機能訓練指導員の仕事内容とは?必要な資格と配置でとれる加算
介護保険法
2025/01/28
介護保険法
基本報酬
更新日:2024/11/05
送迎業務は通所介護施設において毎日必ず行う大切な業務です。送迎は、利用者を安全に移動させるだけでなく、介護報酬においても重要なポイントがあります。送迎業務のルールや範囲、送迎記録、必要な資格、居宅内介助の要件、送迎減算、介護報酬で改訂された点についてまとめましたので、ぜひご一読ください。
この記事の目次
⇒デイサービスの加算5つ全てが簡単クリックで完成!<資料をみる>
デイサービス の送迎業務は、利用者を自宅からデイサービスまで送迎する仕事を指します。交通手段のない方や身体の不自由な方でも安全に負担なく通えるように、一般的に車で利用者を送迎します。
デイサービスの送迎に関係する業務には以下の内容が含まれます。
車両の運転に関することだけではなく、利用者の乗降介助や利用者家族とのコミュニケーションをとり、スタッフと情報共有することも重要です。
また、デイサービスにおける送迎業務は介護報酬においても重要な側面があります。
デイサービスの送迎は業務として義務付けられていませんが、送迎を行わない際には送迎減算が発生し、事業所の収益にマイナスの影響を及ぼします。
送迎業務は利用者が安全に通うために必要なサービスで、報酬の面でも重要な業務です。
⇒個別機能訓練加算の計画書作成から機能訓練、日々の書類業務をトータルサポート!<資料をみる>
ここでは、送迎のルールと範囲について解説します。
送迎のルールや注意点については以下の記事でも紹介しています。ぜひご一読ください。
▶︎デイサービスの送迎ルールと注意点|免許や資格・違反や事故について
デイサービスの送迎範囲は、利用者の自宅から施設までが原則です。
ただ、転倒のリスクが高い利用者を送迎する場合は、自室のベッドに座るところまで移動を介助することもあるでしょう。
デイサービスの送迎では基本的に、駅や病院など自宅以外の場所に送迎することはできません。しかし、利用者や家族にやむを得ない事情がある場合は、自宅以外への送迎が可能になることもあります。
介護報酬に係る解釈や判断については市町村へ相談する必要があるため、各自治体に確認してください。
また、デイサービスから病院までの送迎に関して、令和3年度の介護報酬改定により通院等乗降介助が見直されました。ただし、自宅から事業所というルートの送迎を行わない場合、送迎減算が適応されるので注意しましょう。
⇒転記のいらない記録を実現!間接業務の負担軽減で介護現場と向き合える<資料をみる>
デイサービスの送迎に必要な資格は、普通自動車第一種免許です。事業所の規模が大きく、バスで送迎する場合には中型や大型の自動車運転免許が必要になります。
デイサービスの送迎に関しては、厚生労働省と国土交通省によって道路運送法で規定されています。
平成18年に改訂された道路運送法の第40号によると、デイサービスの送迎は自家輸送扱いであることが認められています。そのため、デイサービスの送迎業務のみに使用する車両は、緑ナンバー(営業用自動車ナンバー)である必要はありません。
通常の白ナンバー(貨物運送事業や旅客運送事業に使用しない車両ナンバー)車両で、普通自動車第一種免許を取得していれば送迎が可能です。ただし、改正道路運送法の第40号では「安全確保や向上の観点から道路運送法の許可を受けた旅客自動車運送業者への送迎輸送の外部委託等を促進する」と記載があります。
デイサービスの送迎を自家輸送として認めていますが、今後は送迎業務を外部に委託する法改正の可能性も考えられるでしょう。
また、送迎業務では、普通自動車第一種免許の他に介護資格の所有が推奨されます。
送迎だけであれば介護資格は不要ですが、デイサービスの送迎では利用者の乗降介助が必要となるケースは少なくありません。必要な介護スキルを身につけていれば、乗降や自宅内での身体介助時に利用者のサポートが安全に行えるでしょう。
また、介護福祉士や介護職員初任者研修の修了など介護資格を保有している者であれば、送迎時に居宅内介助サービスも可能です。
参考:介護輸送に係る法的取扱いについて, 平成18年9月, 国土交通省自動車交通局旅客課、厚生労働省老健局振興課、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課
送迎できる距離や時間について、明確な決まりはなく、事務所ごとに異なります。事業所ごとに運営規定などで実施地域を定めています。
地区によっては介護施設が非常に少ない場合もあり、他地域まで長時間の送迎が必要になるケースもあるでしょう。
