個別機能訓練計画書|効率的な作成方法・おさえるべきポイントとは
介護保険法
2024/11/06
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基本報酬
更新日:2024/08/01
運営指導マニュアル(実地指導マニュアル)とは、通所介護などの介護事業所の運営指導(旧 実地指導)における基礎的な知識やサービスの質の向上につながる指導方法を令和4年に厚生労働省がまとめた資料です。本稿では、運営指導マニュアルを参考にその内容についてご紹介します。
この記事の目次
運営指導マニュアルとは、厚生労働省が作成し、通所介護事業所などの運営指導(旧 実地指導)に対する基礎的な知識やサービスの質の確保・向上につながる指導方法等をまとめたものです。
令和4年3月に、介護保険施設等運営指導マニュアルが厚生労働省老健局総務課介護保険指導室から発出されています。
今後の集団指導や各種研修の場を通じて、全ての介護サービスを提供する事業者等に対して、ケアマネジメントの重要性をはじめ、制度の趣旨目的や方向等についての理解の促進を図るようにしたものです。
元々このマニュアルの本旨は、行政の支援方策として、指導監督担当職員が運営指導の際に「どのような方法で行ったらよいのか?」という見地から、 業務遂行の一助となるよう作られたものです。
介護事業所で6年に1度のペースで行われる運営指導について、その目的や指導内容、当日の流れについて知りたい方は、下記の記事をご参考ください。
▶︎実地指導とは|監査との違いを理解しよう
ここからは、令和4年3月に厚生労働省老健局総務課介護保険指導室から発出された介護保険施設等運営指導マニュアルの一部を抜粋して紹介します。
第2節 指導の目的
1 サービスの質の確保と保険給付の適正化
介護保険制度において、サービスの直接的な担い手である介護保険施設等には、利用者の尊厳を守り、かつ質の高いサービス提供が求められています。国及び地方自治体は、指導により、介護保険施設等が適正なサービスを行うことができるよう支援し、「介護給付等対象サービスの取扱い」及び「介護報酬の請求」に関する「周知の徹底」を図り、「サービスの質の確保」や「保険給付の適正化」が果たされるよう努めなければなりません。なお、介護保険施設等には法令等遵守のための業務管理体制5を構築する義務があり、自ら法令等(運営基準6や報酬基準7を含む)を遵守する責任があります。
2 指導は行政指導
指導とは、文字通り行政が行う指導、つまり、行政手続法(平成5年法律第88号)(以下「行政手続法」という。)第32条に基づく行政指導であり、行政機関が相手方に一定の作為又は不作為を行わせようとする行為です。行政指導は、法律上の拘束力を有する手段によって求める内容を実現しようとする処分行為ではなく、あくまで相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであることから、強制力はありません。介護保険施設等の側に運営基準違反や介護報酬の不正請求等が認められる場合又はそのおそれがある場合は、監査を行い違反等の事実関係を明確にした上で、運営基準違反や介護報酬の不正請求等が認められる場合は、公正かつ適切な措置として、勧告8又は指定取消等の行政処分を行う必要があります。なお、行政手続法第32条第2項の規定により、行政指導に従わなかったことのみを理由に行政処分(不利益処分)を行うことはできないことに留意する必要があります。介護保険施設等が行政指導に従わなかった場合は、その理由等を分析し、対応を十分検討しなくてはなりません。介護保険施設等の側に何らかの法令違反等があるかその疑いがあると認められる場合は、監査9を行った上で、事実関係を明確にし、公正かつ適切な措置をとる必要があります。
続いて、運営指導マニュアルの中の「指導の実施計画」についてご紹介します。
第3節 集団指導の実施計画
集団指導は、指定又は許可を行った介護保険施設等に対し、毎年度1回以上実施しますが、必要な情報が確実に伝わるよう、また介護保険施設等の支援となるような実施計画づくりが求められます。
第4節 運営指導の実施計画
運営指導は、指定又は許可した介護保険施設等について、少なくとも指定有効期間(6年)中に1回以上は実施します。これは最低でも1回ということで、地域の実情等、必要に応じ、その期間の範囲で複数回実施することも可能です。
また、施設系サービスや居住系サービスについては、そこが利用者の生活の場であること等を考慮し、3年に1回の頻度で運営指導を行うことが望ましいと考えられます。
