個別機能訓練計画書|効率的な作成方法・おさえるべきポイントとは
介護保険法
2024/11/06
介護保険法
介護サービスの種類
更新日:2024/09/11
通所介護には「リハビリ特化型デイサービス」という形態があり、身体機能の維持・向上を目的とした機能訓練(リハビリ)を目的とした利用の需要が高まっています。通所介護は今回は、そんなリハビリ特化型デイサービスと普通のデイサービスの違い、特徴、特化型デイサービスの問題点や区市町村の総合事業通所型サービスの介護予防の課題についてご紹介します。
この記事の目次
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リハビリ特化型デイサービスとは、近年の身体機能の維持や回復を目的とした高齢者のニーズにより、デイサービスの特徴を明確にするため「リハビリ特化型デイサービス」や「機能訓練型デイサービス」などと名称をつけてデイサービスを運営しているものです。
リハビリ特化型デイサービスでは、主に介護予防を目的とした運動や体操など身体機能訓練や利用者が満足する生活ができるように日常生活の訓練を提供しています。
通常のデイサービスとの大きな違いは、理学療法士や柔道整復師などの機能訓練指導員が常駐していることが多く、一人ひとりの身体能力に合わせて個別機能訓練を用意している点です。
また、リハビリ特化型デイサービスの多くが3〜5時間といった短時間で運営していること、入浴サービス・食事サービスがないこともその特徴の1つです。
このようなリハビリ特化型デイサービスは、こんな方にオススメです。
【リハビリ継続理由のトップ5】
1位:身体機能を治したい:78.8%
2位:筋力や体力を付けたい:75.4%
3位:歩けるようになりたい:60.8%
4位:排泄などの動作ができるようになりたい:55.9%
5位:職員やなじみの仲間に会いたい:54.7%
参考:厚生労働省 リハビリテーションにおける医療と介護の連携に関する調査研究(平成29年10月19日アクセス)
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介護保険法でいう「通所介護」のことを一般的に「デイサービス」と言います。
デイサービスは利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練などを提供するものとなっています。デイサービスは、自宅にこもりきりの利用者の孤立感の解消や心身機能の維持、家族の介護の負担軽減などを目的として実施します。
リハビリ特化型デイサービスと普通のデイサービスの違いは、リハビリ特化型の提供サービスがマシントレーニングや機能訓練が中心になっている点です。入浴や食事というサービスは最小限もしくは行わないサービス内容になっており、リハビリのために通う施設と考えておくとよいでしょう。
「通常のデイサービス」と「リハビリ特化型デイサービス」の特徴とサービス内容を比較してみてみましょう。
一般的なデイサービスの特徴 | リハビリ特化型デイサービスの特徴 | |
---|---|---|
特徴 | ・食事、入浴、機能訓練、レクリエーション等などのサービスを提供する・利用者の日常生活のケアや家族のレスパイト目的などが主となる | ・日常生活のケアも行うが身体機能の向上を目的としてサービスを提供する・機能訓練指導員が中心となって、歩行訓練やマシントレーニングなどの訓練が主となる |
提供時間 | 7時間〜9時間で運営していることが多い | ・3時間〜5時間を午前午後の2回転で利用者様を分けて運営していることが多い |
リハビリ特化型デイサービスという名称は、正式なものではありません。また必ずしもリハビリの専門家である理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)が在籍しているわけではありません。
個別機能訓練を算定している通所介護だけで見ると、理学療法士の在籍率が32.0%となっています。
リハビリ特化型デイサービスを利用する場合、どのような1日の流れとなっているのでしょうか?
サービスの主な内容は、事業者によっても異なりますが、今回は短時間(3〜5時間)のリハビリデイサービスのスケジュールを事例にご紹介します。
送迎 | 自宅まで送迎車で迎えがあります。 |
---|---|
体調管理 | 体温・血圧・脈拍を測定し、当日の健康状態を確認します。 |
準備体操 | 準備運動で体をほぐします。 |
機能訓練 | マシントレーニングなどによる運動や機能訓練指導員による個別の運動指導やストレッチなどのプログラムを行います。 |
休息 | 好きな飲み物を飲みながら随時休憩をします。 |
送迎 | 自宅まで送迎車でお送りします。 |
リハビリ特化型デイサービスで行われる訓練にはどのようなものがあるのでしょうか?
