介護現場のDX化は実際どう?デイサービス管理者の実体験
運営ノウハウ
2024/11/06
運営ノウハウ
運営
更新日:2024/06/25
運営推進会議とは、地域密着型サービス事業所が利用者・区市町村職員・地域住民の代表者等に対し、提供サービスの内容などを明らかにする会議のことです。これにより地域に開かれたサービスとなり、サービスの質を確保できると考えられています。介護事業所は運営推進会議の設置が義務となっていますので、概要や流れをおさえておきましょう。
この記事の目次
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運営推進会議(介護・医療連携推進会議)は、地域密着サービス事業者のサービスの質を確保することを目的として開かれる会議です。
利用者、区市町村職員、地域住民代表者などに対して、サービス内容を明らかにすることで運営の透明性を確保します。
介護保険により運営される地域密着型サービス事業者は開催を義務付けられており、事業者ごとに開催頻度が異なります。
なお、運営推進会議はローカルルールも多いため、細かいルールに関しては自治体の発信している情報を必ず確認してください。
参考:平成十八年厚生労働省令第三十四号 指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(地域との連携等)第三十四条
開催頻度は、対象となる事業者ごとに異なります。表にまとめましたので下記をご覧ください。
サービス種別 | 開催頻度 | |
---|---|---|
運営推進会議 | 地域密着型通所介護 | おおむね6か月に1回以上 |
認知症対応型通所介護 | ||
認知症共同生活介護 | おおむね2か月に1回以上 | |
地域密着型特定施設入所者生活介護 | ||
小規模多機能型居宅介護 | ||
看護小規模多機能型居宅介護 | ||
介護・医療連携推進会議 | 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 | おおむね6か月に1回以上 |
運営推進会議は介護保険の規定にて原則として下記のメンバーの参加が必要とされています。
メンバー | 例 |
---|---|
利用者又はその家族 | ー |
地域住民の代表者 |
|
当該サービスに知見を有する者 |
|
市町村職員または、地域包括支援センター職員 |
当該地域の地域包括支援センター職員 |
地域の医療関係者(定期巡回・随時対応型訪問介護看護のみ) |
|
「市町村職員又は地域包括支援センター職員」「当該サービスに知見を有する者」は、やむをえない理由で出席が難しい場合でも、事前に意見を聴取して会議開催時に報告するなど、一定の関わりの確保が必要です。
なお、求められるメンバーの役割はそれぞれ異なるため、原則として各メンバーの選出が必要ですが、自治体によって「地域住民代表」と「当該サービスの知見を有する者」の兼任は想定されると述べているところもあります。
また、令和3年より、感染症の状況や他職種の連携を考慮してテレビ電話を活用した実施も可能とされています。メンバー確保が難しい場合は、こうしたツールを利用しながら、必要に応じて自治体に相談すると良いでしょう。
運営推進会議では事業所の運営状況を報告して、メンバーに評価をもらい、必要に応じて助言や要望を聴取します。会議の内容の例は下記の通りです。
そのほか事業所が抱える問題点や、今後の取り組みなど、事業所の実情に合わせた意見交換を行います。
参考:地域密着型サービスにおける運営推進会議について|板橋区
運営推進会議の開催時にはメンバーからの要望や助言などの内容を議事録として整備し、保管することが義務付けられています。具体的な議事録の内容は下記の通りです。
議事録を残す期間は「2年」「5年」など自治体によって異なります。開催時は事前に該当の自治体に確認しましょう。
参考:地域密着型サービスにおける運営推進会議等の設置・開催|中野区
運営推進会議の内容は、利用者やその家族が知ることができるように内容を公表する義務があります。具体的な公表方法の例は下記です。
なお、「出席者」に利用者、利用者家族などが記載されている場合には、プライバシーの観点から公表時に名前を伏せるなど注意しましょう。
また、市町村によっては各事業所の運営推進会議の結果を公表するため記録の提出が求められる場合があります。提出方法は自治体により異なるため、市の介護保険課や、地域包括支援センターなどに詳細を確認しましょう。
参考:指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準第3条の37第1項に定める介護・医療連携推進会議|厚生労働省
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事業所によっては地域の実情により、運営推進会議をほかの事業所と合同で開催したいケースもあるでしょう。現在、運営推進会議の下記の4つの条件を満たした場合に合同開催が許可されています。
なお、これらは運営推進会議の効率化や、他事業所とのネットワーク形成の観点からはじまった取り組みです。自治体によって趣旨にそわない合同開催は却下される可能性もあるので注意しましょう。
参考:平成30年度介護報酬改定の主な事項について|厚生労働省
では、ここからは運営推進会議の開催を想定して成功させるための5つのポイントを解説します。
それぞれみていきましょう。
運営推進会議の目的は単なる「活動報告」「情報交換」ではありません。サービス内容を明らかにすることによる「サービスの質の向上」です。そのためには会議ごとの議題や目的をしっかり定めておきましょう。
