介護現場のDX化は実際どう?デイサービス管理者の実体験
運営ノウハウ
2024/11/06
運営ノウハウ
リスクマネジメント
更新日:2024/09/12
介護の現場では利用者のプライバシーに介入することもあるため、個人情報の取り扱いやプライバシーに対する配慮が欠かせません。この記事では、プライバシーとは何か、法令に則った個人情報の取り扱い方、介護現場で取り組むべきプライバシー保護などを解説していきます。
この記事の目次
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総務省によると、「プライバシー」は以下のように定義されています。
プライバシーとは、一般に、“他人の干渉を許さない、各個人の私生活上の自由”をいうと考えられています。いいかえると自分が他人に知られたくない情報のことで、インターネットにおいても、個人のプライバシーは保護されなければなりません。
つまりプライバシーは、個人・家庭における私生活と、それらが侵害されないための権利のことです。
また、プライバシーは「個人情報」と混同されがちですが、両者の意味は少し異なります。
「プライバシー」には「個人や家庭内の私事・私生活。個人の秘密。また、それが他人から干渉・侵害を受けない権利。」(小学館「大辞泉」より)という意味があるほか、最近では、「自己の情報をコントロールできる権利」という意味も含めて用いられることがあります。
詳細は後述しますが、明確な定義がある個人情報とは異なり、プライバシーの範囲は主観によるため法的な線引きがありません。言い換えれば、「他人に知られたくない」「干渉されたくない」と感じる私的領域すべてがプライバシーだということです。
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一般財団法人日本情報経済社会推進協会によると、個人情報は以下のように定義されています。
「個人情報」とは、本人の氏名、生年月日、住所などの記述等により特定の個人を識別できる情報のことです。
また、番号・記号・符号などから特定の個人を識別できる「個人識別符号」も、個人情報に含まれます。「個人情報の保護に関する法律」では、個人情報についてさらに詳しく定義されています。
第二条 この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。 一 当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録(電磁的方式(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式をいう。次項第二号において同じ。)で作られる記録をいう。以下同じ。)に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項(個人識別符号を除く。)をいう。以下同じ。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)
二 個人識別符号が含まれるもの
以下の図のように、個人情報は「プライバシーの一部」としてとらえると理解しやすくなるでしょう。
特定の個人を認識できる情報や個人識別符号に加えて、主観的に「干渉されたくない」と感じる部分を合わせたものが、プライバシーになります。介護現場においても、プライバシーと個人情報の両方を適切に保護しなければなりません。
介護現場におけるプライバシー保護について、以下の2つのポイントから理解しておきましょう。
個人情報保護や秘密保持に関しては、以下の3つが法令によって求められています。
なお「社会福祉士及び介護福祉士法」には、以下の条文のように罰則も定められているので注意が必要です。
第四十六条 社会福祉士又は介護福祉士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。社会福祉士又は介護福祉士でなくなつた後においても、同様とする。
第五十条 第四十六条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
利用者の個人情報の取り扱いには細心の注意を払い、関係者以外は情報にアクセスできないようにすることが大切です。
参照:医療・介護関係事業者における 個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス
介護現場におけるプライバシー保護において、利用者の「尊厳」に関わる情報を保護することも重要です。特に意識すべきポイントは以下の3つです。
利用者の身体に触れる際は必ず確認を取ることや、アセスメントの際に利用者が望まないことを確認しておくことが大切です。
デイサービスにおけるプライバシー保護について、以下の5つの場面ごとに取り組み例を紹介します。実際に介護現場でプライバシー保護に取り組む際の参考にしてみてください。
利用者の個人情報が流出するリスクを下げるために、個人情報が流出する可能性を減らすことが大切です。
例えば、介護サービスの提供時以外は個人情報を外部に持ち出すことを禁止すると、リスクを軽減できます。介護サービスの提供時も、必要な個人情報だけ持ち出すようにしましょう。さらに介護事業所がSNSを利用している場合、特定の担当者しかログインできないようにすると流出リスクを抑えられます。
入浴介助を行う際は、利用者のプライベートな部分に触れることが多いため、細心の注意が必要です。利用者様が自分で洗える部分については任せて、介護職員は必要なサポートのみ行うようにしましょう。
また、入浴介助まで利用者をストレッチャーで移動する際は、利用者が恥ずかしくないように配慮することが大切です。例えば、ほとんど服を脱いだ状態や、タオルなどで覆わないで移動することは、プライバシーの侵害になります。
排泄も極めてプライベートな領域なので、排泄介助に配慮が必要です。例えば、ほかの利用者に聞こえる大きな声で排泄の状況を確認したり、トイレのドアを開けっぱなしにしたりすることは、プライバシーの侵害になります。着衣のサポートが必要な場合は、トイレから出る前に利用者の着衣を整えることも意識しましょう。
着替えやオムツ交換のときは、デリケートな部分を見せるため、利用者は当然ながら「恥ずかしさ」を感じます。利用者の尊厳を守るために、更衣介助・おむつ交換の際は、カーテンや仕切りをしっかり閉じて、ほかの人から見えない空間をつくることが大切です。
プライバシー保護への取り組みで見落としがちなのが、「介護スタッフ間の会話」です。利用者のプライバシーに関する会話を職員同士で行う際は、名前を出さないようアルファベットや記号で呼ぶこと、できるだけ専門的な用語を使うことが大切です。
万が一ほかの利用者に聞かれたとしても、「誰のことかわからない」「何のことかわからない」ようにすることで、プライバシーの侵害を防げます。
介護現場では、利用者に関する個人情報を取り扱うため、流出リスクをできるだけ低くすることが求められます。さらに、プライバシーの範囲は個人によって異なるため、利用者一人ひとりの立場に立った配慮が欠かせません。
例えば入浴・排泄・更衣などの介助では、利用者ができる部分は本人に任せて、ほかの人から見られないようにします。スタッフ間の会話では、利用者のプライバシーや尊厳に配慮し、アルファベットや専門用語などで会話の内容がわかりにくいようにすることも大切です。
利用者の立場に立ったプライバシー保護の取り組みを行い、利用者が安心できる介護環境を整えましょう。
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