
相談室
遮へい物の設置などにより、相談内容が漏洩しない配慮を行うこと。
3. 設備の専用利用について
設備は原則として地域密着型通所介護事業専用とする。
4. 他サービスとの兼用する場合
夜間・深夜において、指定地域密着型通所介護以外のサービスを提供する場合は、市町村長に事前に届ける必要があります。
参考:指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準
地域密着型通所介護の運営基準の概要は以下のように定められております。
【サービス提供の基本方針】
1.利用者情報の把握
サービス担当者会議等を通じて、利用者の心身状況や環境、他の保健医療・福祉サービスの利用状況を把握すること。
2.適切で計画的な提供
要介護状態の軽減や悪化防止を目指し、計画に基づいてサービスを提供し、常にサービスの質を評価・改善すること。
3.地域と連携した支援
地域住民との交流や地域活動への参加を支援し、利用者が住み慣れた地域で生活を続けられるよう配慮します。
4.利用者の尊厳を重視
利用者一人ひとりの人格を尊重し、その特性や希望に応じたサービスを提供します。
利用料と追加費用
5.利用料の受領
地域密着型介護サービス費用基準に基づき、公平な利用料を受領します。
6.追加費用の徴収
特別な送迎や延長サービス、食事代、おむつ代など、通常必要となる費用を利用者に負担してもらうことが可能です。ただし、事前に説明と同意を得る必要があります。
【計画作成と管理体制】
7.地域密着型通所介護計画
利用者の状況や希望を踏まえ、目標や具体的なサービス内容を記載した計画を作成し、利用者や家族の同意を得ます。計画書は利用者に交付し、記録も整備します。
8.管理者の責務
従業者の管理や業務調整を一元的に行い、規定を遵守させるための指揮命令を実施します。
9.従業者の資質向上
認知症介護の基礎研修を含む研修機会を提供し、従業者の資質向上を図ります。
【安全管理と衛生対策】
10.非常災害への対応
非常時の計画を立て、訓練を定期的に実施。地域住民との協力体制を整備します。
11.衛生管理と感染症対策
施設や設備の衛生管理を徹底し、感染症予防のための指針や研修を実施します。
12.事故発生時の対応
事故が発生した場合は、速やかに関係者へ報告し必要な措置を講じ、記録を整備します。
運営規程と地域連携
13.運営規程の作成
事業の目的や運営方針、従業者の職務内容、利用定員、利用料、緊急時対応などを規定し、適切に運営を行います。
14.地域との連携
地域住民や関係者と協議会を設置し、定期的に運営状況を評価・報告。地域住民との交流を促進します。
【記録と保存】
15.サービス提供や事故対応などの記録を整備し、最低2年間保存します。
正確には以下のように定められておりますので、しっかりと内容を確認することをお勧めします。
参考:指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準
地域密着型通所介護は通常規模のデイサービスと比較すると、利用定員が少なく管轄が市町村という特徴があります。
そのため、地域の特性を活かしたサービスを提供できたり、利用者のニーズにあわせて柔軟に対応してくれたりするメリットがあります。
また、地域密着型通所介護は入浴や食事、送迎などのサービスもあるので、利用者だけでなく家族の負担軽減にもつながるでしょう。
ぜひ今回の記事を参考にして、地域の特色を活かした地域密着型通所介護の利用を検討してみてください。
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