なお、利用者や家族など運営推進会議に慣れていないメンバーは「サービスの質の向上」という本来の趣旨を理解できていない場合もあります。会議の冒頭や、事前にメンバーと目的を共有しておくのも良いでしょう。
令和3年より、昨今の感染症の事情をふまえて状況に合わせて「テレビ電話等」も使用できるようになりました。
新しいアイディアを生み出して、良いサービスを提供するためには従来の会議のように決まった形にとらわれる必要はありません。
有識者や専門家など、特定メンバーだけが発言権を持たないように地域住民、利用者や家族の意見も取り入れられる形で会議を行いましょう。
運営推進会議のメンバーは規定がありますが、その中で毎回同じメンバーに固定する必要はありません。
役職や肩書きだけにとらわれず、多くの意見がえられるように参加を呼びかけましょう。メンバー選定にあたり前向きな方が入るように意識すると、会議のときの空気もいい方向に変わり、円滑な意見交換ができるでしょう。
運営推進会議の目的は「サービスの質の向上」です。「活動報告だけして終わり」では、本来の目的を達成できません。
参加メンバーには市の職員や、サービスについての有識者などもいます。事業所の運営や取り組みを良くよく見せる必要はありません。ありのままの事業所の困りごとを共有して深掘りしてもらいましょう。
また、事業所の課題の解決策に地域や自治体の協力が必要な場合はサポートを呼びかけるのもひとつの手段です。
良いサービスを利用者に提供するためには地域包括支援センターをはじめとした市町村や、社会資源の活用は欠かせません。
運営推進会議での意見交換は地域包括支援センターの職員と信頼関係を深めるための良い場にもなります。積極的に事業所での取り組みや考えを共有して、市町村とも連携できるように意識しましょう。
以下の記事では地域包括支援センターについて解説しています。ぜひご一読ください。
▶地域包括支援センターとは|相談方法・業務内容などを詳しく解説
運営推進会議の意義やメリットはどのようなものがあるのでしょうか。下記の4つに分けて詳しく解説します。
それぞれみていきましょう。
「サービスの質の向上」は、運営推進会議の本来の目的です。市の職員、利用者、家族、地域住民など、さまざまな方にご参加いただき情報を共有することで新しいアイディアや問題解決の糸口が見つかります。
具体的には下記などが考えられます。
地域密着型サービスにおいて自治体や地域住民の方は強力な支援者となります。運営推進会議を通してつながりを持てるよう事業所は積極的に参加を呼びかけましょう。
運営推進会議は当日の意見交換によるサービスの評価、日程調整や資料作成、事前準備などを通してスタッフのスキルアップにつながります。
例えば下記です。
たとえば、「議事録の作成」ひとつでも提供しているサービスの振り返り、周囲の評価の確認につながります。
また、当日に評価を聞くことで自分たちの日々のケアの可視化、課題の明確化、周囲の評価などにつながり、スタッフがやりがいを感じる機会にもなるでしょう。
高齢者の介護ニーズの多様化、介護保険の改正などにより、事業所のあり方に悩む事業所も多いでしょう。地域密着型サービスとして介護保険で運営するので保険者となる「市町村」の意見は重要ですが、本来は利用者や家族のためのサービスです。
運営推進会議は利用者、家族、地域住民などさまざまな方が参加して意見を交換する場です。周囲の事業所に対するニーズを確認するため絶好の機会となります。
また、地域包括支援センターとの連携が密になることで、地域全体のケアのあり方の方向性の確認もできるでしょう。こういった機会は事業所のあり方を見直すための有意義な場になります。
地域密着型サービスは地域の方のためのサービスです。より良いサービスを提供するためには地域住民や、家族の協力は必要不可欠です。
運営推進会議の意義として参加メンバーへ「生活支援」「地域づくり」などの目的意識・当事者意識を持ってもらうことがあげられます。
会議を通して事業所の課題や新しい取り組みの企画「どうすれば良いサービスになるか」を一緒に考えてもらうことで、自然と当事者意識を持つきっかけとなります。
主催する事業所も、積極的にメンバーを巻き込めるように意識しましょう。
運営推進会議は事業所にとってさまざまな活用方法があります。
運営推進会議は、さまざまなメンバーが参加する場です。会議自体が家族同士の顔合わせの場や、利用者の地域交流の場になるでしょう。さらに、他事業所に参加してもらうことで「夏祭り」や「外出企画」など、合同イベントにつながることもあります。
地域包括支援センターをはじめとした自治体の職員側も、運営推進会議は高齢者向けの情報を地域に向けて発信するための貴重な場です。
医師や看護師など専門職の参加があれば、高齢者向けの生活上の注意点、昨今の感染症予防法の共有など、家族や利用者へ向けた情報発信もできるでしょう。
運営推進会議はこうした人と人がつながり、地域活性のきっかけになる場でもあります。
本記事は運営推進会議について下記を解説しました。
運営推進会議はサービス質の向上のために地域密着型サービス事業者に義務づけられている会議です。利用者や家族、市町村、地域住民などさまざまな方が参加して意見交換が行われる場です。
介護保険によって規定されており、守るべき決まりはありますが内容、開催の詳細などは事業者に委ねられています。
開催により参加者の意見がえられて事業所の課題を抽出して、問題解決の糸口が見つかる場でもあります。事業者はこうした機会を有効活用して適切なサービスが提供できるようにしましょう。
なお、地域密着型通所介護に関連した介護保険の改正については下記の記事から確認できます。
▶︎【令和6年介護報酬改定】通所介護・地域密着型通所介護の動向
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