ただし、利用者の耐えられる乗車時間、交通事情、送迎職員の負担などから、片道30分程度の送迎が一般的です。
送迎を行ったときには、通所介護の提供時間が適正かを確認するために、送迎記録が必要です。通所介護の運営指導(旧 実地指導)の確認文書に「送迎記録」が入っています。
記録のない送迎は、そもそもサービス提供した証拠がないということになってしまうため、不備なく記録をすることが重要です。
送迎記録の記載内容の例として以下が挙げられます。
送迎記録に限らず、介護保険において記録を残すことは、仕事を実施した証明として重要です。
デイサービスやデイケアなどの通所サービスでは、多くの利用者の送迎を行うこととなっており、もしも送迎を行わない計画となっている利用者がいる場合には片道につき47単位を所定単位数から減算する送迎減算という形で扱うことになっています。
デイサービスの送迎業務は、巡回バスのようにただ運行を行うだけでなく、計画された時刻に利用者が安全に乗降できる場所に停車し、利用者に安全に乗車していただく介助を一人一人に合わせて行います。また、必要な持ち物や内服薬などの忘れ物がないか確認したり、家族から健康状態などの連絡事項を聞いたり、非常に複雑な業務となっています。
さらに、車椅子対応の福祉車両では、リフトやスロープ、車椅子のロック、車椅子用3点シートベルトなど、通常の車両にはない特殊な操作が必要になります。
これらの操作方法などは、新任者の研修などでささっと伝達するだけで覚えられるようなものではなく、送迎業務で繰り返し研修することで正しい操作方法を理解し、実践できる状態にしないといけません。
また、事故や家族の不在など例外的なことが起きることも多々あり、その際にどう対応するかなどをあらかじめ決めておくと役立ちます。
送迎を担当する職員は、施設の外で緊張して不安を感じながら運転を行なっているので、業務の内容やどこまで対応可能であるかなどのルールを可能な範囲で明確にして管理していくことが望ましいです。
送迎業務に関するマニュアル作成について知りたい方は、以下の記事をご一読ください。
▶︎デイサービスの送迎業務マニュアルの作り方|緊急対応・事故報告書まで解説
デイサービスの送迎業務を実施する際の注意点について解説します。
⇒転記のいらない記録を実現!間接業務の負担軽減で介護現場と向き合える<資料をみる>
令和3年度の介護報酬改定により、送迎時に実施する着替えやベッドへの移乗など居宅内介護にかかる時間を、デイサービスの提供時間に含めて計算してよいと示されました。
条件は、以下の2つです。
居宅内介護の時間は1日30分以内を限度とされているため注意しましょう。
居宅内介護を提供することによって、送迎時に必ずしも家族が付き添わなくてもよくなり、デイサービスはより利用しやすくなりました。
デイサービスの送迎記録は事業所が適正にサービス提供を行っていることを証する証拠として扱われます。
介護保険の運営基準上は送迎時間の記録を残すことを要件として明示はしていませんが、送迎時間の記録を残すことには以下のようなメリットがあります。
このようなメリットがあるため、自治体により若干指導の異なる部分ではありますが、送迎時間についての記録は残しておいたほうが望ましいと思います。
そのため、利用者の送迎時間については交通渋滞や乗車に時間がかかってしまうことなどもある程度織り込んで、現実的に余裕をもって行える時間に設定をするようにしましょう。
利用者への送迎時刻の連絡方法については、主に以下の方法で行なっていることが多いです。
事業所の規模、サービス提供時間、車両大きさや車両数によって、自施設で最もよい送迎業務の運営方法を考えてみてください。
送迎の記録方法に関して、厚生労働省などから推奨されている記録様式はありません。
そのため、各事業所の運営や送迎を担当するスタッフの状況を加味して、スタッフの負担が少なく継続しやすい記録様式にすることが大切です。
記録に残す内容についても介護保険の運営基準に規定はありませんが、送迎の出発時間や到着時間などの項目は送迎の管理や運営に役立つため、わかりやすく記録しておくと良いでしょう。
デイサービスなどの通所サービスでは送迎が必須ですが、送迎に関する記録方法や車両の運転記録などについて特に指定された書式や様式はないということを紹介しました。しかし、実務上送迎を担当するドライバーなどが目安の時刻や順番を確認するために運行表を作成している事業所がほとんどです。
【運行表に記載されていると役立つ項目】
【車両管理表の項目と運用】
デイサービスの送迎業務は、車両を適切で安全な状態で管理する必要があります。運行前の車両点検結果、発着時間、距離数、運転者のサインなどを表で管理すると良いでしょう。稀にあるトラブルとして、軽微な事故や車両の傷などがあっても報告がないケースが挙げられます。後日に気が付き、適切にトラブルの処理が行えないことがあるため、こまめなチェックが重要になります。
