インセンティブ交付金とは|概要やメリット・効果について解説

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更新日:2024/01/29

2018年度に自立支援や介護予防に力を入れる政策として、「インセンティブ交付金」として200億円を予算計上、自立支援に向けた交付金支給が開始されました。介護サービス提供施設では、運営を安定させる交付金として注目が高まっています。ここではインセンティブ交付金の基本的な概要やメリットについて解説しています。

インセンティブ交付金とは?基本をおさえよう

インセンティブ交付金とは、自立支援・重度化防止につながる取り組みを実施し、その達成状況に応じて交付金を得られる制度です。

インセンティブには、「モチベーション向上を目的とした報酬や刺激」という意味があります。

国は介護費用の増加をおさえるために、自治体が自立支援や介護予防などの取り組みを促すことを目的として、2018年度にインセンティブ交付金を設けました。

市町村が交付金を受け取るための評価の指標

市町村がインセンティブ交付金を受け取るには、指定された評価指標をクリアする必要があります。

市町村の評価指標は以下の通りです。

1.PDCAサイクルの活用による保険者機能の強化

  • 地域包括ケア「見える化」システムの活用で他の保険者と比較しつつ、地域の介護保険事業の特徴を把握しているか

2.ケアマネジメントの質向上

  • ケアマネジメントに関する保険者の基本方針を、ケアマネジャーに伝えているか

3.多職種連携による地域ケア会議の活性化

  • 多職種が連携し、自立支援・重度化防止など観点から個別事例を検討し、対応策を作っているか
  • 地域ケア会議の個別事例の検討件数割合はどの程度か

4.介護予防の推進

  • 介護予防にてリハビリ専門職が関与する仕組みを設けているか
  • 介護予防に関する集まりで、どの程度の65歳以上の方の参加者がいるのか

5.介護給付適正化事業の推進

  • ケアプランをどの程度の頻度で点検しているか
  • 福祉用具や住宅改修の際に、リハビリ専門職が関与する仕組みを設けているか

6.要介護状態の維持・改善の度合い

  • 要介護認定者の要介護認定の変化率はどの程度か

参考:内閣府|介護保険のインセンティブ(2024年1月21日確認)

インセンティブ交付金の導入経緯

介護業界にインセンティブ交付金が導入された理由として、「事業所が利益の心配をせずに介護度改善に取り組んでもらいたいから」という点があげられます。

今までの介護保険制度では、利用者の要介護度が下がると介護報酬も下がるので、事業所の売上が減少していました。

そのため、事業所は「売上が減少するから介護度改善に取り組みにくい」「自立支援が目的の介護保険制度であるにも関わらず、自立支援に取り組み利用者の介護度を下げると事業所の売上が減ってしまう」という問題点がありました。

この問題点を解決するために、インセンティブ交付金が導入されたのがおもな経緯です。

インセンティブ交付金がもたらすメリットとは?

インセンティブ交付金が導入されたメリットは、利用者の介護度が下がっても事業所の売上が下がりにくくなる点です。そのため、事業所は積極的に介護度の改善に取り組めるようになります。

交付金が導入される前までは、介護度改善にともなった事業所の売上減少というジレンマがありました。交付金があれば利用者の介護度が下がっても、事業所の売上減少の問題を軽減できるのです。

運用状況と自治体による制度設計の違い・その影響

インセンティブ交付金の運用状況は、自治体によって異なります。積極的に運用している場所もあれば、まだ検討段階の場所もあるでしょう。

ただし、インセンティブ交付金の制度自体は今後も導入する自治体が増えていくと考えられます。

また、市町村・都道府県によって独自に交付金の制度設計を実施していることもあるため、場合によっては事業所が望む内容ではない可能性もあります。

交付金の制度をうまく活用するためにも、管轄の自治体がどのような内容で運用しているのかを必ずチェックしておきましょう。

インセンティブ交付金が強化される理由とポイント

インセンティブ交付金は、2018年度の段階では予算が200億円であり、市町村と都道府県に配分されていました。

そして、2020年度の予算案にて「保険者機能強化推進交付金」を創設し、インセンティブ交付金を400億円まで拡充することとなりました。

この理由として、市町村・都道府県の取り組みの達成状況を評価できる指標を設定しつつ、さらに高齢者の自立支援・重度化防止を推進することがあげられます。

この予算の拡充により、インセンティブ交付金の制度を導入する自治体の増加が見込まれるでしょう。

参考:内閣府|保険者機能強化推進交付金・介護保険保険者努力支援交付金(2024年1月21日確認)

東京都のインセンティブ交付金活用例

ここでは、東京都のインセンティブ交付金の活用例についてご紹介します。

東京都では、利用者のADLや要介護度の維持・改善に関する取り組みを実施した事業所に対して、独自のインセンティブが支給されています。

ADL維持等加算を算定していることが条件で、支給額は20万円です。

さらに要介護度の維持・改善が客観的に認められると、10万円(維持)または20万円(改善)が加算分として追加で支給されます。

このインセンティブを受け取れる対象事業所は、以下の通りです。

【居宅サービス】

  • 通所介護

【地域密着型サービス】

  • 地域密着型通所介護
  • 認知症対応型通所介護
  • 地域密着型特定施設入居者生活介護
  • 地域密着型老人福祉施設

【施設サービス等】

  • 特定施設入居者生活介護
  • 介護老人福祉施設

さらに詳しい内容を知りたい方は、東京都のホームページをご確認ください。

参考:東京都福祉局|要介護度等改善促進事業(報奨金の交付)(2024年1月21日確認)

インセンティブ交付金の活用で介護サービスの活性化を

インセンティブ交付金は、利用者の自立支援・重度化防止を促すために創設されました。交付金を活用することで、事業所は利益を落とさず介護度改善に取り組めるようになるメリットがあります。

交付金の予算が拡充されたこともあり、今後もこの取り組みが活発化されるようになるでしょう。

ただし、具体的な内容は市町村・都道府県によって異なるため、自分の地域がどのような取り組みをしているのかをよく確認しておく必要があります。

基本的な概要やメリットをよく把握しつつ、交付金の導入を検討してみましょう。

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この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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