科学的介護とは?|今知るべき基本とそのメリット・今後の介護の形とは

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更新日:2024/01/19

今後の介護について考えるとき、科学的介護について知っておかなければいけません。 「科学的介護」は令和3年の介護報酬改定以降、理想の介護の形として位置づけられている考え方です。ここでは、科学的介護の基本の考え方とメリット、期待できる効果などを解説しています。  

「科学的介護」とはそもそもなにか

科学的介護とは、「科学的根拠(エビデンス)にもとづく介護」のことを指す言葉です。医療現場では客観的なデータをもとに治療効果を検証し、適切なサービスが提供されています。

その一方で、介護現場では介護職員による経験や感覚をもとにサービスを提供しがちでした。

このような状況を解決するために、介護現場でさまざまなデータを収集・評価したうえで、科学的根拠のあるサービスの提供が推進されています。

参考:熊本県|科学的裏付けに基づく介護(科学的介護)とは(2023年1月8日確認)

今までの介護との違い

今までの介護では、介護職員の経験や感覚をもとにしたサービスを提供することが多かったです。しかし、経験をもとにしたサービスが必ずしも 利用者全員に対して効果的とは限りません。

また、各職員が経験や感覚に頼ったサービスを提供すると、内容にばらつきが生じてしまいます。このような問題を解消し、利用者全員に質の高いケアを提供するためには、科学的根拠にもとづいた介護が重要となるのです。

科学的介護情報システム「LIFE」とは

科学的介護を推進するものとして、「LIFE」と呼ばれるシステムの運用が開始されています。ここでは、LIFEの概要や導入にあたっての変化などについて詳しくみていきましょう。

LIFEの概要と目的

LIFEとは「Long-term care Information system For Evidence(科学的介護情報システム)」の略で、利用者の情報やケアの内容をデータベースに入力することで、厚生労働省が分析やフィードバックを行うシステムです。

LIFEはデータにもとづくPDCAサイクルを促進し、より科学的根拠のあるケアを提供することを目的としています。

LIFEの具体的な利用方法

LIFEの具体的な利用方法としては、まずはWebサイトから利用手続き申請をし、IDやユーザーを設定・登録する必要があります。

そして厚生労働省から送られてくるFAXを受領し、ログインやセットアップを行いましょう。その後は、利用者情報や様式情報を登録します。

さらに詳しい内容を知りたい方は、ホームページより操作マニュアル等を確認してみてください。

▶️LIFEホームページ

LIFEの導入がもたらす変化

LIFEを導入してデータを厚労省に提出することでフィードバックが得られますので、それを科学的介護の実践に生かすことが出来るようになります。

その結果、根拠にもとづいたサービスを提供できるようになり、職員全体のケアの質が高まりやすくなります。また、LIFEは新人教育にも活用でき、ベースとなるスキルを効率的に伸ばせるようにサポートしてくれるでしょう。

LIFEについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

▶LIFE(科学的介護情報システム)とは?目的と役割・LIFE活用が要件の加算一覧

科学的介護推進体制加算について

科学的介護を推進するにあたり、設けられたのが「科学的介護推進体制加算」です。

科学的介護推進体制加算とは、利用者の情報を厚生労働省に提出し、フィードバックされたデータを活用したときに算定される加算です。

この加算を算定することで科学的介護の推進につながり、より質の高いケアの提供につながります。

具体的な単位や算定要件は以下の通りです。

名称 科学的介護推進体制加算
単位数 40単位/月
対象 要介護、要支援、事業対象者
算定要件
  • 利用者ごとのADL、口腔機能、栄養状態、認知症の状況・その他の利用者の心身の状況等に関する基本的な情報を、厚生労働省(LIFE)に提出していること
  • サービスの提供に当たって、上記の情報、その他サービスを適切かつ有効に提供するために必要な情報を活用していること
    ※例えば、LIFEからのフィードバックを元にサービス計画書を見直したり、支援内容を変更したりすること
届出先 都道府県または市区町村
届出期限 原則算定開始する月の前月15日まで

