デイサービスにおける生活相談員の資格要件と配置基準

介護保険法

基本報酬

更新日:2023/06/14

生活相談員とは、ケアマネジャー(介護支援専門員)から新しい利用者の紹介があった時、利用者本人とその家族やケアマネジャーらと話をしながら、施設で受け入れられるかどうかを見極める役職のことです。この記事では「通所介護における生活相談員」の資格要件や配置基準、ケアマネジャーとの役割の違いなどについて詳細に触れていきます。

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生活相談員は、通所介護(デイサービス)や特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)などの介護事業所に配置される職種です。

新しい利用者がサービスを利用することが可能かどうかを見極める重要な役割を担い、介護サービス事業所にとって欠かすことはできません。

生活相談員は利用者本人やその家族、ケアマネジャー(介護支援専門員)らと話をしながら相談を受け付ける役割も持ち、その仕事は多岐にわたります。

本記事では通所介護における生活相談員の役割や重要性のみでなく、資格要件や配置基準、生活相談員とケアマネの違いなどを含めて詳しく解説します。

生活相談員とは

生活相談員は、介護保険法に基づき、要支援または要介護の高齢者やその家族を支援する専門職です。

生活相談員は、特別養護老人ホームやショートステイ、通所介護(デイサービス)などで働くことができ、入所から日常生活に至る幅広い相談や指導などを行います。

通所介護では、ケアマネジャーと連携し、家族との相談や報告も担当します。
生活相談員になるためには一定の資格要件を満たす必要があり、通所介護に必ず配置される職種です。

生活相談員の役割と仕事内容

生活相談員の役割や仕事内容は、一般的には介護保険法によって定められており、法律に基づいた行動が求められます。

しかし、実際の業務内容は曖昧なことも多く、いわゆる「何でも屋」と表現されることもあるほどです。

具体的な業務内容や職務範囲は、勤務場所や事業所の規模、サービス提供の特性によって異なります。それぞれの労働環境に応じて業務内容をしっかりと確認する必要があるでしょう。

以下に一般的な生活相談員の役割や仕事内容を解説します。

  • 利用者ご本人や家族の相談援助
    利用者や家族との面接を通じて、利用者と家族の声を聴き、ニーズを把握します。集めた情報を最適な介護サービスの提案に活かします。
  • 利用者の受け入れや更新を伴う契約手続き
    デイサービス利用者の相談を受け、自宅訪問などを行い、具体的な問題や要望を聞きます。また、契約内容や重要事項を説明し、同意を得る役割を担います。
  • 事業所内外の他職種との連絡調整
    サービス担当者会議や事業所内連携会議に参加し、事業所内外の他職種と連携し、情報共有やサービスの調整を行います。また、利用者情報の周知や職員間の意見調整も重要な役割です。利用者のニーズを適切に共有し、他職種と協力しながら、より良いケアを提供することを目指します。
  • 通所介護計画書などの作成
    利用者の状態やニーズを評価し、アセスメントします。その結果をもとに通所介護計画書の原案を作成します。その後、利用者と家族に対して計画書の内容を説明し、同意を得ます。同意が得られた計画書は関係機関やサービス提供者に送付され、職員間で内容を共有します。利用者の個別目標管理や通所介護計画書の変更・更新も行い、柔軟にニーズに対応します。このプロセスを通じて、利用者のケアプランを明確化し、適切なサービス提供の実現を目指します。
  • モニタリング関連業務
    カンファレンスや評価を通じて利用者のケアプランや個別目標を確認し、課題を抽出します。モニタリング報告書を作成し、関係機関やサービス提供者に送付します。モニタリング結果の共有や改善策の検討を通じて、利用者の状況把握やサービスの品質向上に寄与します。
  • 地域関係機関との連絡調整
    地域関係機関との連絡調整業務は、地域会議への参加や地域貢献事業の企画運営、事業所の広報活動などから成り立ちます。利用者のケアの効果的な提供のための情報交換に努めるとともに、地域のケアネットワークに参加し、介護制度やサービスの改善に貢献します。
  • ボランティアの受け入れ
    募集、受け付け、オリエンテーション、モニタリングの流れで一般的に進められるでしょう。ボランティアを募り、手続きを行い、オリエンテーションで業務の説明やルールを伝えます。そして、ボランティアの活動を定期的にモニタリングし、適切な評価を行います。
  • 介護請求業務
    基本情報入力や実績入力から始まり、介護報酬明細書の作成や返戻過過請求の確認、伝送、利用請求書作成入金確認、領収書作成などの一連の手続きを行います。利用者の情報やサービス提供内容を正確に入力し、請求書類を作成・伝送することで国保連合会への請求を行います。また、入金状況の確認や領収書作成も重要な業務です。これらの業務を通じて、適切な介護請求処理を行い、介護事業所のスムーズな運営を支援します。
  • 個別機能訓練計画書の作成
    機能訓練指導員と兼務している場合は個別機能訓練計画書の作成を行うこともあります。  

