デイサービスのキャンセル問題|具体的な対策と稼働率アップの秘訣

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経営

更新日:2024/10/17

デイサービスのキャンセルや稼働率の低下については「特定の曜日だけキャンセルされる」「突然のキャンセルが多く運営が不安」など、さまざまな悩みがあります。そもそもキャンセル料を設定できるのか、キャンセル対策はどうすればいいのか?など、デイサービスのキャンセル対策についてご紹介しています。

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デイサービスのキャンセル問題の現状

デイサービスでは、体調不良や通院などの理由で利用者がキャンセルすることがあります。具体的なデータはありませんが、キャンセルにともなう稼働率の低下に悩む介護事業所は多いと考えられます。

通所系の介護サービスにとってこのキャンセル問題は、避けられない課題といえるでしょう。稼働率が低下すると売上は下がるため、キャンセル対策を検討している事業所も少なくありません。

キャンセルが稼働率に与える影響

利用者のキャンセルが多くなると、その分稼働率が低下します。稼働率とは、「利用できる最大人数のうち、実際に利用した人数の割合」のことです。

具体的な1日稼働率の計算式は、

「1日の利用者の人数 ÷ 1日の定員数」で求められます。

たとえば、その日のデイサービスの定員数が50人で、利用者は30人だとしましょう。その場合、「30 ÷ 50=0.6」となるため、その日の稼働率は60%となります。

キャンセルが多いと利用者の人数も少なくなるので、稼働率だけでなく売上も低下します。

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デイサービスはキャンセル料をとれる?

キャンセル料について説明した上で契約を結んでいれば、キャンセル料をとることは可能です。ですが介護業界では、キャンセル料がとりにくいのが実情です。

その理由としては、利用者や家族と長期間の付き合いとなることも多く、信頼関係の構築が重要視されているからです。

キャンセル料を請求すると利用者や家族との信頼関係が崩れ、サービスの利用が中止となる可能性もあります。

ただし、キャンセル料をとるのは決して悪いことではありません。キャンセル料に関しては法的な決まりはなく、事業所ごとに独自に設定されています。

キャンセル料を設定する際は、利用者や家族が納得いくような内容にすることが大切です。

デイサービスのキャンセル対策と稼働率アップ戦略

キャンセル対策をするためには、キャンセル料金の設定や振替利用の促進などの工夫が重要です。ここでは、キャンセル対策によって稼働率アップを目指すための戦略について解説します。

キャンセル料を設定する

キャンセル料を設定する際に重要な点としては、以下の2点です。

  1. キャンセル料が発生する条件の設定
  2. キャンセル料の金額設定

デイサービスのキャンセルで利用者・家族とトラブルにならないように、条件を明確にしておきましょう。

条件の例としては、以下の通りです。

  • 当日の8時30分までにデイサービスに連絡がなかった場合
  • 利用者宅に伺った際にお休み、または不在だった場合
  • 利用日の前日18時までにキャンセルの連絡がなかった場合

このような条件を契約書に記載しつつ、利用者・家族に説明しておくことでクレーム予防につながります。

また、キャンセル料金は施設で異なりますが、利用者の1回あたりの負担額である金額(1,000円前後)を設定している場所も少なくありません。

その他にも当日の場合や前日の場合など、段階的にキャンセル料を設定している施設もあります。

振替利用を促す方法とその効果

利用者からのキャンセルが発生した場合、別の日に振替利用を促すのもおすすめです。利用定員数を超えていない日を確認し、その日に振替できないか提案してみましょう。

振替利用は売上の低下防止だけでなく、利用者にとっても活動量を確保できるメリットがあります。キャンセルによって活動量が低下すると、身体機能の衰えにつながる恐れがあります。

少しでも利用者の活動量を増やすためにも、振替利用を積極的に提案しましょう。

利用者のキャンセル率を把握しておく

利用者ごとのキャンセル率を把握しておくと、対策をとりやすくなります。たとえば、毎月の決まった通院日と重なることでキャンセルするケースもあります。

その場合は、デイサービスを利用する日を変更できれば解決できるでしょう。

また、認知症でデイサービスを利用する日を勘違いするのであれば、カレンダーに記載する、前日に連絡するなどの対策が必要です。

このように、利用者ごとのキャンセルの詳細を調べると、具体的な対策法が見つかるかもしれません。

デイサービスのキャンセル問題は経営にも関わる部分です。以下の記事を参考に、赤字解消・黒字化の方法も頭に入れておきましょう。
デイサービスの赤字解消|経営改善で黒字化する秘訣とは?

稼働率アップに向けた実践的アプローチ

稼働率アップを実現するためには、以下の3つが大切です。

  • 営業・マーケティング戦略
  • 欠席者へのフォローアップと再予約促進
  • 教育・マネジメントの強化でサービス品質を向上

利用者を獲得するためには、営業やマーケティングに力を入れて、多くの人にデイサービスの強みやサービス内容を知ってもらう必要があります。

また、キャンセルした場合は利用者の振替を促し、稼働率の維持につなげることも重要です。利用者に品質の高いサービスを提供できるように、スタッフの教育体制の強化も並行して行いましょう。

稼働率をアップさせるための方法は以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご一読ください。
デイサービスの稼働率をアップさせるための方法 欠席対策についてもご紹介!

キャンセル対策を実行して稼働率の向上を

デイサービスでの利用者のキャンセルは、稼働率が低下し事業所の売上が下がる原因です。また、利用者が頻繁にキャンセルした場合、身体機能が低下する恐れもあります。

稼働率を高めるには、キャンセル時の振替日の提案や、利用者ごとの傾向の把握などの対策が重要です。キャンセル対策以外にも、営業やスタッフの教育なども並行して行うことで、さらなる稼働率アップにつながります。

利用者のキャンセルに困っている事業所は、ぜひ今回の記事を参考にして対策を立てていきましょう。

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この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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