また、科学的介護推進体制加算の対象となるサービスは以下の通りです。

  • 通所介護
  • 地域密着型通所介護
  • 認知症対応型通所介護(予防含む)
  • 特定施設入居者生活介護(予防含む)
  • 地域密着型特定施設入居者生活介護
  • 認知症対応型共同生活介護(予防含む)
  • 小規模多機能型居宅介護
  • 看護小規模多機能型居宅介護
  • 通所リハビリテーション(予防含む)

科学的介護推進体制加算について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

科学的介護推進体制加算の算定要件とは?LIFEへの提出頻度や記入例

科学的介護がもたらすメリット

科学的介護の推進にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、そのメリットについて詳しく解説します。

データ活用による介護の質の向上

科学的介護を実践することによって、介護の質向上につながります。LIFEに介護に関するデータを提出すると、蓄積された情報の分析結果をもとに、事業所にフィードバックされます。

そのフィードバックで得られた情報を活用することで、科学的根拠のある介護サービスを提供できるのです。LIFEによってPDCAサイクルを回せば、さらなる介護の質向上が見込めるでしょう。

加算による経済的メリット

科学的介護を推進すれば「科学的介護推進体制加算」の算定が可能となるので、経済的なメリットにもなります。

その他にも、個別機能訓練加算(Ⅱ)や栄養アセスメント加算など、LIFEの活用によって算定できる加算も多くあります。

それらの加算を算定できれば、事業者への利益となるだけでなく、利用者にも幅広いサービスを提供できるきっかけとなるでしょう。

科学的介護を実践している事業所事例

ここでは、科学的介護を実践している事業所の事例についてみていきましょう。

DSセルリア株式会社様

リハビリ型デイサービスを20事業所運営しているDSセルリア株式会社では、自社システムではLIFEの提出に対応できないという課題がありました。

LIFEに関係した算定の加算のために、「Rehab Cloud リハプラン」を導入。

導入後はLIFE関連の加算が算定できるようになり、結果的に月約240万円、年間で約3,000万円の売り上げアップにつながりました。

さらに残業時間の削減や業務効率化によって仕事の負担が減り、離職率も28%から14%に下がりました。

▶️法改定を機に自社システムからシフト!年3,000万円の増収益

社会福祉法人小田原福祉会様

社会福祉法人小田原福祉会「潤生園 みんなの家ほりのうち」は、地域密着型の通所介護事業所です。

定員は33名で、機能訓練を実施するために看護職員が2名在籍しています。

一人ひとりにあわせた機能訓練を提供するために、「Rehab Cloud リハプラン」の導入を決定。機能訓練の計画作成がスムーズになったことで、エビデンスのある運動を提供できるようになりました。

その結果、利用者の満足度が上昇し、さらに個別機能訓練加算の算定によって前年同月比で約105%の売り上げアップにつながりました。

▶️「なんとなく」から「エビデンス」のあるリハビリ提供へ

株式会社ふくふく様

株式会社ふくふくが運営している通所介護事業所「デイサービスちゃお」では、個別機能訓練計画書をはじめとした書類作成に時間がかかるという課題がありました。

そのような書類業務の時間を削減し、データを活かしたサービスを提供するために、「Rehab Cloud リハプラン」を導入。

導入後は書類業務にかかる時間が短縮され、質の高い計画書を作成することが可能となりました。

また利用者の状態をグラフで可視化できるので、課題点が特定しやすくなり、データにもとづいた機能訓練の提案ができるようになりました。

▶️データで改善結果を示せる!ケアマネから利用者紹介が増えた

科学的介護を理解して介護サービスの質向上を

利用者に質の高い介護サービスを提供するためには、科学的介護は欠かせない要素です。

職員ごとの経験や感覚だけに頼ったケアを行うと、サービスの質にバラつきが生じるだけでなく、利用者にとって不利益となる可能性も高まります。

科学的根拠にもとづいたサービスを提供することで、そのような問題が解消され、利用者に適切なケアができるようになるでしょう

科学的介護を推進するには、LIFEの目的や使い方を理解し、うまく活用することも大切です。介護の質向上や加算による経済的メリットを得るためにも、科学的介護の重要性をおさえておきましょう。

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この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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