口腔機能向上加算とは|(Ⅰ)(Ⅱ)の違い・算定要件・計画書について
介護保険法
2024/10/09
介護保険法
基本報酬
更新日:2024/09/10
通所介護や訪問介護で介護サービスを提供した際に、介護報酬を得るためには具体的にどのようなサービスを提供したかを記録しておかなければなりません。この記事では、サービス実施記録票の作成時に載せる項目や、書き方などについて解説します。
この記事の目次
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一般的に、介護の記録方法は3つあります。
主観情報(S)、客観情報(O)、判断(A)、計画(P)の4項目からなる記録方法です。大規模な施設や疾病・リハビリなどの身体状況が変化していくようなケース、医療的ケアが必要なケース、認知症に罹患しているケース、長期入居・居宅での長期支援が想定されるケースに適していると言われています。
福祉分野向けの新たな項目形式として開発された記録方法です。介護記録に留まらず、医療介護福祉の多領域で活用可能な記録法として利用されています。
F-SOAIPの内容は以下の通りです。
Focus(着眼点): ニーズ、気がかり等。ケアプランの目標・課題や プランと連動
Subjective(主観的情報): 利用者(キーパーソン含む)の言葉
Objective(客観的情報): 観察・状態や他職種から得られた情報、環境・ 経過等
Assessment(アセスメント): 援助者(記録者本人)の判断・解釈。気づき や考えを記載
Intervention(介入・実施) :援助者(記録者本人)の対応。支援、声かけ、連絡調整、介護
Plan(計画): 当面の対応予定
経時記録法は、実施した経過を時間に沿って叙述的 に記入する方法です。出来事・場面を順序立てたり、要約したりしながら、記録者が自由に書ける点が特徴です。日記のような内容で、接続詞の多用や伝聞調の書き方が多いと言われています。
介護業界では「経時記録法の簡易項目化版」が一般的で、こちらを使ってサービス実施記録票が作成されています。
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サービス実施記録票とは、利用者の健康状態や提供した介護サービスの内容を記録するものです。また、介護サービスを受けているときの利用者の様子なども記載する必要があります。名称はさまざまで、法令では「サービス提供の記録」となっています。
サービス提供時は利用者の心身の状況や身体機能を評価する必要があります。このほかにも、バイタルサインや入浴の様子、送迎時間などを記録しなくてはなりません。
通所介護計画の目標を達成するためには、きちんとした介護サービスの実施が求められています。そして、目標を達成するためにどのような介護サービスを行っているのかを具体的に記録しなければなりません。利用者がどのような反応を示し、心身ともに経過が順調であるかも記載することが求められています。
デイサービスではサービス実施記録の他に、目標を達成したかどうかを記入するモニタリングシートなどの記録表があります。詳しくは以下を参照してください。
▶デイサービス(通所介護)のモニタリングシートとは|書き方・モニタリングを行う期間・記入例
通所介護のサービス実施記録票に載せる項目として、入浴やバイタルサインの実測数値があります。さらに食事などの様子や実際に利用者が食べた量なども記録しましょう。実際の書き方については、法令で定められた様式はないですが、日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況などを記録していることが必要です。
送迎の到着時間と事業所からの出発時間を記録します。通所介護では、送迎を行わない場合に減算を算定することになるのが大きな理由です。きちんと送迎が実施されているかどうかを証拠として残すために、車両運行記録と併せて記録を残します。
記録例:〜時〜に事業所を送迎車が出発。利用者は〜時〜分に施設に到着される。
体温と脈拍、血圧を記録します。デイサービスで提供する機能訓練、レクリエーションや入浴などのサービスでは、利用者の健康状態を把握した上で実施されていることが前提になるためです。
利用者が体調不良の際は、介護サービスの内容を一部変更したり、入浴を別日に振り替える判断をすることがあります。介護サービスを実施しないときは、なぜそのような判断に至ったのかを記録することが望ましいです。その際、体調不良を具体的に記録するためにバイタル測定が求められます。
また、インフルエンザをはじめとする感染対策のためにも、バイタルを記録することが求められています。
