介護現場のDX化は実際どう?デイサービス管理者の実体験
運営ノウハウ
2024/11/06
運営ノウハウ
科学的介護
更新日:2024/08/02
今後の介護について考えるとき、科学的介護について知っておかなければいけません。 「科学的介護」は令和3年の介護報酬改定以降、理想の介護の形として位置づけられている考え方です。ここでは、科学的介護の基本の考え方とメリット、期待できる効果などを解説しています。
この記事の目次
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科学的介護とは、「科学的根拠(エビデンス)にもとづく介護」のことを指す言葉です。医療現場では客観的なデータをもとに治療効果を検証し、適切なサービスが提供されています。
その一方で、介護現場では介護職員による経験や感覚をもとにサービスを提供しがちでした。
このような状況を解決するために、介護現場でさまざまなデータを収集・評価したうえで、科学的根拠のあるサービスの提供が推進されています。
参考:熊本県|科学的裏付けに基づく介護(科学的介護)とは(2023年1月8日確認)
今までの介護では、介護職員の経験や感覚をもとにしたサービスを提供することが多かったです。しかし、経験をもとにしたサービスが必ずしも 利用者全員に対して効果的とは限りません。
また、各職員が経験や感覚に頼ったサービスを提供すると、内容にばらつきが生じてしまいます。このような問題を解消し、利用者全員に質の高いケアを提供するためには、科学的根拠にもとづいた介護が重要となるのです。
経験や勘に頼った介護の弊害について知りたい方は、ぜひこちらの記事をご一読ください。
▶︎経験や勘によるケアが思わぬ事故に!?介護士に必須の心得
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科学的介護を推進するものとして、「LIFE」と呼ばれるシステムの運用が開始されています。ここでは、LIFEの概要や導入にあたっての変化などについて詳しくみていきましょう。
LIFEとは「Long-term care Information system For Evidence(科学的介護情報システム)」の略で、利用者の情報やケアの内容をデータベースに入力することで、厚生労働省が分析やフィードバックを行うシステムです。
LIFEはデータにもとづくPDCAサイクルを促進し、より科学的根拠のあるケアを提供することを目的としています。
LIFEの具体的な利用方法としては、まずはWebサイトから利用手続き申請をし、IDやユーザーを設定・登録する必要があります。
そして厚生労働省から送られてくるFAXを受領し、ログインやセットアップを行いましょう。その後は、利用者情報や様式情報を登録します。
さらに詳しい内容を知りたい方は、ホームページより操作マニュアル等を確認してみてください。
LIFEを導入してデータを厚労省に提出することでフィードバックが得られますので、それを科学的介護の実践に生かすことが出来るようになります。
その結果、根拠にもとづいたサービスを提供できるようになり、職員全体のケアの質が高まりやすくなります。また、LIFEは新人教育にも活用でき、ベースとなるスキルを効率的に伸ばせるようにサポートしてくれるでしょう。
LIFEについてはさらに詳しく以下の記事で紹介しています。基礎知識として参考にしてください。
▶LIFE(科学的介護情報システム)とは?目的と役割・LIFE活用が要件の加算一覧
科学的介護を推進するにあたり、設けられたのが「科学的介護推進体制加算」です。
科学的介護推進体制加算とは、利用者の情報を厚生労働省に提出し、フィードバックされたデータを活用したときに算定される加算です。
この加算を算定することで科学的介護の推進につながり、より質の高いケアの提供につながります。
具体的な単位や算定要件は以下の通りです。
名称 | 科学的介護推進体制加算 |
---|---|
単位数 | 40単位/月 |
対象 | 要介護、要支援、事業対象者 |
算定要件 |
|
届出先 | 都道府県または市区町村 |
届出期限 | 原則算定開始する月の前月15日まで |
また、科学的介護推進体制加算の対象となるサービスは以下の通りです。
科学的介護推進体制加算については以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。
