訪問入浴介護における指定基準|人員、設備、運営、基準該当居宅サービスについて

介護保険法

通所介護以外

更新日:2024/07/29

厚生労働省(2016)の指定居宅サービス等の事業の人員や設備、運営、基準該当居宅サービスに関する訪問入浴介護における指定基準を抜粋してご紹介します。

第一節 基本方針

【基本方針】
第四十四条 
指定居宅サービスに該当する訪問入浴介護(以下「指定訪問入浴介護」という。)の事業は、要介護状態となった場合においても、その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、居宅における入浴の援助を行うことによって、利用者の身体の清潔の保持、心身機能の維持等を図るものでなければならない。

入浴介助について詳しく知りたい方はこちら
入浴介助の目的・洗い方の手順 8つの注意点

第二節 人員に関する基準

【従業者の員数】
第四十五条
1.指定訪問入浴介護の事業を行う者(以下「指定訪問入浴介護事業者」という。)が当該事業を行う事業所(以下「指定訪問入浴介護事業所」という。)ごとに置くべき指定訪問入浴介護の提供に当たる従業者(以下この節から第四節までにおいて「訪問入浴介護従業者」という。)の員数は、次のとおりとする。

一  看護師又は准看護師(以下この章において「看護職員」という。) 一以上

二  介護職員 二以上

2.前項の訪問入浴介護従業者のうち一人以上は、常勤でなければならない。

3.指定訪問入浴介護事業者が指定介護予防訪問入浴介護事業者(指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準 (平成十八年厚生労働省令第三十五号。以下「指定介護予防サービス等基準」という。)第四十七条第一項 に規定する指定介護予防訪問入浴介護事業者をいう。以下同じ。)の指定を併せて受け、かつ、指定訪問入浴介護の事業と指定介護予防訪問入浴介護(指定介護予防サービス等基準第四十六条 に規定する指定介護予防訪問入浴介護をいう。以下同じ。)の事業とが同一の事業所において一体的に運営されている場合については、指定介護予防サービス等基準第四十七条第一項及び第二項 に規定する人員に関する基準を満たすことに加え、介護職員を一人置くことをもって、前二項に規定する基準を満たしているものとみなすことができる。


【管理者】
第四十六条
指定訪問入浴介護事業者は、指定訪問入浴介護事業所ごとに専らその職務に従事する常勤の管理者を置かなければならない。ただし、指定訪問入浴介護事業所の管理上支障がない場合は、当該指定訪問入浴介護事業所の他の職務に従事し、又は同一敷地内にある他の事業所、施設等の職務に従事することができるものとする。

第三節 設備に関する基準

【設備及び備品等】
第四十七条
1.指定訪問入浴介護事業所には、事業の運営を行うために必要な広さを有する専用の区画を設けるほか、指定訪問入浴介護の提供に必要な浴槽等の設備及び備品等を備えなければならない。

2.指定訪問入浴介護事業者が指定介護予防訪問入浴介護事業者の指定を併せて受け、かつ、指定訪問入浴介護の事業と指定介護予防訪問入浴介護の事業とが同一の事業所において一体的に運営されている場合については、指定介護予防サービス等基準第四十九条第一項 に規定する設備に関する基準を満たすことをもって、前項に規定する基準を満たしているものとみなすことができる。

第四節 運営に関する基準

【利用料等の受領】
第四十八条
1.指定訪問入浴介護事業者は、法定代理受領サービスに該当する指定訪問入浴介護を提供した際には、その利用者から利用料の一部として、当該指定訪問入浴介護に係る居宅介護サービス費用基準額から当該指定訪問入浴介護事業者に支払われる居宅介護サービス費の額を控除して得た額の支払を受けるものとする。

2.指定訪問入浴介護事業者は、法定代理受領サービスに該当しない指定訪問入浴介護を提供した際にその利用者から支払を受ける利用料の額と、指定訪問入浴介護に係る居宅介護サービス費用基準額との間に、不合理な差額が生じないようにしなければならない。

3.指定訪問入浴介護事業者は、前二項の支払を受ける額のほか、次の各号に掲げる費用の額の支払を利用者から受けることができる。

一  利用者の選定により通常の事業の実施地域以外の地域の居宅において指定訪問入浴介護を行う場合のそれに要する交通費

二  利用者の選定により提供される特別な浴槽水等に係る費用

4.指定訪問入浴介護事業者は、前項の費用の額に係るサービスの提供に当たっては、あらかじめ、利用者又はその家族に対し、当該サービスの内容及び費用について説明を行い、利用者の同意を得なければならない。