続いて、運営指導マニュアルにおける「指導の形態」についてご紹介します。
1 指導の方法
指導の方法には、集団指導と運営指導とがあり、いずれも介護保険施設等の適正な運営の確保のために行う支援及び育成の観点から行われるものです。
集団指導は、正確な情報の伝達・共有による不正等の行為の未然防止を目標としており、いわば介護保険施設等に対し情報のインプットを図るものです。つまり、介護保険施設等が介護保険制度に基づくサービスを適正に行うためには、正確な情報が必要となるため、行政機関は、必要な情報の発信及び伝達について、漏れの無いように確実かつ一斉に行う必要があります。
一方、運営指導は、介護保険施設等ごとに、介護サービスの質、運営体制、介護報酬請求の実施状況等の確認のため、原則、実地に行うものです。また、運営指導は、集団指導で発信及び伝達した情報が確実に介護保険施設等の側に届いているか確かめる機会、つまり、介護保険施設等が行うサービスについて、日々のサービスで正しくアウトプットができているか確認する機会であるともいえます。
このように集団指導と運営指導は、指導という車の両輪であり、特に集団指導により情報のインプットを確実に行うことで、運営指導が効果的に行うことができるものと考えられます。し、当日使用した資料を送付する等、その内容等について周知する。 また、市町村が集団指導を実施した場合には、都道府県に対し、当日使用した資料を送付する等、情報提供を行う。
続いて、運営指導マニュアルの中から「運営指導の実施」についてご紹介します。
第4節 運営指導の実施計画
1 実施頻度
運営指導は、指定又は許可した一の介護保険施設等について、少なくとも指定有効期間(6年)中に1回以上は実施します。これは最低でも1回ということで、地域の実情等、必要に応じ、その期間の範囲で複数回実施することも可能です。
また、施設系サービスや居住系サービスについては、そこが利用者の生活の場であること等を考慮し、3年に1回の頻度で運営指導を行うことが望ましい
2 運営指導の形態の検討
運営指導には、自治体単独で行う一般指導と、国と都道府県又は市町村、都道府県と市町村とで実施する合同指導がありますが、あらかじめ合同指導を実施することが決まっていない場合は、まずは一般指導としてどの介護保険施設等を実施対象とするかを決めておき、国又は都道府県からの依頼に応じて対応を検討しましょう。
3 運営指導の内容運営指導は、
・利用者一人ひとりが受けた個別のサービスの質及びサービス提供の基礎である施設設備を確認する「介護サービスの実施状況指導」
・人員及び運営の基準に規定する運営体制を確認する「最低基準等運営体制指導」
・加算等の介護報酬請求の適正実施の確保のために行う「報酬請求指導」
の3種類があります。基本的には、これらは本マニュアルで定めた確認項目及び確認文書に基づき、併せて行うことを想定していますが、状況によってはそれぞれ実施時期を分けて実施することも可能です。
最後に、運営指導マニュアルの「監査への変更」についてご紹介します。
運営指導を中止して直ちに監査へ変更する必要があるのは次のような場合です。なお、運営指導の過程で法令違反や不正等があることが明らかである場合はもとより、その「疑い」がある場合についても、それが事実であるか確認する必要があるため監査の実施が不可欠です。
1 人員、施設設備、運営基準に従っていない状況が著しいと認められる場合 又はその疑いがある場合
2 介護報酬請求について不正又は不正の疑いがある場合
3 不正の手段による指定等又はその疑いがある場合
4 高齢者虐待等がある又はその疑いがある場合
ここまで、厚生労働省が作成して、全国老人保健施設協会などで掲載している運営指導マニュアルを参考にしながら「運営指導の目的」「指導の実施計画」「指導形態」「運営指導の実施」「監査への変更」についてまとめてご紹介しました。
デイサービスを運営する上では介護保険法に則ることが必須となります。しかしながら、介護保険法の改定は、3年に1度行われることや自治体によってもルールが異なることもあり運営指導や監査が不安と思う方も多いのではないでしょうか?
今回の記事をご覧になっていただくことで、運営指導への不安が少しでも解消されれば幸いです。
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これら経営や運営に関する記事を一挙にまとめていますので、該当する記事を読んでいただき少しでも参考にしていただけたらと思います。
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