車両ごとに毎回乗降車時に車両を簡易点検し、みんなで車両を大切に使い、何か異変があった時は速やかに情報共有される雰囲気を作ることが大切になるでしょう。
ここでは送迎減算について解説します。
送迎減算とは、利用者自身が事業所へ通うことや家族などが送迎を行うなどで事業所が送迎を行わない場合に減算される制度です。
送迎減算の内容は以下の通りです。
減算対象となる事業所は以下の通りです。
また「事業所と同一の建物に居住する利用者、または同一建物から通う利用者に通所介護を提供する場合」が減算対象となっている事業所は、送迎減算の適応はされないので注意しましょう。
送迎減算について詳しく知りたい方は、以下の記事をご一読ください。
▶︎【通所介護】送迎減算とは?よくある質問と留意点
デイサービスなどの通所施設での送迎業務を実際に行うと、いろいろな疑問や例外が発生します。業務上心配なこと、添乗する介護職員は必要か、介護報酬上不適切な状態になっていないか、送迎減算の対象ではないかなど調べられる範囲で調べましたのでご参考にどうぞ。
現在のところ、デイサービスなどの通所サービスの送迎車両に添乗者を同乗させるかについての決まりや基準はありません。
各事業所で道路交通法での駐停車のルールの順守や、乗車しているご利用者の安全確保を考え、必要に応じて添乗する職員の配置を実施するということが望ましいと考えられ、指導が行われています。実状としては、添乗職員を絶対につけるという事業者もあれば、原則ドライバー1名で行なっている事業者もあり、様々です。
デイサービスの送迎時間は通所介護の提供時間には含みません。自宅内介助については、この記事で紹介したような条件を満たせば提供時間に含められます。
令和6年度の介護報酬改定において、複数の通所系サービスによる共同送迎が可能になりました。送迎時の利便性の向上や、ドライバーの確保が難しいことを解消する狙いがあります。共同送迎が解禁されたことで、他の介護事業所や福祉サービス事業所との同乗ができるようになりました。
(送迎の範囲について)
○ 利用者の送迎について、利用者の居宅と事業所間の送迎を原則とするが、運営上支障が無く、利用者の居住実態(例えば、近隣の親戚の家)がある場所に限り、当該場所への送迎を可能とする。
(他介護事業所利用者との同乗について)
○ 介護サービス事業所において、他事業所の従業員が自事業所と雇用契約を結び、自事業所の従業員として送迎を行う場合や、委託契約において送迎業務を委託している場合(共同での委託を含む)には、責任の所在等を明確にした上で、他事業所の利用者との同乗を可能とする。
(障害福祉サービス利用者との同乗について)
○ 障害福祉サービス事業所が介護サービス事業所と雇用契約や委託契約(共同での委託を含む)を結んだ場合においても、責任の所在等を明確にした上で、障害福祉サービス事業所の利用者も同乗することを可能とする。
※ なお、この場合の送迎範囲は、利用者の利便性を損うことのない範囲並びに各事業所の通常の事業実施地域範囲内とする。
引用:令和6年度介護報酬改定における改定事項について
今回の記事では、デイサービスにおける送迎業務について送迎のルールや範囲など介護報酬の改定を含め、網羅的にまとめました。これまでに述べた通り、デイサービスにおける送迎は利用者家族との信頼関係作りや介護報酬において、重要な業務といってよいでしょう。
また、令和3年度の介護報酬改定から乗降介助が見直されました。
送迎時に居宅内介護に要した時間も条件によっては通所介護の提供時間に含むことが可能な点に留意しておきましょう。
さらに、令和6年度の介護報酬改定では、複数の通所系サービスによる共同送迎が可能になっています。
今回の内容を用いて、デイサービスにおける送迎業務の質の向上に役立てていただければ幸いです。
日々の加算算定業務や記録業務などで苦労されている人も多いのではないでしょうか?科学的介護ソフト「Rehab Cloud」であれば、現場で抱えがちなお悩みを解決に導くことができます。
例えば、加算算定業務であれば、計画書作成や評価のタイミングなど、算定要件に沿ってご案内。初めての加算算定でも安心して取り組めます。さらに、個別性の高い計画書は最短3分で作成できます。
記録した内容は各種帳票へ自動で連携するため、何度も同じ内容を転記することがなくなります。また、文章作成が苦手な方でも、定型文から文章を作成できるので、簡単に連絡帳が作成できるなど、日々の記録や書類業務を楽にする機能が備わっています。