【指定訪問入浴介護の基本取扱方針】
第四十九条
1.指定訪問入浴介護は、利用者の要介護状態の軽減又は悪化の防止に資するよう、利用者の状態に応じて、適切に行われなければならない。

2.指定訪問入浴介護事業者は、自らその提供する指定訪問入浴介護の質の評価を行い、常にその改善を図らなければならない。


【指定訪問入浴介護の具体的取扱方針】
第五十条
訪問入浴介護従業者の行う指定訪問入浴介護の方針は、次に掲げるところによるものとする。

一  指定訪問入浴介護の提供に当たっては、常に利用者の心身の状況、希望及びその置かれている環境を踏まえ、必要なサービスを適切に提供する。

二  指定訪問入浴介護の提供に当たっては、懇切丁寧に行うことを旨とし、利用者又はその家族に対し、サービスの提供方法等について、理解しやすいように説明を行う。

三  指定訪問入浴介護の提供に当たっては、介護技術の進歩に対応し、適切な介護技術をもってサービスの提供を行う。

四  指定訪問入浴介護の提供は、一回の訪問につき、看護職員一人及び介護職員二人をもって行うものとし、これらの者のうち一人を当該サービスの提供の責任者とする。ただし、利用者の身体の状況が安定していること等から、入浴により利用者の身体の状況等に支障を生ずるおそれがないと認められる場合においては、主治の医師の意見を確認した上で、看護職員に代えて介護職員を充てることができる。

五  指定訪問入浴介護の提供に当たっては、サービスの提供に用いる設備、器具その他の用品の使用に際して安全及び清潔の保持に留意し、特に利用者の身体に接触する設備、器具その他の用品については、サービスの提供ごとに消毒したものを使用する。


【緊急時等の対応】
第五十一条
訪問入浴介護従業者は、現に指定訪問入浴介護の提供を行っているときに利用者に病状の急変が生じた場合その他必要な場合は、速やかに主治の医師又はあらかじめ当該指定訪問入浴介護事業者が定めた協力医療機関への連絡を行う等の必要な措置を講じなければならない。


【管理者の責務】
第五十二条
1.指定訪問入浴介護事業所の管理者は、指定訪問入浴介護事業所の従業者の管理及び指定訪問入浴介護の利用の申込みに係る調整、業務の実施状況の把握その他の管理を一元的に行うものとする。

2.指定訪問入浴介護事業所の管理者は、当該指定訪問入浴介護事業所の従業者にこの節の規定を遵守させるため必要な指揮命令を行うものとする。


【運営規程】
第五十三条
指定訪問入浴介護事業者は、指定訪問入浴介護事業所ごとに、次に掲げる事業の運営についての重要事項に関する規程(以下この章において「運営規程」という。)を定めておかなければならない。

一  事業の目的及び運営の方針
二  従業者の職種、員数及び職務の内容
三  営業日及び営業時間
四  指定訪問入浴介護の内容及び利用料その他の費用の額
五  通常の事業の実施地域
六  サービスの利用に当たっての留意事項
七  緊急時等における対応方法
八  その他運営に関する重要事項


【記録の整備】
第五十三条の二
1.指定訪問入浴介護事業者は、従業者、設備、備品及び会計に関する諸記録を整備しておかなければならない。

2.指定訪問入浴介護事業者は、利用者に対する指定訪問入浴介護の提供に関する次の各号に掲げる記録を整備し、その完結の日から二年間保存しなければならない。

一  次条において準用する第十九条第二項に規定する提供した具体的なサービスの内容等の記録

二  次条において準用する第二十六条に規定する市町村への通知に係る記録

三  次条において準用する第三十六条第二項に規定する苦情の内容等の記録

四  次条において準用する第三十七条第二項に規定する事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録


【準用】
第五十四条
第八条から第十九条まで、第二十一条、第二十六条及び第三十条から第三十八条までの規定は、指定訪問入浴介護の事業について準用する。この場合において、これらの規定中「訪問介護員等」とあるのは「訪問入浴介護従業者」と、第八条中「第二十九条」とあるのは「第五十三条」と、第三十一条中「設備及び備品等」とあるのは「指定訪問入浴介護に用いる浴槽その他の設備及び備品等」と読み替えるものとする。

