ADLとIADLの違いとは |介護における定義・項目・アセスメント・評価の違い
現場ノウハウ
2024/11/06
現場ノウハウ
評価
更新日:2024/10/10
FIMは日常生活動作(ADL)の介護量を把握する評価方法で、運動項目と認知項目の計18項目で構成されています。本稿では、FIMの評価の中でもセルフケア(食事・整容・清拭・更衣上半身・更衣下半身・トイレ動作)に関する採点方法を解説していきます。
この記事の目次
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FIMの評価とは、患者様やご利用者様の日常生活動作(ADL)の介護量を把握することができる評価方法です。FIMの評価項目は、運動項目と認知項目の計18項目がありますが、その中でも運動項目の基本的な評価方法(採点基準)は以下の通りです。
【FIMの運動項目の採点基準】
それぞれの項目を1点~7点で評価していきます。
●7点(完全自立)
補助具または介助なしで「自立」して行える。
●6点(修正自立)
時間が掛かる。装具や自助具、服薬が必要。安全性の配慮が必要。
●5点(監視・準備)
監視・準備・指示・促しが必要。
●4点(最小介助)
手で触れる以上の介助は必要ない。「75%以上」は自分で行う。
●3点(中等度介助)
手で触れる以上の介助が必要。「50%〜75%未満」は自分で行う。
●2点(最大介助)
「25%〜50%未満」は自分で行う。
●1点(全介助)
「25%未満」しか自分で行わない。
▶︎FIMを初めて評価する方はこちらの記事がオススメです。
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ADLの能力を評価する「FIMの評価・採点」を行う場合は、3つのポイントを理解しておくことが重要になります。この3つのポイントを理解した上で、運動項目を採点していきましょう。
【FIMの採点ポイント】
では、FIMのセルフケア項目の中でも「食事」の採点方法について解説していきます。
FIMにおける食事の評価は、食事が適切に用意された状態で①適切な食器・道具を使って、②食べ物を口に運ぶ動作から、③咀嚼し、嚥下するまでの3つの工程を評価していきます。
※ただし、配膳・下膳は評価の対象に含みません。
●7点(完全自立)
●6点(修正自立)
●5点(監視・準備)
●4点(最小介助)
●3点(中等度介助)
●2点(最大介助)
●1点(全介助)
▶︎事例1
スプーンで自立しているが、箸は使用していない。
▶︎事例2
配膳前に食べ物をきざんでもらってある。後は誰もいなくでも自分で食べれる。
▶︎事例3
咀嚼や嚥下はできるが、全くご飯を食べず、経管栄養である。
次に、FIMのセルフケア項目の中でも「整容」の採点方法について解説していきます。
FIMにおける整容の評価は、①口腔ケア、②整髪、③手洗い、④洗顔、⑤髭剃り、または化粧の5つの項目を評価していきます。
●7点(完全自立)
●6点(修正自立)
●5点(監視・準備)
●4点(最小介助)
●3点(中等度介助)
●2点(最大介助)
●1点(全介助)
▶︎事例1
髭剃りはしない。介助でも髭剃りをしてもらうことはない。他の整容動作は、自助具なしで自分で行なっている。
次に、FIMのセルフケア項目の中でも「清拭」の採点方法について解説していきます。
FIMにおける清拭の評価は、身体を①胸部、②右上肢、③左上肢、④腹部、⑤右大腿部、⑥左大腿部、⑦右下腿部、⑧左下腿部、⑨陰部、⑩お尻」の10箇所に別けて、身体を洗う、すすぐ、乾かす(拭く)で評価します。
●7点(完全自立)
●6点(修正自立)
●5点(監視・準備)
●4点(最小介助)
●3点(中等度介助)
●2点(最大介助)
●1点(全介助)
▶︎事例1
右下腿と臀部を洗ってもらうが、他は自分で洗っている。
次に、FIMのセルフケア項目の中でも「更衣」の評価項目は、「上半身」と「下半身」の2つに分けて評価します。
FIMにおける更衣の評価範囲は、衣類を「①脱ぐ」「②着る」を評価します。タンスから衣服を取り出す、片付ける行為は、準備に含まれます。
●7点(完全自立)
●6点(修正自立)
●5点(監視・準備)
●4点(最小介助)
●3点(中等度介助)
●2点(最大介助)
●1点(全介助)
▶︎事例1
マジックテープなどの改良した衣類を活用すれば自分で着替えることができる
▶︎事例2
ブラウスやシャツのボタンのみ介助が必要だが、あとは自分で着替えることができる
▶︎事例3
上半身の着替えのうち両腕を通してもらうのに介助が必要となる
次に、下半身の更衣の評価範囲は、上半身と同様になります。
※上半身と同様
▶︎事例1
ズボンをタンスから取り出して、貰えば自分で着替えることができる
▶︎事例2
ズボン、下着、靴下、靴のうち、靴下のみ介助してもらっているがあとは自分でできる
▶︎事例3
入浴での着替えは2点だが、朝夕の着替えは見守り5点でできている。
次に、FIM項目の中でも「トイレ動作」の評価について解説します。
FIMにおける更衣の評価範囲は、ズボン・下着の「①着脱」「②陰部を清潔にする」までを評価します。尿器を使用してベッド上でしている場合は、ベッド上での動作を評価します。
●7点(完全自立)
●6点(修正自立)
●5点(監視・準備)
●4点(最小介助)
●3点(中等度介助)
●2点(最大介助)
●1点(全介助)
▶︎事例1
L字手すりを設置すれば、自力でズボンの着脱、清拭ができる
▶︎事例2
ズボンを下げてお尻を拭くことはできるが、ズボンを上げるのに介助が必要となる
▶︎事例3
日中はトイレで3点だが、夜間はオムツを使用し、交換も全て介助で行なっている
▼FIMの評価では、立ち上がりや乗り移りは、「トイレ移乗」の評価対象となります。「トイレ動作」と「トイレ移乗」の評価を間違えないように十分注意しましょう。FIMのトイレ移乗の評価はこちらをご覧ください。
FIM評価のセルフケアの各種6項目の採点方法はご理解いただけましたか?
FIMの評価の中でもセルフケアは、日常生活のメインとなる動作です。そのためFIMの評価項目の中でも、まず基本として食事・整容・清拭・更衣・トイレ動作の正しい採点方法を理解しておきましょう!
▼FIMのセルフケアの採点方法を学んだ後は、排泄コントロールの採点方法について確認していきましょう。詳しくは下記の記事をご覧ください。
デイサービス運営において必要な「評価・測定」について、一挙にまとめていますので、必要に応じて活用していただければと思います。
→→ 【完全保存版】デイサービスで活用できる評価・測定に関する記事まとめ|随時更新
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