介護保険外サービス一覧|種類と事例・サービス提供時の注意点など徹底解説

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更新日:2023/12/19

介護保険サービスは、要介護認定を受けていない高齢者は利用できない、サービス提供時間に制限があるなどさまざまな制約があることから、事情によっては利用できない場合もあります。その場合は「介護保険外サービス」を利用することになります。ここでは、介護保険外サービスを提供する際の注意点や具体的な事例などについて詳しく解説しています。

介護保険外サービスの定義と概要

介護保険外サービスとは、介護保険が適応されないサービスのことを指します。

介護保険サービスは要介護者の能力に応じてサービスを提供し、自立を支援することを目的としており、利用者は要介護認定者に限られています。提供できるサービス内容は介護保険法で定められているのが特徴です。

一方、介護保険外サービスでは介護保険が適応されないため、介護保険法によるサービス内容の制限はありません。

ニーズに合わせた多種多様なサービスが可能であり、介護認定を受けていない人も自由に利用できることが介護保険外サービスのメリットです。

また、一人ひとりの要望に対応しやすいため、利用者の自立支援や介護負担の軽減だけでなくQOL向上も期待できます。

ただし、介護保険外サービスは、介護保険サービスよりも負担金額が大きくなりやすいので注意が必要です。

介護保険サービスは、介護保険法により負担する費用はサービス料金の1〜3割です。一方、介護保険外サービスは介護保険が適応されないため、サービス料金の全額を自己負担しなければなりません。

複数のサービスを利用する場合は特に負担金額の増加に気をつけましょう。

また、介護保険外サービスは訪問介護や通所介護の事業所が提供していることもあり、介護保険サービスと組み合わせて利用することも可能です。

組み合わせて利用することを混合介護と呼び、幅広いサービス支援によって自立支援促進や家族負担軽減のメリットがあります。

高齢者が抱える多様なニーズに柔軟な対応ができるよう、介護保険サービスと介護保険外サービスを組み合わせて考えることは重要といえるでしょう。

参考:介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供する場合の取扱いについて 平成30年9月28日

介護保険内で提供できる主なサービス

まず、介護保険内で提供できるサービスを解説していきましょう。

介護保険内で提供できるサービスは介護保険制度により定められており、基本的には区分支給限度額を超過しないように利用します。

また、介護保険サービスを利用するためには、要介護認定を受ける必要があります。要介護認定を受けていない人は利用できないため注意する必要があるでしょう。

介護保険サービスの主な種類を以下に示します。

  • 居宅サービス
  • 地域密着型サービス
  • 居宅介護支援
  • 介護保険施設
  • 介護予防サービス
  • 地域密着型介護予防サービス
  • 介護予防支援
  • 福祉用具貸与

介護保険サービスで利用できる具体的な例を一部、以下に紹介します。

訪問介護(居宅サービス) 介護福祉士や介護員が自宅に訪問し、食事・排泄などの介護や掃除・調理などの生活支援を提供するサービス
通所介護(居宅サービス) デイサービスセンターを利用して、入浴・排泄・食事などの介護を提供するサービス
介護保険施設 介護老人保健施設にて看護・介護・機能訓練・医療などを提供するサービス
介護予防支援 介護予防に効果のある保健医療または福祉サービスを提供する

以下は介護保険サービスの生活支援サービスには該当しません。

  • 利用者の直接的な援助に該当しないサービス:利用者の家族のための家事、来客の対応など
  • 日常生活の支援の範囲を超えるサービス:草むしり、ペットの世話、大掃除、正月の準備など

介護保険サービスは、利用対象者の制限もあるため注意しましょう。たとえば、生活支援サービスの利用は、以下のいずれかの場合に限られます。

  • 利用者が一人暮らしの場合
  • 利用者の家族等が障害や疾病等の理由により、家事を行うことが困難な場合
  • 利用者の家族等が障害や疾病がなくても、そのほかの事情により家事が困難な場合

