通所介護の送迎減算とは?減算対象と単位数を解説

介護保険法

基本報酬

更新日:2025/01/27

通所介護で送迎がされない場合に送迎減算として介護報酬上の片道47単位、往復94単位の減算ができ減算対象について厚生労働省からQ&Aも出ています。通所リハビリや認知症対応型通所介護も同様です。徒歩での送迎や同一建物の利用者は減算対象ではありません。今回は、通所介護の送迎をしない場合の減算である送迎減算について、デイサービスまで家族等が送迎した場合や、宿泊サービスを利用した場合など詳しくご紹介します。

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通所介護の送迎減算とは

通所介護の送迎減算とは、通所介護においてご利用者様が自ら介護事業所に通う場合や介護事業所が送迎を行わない場合に、片道につき「マイナス47単位/日」、往復で「マイナス94単位/日」の単位数が介護報酬が減算されることを指しています。

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送迎減算の対象となっているサービス種別

送迎減算の対象となるサービス種別は以下の通りです。

  • 通所介護
  • 地域密着型通所介護
  • 認知症対応型通所介護
  • 通所リハビリテーション

これらのサービスにおいて、利用者の居宅と事業所間の送迎を行わない場合に送迎減算が適用されます。

通所介護では送迎をしない場合に送迎減算の考え方

なぜ通所介護では、ご利用者様の送迎を行わない場合に減算することになったのでしょうか?


現状、同一建物を減算対象としてきた介護報酬の方針の抜け穴として、通所介護の近隣に入所施設や高齢者向け住宅を位置させ、ご利用者様がご自身で通われることも多いようです。実質として同一建物と同じような形の運営となっている通所介護事業所で送迎を行わない場合に、送迎費用を減算することになりました。

また、その一方で、通所介護の送迎時にご利用者の自宅内で介護や介助を行う場合には、その時間を通所介護の利用時間に含めるという仕組みになりました

通所介護の時間区分の見直しなど、実質的には基本報酬が減額されている中で、送迎時の介助が送迎加算となったようなイメージです。居宅での介護サービスは訪問系サービスの役割ではありますが、実態として通所介護の送迎に付き添う職員が担う部分は以前から存在し、利用者のニーズに合わせて柔軟な提供が評価される形になりました。

送迎減算の留意点

送迎減算を正しく適用するためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。まず、送迎の範囲は、利用者の居宅と事業所の間の移動だけでなく、送迎中に病院などの他の場所を経由する場合も含まれる点に注意が必要です。

ただし、送迎減算には適用除外となるケースもあります。例えば、利用者が事業所が指定した特定の場所から自力で移動する場合や、送迎対応が困難な利用者を家族などが送迎する場合などは、送迎減算の対象外となります。

また、他の介護事業所等の利用者との同乗についても、利用者の同意を得るなど、一定の条件下で認められています。

送迎減算の適用除外となるケースについては、その理由を記録しておく必要があります。

さらに、事業所と同一の建物に居住する、または同一建物から通う利用者に通所介護を提供する場合の減算の対象となっている事業所は、送迎減算の対象外となります。同一建物の場合の減算の単位は「94単位/日」で、通所介護で往復の送迎をしない場合の減算額と同様です。

令和6年介護報酬改定での見直しポイント

令和6年介護報酬改定では、通所系サービスにおける送迎に関して、利用者の利便性向上と事業所の人材不足に対応する観点から、以下の3点が見直されました。

1. 送迎先の柔軟化

従来は、送迎減算の対象となる送迎は利用者の自宅と事業所間の移動に限られていましたが、改定後は、利用者の居住実態がある場所であれば、その場所と事業所間の送迎も減算対象外となりました。ただし、サービス提供範囲内で、運営上支障がないことが条件となります。

2. 従業者の柔軟化

他事業所の従業員が自事業所と雇用契約を結び、自事業所の従業員として送迎を行うことが可能となりました。また、委託契約において送迎業務を委託している場合(共同での委託を含む)も、責任の所在等を明確にした上で、他事業所の利用者との同乗が認められるようになりました。