生活相談員の具体的な業務内容や役割を理解するためには、所属する組織や施設の方針や要件を確認する必要があるでしょう。また、資格要件を満たすだけでなく、組織に期待される役割を把握することが重要です。

生活相談員の資格要件

厚生労働省令第46号(平成11年3月31日)の「特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準」によると「生活相談員は、社会福祉法第十九条第一項各号のいずれかに該当する者又はこれと同等以上の能力を有すると認められる者でなければならない。」とされており、以下の条件を満たす者が生活相談員に準ずるとされています。

  1. 社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者
  2. これと同等以上の能力を有する者

「社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者」については以下のように説明されています。

  1. 大学又は専門学校で厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する科目を修めて卒業した者
  2. 厚生労働大臣指定養成機関又は講習会の修了者
  3. 社会福祉士
  4. 厚生労働大臣指定資格合格者
  5. 同等以上の者として厚生労働省令で定めるもの

「同等以上の者として厚生労働省令で定めるもの」については「社会福祉法施行規則第1条の2」で以下のように規定されています。

  1. 精神保健福祉士
  2. 大学において法第19条第1項第1号に規定する厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する科目を修めて、大学院への入学を認められた者

これらのことをまとめると、厚生労働省令では、以下の資格を生活相談員の資格要件として認めているということになります。

  • 社会福祉主事任用資格
  • 社会福祉士
  • 精神保健福祉士

社会福祉主事任用資格については社会福祉法第19条で「厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する科目を修めて卒業した者」とされており、上記の基準を満たします。

よって、これらの資格を持っていれば生活相談員の資格要件を満たすことになるでしょう。
ただし、他の資格も要件として認められる可能性があります。

厚生労働省令では、正確に生活相談員の資格要件を定めていません。資格要件については以下のように規定されており、解釈は難解です。

  1. 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学、旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)に基づく大学、旧高等学校令(大正七年勅令第三百八十九号)に基づく高等学校又は旧専門学校令(明治三十六年勅令第六十一号)に基づく専門学校において、厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する科目を修めて卒業した者(当該科目を修めて同法に基づく専門職大学の前期課程を修了した者を含む。)
  2. 都道府県知事の指定する養成機関又は講習会の課程を修了した者
  3. 社会福祉士
  4. 厚生労働大臣の指定する社会福祉事業従事者試験に合格した者
  5. 前各号に掲げる者と同等以上の能力を有すると認められる者として厚生労働省令で定めるもの

さらに「厚生労働省令で定めるもの」については以下のように定められています。

  1. 精神保健福祉士
  2. 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学において、法第十九条第一項第一号に規定する厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する科目を修めて、学校教育法第百二条第二項の規定により大学院への入学を認められた者

上記の厚生労働省令を満たしていれば、生活相談員の資格要件を満たすことになります。

曖昧かつわかりにくい部分もありますが、以下の資格も自治体によっては生活相談員の資格要件を満たす場合があるのでご参考ください。

  • 介護支援専門員
  • 介護福祉士
  • 保育士

自治体によって資格要件が異なる要因となっているのは「同等以上の能力を有すると認められる者」という部分になるでしょう。

「同等以上の能力を有すると認められる者」について、各自治体は以下のように規定しています。

東京都
  1. 介護支援専門員
  2. 特別養護老人ホームにおいて、介護の提供に係る計画の作成に関し、1年以上(勤務日数180日以上)の実務経験を有する者
  3. 老人福祉施設の施設長経験者
  4. 通所介護事業所、通所リハビリテーション 事業所、短期入所生活介護事業所、短期入所 療養介護事業所、特定施設入居者生活介護 (外部サービス利用型を除く)の特定施設、 地域密着型通所介護事業所、認知症対応型通 所介護事業所、小規模多機能型居宅介護事業 所(訪問サービスに係る実務経験は除く)、 認知症対応型共同生活介護事業所、地域密着 型特定施設入居者生活介護の地域密着型特 定施設、地域密着型介護老人福祉施設、介護 老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養 型医療施設及び介護予防・日常生活支援総合 事業における通所型サービスにおいて、当該 事業所又は施設における介護に関する実務 経験が通算で1年以上(勤務日数180日以 上)あり、介護福祉士の資格を有する者
愛知県
  1. 社会福祉主事
  2. 社会福祉主事任用資格
  3. 社会福祉士
  4. 精神保健福祉士
  5. 介護福祉士
  6. 介護支援専門員として都道府県の登録を受けた者
  7. 保育士
  8. その他、保健・医療・福祉に係る資格又は実務経験から同等の能力を有すると知事が認める者
大阪府
  1. 社会福祉主事
  2. 社会福祉士
  3. 精神保健福祉士
  4. 介護福祉士
  5. 介護支援専門員