一部、上記に当てはまらない場合であっても利用者や家族の状況などによって利用可能な場合はありますが、原則として上記のケースに限られます。

介護保険サービスは、利用者ができるだけ自立した生活が送れるように支援することが目的です。しかし、サービスの利用には要介護認定を受ける必要があり、サービス内容も介護保険制度によって定められています。

介護保険サービスは、利用できる対象者やサービス内容に制限があることを抑えておきましょう。

介護保険外サービス(介護保険でカバーされないサービス)の内容

次に介護保険外サービスを解説していきます。

介護保険外サービスには、介護保険制度に定められた範囲を超えて、時代や個人に合わせた多種多様なサービスがあります。

介護保険外サービスの特徴は、介護保険制度による制限なくサービスを選択でき、生活だけでなく趣味活動などを含めてQOLを向上させる支援ができることです。

介護保険外サービスを利用する際は、要介護認定を受ける必要がなく、原則として利用できる対象者に制限はありません。

ただし、介護保険が適応されないため、利用料金は全額自己負担になります。介護保険サービスよりも利用料金が高くなりやすい点に注意しましょう。

介護保険外サービスを運営する組織は、市町村や民間企業など幅広いです。以下に介護保険外サービスを提供する組織の例を挙げます。

  • 市区町村(自治体)
  • 社会福祉協議会
  • 介護事業所
  • 民間企業

運営する組織によって、利用方法や費用などは大きく異なります。

介護保険外サービスは自己負担額が比較的高くなりやすい傾向にはありますが、制度による制限を受けない自由なサービスが可能という特徴を持ちます。

市区町村(自治体)による介護保険外サービス

全国の市区町村が独自に実施する、介護保険外の在宅サービスがあります。

各市区町村によって、サービスの種類や料金、利用条件も異なります。利用する場合は、市区町村に直接問い合わせるか地域包括支援センターに相談、ホームページなどで確認しましょう。

以下は、東京都葛飾区におけるサービス内容の例と費用の目安です。

サービス内容 費用の目安
おむつ配送 自己負担なし
訪問理美容 1回500円程度
配食サービス 1食500〜600円程度
緊急時の通報システム 月700~1,750円程度

参考:葛飾区 在宅生活支援事業

社会福祉協議会やシルバー人材センターによる介護保険外サービス

市区町村に設置されている社会福祉協議会やシルバー人材センターが実施する介護保険外サービスは、要介護認定に関係なく利用できます。しかし、地域によって利用条件やサービス内容は同一ではありません。

以下は、社会福祉協議会やシルバー人材センターによるサービス内容の例と費用の目安です。

サービス内容 費用の目安
家事支援サービス(調理、買い物、草むしりなど) 1時間1,000円程度
介護支援サービス(入院中の世話、外出の付き添いなど) 1時間1,000円程度

民間企業による介護保険外サービス

高齢者支援につながる介護保険外サービスを提供している企業もあります。

サービス内容が豊富・利用制限が少ない・緊急時でも利用しやすいなど多くのメリットがありますが、自治体が提供するサービスよりも一般的に料金が高くなりやすいため、注意が必要です。

以下は、民間企業によるサービス内容の例と費用の目安です。

サービス内容 費用の目安
配食サービス 1食500~700円
家事代行サービス 1時間3,000円程度
送迎サービス(介護タクシー、通院介助など) 1時間2,000~3,000円程度

介護保険外サービスは基本的な生活の支援だけでなく、生活をより豊かにするために活用可能なサービスです。

介護保険外サービスの種類と事例

ここでは、多種多様な介護保険外サービスの種類と具体的な事例をまとめ、一部を紹介していきます。実際には、さらに幅広い介護保険外サービス支援の形があるため、ニーズに合わせて調べてみることが大切になるでしょう。