3. 利用者の同乗

介護サービス事業所と障害福祉サービス事業所が雇用契約や委託契約(共同での委託を含む)を結んだ場合、責任の所在等を明確にした上で、障害福祉サービス事業所の利用者も同乗することが可能となりました。ただし、障害福祉サービス事業所は、同一敷地内事業所や併設・隣接事業所など、利用者の利便性を損なわない範囲内の事業所であることが条件となります。

通所介護の送迎減算の減算対象についてのQ&A(厚生労働省より)

厚生労働省のQ&Aをもとに、通所介護の送迎減算に関しての注意事項をご紹介します。

総合事業の送迎減算の考え方

【質問】
以下の場合は送迎減算の対象になるのか。

① 通所型サービスの利用が介護予防サービス計画に位置づけられていた日に、予定していた通所型サービスの提供が行われなかった場合

② 通所型サービスの利用が介護予防サービス計画に位置づけられていた日に、通所型サービスの提供は行われたが、送迎が行われなかった場合(予定していた送迎が中止となった場合を含む)
【回答】

  • 事業者都合・利用者都合を問わず、サービス提供日に利用者の居宅と事業所の間の送迎を実際に行っていたかを確認の上、送迎を行っていなければ送迎減算が適用される。
  • ①については、通所型サービス自体の提供が行われていないため、送迎減算は適用されない。
  • 一方で、②はサービス提供日に利用者の居宅と事業所の間の送迎が行われていないため、送迎減算が適用される。

宿泊サービスを利用した場合の送迎減算の考え方



【質問】

指定通所介護事業所等の設備を利用した宿泊サービスを利用する場合の送迎減算の考え方如何。 

【回答】

宿泊サービスの利用の有無にかかわらず、送迎をしていなければ減算となる。


 

利用者宅に迎えに行ったが結果的に利用者の家族等が送迎した場合の考え方

【質問】
送迎減算は、個別サービス計画上、送迎が往復か片道かを位置付けさせた上で行うことになるため、利用者宅に迎えに行ったが、利用者や家族等の都合で結果的に利用者の家族等が、事業所まで利用者を送った場合には、減算の対象とならないのか。 
【回答】
送迎減算の有無に関しては、個別サービス計画上、送迎が往復か片道かを位置付けさせた上で、実際の送迎の有無を確認の上、送迎を行っていなければ減算となる。
 

事業所の職員が徒歩で利用者の送迎を実施した場合の考え方

【質問】
通所介護等について、事業所の職員が徒歩で利用者の送迎を実施した場合には、 車両による送迎ではないが、送迎を行わない場合の減算対象にはならないと考えて良いか。 
【回答】
徒歩での送迎は、減算の対象にはならない。

参照:厚生労働省 「平成 27 年度介護報酬改定に関するQ&A」 平成 27 年4月1日送付

事業所と同一の建物に居住するご利用者に対する送迎減算の考え方

事業所と同一の建物に居住するご利用者様、または同一建物から通うご利用者様に通所介護を提供する場合は、同一建物減算(マイナス94単位)が適応され、送迎減算は適応されない。送迎減算と同一建物減算を両方適応されるケースは通常は無いということになります。
 

その他の通所介護の減算とは

通所介護の減算には、「送迎減算」以外にも、スタッフが基準よりも少ない場合に減算される「人員基準欠如減算」や、ご利用者の定員がオーバーしてしまっている場合に減算の対象となる「定員超過利用減算」などがあります。

安定的な通所介護の経営をするためには、この減算は死活問題となります。合わせてこちらの減算についても学んでおきましょう!

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まとめ

今回は、「通所介護事業所で送迎を行わない場合の減算」について解説しました。

通所介護の送迎減算は、お近くにお住いのご利用者様がご自身で通われる場合や家族の送迎がある場合、入所施設を併設する通所介護で減算されることが多いようです。

減算の対象者も少なく、片道につき「マイナス47単位/日」、往復で「マイナス94単位/日」の小さな額ですが、通所介護を運営していく上では加算・減算に関する知識は必須となります。

今回の記事が、みなさんが務める介護事業所での加算・減算の算定の参考になれば幸いです。

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この記事の著者

作業療法士  大屋 祐貴

作業療法士として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーション技術を高めるために研修会の立ち上げ等を行う。

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