記録例:BP123/88 P102 KT36.1 SAT98%で、ご本人に異変はみられず。頻脈にてナースより実測指示あり。ナースより首にて実測、P97回とするが少々不整脈気味とのこと報告ある。
入浴の時間とそのときの様子を記録します。備考欄には、入浴時に利用者が訴えられた症状や困り事なども記録すると良いでしょう。皮膚状態がかんばしくない場合は、入浴後に薬の塗布をしたかを記入しましょう。
入浴前後、血圧の上昇や心拍の変化により、利用者の体調に変化が起こりやすくなります。家族に説明するべき点、気になる点があれば、記録しておくのが良いでしょう。
また、留意すべき点が見つかった場合、サービス実施記録票に記入して、職員間で情報を共有することが大切です。
記録例:入浴時は更衣自立。浴槽から出られる際にふらつきが見られたので、一部介助を行う。入浴後に痒み訴えあり、ナースにて保湿剤塗布。入浴後は水分250ccを飲まれ「気持ちよかった」とのお言葉いただく。水分摂取時は、むせ込むことなく笑顔で着席していた。入浴後30分ほど経過すると、足取りは軽くなり、ふらつきも消失。元気な様子で過ごされる。
通所介護利用中の食事の様子や摂取量、水分摂取の状況などを記録します。
また食事摂取時の状況も書くようにすると、機能低下により嚥下状態が思わしくない時にも改善方法を考えやすくなります。
昼食時やおやつの時間など時間帯を分けて記録すると良いでしょう。水分摂取量についても記録すると、脱水の予防につながります。
記録例:12時30分から13時。200ccほど水分を摂取。主食10割、副食は肉を中心に7割ほど召し上がる。お茶でむせる様子が時々見受けられる。そのため、ゆっくり召し上がるようにご提案する。昼食の摂取後半においては、時たま前傾姿勢が見られたため、PTに報告した。
なお、 毎日行っている介護行為の記録は、チェック項目化して記入することで更なる効率化も図ることができます。
食事記録(食事摂取量、介助方法、水分摂取内容・量など)などを項目化しておくと便利です。
排泄の介助を行った場合は、排泄の状況や回数などを記録します。
リハビリテーションパンツや尿とりパッドの使用状況をチェックします。排尿・排便があった場合は、その回数や量も記載しましょう。そのほか便の色に異変があったり、排尿痛などを訴える様子が見られた場合は詳細を記入します。
記録例:〜時〜分に排尿あり。同時刻、排便あり。泥状便のため、ナース報告を行う。ご本人に腹痛などの訴えは聞かれない。
なお、 食事記録と同じように、毎日行っている介護行為の記録は、チェック項目化して記入することで更なる効率化も図ることができます。排泄介助方法、時間、排泄物の状 態などを項目化しておくと便利です。
活動の欄には、体操や個別機能訓練・集団機能訓練、口腔体操や口腔ケアの実施有無を記録します。またその際、利用者がどのような表情で意欲的に参加していたかも記録することが望ましいです。
このように詳細を記録することで、レクリエーションの種類や内容を考える際にも役立ちます。
この日、日中全体で見られたことがあれば記録します。また、申し送りをされた場合は、前回のサービス利用時と比べて、今回はどのような様子だったかも細かく記載しましょう。様子観察を連日することで、その利用者の行動の癖や異変に気付きやすくなるためです。共通の認識を持ってサービスを提供できるように記録することが望ましいでしょう。
記録例:本日のサービス提供時、全体を通してご本人の活気なし。時々30分ほどの傾眠が見られる。お声がけするも「起きたくない」との訴えが聞かれる。明日の介護サービス利用時のご様子も要観察として、職員周知を徹底した。
介護報酬を得るためには、国のルールに基づききちんと記録をすることが大切です。
様式は決まっていないものの、利用者が通所介護サービスを利用している間の様子などが具体的にイメージできる記録であることが望ましいです。滑落や転倒などの事故があった際にも、このようなサービス実施記録票が具体的な記録が家族への説明に役立つこともあります。
利用者がサービスを開始したときから、介護サービスを受けることで、どのような変化があったのかがわかりやすいと良いでしょう。そのために、日頃から利用者の様子や言動などをなるべく詳細に記録していく必要があります。現場の看護師や介護士、機能訓練指導員などと連携して、誰が利用者のケアにあたっても記録を読んで、理解できるのが理想です。
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記録した内容は各種帳票へ自動で連携するため、何度も同じ内容を転記することがなくなります。また、文章作成が苦手な方でも、定型文から文章を作成できるので、簡単に連絡帳が作成できるなど、日々の記録や書類業務を楽にする機能が備わっています。