介護保険請求の返戻とは?理由と再請求の仕方を解説

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更新日:2024/04/04

介護保険の請求後に国保連合会から請求明細書などの不備を指摘され、報酬が支払われないことを返戻と言います。この記事では介護保険請求の流れと、返戻があった際の再請求の仕方、返戻になるケースについて解説します。

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介護保険請求の支払いの仕組み

介護保険で提供したサービスの報酬を受け取るには、請求書類を用意して国保連合会に提出する必要があります。
介護保険請求の支払いは、おもに以下の流れで行います。

  1. 利用者と契約を行い、サービスを提供
  2. 居宅介護支援事業所にサービス提供の実績を報告
  3. 「介護給付費明細書」を作成して国保連に提出
  4. 国保連からの介護報酬の支払いを受け取る

国保連の請求には期限があり、毎月1日から10日までに必要書類を提出しなければいけません。
書類の請求方法は基本的にインターネットか、電子媒体(CD-Rなど)を用いた提出と定められています。

介護報酬の請求方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

介護報酬の請求方法とは?仕組みや流れをわかりやすく解説

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返戻とは

「返戻」とは介護保険報酬を請求した際に、介護給付費明細書の内容に不備(エラー)があり、国保連合会から書類が戻されることです。

返戻となった事業所には「請求明細書・給付管理票返戻(保留)一覧表」が送付されます。

一覧表には「エラーコード」という記号が記載されており、その内容によってどこにエラーがあったのかがわかります。

エラーコードは複数のカテゴリに分類されており、それぞれの意味は以下の通りです。

AA形式誤り
AB項目属性誤り
AC二重登録(一次)
AD台帳突合誤り(一次)
AEサービス提供年月誤り 
AG緊急情報関連
AH特定情報関連
AN二重登録(資格)
AR償還系誤り
AS計算誤り
AT数値不正(一次)
AU数値不正(資格)
Y医療
ZZその他
10事業所基本台帳またはサービス台帳
12受給者台帳
13法別管理台帳/公費負担者台帳
14介護給付費単位数表/サービスコード管理/給付単価表/特定診療・特別療養・特別診療表
15種類別市町村固有台帳
16市町村特別給付台帳/地域密着型サービスコード台帳
20介護予防・日常生活支援総合事業サービスコード台帳

参考:東京都国民健康保険団体連合会 エラーコード一覧 (令和4年11月以降審査分)(2023年3月12日確認)」

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返戻となる主な理由

介護報酬での請求で返戻となる理由は、主に以下の通りです。

①請求準備段階
・事業所の体制変更未提出

②サービス提供後の自事業所の請求
・利用者の明細書の重複
・サービス提供月の利用者情報更新忘れ

③他事業所(居宅事業所)のデータ入力
・自事業所とのデータの相違

ここではそれぞれの理由について詳しく解説します。

事業所の体制変更を届けていない

事業所の体制が変わったときに都道府県や市区町村に届出を出していない場合も注意が必要です。

体制の変更にともなって新しく提供するサービス(加算)の種類によっては、届出を出さないと算定が認められないケースがあります。

そのため、体制変更後に介護報酬の請求をしても、国保連合会が保有している事業所情報と一致せずに返戻となるのです。

事業所の体制変更をしたら、必要に応じて届出を提出し、新しい加算を算定できるようにしておきましょう。
届出の提出期間は地域によって異なるので、あらかじめ都道府県や市区町村などのホームページを確認してください。

利用者の明細書の重複

同月に利用者の請求明細書を重複して提出したとき、1通目以外の書類は返戻対象です。
これは最初の書類内容に誤りがあり、あらためて2回目の請求明細書を提出した、というケースで起こり得ます。

再提出が必要と判断した場合、国保連合会へ請求の取下げを申請する必要があります。
申請後に「介護給付費過誤決定通知書」が送付されるので、内容を確認して取下げが認められたら再度提出をしましょう。

サービス提供月の利用者情報更新忘れ

サービスを提供している途中で要介護度に変更があったときも注意しましょう。
変更後に提供したサービスの単位数を反映せずに請求をすると、返戻の対象となります。

たとえば、4月20日に区分が変更したら、その日から新しい要介護度に応じた単位数で請求を行わなければいけません。

また、区分の変更中は新しい要介護度が確定していないため、請求を行えません。
確定のタイミングによっては、翌月の請求となるケースもあります。

自事業所とのデータの相違

居宅介護支援事業所が作成する給付管理票の内容に不備があるか、提出漏れがある場合も返戻の対象となります。
給付管理票が返戻されると請求明細書の審査ができないので、支払いも行われなくなってしまいます。

請求業務の際はケアマネジャーに提出状況や返戻の有無を確認し、なるべくスムーズに対応していただくよう依頼しましょう。

返戻の際の再請求の仕方

提出書類の不備で返戻となった場合、請求月から翌月上旬にかけて「請求明細・給付管理票返戻(保留)一覧表」が届きます。

一覧表にはどこに不備があったのかが記載されているので、確認し訂正した上で請求明細書をはじめとした書類を再提出します。

再提出は翌月以降に行い、その月の請求書類と一緒に1日から10日までに行いましょう。

返戻後の対応については地域によって異なる可能性があるため、管轄の国保連合会のサイトをあらかじめ確認してください。

介護報酬請求前にルールを確認しミスを防ごう

月々の介護報酬請求の内容に不備がある場合、返戻となり再度書類を提出する必要があります。

返戻の理由はさまざまで、送付される「請求明細書・給付管理票返戻(保留)一覧表」のエラーコードで確認が可能です。

特に利用者の要介護の区分が変更されたり、事業所の体制が変わったりするタイミングで、返戻が発生しやすいと言えます。

そのため、利用者の状態や普段の業務など、何かしらの変化が見られた場合は請求業務の内容に注意することが大切です。

管轄の国保連合会の情報もチェックしつつ、ミスがないようにレセプト業務を進めていきましょう。

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この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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