通所介護(デイサービス)の加算・減算の種類一覧
介護保険法
2026/10/29
更新日:2026/10/13
【2026年10月9日時点の情報】介護報酬改定とは、介護サービスの報酬の水準や算定要件を3年ごとに見直すことです。次回の本改定は2027年4月施行の予定。決まっていること・議論中の論点・今後のスケジュールに分けて整理し、過去の改定の内容も解説します。
この記事の目次
【2026年10月9日時点の情報】介護報酬改定とは、介護サービスの対価として事業者に支払われる報酬の水準や算定要件を見直すことです。次回の本改定は2027年(令和9年)4月に施行される予定で、2026年4月から社会保障審議会介護給付費分科会で議論が始まっています。9月30日の第268回分科会では、改定の「基本的な視点(案)」が示されました。この記事では、現時点で決まっていること、議論されていること、まだ決まっていないことを分けて整理し、改定の仕組みと過去の内容もあわせて解説します。
現時点の状況を3つに分けます。決まっているのは施行時期と議論の枠組みで、基本的な視点も案の段階です。改定率も各加算の要件もまだ決まっていません。
決まっていること
議論されていること
まだ決まっていないこと
令和9年度改定に向けた検討は、2026年4月27日の第256回社会保障審議会介護給付費分科会から始まりました。同日の資料4「令和9年度介護報酬改定に向けた今後の検討の進め方について(案)」で、検討の進め方が示されています。
その後、サービスごとの論点の整理が進み、9月には関係団体等との意見交換会が開かれました。9月30日の第268回では「基本的な視点(案)」が示されています。背景として、令和7年度介護事業経営概況調査では、全サービスで赤字の事業者が約4割とされています。介護報酬は公定価格のため、物価や賃金の上昇を事業者自身が価格に反映できません。
改定案の諮問と答申は、2027年1月頃に行われる予定です。
直近の分科会は2026年9月30日の第268回です。
第268回分科会で示された「基本的な視点(案)」は次の5つです。
いずれも案の段階であり、決定した内容ではありません。今後の議論で内容が変わる可能性があります。
第256回分科会の資料4に示された、令和9年度改定のスケジュール案です。
| 時期 | 内容 | 状況 |
|---|---|---|
| 2026年4月〜夏頃 | 主な論点について議論、事業者団体等からのヒアリング | 概ね完了(9月に関係団体等との意見交換会を実施) |
| 2026年10〜12月頃 | 具体的な方向性について議論 | 進行中 |
| 2026年12月中 | 報酬・基準に関する基本的な考え方の整理・とりまとめ | これから |
| 2027年1月頃 | 介護報酬改定案の諮問・答申 | これから |
| 2027年4月 | 施行 | これから |
「状況」の列は当方で付与しました(2026年10月9日時点)。時期と内容は資料の記載どおりです。施行の行は資料になく、3年周期から補っています。
基準に関しては、地方自治体の条例の制定・改正に要する期間を踏まえ、先行してとりまとめが行われます。
参照:令和9年度介護報酬改定に向けた今後の検討の進め方について(案)
2026年10月9日時点で、サービス種別ごとの具体的な単位数や算定要件は示されていません。第268回までに示された論点は次のとおりです。
報酬や要件の方向性は、今後の分科会で順次示されます。
2026年10月9日時点で、加算ごとの単位数と算定要件は示されていません。論点として挙がっている主な項目は次のとおりです。
各加算の単位数と算定要件は、2026年12月のとりまとめから2027年1月の諮問・答申にかけて固まります。

介護報酬とは、要支援または要介護の方に介護サービスを提供した場合に、その対価として事業者に支払われる報酬です。介護報酬には基本報酬と加算・減算の2種類があります。
基本報酬は、訪問系サービスや通所系サービス、入所系サービスといった事業所形態ごとに決められた報酬単位です。利用者の要介護度によっても定められています。
加算・減算は、各事業所の人員配置や算定要件、利用者の状況などに応じて、介護サービスの単位に加算または減算される制度です。
介護報酬改定とは、この報酬の水準や算定要件を見直すことをいいます。周期は3年です。介護保険制度が施行された平成12年度以降、この間隔を基本として改定が重ねられてきました。
基本報酬が下がれば収益減につながり、新しい加算が創設されれば収益増が見込めます。影響は収支だけではありません。サービス区分の創設や廃止は運営そのものに及ぶため、早めに情報を把握して対応を考えることが重要です。
介護報酬改定は3年ごと、医療分野の診療報酬改定は2年ごとに行われます。このため両者が重なる年が6年ごとに訪れます。これが「ダブル改定」です。直近は令和6年度(2024年)でした。
介護報酬の算定基準は、厚生労働大臣が定めます。介護保険法(平成9年法律第123号。以下、介護保険法)第41条第5項は、次のように規定しています。
厚生労働大臣は、前項各号の基準を定めようとするときは、あらかじめ社会保障審議会の意見を聴かなければならない。
引用:介護保険法
同法第46条第3項、第48条第3項、第53条第3項にも同じ趣旨の規定があります。
この意見を審議するのが、社会保障審議会の介護給付費分科会です。分科会が改定案を審議して「審議報告」を取りまとめ、その後、厚生労働大臣の諮問に対して答申を行います。
令和9年度改定を例にすると、標準的な流れは次のとおりです。
1から5は第256回分科会の資料4に示されたスケジュール案です。6の告示・通知・施行は同資料になく、令和8年度改定の公表資料から補っています。
参照:令和9年度介護報酬改定に向けた今後の検討の進め方について(案)
2026年にも介護報酬改定がありました。3年周期から外れています。
