口腔機能向上加算とは|(Ⅰ)(Ⅱ)の違い・算定要件・計画書について
介護保険法
2024/10/09
介護保険法
個別機能訓練加算
更新日:2024/09/18
【令和6年報酬改定対応】デイサービス(通所介護)で個別機能訓練加算を算定する上で、利用者の日常生活等やニーズについて把握する方法として活用することが示されている興味関心チェックシート。今回は、シートの目的・活用方法・記載例をご紹介します。
この記事の目次
興味・関心チェックシートとは、通所介護で個別機能訓練加算を算定する場合に、利用者の日常生活や社会生活等について、現在行っていることや今後行いたいこと(ニーズ・日常生活や社会生活等における役割)を把握するために活用することと示されたシートです。
通所介護では、個別機能訓練加算を算定する場合に「居宅訪問」が必須となり、その際の情報収集として厚生労働省は「生活機能チェックシート(旧:居宅訪問チェックシート)」を活用することを提示しています。居宅訪問の際に興味・関心チェックシートを使用することは示されてはいません。
厚生労働省のサイトから「興味・関心チェックシート」をダウンロードすることができます。
(以下のリンク先の、リハビリテーション・機能訓練、栄養、口腔の一体的取組に関する通知(別紙様式3ー1)興味・関心チェックシートです。)
▶︎令和6年度介護報酬改定について
医療や介護現場では、治療計画やサービス計画の立案として本人の希望や要望を聴取します。しかしながら、急に「どんなことがしたいですか?」と問われても、今したい目標はすぐにはでてきません。そんなときに、本人が持つ興味や関心を引き出すための「興味・関心チェックシート」が役立ちます。
興味・関心チェックシートを活用して情報取集を行うことで、個別機能訓練計画書の目標をより具体的に立案できるようになります。
リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組についてという通知の中で
利用者の日常生活や社会生活等について、現在行っていることや今後行いたいこと(ニーズ・日常生活や社会生活等における 役割)を把握する。これらを把握するにあたっては、別紙様式3-1の興味・関心チェックシートを活用すること。またあわせて、利用者のニーズ・日常生活や社会生活等における役割に対する家族の希望を把握する。
以上のように、厚労省が興味・関心チェックシートの活用することを推奨していることからも興味・関心チェックシートは使用した上で利用者の評価をしていくことが無難でしょう。
記入頻度に関しては、機能訓練指導員等は個別機能訓練の目標を設定するにあたり、
利用者のニーズ等の状態の確認を行う必要があることから、目標設定の期間毎に作成する必要があるでしょう。
興味・関心チェックシートの評価項目には、日常生活や家事動作、趣味、スポーツ、社会参加などがあります。活用方法は至ってシンプル。それぞれの項目に対して本人が「している」「してみたい」「興味がある」の3つに「○・×」を付けていくだけです。
興味・関心チェックシートの具体的な使い方は厚生労働省からは示されていません。活用方法は、一般社団法人日本作業療法士協会が示している方法がありますので、日本作業療法士協会が作成したパンフレットをご参考ください。
興味・関心チェックシートを使用するのは、デイサービスの個別機能訓練計画書を作成するときです。具体的には、個別機能訓練計画書の長期目標や短期目標を立案する前の「本人の希望」に関して、興味・関心チェックシートが活用できます。
趣味や社会参加への「興味」や「希望」「目標」は、情報収集するのが難しい内容です。そのため、興味・関心チェックシートを活用して利用者様の「趣味・嗜好」「社会参加への意欲」などを新たに発掘して、介護現場での目標設定に活用していくことができます!
厚生労働省からも個別機能訓練計画書を作成する前の評価方法として推奨されています。
加算算定にあたっての目標設定・個別機能訓練計画の作成
ア 利用者の社会参加状況やニーズ・日常生活や社会生活等における役割の把握、心身の状態の確認
機能訓練指導員等は、個別機能訓練の目標を設定するにあたり、以下の①~④により、利用者のニーズ・日常生活や社会生活等における役割の把握及び心身の状態の確認を行う。
① 利用者の日常生活や社会生活等について、現在行っていることや今後行いたいこと(ニーズ・日常生活や社会生活等における役割)を把握する。これらを把握するにあたっては、別紙様式、別紙様式3-1の興味・関心チェックシートを活用すること。またあわせて、利用者のニーズ・日常生活や社会生活等における役割に対する家族の希望を把握する。
参照:通所介護及び短期入所生活介護における個別機能訓練加算に関する事務処理手順例及び様式例の提示について令和 3 年3月 16 日
興味・関心チェックシートは、チェックがあった項目について、いつ・どこで・誰と・どんなふうに・どの程度 「しているのか」「してみたい」のかなどを確認します。
チェックを通して「機能訓練の手がかりを探すこと」が目的の一つです。
例えば、ここでチェックされている「ボランティア」を掘り下げてお聞きすることで、本人の意欲が湧きやすく、かつ日常生活上で活性が上がりそうな内容を検討することができるようになります。
興味・関心チェックシートの他に、合わせて知っておいていただきたいものに「生活機能チェックシート」があります。
生活機能チェックシートは、対象者が自宅でお困りの「寝返り、立ち上がり・起き上がりなどの基本的な動作」「食事・排泄・入浴・更衣などの日常生活動作」「調理・洗濯・掃除・階段昇降などの応用動作」を評価するシートです。
このシートを活用することで「今現在している生活」や「環境の問題点」を把握することで生活状況や環境を把握することができます。
また、生活環境においての問題点などもチェックすることで、個別機能訓練計画書や通所介護計画書において、より実践的な「目標」と「機能訓練」を提示することができるようになります。
興味・関心チェックシートと似たものとしては、NPI興味チェックリスト(Neuropsychiatric Institute Interest Checklist)もあります。
NPI興味チェックリストは、園芸、裁縫、トランプ、外国語、クラブ活動、ラジオ、将棋などの80項目に対する興味を、「強い(strong)」、「普通(casual)」、「なし(no)」の3つの選択肢から選んでチェックします。
このチェックリストを使用することで対象者の興味の強さや興味のタイプを判別することができます。
今回は、個別機能訓練加算を算定する上で活用することが示されている興味・関心チェックシートの目的や活用方法・記載例についてまとめてご紹介しました。
個別機能訓練加算を算定する場合は、利用者様の身体状況や生活状況に合わせた、より具体的な計画を個別機能訓練計画書として作成しなければなりません。そのためには、興味 ・ 関心チェックシートなどの評価指標を活用して情報収集することが最大のポイントとなります。
ぜひ、皆様も興味 ・ 関心チェックシートを活用してより具体的な計画書作成に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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