民間企業によるオリジナルの介護支援サービス

民間企業によって、さまざまな介護支援サービスが展開されています。具体的なサービス内容とメリットは以下の通りです。

コンシェルジェサービス

コンシェルジュサービスとは、家事代行・生活支援サービスの一種です。

複数ある生活支援サービスの中から、必要な項目を組み合わせ、自分のライフスタイルに合った包括的なサービスを受けられます。

【メリット】

  • 介護保険サービスとは異なり、外出の付き添いやアイロンがけなどの介護保険の範囲を超えたサービスを利用できる
  • 市区町村が提供するパッケージタイプの介護保険外サービスとは異なり、自分で必要なサービスを組み合わせることができる

利用者や家族の生活状況に合わせたサービスを組み合わせることで、よりきめ細やかなサービスを選択できます。

寝具衛生加工サービス

家事代行・生活支援サービスの一種で、自宅の寝具を預かり、専用機器で「水洗い」または「乾燥・消毒」を行うサービスです。

身体機能が低下した方は、重たい物を運ぶ作業が困難になりやすく、布団を干すことは難しい家事の1つになる可能性があるでしょう。

寝具衛生加工サービスを利用することによって、布団を干すという家事をしなくても、清潔な寝具で眠れます。

メリット】

  • 介護保険内サービスでは実施できない、寝具の掃除サービスが利用できる
  • 専用機器を用いた寝具の衛生加工サービスが利用できる

清潔な布団で生活することは、衛生環境の改善につながり、QOLの向上も図れます。布団を干すことが身体的に難しい方、密集住宅など環境上の理由で衛生管理が困難な方に有益なサービスです。

高齢者の「救急」「日常」見守りサービス

救急と日常の両方の安全をサポートする見守りサービスの一種です。

救急見守りサービスはGPS付き専用端末が配布され、救急時には端末を握るだけで通報ができ、緊急対応員が現場に急行します。

日常見守りサービスは廊下やトイレ前などの生活導線にセンサーを設置し、センサーに一定時間動きがない場合は異常信号を送信し、担当対応員が確認に駆けつけます。

【メリット】

  • 介護保険サービスでは難しい、自宅での救急と日常の見守りサービスを利用できる。
  • 市区町村では実施が難しい専用機器の配布や設置により、質の高い見守りサービスを利用できる。

見守りサービスは、利用者の安全だけでなく「離れて暮らす両親が心配」といった家族のニーズにも対応したサービスです。

トラベルヘルパーサービス(介護旅行)

外出支援サービスの一種で、旅行の介助に付き添うサービスです。

身体機能の低下などを理由に、長距離の移動や旅行をあきらめている高齢者と家族は少なからずいることでしょう。

トラベルヘルパーサービスでは身体状況や旅行に参加する方の構成、移動手段など利用者ごとに異なる状況に対して、安心して外出できるよう支援します。

【メリット】

  • 旅行(外出)の介助がしてもらえること

トラベルヘルパーサービスは、趣味の旅行支援をするだけではありません。「お墓参りや家族の結婚式に出席したい」などの要望にも対応できます。

普段見れない景色や話せない人との交流は、生きがいやQOLの向上にもつながります。

参考:地域包括ケアシステム構築に向けた公的介護保険外サービスの参考事例集 保険外サービス活用ガイドブック

介護サービス事業者による介護保険外サービスとは

介護保険サービスを提供する事業所でも、介護保険外サービスを提供していることがあります。

介護保険外サービスは、介護サービス事業所を利用している要介護者に限りません。介護認定を受けていない高齢者も利用可能です。

利用を希望する際には、要介護者であれば担当ケアマネジャーに相談すると良いでしょう。

介護認定を受けておらず、ケアマネジャーがまだ決まっていない方は、地域包括支援センターや各事業所に問い合わせる必要があります。

サービス利用料金に関して、介護保険サービスと介護保険外サービスで負担額が異なるため注意が必要です。

以下に訪問介護と通所介護で行いやすい介護保険外サービスの一例について紹介します。

通所介護(デイサービス)で行える介護保険外サービス 訪問介護で行える介護保険外サービス
・通所へのお泊りデイサービス
・理容、美容サービス
・デイサービス内でのお弁当等の物販サービス
・買い物代行サービス
・見守りサービス
・配食サービス
・買い物代行サービス
・趣味などの外出支援サービス
・ペットの世話や散歩生活に必要な範囲を超えた大掃除