3年に1度の本改定とは別に臨時の改定が行われることがあり、直近では令和8年度(2026年)に、「強い経済」を実現する総合経済対策(令和7年11月21日閣議決定)を踏まえた期中改定が実施されました。
臨時改定は予告期間が短く、対象も限定されるのが特徴です。見落としやすいのはここです。3年周期だけを追っていると気づけないため、告示や通知の発出に注意が必要になります。
改定率は+2.03%です。内訳は処遇改善分+1.95%、基準費用額(食費)の引上げ分+0.09%です。令和8年度予算額への影響は、国費で518億円とされています。
内容は次の2つです。
数値・加算率・金額は概要資料の記載どおりです。施行日(令和8年6月)は概要資料になく、第253回分科会の諮問書別紙「令和8年度介護報酬改定 介護報酬の見直し案」の【令和8年6月施行】から補っています。
改定率は+1.59%です。内訳は介護職員の処遇改善0.98%、その他0.61%です。
基本的な視点は4つです。
デイサービスに関係が深い項目としては、リハビリテーション・機能訓練・口腔・栄養の一体的な取組、LIFE(科学的介護情報システム)を活用した質の高い介護、生産性向上を通じた職場環境づくりなどが挙げられます。加算の再編もありました。処遇改善に関する3つの加算(処遇改善加算・特定処遇改善加算・ベースアップ等支援加算)の一本化は令和6年6月施行です。
デイサービスに関わる主な変更は次のとおりです。
訪問介護と通所介護を組み合わせた複合型サービスの創設も議論されましたが、令和6年度改定では創設されず、引き続き検討することとされました。
改定率は+0.70%です。このうち0.05%は新型コロナウイルス感染症に対応するための特例的な評価で、令和3年9月末までの措置とされました。
基本的な視点は5つです。
この改定でLIFEの運用が始まり、科学的介護推進体制加算をはじめとするLIFE関連加算が創設されました。デイサービスにも変更がありました。感染症や災害への対応として、事業所規模別の報酬に関する取扱いが見直されています。
改定率は+0.54%です。医療の診療報酬と同時に行われたダブル改定でした。
柱は次の7つです。
マイナス改定になったのは通所介護と訪問介護です。平成27年度の収支差率が、介護サービス事業全体の約4%に対して訪問介護5.5%、通所介護6.3%と高かったことが理由です。通所介護では大規模な事業所を中心に基本報酬が引き下げられました。
このほか、一定以上の所得がある人の自己負担3割の導入、介護医療院の創設、介護保険と障害福祉の共生型サービスの開始がありました。
通所介護では生活機能向上連携加算が創設されています。200単位/月で、個別機能訓練加算を算定している場合は100単位/月です。訪問リハビリテーションや通所リハビリテーション、医療提供施設のリハビリテーション専門職と連携し、共同でアセスメントと個別機能訓練計画を作成することが要件です。
特定施設入居者生活介護では12項目が見直されました。退院・退所時連携加算(30単位/日)、入居継続支援加算(36単位/日)、生活機能向上連携加算、若年性認知症入居者受入加算(120単位/日)などが創設され、機能訓練指導員の資格要件にはり師・きゅう師が加わっています。
平成18年度は▲0.5%でした。要支援者への給付を介護予防給付として新設し、施設の食費・居住費を保険給付の対象外にしたうえで、低所得の利用者には補足給付を設けています。地域密着型サービスもこのときの創設です。
平成24年度は+1.2%でした。地域包括ケアシステムが提唱され、24時間対応の定期巡回・随時対応サービスと複合型サービスが創設されました。
平成27年度は▲2.27%でした。予防給付のうち訪問介護と通所介護を地域支援事業へ移し、一定以上の所得がある人の自己負担を2割へ引き上げています。
| 改定時期 | 改定率 |
|---|---|
| 平成15年度 | ▲2.3% |
| 平成18年度 | ▲0.5%[▲2.4%] |
| 平成21年度 | +3.0% |
| 平成24年度 | +1.2% |
| 平成26年度 | +0.63% |
| 平成27年度 | ▲2.27% |
| 平成29年度 | +1.14% |
| 平成30年度 | +0.54% |
| 令和元年10月 | +2.13%[処遇改善1.67%/消費税対応0.39%/補足給付0.06%] |
| 令和3年度 | +0.70% |
| 令和4年10月 | +1.13% |
| 令和6年度 | +1.59% |
| 令和8年度 | +2.03% |
角かっこ内の数値は、平成17年10月改定分を含みます。平成17年10月には居住費・食費に関する見直しが行われています。
令和6年度までは「介護保険制度の概要」24ページ、令和8年度は令和8年度改定の概要資料に基づきます。
改定の内容は直前まで確定しません。それでも、待たずにできる準備はあります。
一次情報は4つです。厚生労働省の介護給付費分科会の資料、改定後に発出される告示、実施上の留意事項通知、そして介護保険最新情報(Q&A)。どこを見るかを決めておけば、伝聞に振り回されずに済みます。
改定では加算の要件が見直されます。廃止もあります。令和6年度改定では、介護予防通所リハビリテーションの運動器機能向上加算が廃止され、基本報酬に包括化されました。
自事業所が算定している加算と、その算定率・単位数を把握しておけば、要件が変わったときに影響の大きさをその場で見積もれます。
人員配置や研修の実施状況など、体制で決まる要件は、直前の対応が難しい項目です。ここは時間がかかります。改定の方向性が見えた段階ですぐ着手できるよう、現状を整理しておきましょう。
▼加算の解説記事
口腔機能向上加算
科学的介護推進体制加算
個別機能訓練加算
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▼制度の解説記事
LIFE(科学的介護情報システム)
複合型サービス
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