第五節 基準該当居宅サービスに関する基準

【従業者の員数】
第五十五条
1.基準該当居宅サービスに該当する訪問入浴介護又はこれに相当するサービス(以下「基準該当訪問入浴介護」という。)の事業を行う者が、当該事業を行う事業所(以下「基準該当訪問入浴介護事業所」という。)ごとに置くべき基準該当訪問入浴介護の提供に当たる従業者(以下この節において「訪問入浴介護従業者」という。)の員数は、次のとおりとする。

一  看護職員 一以上
二  介護職員 二以上

2.基準該当訪問入浴介護の事業と基準該当介護予防訪問入浴介護(指定介護予防サービス等基準第五十八条第一項 に規定する基準該当介護予防訪問入浴介護をいう。以下同じ。)の事業とが、同一の事業者により同一の事業所において一体的に運営されている場合については、同項 に規定する人員に関する基準を満たすことに加え、介護職員を一人置くことをもって、前項に規定する基準を満たしているものとみなすことができる。


【管理者】
第五十六条
基準該当訪問入浴介護事業者は、基準該当訪問入浴介護事業所ごとに専らその職務に従事する管理者を置かなければならない。ただし、基準該当訪問入浴介護事業所の管理上支障がない場合は、当該基準該当訪問入浴介護事業所の他の職務に従事し、又は同一敷地内にある他の事業所、施設等の職務に従事することができるものとする。


【設備及び備品等】
第五十七条
1.基準該当訪問入浴介護事業所には、事業の運営を行うために必要な広さの区画を設けるほか、基準該当訪問入浴介護の提供に必要な浴槽等の設備及び備品等を備えなければならない。

2.基準該当訪問入浴介護の事業と基準該当介護予防訪問入浴介護の事業とが、同一の事業者により同一の事業所において一体的に運営される場合については、指定介護予防サービス等基準第六十条第一項 に規定する設備に関する基準を満たすことをもって、前項に規定する基準を満たしているものとみなすことができる。


【準用】
第五十八条
第八条から第十四条まで、第十六条から第十九条まで、第二十一条、第二十六条、第三十条から第三十五条まで、第三十六条(第五項及び第六項を除く。)、第三十六条の二から第三十八条まで及び第四十四条並びに第四節(第四十八条第一項及び第五十四条を除く。)の規定は、基準該当訪問入浴介護の事業について準用する。この場合において、これらの規定中「訪問介護員等」とあるのは「訪問入浴介護従業者」と、第八条中「第二十九条」とあるのは「第五十三条」と、第十九条中「内容、当該指定訪問介護について法第四十一条第六項 の規定により利用者に代わって支払を受ける居宅介護サービス費の額」とあるのは「内容」と、第二十一条中「法定代理受領サービスに該当しない指定訪問介護」とあるのは「基準該当訪問入浴介護」と、第三十一条中「設備及び備品等」とあるのは「基準該当訪問入浴介護に用いる浴槽その他の設備及び備品等」と、第四十八条第二項中「法定代理受領サービスに該当しない指定訪問入浴介護」とあるのは「基準該当訪問入浴介護」と、同条第三項中「前二項」とあるのは「前項」と読み替えるものとする。

加算算定、書類業務でお困りならRehab Cloudがおすすめ

日々の加算算定業務や記録業務などで苦労されている人も多いのではないでしょうか?科学的介護ソフト「Rehab Cloud」であれば、現場で抱えがちなお悩みを解決に導くことができます。

例えば、加算算定業務であれば、計画書作成や評価のタイミングなど、算定要件に沿ってご案内。初めての加算算定でも安心して取り組めます。さらに、個別性の高い計画書は最短3分で作成できます。

記録した内容は各種帳票へ自動で連携するため、何度も同じ内容を転記することがなくなります。また、文章作成が苦手な方でも、定型文から文章を作成できるので、簡単に連絡帳が作成できるなど、日々の記録や書類業務を楽にする機能が備わっています。

⇒資料のダウンロードはこちらから

この記事の著者

作業療法士  藤本 卓

作業療法士として大手救急病院に入職。救急医療や訪問リハビリ、回復期リハビリテーション病院の管理職として従事後、株式会社Rehab for JAPANに参画。作業療法士、呼吸療法認定士、住環境福祉コーディネーター1級、メンタルヘルスマネジメント検定Ⅱ種、生活習慣病アドバイザーの資格を有し、専門的な知識と現場での知見を元に、事業所の支援を行う。機能特化型デイサービスでは、2ヶ月で「稼働率72%から95%に」アップさせるなどの実績をもつ。

関連記事