疾患別リハ 平成31年3月31日で経過措置終了。介護保険(通所リハビリ・訪問リハビリ等)に移行推進|厚労省より通知

介護保険法

通所介護以外

更新日:2022/02/28

これまで長い期間経過措置がとられてきた要介護・要支援者の算定日数超え「疾患別リハビリ」。厚生労働省は3月8日に3月31日で終了する旨の内容を都道府県に通知しました。スムーズな介護保険への移行を推進することが求められています。今後は、訪問リハビリ・通所リハビリ・通所介護での機能訓練が期待されます。

疾患別リハビリテーションの算定日数とは

記憶に残っている方も多いかもしれませんが、2006年に行われた診療報酬改定において、「長期間によるリハビリは効果がない」とし、診療報酬改定で疾患によりリハビリの行える上限日数が設けられました。

これは「リハビリ難民」という言葉が出たくらい大きな話題となりました。その後、約44万人もの署名が集まり、様々な経過をたどり、算定日数を超えても月に13単位までならリハビリ可能という状況が続いてきました。

今回、厚生労働省より通知された内容は、入院をしている方を除く「要介護・要支援者」を対象とした「維持期・生活期リハビリテーション」における、脳血管疾患リハビリテーション料・運動器リハビリテーション料・廃用症候群リハビリテーション料の算定が平成31年3月31日で終了する旨の通知です。

介護保険サービスも2006年に比べて拡充してきたこともあり、介護保険でのリハビリにスムーズに切り替えることが求められています。

医療保険から介護保険への円滑な移行を促進

平成31年3月中に維持期・生活期リハビリテーション量を算定している患者が、別の施設で介護保険における訪問リハビリテーション若しくは通所リハビリテーション又は介護予防訪問リハビリテーション若しくは介護予防通所リハビリテーションを同一月に併用する場合に限り、介護保険のリハビリテーション利用開始日を含む月の翌々月まで引き続き維持期・生活期リハビリテーション料を1月7単位まで算定することができる。

引用元:厚労省の通知より

介護保険への移行促進の観点から、3月中にちゃんと移行した場合は、翌々月までは1月に7単位まで算定していいですよ。といった内容になっています。


医療機関は居宅介護支援事業所・介護予防支援事業所にサービスが必要である旨を指示する必要がある

維持期・生活期リハビリテーション料を算定している保険医療機関は、平成31年4月1日以降、要介護被保険者等である患者が、介護保険におけるリハビリテーションを希望する場合、当該患者を担当する居宅介護支援事業所又は介護予防支援事業所(以下「居宅介護支援事業所等」という。)に対してリハビリテーションのサービスが必要である旨を指示すること。

なお、保険医療機関が、当該患者の同意を得て、介護保険におけるリハビリテーションへ移行するに当たり、居宅介護支援事業所等の介護支援専門員及び必要に応じて、介護保険におけるリハビリテーションを当該患者に対して提供する事業所の従事者と連携し、居宅サービス計画および介護予防サービス計画(以下「居宅サービス計画書等」という。)の作成を支援した上で、介護保険におけるリハビリテーションを開始し、維持期・生活期の疾患別リハビリテーション料を算定するリハビリテーションを終了した場合は、介護保険リハビリテーション移行支援料を算定できる。

引用元:厚労省の通知より


ここで示しているのは、医療機関がリハビリテーションの継続が必要な旨を居宅介護支援事業所に指示する必要があるということです。

また、患者さんに同意を得た上で、医療機関・ケアマネージャー・介護保険でリハビリを担当する者(例:通所リハビリのPT)が連携して居宅サービス計画書を作成した場合で尚且つ、医療における維持期・生活期リハビリテーションを終了できた場合500単位/回介護保険リハビリテーション移行支援料を算定できることになっています。

指示を受けた居宅介護支援事業所等は居宅サービス事業所等と調整を行う

保険医療期間から指示を受けた居宅介護支援事業所等は、要介護被保険者等の介護保険におけるリハビリテーションへの移行等が適切にできるよう、居宅サービス計画等の作成や変更について居宅サービス事業所等との調整等を行うこと。

また、居宅サービス計画等の作成にあたっては、居宅介護支援事業所等の介護支援専門員等が作成した居宅サービス計画等の原案に位置付けた居宅サービス事業所等の担当者を招集して行う会議(以下「サービス担当者会議」という。)を開催し、専門的な見地からの意見を求めることが必要であるが、サービス担当者会議を開催することにより、当該要介護被保険者等に対して継続した介護保険のリハビリテーションの提供に支障が生じる等のやむを得ない理由がある場合には、担当者に対する照会等により意見を求めることも可能である。

引用元:厚労省の通知より

指示を受けた居宅介護支援事業所は適切に移行ができるように調整を行い、居宅サービス事業所(例:通所リハビリ)の担当者とサービス担当者会議を実施し、ケアマネージャーは居宅サービス計画書を作成する必要があります。

但し、業務に支障がでるなどの理由で会議に出席できない場合は、照会等によって対応することでも可能です。


医師がリハビリ継続必要と判断される場合には継続できる

ここで注意しておきたい点として、医師が「医療保険でのリハビリ継続が必要」と判断した場合は継続することができます。

但し、明記されていませんが、医師が判断するということは月に1回の診察においてその旨を記録を残すことが必要になることが示唆されます。


通所リハビリテーション・訪問リハビリテーションのみならず、通所介護の役割も期待される


医療保険からのリハビリテーションの移行ということもあり、通所リハビリテーションや訪問リハビリテーションのその多くが受け皿となります。

とはいえ、増えてきたと言ってもまだまだ通所リハビリや訪問リハビリを提供する事業者は少なく、通所介護が圧倒的に多い現状があります。

通所リハビリ・訪問リハビリへの介護保険へうまく移行できないケースも考えられ、この場合は通所介護における機能訓練も重要な役割を担うことになります。

まとめ

疾患別リハの月13単位の経過措置終了の件についてご紹介しました。

今後、維持期・生活期におけるリハビリは介護保険への移行へとより加速していくと考えられます。

医療機関は医療機関で対応を考えなくてはなりませんし、介護事業者も通所リハビリや訪問リハビリだけではなく、通所介護における機能訓練の拡充や質の向上がより求められるようになるかもしれません。

それでは、最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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この記事の著者

作業療法士  藤本 卓

作業療法士として大手救急病院に入職。救急医療や訪問リハビリ、回復期リハビリテーション病院の管理職として従事後、株式会社Rehab for JAPANに参画。作業療法士、呼吸療法認定士、住環境福祉コーディネーター1級、メンタルヘルスマネジメント検定Ⅱ種、生活習慣病アドバイザーの資格を有し、専門的な知識と現場での知見を元に、事業所の支援を行う。機能特化型デイサービスでは、2ヶ月で「稼働率72%から95%に」アップさせるなどの実績をもつ。

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