介護保険サービスだけでは、すべてのニーズに対応できるとは限りません。介護保険外サービスを利用することで、一人ひとりの生活に合わせたサービスが提供しやすくなります。

その人らしく快適な生活を送るために介護保険外サービスを検討するのも大切な視点です。

介護保険外サービスを提供する際の注意点

一人ひとりのニーズに合わせて多種多様なサービスを利用できる介護保険外サービスですが、いくつか注意が必要です。

ここでは、介護保険外サービスを利用する際の注意点を紹介します。

利用者の費用負担が増える

最も注意するべきことは、利用者の費用負担が増えることです。

介護保険サービスの費用負担は1〜3割が自己負担であるのに対して、介護保険外サービスの費用負担は10割(全額)が自己負担となります。

利用者は費用負担を考慮したうえで、サービスを選択する必要があります。費用に不安がある場合は、住んでいる市区町村が運営している介護保険外サービスを確認すると良いでしょう。

市区町村が実施している介護保険外サービスは、比較的安価な場合があります。サービス内容が同じ場合は、自治体が実施しているサービスを選ぶことで負担額を抑えられる可能性があります。

ただし、市区町村ごとに利用条件や費用など異なるため、利用の際には住んでいる市区町村役所や地域包括支援センターに問い合わせましょう。

ケアマネジャーの業務負担が増える

介護保険外サービスを提供すると、ケアマネジャーの業務負担が増えるため、注意しましょう。

ケアプランの作成は、利用者の身体や生活状況、利用者家族の希望や生活事情を考慮したうえで、サービス内容や費用を把握することが必要です。

そのため、介護保険サービスとは別に、介護保険外サービスに関する説明や同意、書類作成が業務に加わります。

介護保険外サービスの利用に伴い、ケアマネジャーの業務量が増えることは知っておくと良いでしょう。

関連法規の確認が重要

介護施設が介護保険外サービスを提供する際には、関連法規の確認が重要です。介護保険外サービスを提供することで、サービスの範囲が広がり、収益の拡大も見込めます。

介護保険外サービスを提供する際の注意点を以下に紹介します。

  • 運営規定:介護保険サービスの運営規定とは別に介護保険外サービスの運営方針や料金などの運営規定を定める
  • 時間:訪問介護や通所介護の提供時間に介護保険外サービスを含めてはいけない
  • スタッフ関連:同一スタッフが連続して介護保険サービスと保険外サービスを実施してはいけない、常勤の専従スタッフは介護保険外サービスを実施してはいけない
  • 利用者への説明と同意:契約書と重要事項の説明書を用意する、利用費用を明示した資料を用意する、介護保険サービスと介護保険外サービスは別であることを説明し同意を得る
  • 請求:介護保険サービスとは別に領収書や請求書を作成する

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生活に合わせた介護保険外サービスによって自立支援とQOL向上が期待できる

介護保険外サービスについて、メリットやデメリット、サービスの種類について解説しました。

介護保険外サービスは多種多様なサービスがあり、利用者のニーズに広く対応できます。

利用者の自立支援や介護負担の軽減だけでなく、趣味活動の支援などによってQOLの向上も期待できます。

また介護保険サービスと介護保険外サービスを併用することで、介護保険サービスだけでは補えない範囲をカバーできます。

ただし、介護保険外サービスは全額自己負担となるため、サービスを利用する際は負担金額に注意しましょう。

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この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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