それぞれの事業所によってもその特徴は異なりますが、機能訓練の内容を一部ご紹介します。
【訓練内容の事例】
リハビリ特化型デイサービスのご利用料金は、基本的に通常のデイサービスと同様です。ここでは、通常規模のデイサービスの3〜4時間の基本料金(2024年3月時点)を紹介します。
【リハビリ特化型デイサービスの利用料金】
例)通常規模、3〜4時間未満の場合
自己負担割合1割・概算のため1単位を10円として計算(単位と料金同じです)
※ただし、食事やオムツ交換がある場合は別途自己負担となります。また、入浴加算や個別機能訓練加算など別途に加算費用がかかる場合があります。
※時間帯やお住いの地域(市区町村)などによって若干料金が異なります。詳しくは、ご利用予定の事業所にお問い合わせください。
リハビリ特化型デイサービスや通常のデイサービスを利用できる方は、要支援1・2、要介護1〜5の介護保険(要介護認定)をお持ちの方が対象となります。
サービスを利用するまでの大まかな流れは以下の通りです。
リハビリ特化型デイサービスは、超高齢者社会の中で身体機能の回復や維持を目的とした利用者のニーズとともに、その数を増やしてきました。
ここでは、リハビリ特化型デイサービスを運営する場合のメリットについて解説します。
【リハビリ特化型デイサービス運営のメリット】
リハビリに特化したデイサービスとして、その特徴を明確に示すことができます。地域の高齢者やその家族、ケアマネジャーに事業所の特徴を売り出すことができるので利用者の獲得につながりやすくなるでしょう。
リハビリ特化型デイサービスには、機能訓練指導員が常駐していることが多いです。運動や体操に特化した専門家が在籍していることで質の高い機能訓練が提供でき、事業所にとっても利用者にとってもメリットとなります。
通所介護で機能訓練指導員を配置している事業所では、個別機能訓練加算を算定することができます。デイサービスの運営する上で介護報酬が増えることは大きなメリットです。
▶個別機能訓練加算を算定するなら科学的介護ソフト「Rehab Cloud(リハブクラウド)」
2017年度には、要支援の認定を受けている方と事業対象者の方の通所型サービスについては、介護保険給付のサービスから区市町村の自治体が指定監督する事業へ移管されました。
これにより、区市町村の福祉の実態に合わせて提供内容が調整できるようになり、その中で運動に特化したデイサービスを推奨している自治体も増えました。要支援の方など、入浴や食事が自分で行える方にとっては、介護予防の観点からも効果的な運動を実施することが健康寿命の延伸に成果を出す可能性が高いです。通所介護で提供されるサービスの多様性を尊重しつつ、介護保険サービスや総合事業としてどこまでを認めていくかの線引きや、類似する他のヘルスケアサービスとの利用料の差などに課題感は残っています。
リハビリ特化型デイサービスとして、介護保険の方針に沿って提供していくならば、生活機能や自宅での生活に着目して効果的な介入を行なっていく必要があります。
デイサービスの介護報酬は、「個別機能訓練加算」や「生活機能向上連携加算」「ADL維持等加算」などの高齢者のリハビリにおける加算や生活レベルを維持・改善したデイサービスにインセンティブを与える仕組みが増えてきています。
高齢化が進む日本において、要介護者の生活レベルを維持すること・予防に取り組むことこそ価値が高いと考えられます。自立支援を強化するリハビリ特化型デイサービスは、今後ますます需要が見込まれる施設です。
介護度の維持・改善を目的としたリハビリ特化型デイサービスは、まだ十分な受け皿があるとは言えません。だからこそ、これから施設展開を考えている人にとってチャンスがある運営形態と言えるでしょう。
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