上記のように生活相談員の資格要件は自治体によって異なります。

東京都のように「特別養護老人ホームにおいて、介護の提供に係る計画の作成に関し、1年以上(勤務日数180日以上)の実務経験を有する者」という要件があることから、自治体によっては実務経験のみで条件を満たせる場合もあるため、確認するようにしましょう。

通所介護(デイサービス)における生活相談員の配置基準

厚生労働省の介護給付費分科会では生活相談員の人員基準は「事業所ごとにサービス提供時間に応じて専従で1以上(常勤換算方式)」とされています。また「生活相談員の勤務時間数としてサービス担当者会議、地域ケア会議等も含めることが可能」とされています。

適切な配置のための計算は以下のとおりです。

(サービス提供日ごとに確保すべき勤務延時間)≧(サービス提供時間)

「提供日ごとに」という点が生活相談員の配置のポイントになるでしょう。

また、生活相談員を配置する際には以下の点に注意しましょう。

  1. 営業日は毎日配置する必要がある
  2. 計算の際は、サービス提供時間中の勤務時間のみを算入する
  3. 生活相談員又は介護職員のうち1人以上は、常勤職員が必要
  4. 1人の生活相談員の勤務時間は、原則として週40時間まで

一般的には上記の条件に注意しながら生活相談員の配置基準を満たす必要があります。ただし、市町村によって細かな基準が異なることもあるため、各自治体に確認するようにしましょう。

生活相談員とケアマネジャーの違い

生活相談員とケアマネジャーは、利用者の日常生活や福祉に関する相談や支援を行い、利用者と家族の不安や悩みを解消する役割を果たすという目的があり、似通っている部分があります。

しかし、役割は異なるので理解しておきましょう。

生活相談員は、介護サービス事業所における相談業務を担い、それに付随するさまざまな書類作成や調整業務を行います。

一方、ケアマネジャーは利用者のケアプランを作成し、介護サービスの手配や調整を行います。

生活相談員は主に介護サービス事業所において利用者の日常生活全般を支援し、ケアマネジャーは主に介護サービスのプランニングと調整を担当するという点で役割は同じではありません。

以下の表にまとめましたのでご参考ください。

 

  生活相談員 ケアマネ
概要

生活相談員はソーシャルワーカーとも呼ばれており、施設の相談窓口として相談業務を行います。

ケアマネ(ケアマネジャー)とは正式には「介護支援専門員」といい、通称ケアマネと呼ばれます。

資格

社会福祉法第十九条第一項各号のいずれかに該当する者社会福祉士精神保健福祉士社会福祉主事任用資格これと同等以上の能力を有すると認められる者
社会福祉法第19項1項等に掲げる者と同等以上の能力を有すると認められる者として厚生労働省令で定めるもの(各自治体によって条件が異なる。)

介護支援専門員

仕事内容

本人様やご家族様の相談業務を行います。事業所内外の他職種と連絡を取り、さまざまな手続きを行います。介護請求業務など、施設の運営にも携わることも多く、仕事範囲は多岐にわたります。

要介護者や要支援者の人の相談や心身の状況に応じ、介護サービスを受けられるようにケアプランの作成や市町村・サービス事業者・施設等との連絡調整を行います。

職域

通所介護(デイサービス)、短期入所生活介護(ショートステイ)、短期入所療養介護(ショートステイ)、介護施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、介護付有料老人ホームなど)

居宅介護支援事業所地域包括支援センター、小規模多機能型居宅介護事業所、介護施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、介護付有料老人ホームなど)

給料

平均月収:33万6830円※

平均月収:33万2640円※

参照:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要

生活相談員は利用者と施設をつなぐ大切な窓口

生活相談員は、利用者とその家族に対して、日常生活や福祉に関する相談支援を行う大切な役割を担っています。

利用者のニーズを把握し、適切な介護サービスを提案し、利用者とその家族の不安や悩みを解消するための支援を行う業務は地域福祉のために欠かせません。

利用者の生活の質を向上させるために必要な情報やサービスを提供・共有し、安心して自立した生活を送ることができるよう支援する役割は、利用者と施設をつなぐ大切な窓口ともいえるでしょう。

生活相談員は利用者と家族にとって心強い存在であり、介護保険制度の柱として重要な役割を果たしています。

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この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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