▶科学的介護推進体制加算の算定要件とは?LIFEへの提出頻度や記入例
科学的介護の推進にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、そのメリットについて詳しく解説します。
科学的介護を実践することによって、介護の質向上につながります。LIFEに介護に関するデータを提出すると、蓄積された情報の分析結果をもとに、事業所にフィードバックされます。
そのフィードバックで得られた情報を活用することで、科学的根拠のある介護サービスを提供できるのです。LIFEによってPDCAサイクルを回せば、さらなる介護の質向上が見込めるでしょう。
科学的介護を推進すれば「科学的介護推進体制加算」の算定が可能となるので、経済的なメリットにもなります。
その他にも、個別機能訓練加算(Ⅱ)や栄養アセスメント加算など、LIFEの活用によって算定できる加算も多くあります。
それらの加算を算定できれば、事業者への利益となるだけでなく、利用者にも幅広いサービスを提供できるきっかけとなるでしょう。
ここでは、科学的介護を実践している事業所の事例についてみていきましょう。
リハビリ型デイサービスを20事業所運営しているDSセルリア株式会社では、自社システムではLIFEの提出に対応できないという課題がありました。
LIFEに関係した算定の加算のために、「Rehab Cloud (リハブクラウド)」を導入。
導入後はLIFE関連の加算が算定できるようになり、結果的に月約240万円、年間で約3,000万円の売り上げアップにつながりました。
さらに残業時間の削減や業務効率化によって仕事の負担が減り、離職率も28%から14%に下がりました。
社会福祉法人小田原福祉会「潤生園 みんなの家ほりのうち」は、地域密着型の通所介護事業所です。
定員は33名で、機能訓練を実施するために看護職員が2名在籍しています。
一人ひとりにあわせた機能訓練を提供するために、「Rehab Cloud(リハブクラウド) 」の導入を決定。機能訓練の計画作成がスムーズになったことで、エビデンスのある運動を提供できるようになりました。
その結果、利用者の満足度が上昇し、さらに個別機能訓練加算の算定によって前年同月比で約105%の売り上げアップにつながりました。
株式会社ふくふくが運営している通所介護事業所「デイサービスちゃお」では、個別機能訓練計画書をはじめとした書類作成に時間がかかるという課題がありました。
そのような書類業務の時間を削減し、データを活かしたサービスを提供するために、「Rehab Cloud (リハブクラウド)」を導入。
導入後は書類業務にかかる時間が短縮され、質の高い計画書を作成することが可能となりました。
また利用者の状態をグラフで可視化できるので、課題点が特定しやすくなり、データにもとづいた機能訓練の提案ができるようになりました。
利用者に質の高い介護サービスを提供するためには、科学的介護は欠かせない要素です。
職員ごとの経験や感覚だけに頼ったケアを行うと、サービスの質にバラつきが生じるだけでなく、利用者にとって不利益となる可能性も高まります。
科学的根拠にもとづいたサービスを提供することで、そのような問題が解消され、利用者に適切なケアができるようになるでしょう
科学的介護を推進するには、LIFEの目的や使い方を理解し、うまく活用することも大切です。介護の質向上や加算による経済的メリットを得るためにも、科学的介護の重要性をおさえておきましょう。
日々の加算算定業務や記録業務などで苦労されている人も多いのではないでしょうか?科学的介護ソフト「Rehab Cloud」であれば、現場で抱えがちなお悩みを解決に導くことができます。
例えば、加算算定業務であれば、計画書作成や評価のタイミングなど、算定要件に沿ってご案内。初めての加算算定でも安心して取り組めます。さらに、個別性の高い計画書は最短3分で作成できます。
記録した内容は各種帳票へ自動で連携するため、何度も同じ内容を転記することがなくなります。また、文章作成が苦手な方でも、定型文から文章を作成できるので、簡単に連絡帳が作成できるなど、日々の記録や書類業務を楽にする機能が備わっています。
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