介護現場のDX化は実際どう?デイサービス管理者の実体験
運営ノウハウ
2024/11/06
運営ノウハウ
経営
更新日:2023/09/20
ウェルビーイングという言葉をご存知ですか?「最近よく聞くようになったけど、どんな意味?」「介護業界にも必要なもの?」と考えるデイサービスの管理者や経営者の方々もいらっしゃるのではないでしょうか。今回、有限会社リハビリの風にて施設部門の管理責任者として勤務する阿部洋輔さんに幸福や幸せを包括的に表現する概念であるウェルビーイングについてわかりやすく解説していただきました。デイサービスの利用者と職員のウェルビーイング向上は、デイサービスの品質アップや職員と利用者の満足度向上につながり、経営にも好影響を与える可能性があるので、ぜひご一読ください。
この記事の目次
ウェルビーイングとは、身体的・精神的・社会的な健康の状態を総合的に表す概念です。広い意味での幸福や多面的な幸せを包含する言葉になります。
世界保健機関(WHO)の憲章において、健康について説明される前文に、「ウェルビーイング」という言葉が使用されています。それによると、「健康とは、病気がないだけでなく、肉体的、精神的、そして社会的な側面がすべて満たされた状態であること」を指します。
日本では、厚生労働省が「ウェルビーイング」を以下のように定義しているので紹介しましょう。「個人が自己実現の権利を持ち、身体的、精神的、社会的に健全な状態にあることを指す概念」。これらの定義はWHOのものとは少し異なりますが、「身体的、精神的、社会的な側面が充実していること」というウェルビーイングの基本的な考え方は一致しています。
ポジティブ心理学の創始者として知られるセリグマン教授は、5つの要素によってウェルビーイングが構成されると提唱しています。5つの要素の頭文字からPERMAモデルと呼ばれています。それぞれの要素を紹介しましょう。
ポジティブな感情を抱くことは幸福のきざしであり、身体的、知的、心理的、社会的な豊かさに寄与します。ポジティブな感情は、希望、興味、喜び、愛、思いやり、誇り、感謝のような気持ちを指します。
ポジティブな感情を高める方法としては、例えば以下などがあります。
エンゲージメントとは、仕事などの活動に完全に集中している状態であり、幸福感の一形態です。これは、フロー状態とも呼ばれます。
エンゲージメントを高める方法としては、例えば以下などがあります。
良好な関係は、他者からの支えや愛情を感じ、大切にされていると感じる状態です。他者には、パートナー、友人、家族、同僚、上司、コミュニティなどが含まれます。
他者との良好な関係を築く方法としては、例えば以下などがあります。
人生に目的を持つことは、幸福につながるだけでなく、挑戦や逆境に立ち向かうときに支えにもなります。これは、仕事やボランティア、コミュニティなどを通じて得られることがあります。
生きる目的や意義を見つける方法としては、例えば以下などがあります。
達成感は、目標に向かって努力し、それを達成すること、そしてその結果に満足感を感じることを指します。達成感は自己評価を高め、幸福感をもたらします。
達成感を得る方法としては、例えば以下などがあります。
ウェルビーイングを向上させるためには、セリグマン教授が提唱したPERMAモデルの5つの要素をより良くしていくことが非常に大切です。
デイサービスを構成するのは大きくわけると「職員」と「利用者」です。両者のウェルビーイングを高めると一体どのような効果が出るでしょうか?
デイサービスの利用者と職員のウェルビーイングが向上することは、職員のサービス品質の向上、職員や利用者の満足度の向上など、さまざまなメリットをもたらします。そしてそれは経営にも大きな影響を与えます。職員や利用者の満足度が高ければ、デイサービスの評判が良くなり、利用者の増加や採用活動が容易になるなどの影響が出ることが考えられます。ウェルビーイングはデイサービスにも効果的にプラスの影響を与えるのです。
職員のウェルビーイングを向上するためのアイデアを、PERMAモデルをベースにして紹介します。
ポジティブな感情 (Positive Emotion)
エンゲージメント (Engagement)
他者との良好な関係 (Relationship)
生きる意味や意義の自覚 (Meaning)
達成感 (Accomplishment)
利用者のウェルビーイング向上のためのアイデアを紹介します。
ポジティブな感情 (Positive Emotion)
エンゲージメント (Engagement)
他者との良好な関係 (Relationship)
生きる意味や意義の自覚 (Meaning)
達成感 (Accomplishment)
これらの方法を実施することで、デイサービスの利用者と職員のウェルビーイングを向上させ、より良い環境とサポートを提供できるでしょう。
ウェルビーイングを向上させるためには、ポジティブ心理学の創設者であるセリグマン教授が提唱するPERMAモデルの要素を理解することが不可欠です。
デイサービスの利用者と職員のウェルビーイングが向上することは、サービス品質の向上や職員や利用者の満足度向上など、多くのメリットをもたらします。経営においても、高い満足度は評判の向上や新規利用者の増加に繋がり、経営に良い影響を与えることが期待できます。
デイサービスの成功には、ウェルビーイングの考え方と具体的な実践が不可欠です。ウェルビーイングに注目し、利用者と職員の幸福度向上に取り組んでいきましょう!
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