介護現場のDX化は実際どう?デイサービス管理者の実体験
運営ノウハウ
2024/11/06
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経営
更新日:2024/05/11
今回は、全国74カ所で自立支援特化型デイサービスを運営している株式会社ポラリス代表で、一般社団法人日本デイサービス協会理事長の森剛士さんに、自立支援の観点からデイサービスが今取り組むべきことについてコラムを寄稿してもらいました。森さんは自立支援介護の可能性に挑んでおり、要介護者の介護保険からの卒業を目指して日々奮闘されておられます。デイサービスは全国に4万3000事業所もありますが、閉鎖数も増えています。そのような状況下で、森さんは現状をどのように考えておられるのでしょうか。
はじめまして、株式会社ポラリス代表の森剛士です。私は元々心臓外科医をしていましたが、祖母の脳梗塞がきっかけで介護の世界に移りました。詳しく話すとそれだけでコラムが終わってしまうのでまたどこか別の機会にお話します。
私が自立支援型のクリニックを開業したのは2000年です。株式会社ポラリスを立ち上げたのは2002年になります。高齢者の自立支援にはもう20年以上取り組んでいます。
現在は、自立支援特化型デイサービスを全国で70ヵ所以上運営していますが、創業当初からずっと抱えている疑問がありました。
デイサービスを含めた介護保険サービス利用時の本人負担は基本的には1割(現在は最大3割)。9割は公費負担です。その貴重な公費を使って、例えば麻雀やカジノゲームなどを大々的にアピールしているデイサービスに対しての疑問です。
いまでこそ「リハビリ特化型」と名乗るデイサービスはかなり増えましたが、当時はほとんどが「レスパイト型」と呼ばれるデイでした。
私はレスパイト型も必要だと思っていますし、レスパイト型自体には疑問を抱いているわけではありません。
賛否両論の意見があることも承知してます。私個人の意見としては、麻雀やカジノゲームなどの遊戯を使ったデイサービスの在り方は本来の役割とは違うと思っています。
40歳以上が納めている介護保険料、そして税金からこの9割分が支払われているのです。つまり税金を投入して9割引きでサービスを提供するのであれば、レスパイト型やリハビリ特化型の如何を問わず、デイサービスが取り組むべきことは明確ではないかと思うのです。
私達ポラリスが20年以上前からぶれることなく取り組んでいるのが自立支援です。分かりやすくお伝えすると、私達が取り組んでいるのは「要介護度の改善」と「介護保険からの卒業」です。
国の施策も「自立支援と重度化防止」が明確に打ち出され、これは介護事業者全体で取り組んでいく必要があります。そうしなければ、超高齢社会を迎えた日本において、持続可能な高齢者福祉は実現できません。
介護度が改善することは、介護給付費の削減につながり、ひいては医療費削減にも寄与するものと考えます。
デイサービスに求められる役割は、まさに自立支援と重度化防止であり、これはレスパイト型での実践ももちろん可能です。そしてその先進的な取組が科学的介護です。
いままで俗人的でエビデンスに基づかないサービスを提供してきたデイサービスは、いまこそ変革を迫られていると感じています。
そして、介護職も自立支援の専門職として地位を向上させることが可能だと私は確信しています。
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